病理学/循環器
用語
編集先天性心疾患に比較的によく見られる症例として、左右の心室や心房を隔てる隔壁が未発達で、血液が通行してしまったり、穴が空いてしまっていたりする現象があり、この現象のことをシャント(短絡、shunt)という。
先天性心奇形
編集統計など
編集心奇形の80%は原因不明である[1]。
心奇形を引きおこす事の分かっているものには、染色体異常、低酸素、感染症、放射線[2]、薬物・アルコール[3]、ホルモン異常[4], などがある。
また、全出産における奇形の0.1%は心奇形である[5]。
シャント
編集心臓の左右において、シャントが起きている患者の多くは、通常、血圧の高い心臓左側から、比較的に血圧の低い心臓右側へと、血液が流れ、この現象を左右シャントという[6]。
しかし稀に、心臓右側から心臓左側に血液の流れるシャント患者もいて、[7]この流れかたを右左シャントという。。
右左シャントの患者では、静脈血が動脈血に混ざるため[8]、チアノーゼを生じる。
(ただし、左右シャントによるチアノーゼもありうる[9]。)
- アイゼンメンガー症候群
※ 未記述.
心室中隔欠損症
編集※ 未記述.
心房中隔欠損症
編集※ 未記述.
ファロー四徴症
編集心奇形は、複数の奇形を伴うことが多く、
の4つを伴う症状をファロー四徴症という。
- ※ ファロー四徴症の「四」の部分はは慣習的に漢数字で書く。下記の五徴症も同様、漢数字。
新生児期(生後1ヶ月[12]ごろ~)からチアノーゼが見られる[13][14][15]。
- ※ 『スタンダード病理学』には、ファロー四徴のチアノーゼが書いてない。
大血管転位症
編集正常なら、右心室は肺動脈を仲介して肺につながる。
しかし、異常により、(右心室ではなく)左心室が肺動脈を介して肺に繋がっていく場合がある。
このように、心室・心房と、肺動脈や大動脈との繋がり方に、異常のあるのが、大血管転位症である。
- ※ 『スタンダード病理学』には、大血管転位症が書いてない。
- ※ 文献ごとに説明の傾向がやや違うので、詳しくは専門書を確認せよ。
大動脈狭窄症
編集先天奇形における大動脈狭窄症は、大動脈が狭窄を起こしている症状であり、幼児型[18](「乳児型」[19]ともいう) と 成人型 の2種類がある。
- ※ 文献ごとに説明の傾向がやや違うので、詳しくは専門書を確認せよ。
- ※ なお法律や行政では「成人」という用語は近年は避けられているが(法律用語では「成年」(せいねん)などに言い換えている。)、医学では引き続き「成人」という語句を使っている。
虚血性心疾患
編集心臓には、大動脈や大静脈、肺動脈や肺静脈のほかにも、心臓そのものに血液を送る冠動脈および、冠動脈からの帰り道の静脈である冠静脈がある。
冠動脈のことを冠状動脈[20]ともいう。
狭心症とは、冠動脈の(動脈硬化などによる)閉塞であるが、壊死には陥ってない状態である。
心筋梗塞とは、冠動脈が閉塞し、心筋が限局的に壊死に陥った状態である。
狭心症や心筋梗塞では、患者は胸の痛みを感じる。
- ※ 狭心症の発作の胸痛を抑えるには、ニトログリセリンを舌下投与する[21]。
- (『標準病理学』にも『スタンダード病理学』にも『シンプル病理学』にも、ニトログリセリンの事は書いてない。ニトログリセリンについては、「薬」理学の範囲になる。(「病」理学ではなく「薬」理学の)『標準薬理学』や『NEW薬理学』(南江堂)にはニトログリセリンと狭心症の関係について書いてある。)
感染性心内膜炎
編集心内膜と弁膜とは意味がやや違うが、心内膜炎の多くは弁膜に異常を起こす事が多い。
黄色ブドウ球菌は、急性の心内膜炎を起こす。
緑色連鎖球菌は、亜急性の心内膜炎を起こす。
リウマチ性心疾患
編集リウマチ熱と関節リウマチとは、異なる病気である。
心疾患でいう「リウマチ」とは普通、リウマチ熱のことである。
リウマチ熱は、小児や若年に多い。(なお、関節リウマチは中年[22]に多い。)
この小児や若年のリウマチ熱に伴い、心内膜炎が発生する。
