病理学/病理学とは
病理学 pathology とは、その名の通り、病気 patho- の仕組みを理解するための学問 -logy である。
病気の原因のことを「病因」という[1]。
たとえば、結核の原因は結核菌なので、「結核の病因は結核菌である」と言える[2]。
そして、顕微鏡などで観察される、細胞などの構造や様子のことを「組織」という。
- 「病理組織学」
よく、病理学の教科書では「組織学的には」等の文言が使われるが、これは顕微鏡で細胞などの様子を観察した場合には、〇〇〇がみられる、・・・と言ったような意味合いである。
その病気で、特異的に、組織にみられる現象のことを、よく「組織学的には」などの文言以下に、医学書では記すことが多い。
この細胞組織の観察のように、病気によって細胞などの組織がどう変わるかを学問としたのが、「病理組織学」である。
しかし、「病理組織学」という科目が存在するわけではなく、単に「組織学的には」などの言い回しで医学書で用いられたり、あるいは病気の説明において、顕微鏡などの観察結果として、その病気によくみられる特徴を「組織学」と題して、それぞれの病気の各論で説明するだけなのが、一般的である。(少なくとも、基礎医学の科目としては「病理組織学」という科目は無い。)
- 「