リウマチ性心筋炎では、心筋の炎症部に、アショフ結節[23](「アショッフ体」[24]ともいう)という特徴的な肉芽組織を示す。
心筋炎
編集感染性心筋炎
編集心筋炎では、ウイルス感染によるウイルス性心筋炎が多い[25]。
心筋炎を起こすウイルスには、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、などが知られている。
コクサッキーウイルスにはA型とB型があるが、特にコクサッキーB型が心筋炎を起こすとされている[26][27]。
心筋にリンパ球を主体とする浸潤が見られ、心筋細胞は変性している。
心筋症
編集心筋炎とは異なる。
心筋症とは、心臓になんらかの障害がある事[28]。
かつて原因不明なものを「突発性心筋症」と呼んでいたが、原因の究明のより必ずしも突発的でなくなってきたので、「突発性」という言い方はしなくなった。
- 拡張型心筋症
拡張型心筋症は、心室の拡大と、心筋の収縮不全がある。予後は悪い(予後不良)。
一部に家族性のものもあるので遺伝要因も考えられているが、その他、ウイルス感染や自己免疫異常[29]なども考えられている。
- 肥大型心筋症
分類では、閉塞性のものと、非閉塞性のものとに分けられる。
典型例で、心室中隔[32]の肥大および、それによる閉塞[33][34]または血流の障害[35]がある。
肥大型心筋症は突然死をもたらす事もある。
呼び名として、心室中隔の異常により閉塞性のものは「肥大閉塞型心筋症」[36]あるいは「閉塞性肥大心筋症」[37]と呼ぶ。
- 拘束型心筋症
- ※ 参考文献ごとに説明が微妙に食い違っているので、詳しくは専門書を参照のこと。
二次性心疾患
編集代謝障害などが原因で、心臓を含む諸々の器官に障害を出している結果の、心疾患のこと。
- ファブリー病
細胞内のリソソームに存在する酵素 αガラクトシダーゼAの欠損または異常により、脂質代謝に障害が起こり、全身の臓器に脂質が蓄積する。先天性であり、伴性劣性遺伝である。
- 心アミロイド-シス
アミロイドが心臓に沈着する症状。そのアミロイドはコンゴー赤に染まる[38]。拘束型心筋症を起こす[39][40]、とされている。
- その他
筋ジストロフィーが合併症により心不全も起こす。同様に、種々の神経筋疾患が、合併症として心不全を起こす[41]。
- ※ 糖尿病に伴う心不全については、『標準病理学』と『スタンダード病理学』とで、見解が異なっている。
- 『スタンダード病理学』ではポンペ病やコーリー病を紹介している。一方、『標準病理学』では、糖尿病に伴う心不全については、(アルコール心筋症などと同様に[42])特異的な所見は無いとしている。
心臓の腫瘍
編集心臓原発の腫瘍はかなりまれであり、推定0.0017~0.33%とされる[43]。
また、その腫瘍の多くは[44]、粘液腫であり、良性腫瘍である。
- ※ 星型の細胞が・・・(調査中.)
悪性腫瘍では、黄紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫などがある。
脚注
編集- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『シンプル病理学』
- ^ 『標準病理学』、373ページの本文の右段
- ^ 『標準病理学』、375ページの11-33脚注
- ^ 『シンプル病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『シンプル病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『シンプル病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『スタンダード病理学』
- ^ 『図解ワンポイントシリーズ3 病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』
- ^ 『標準病理学』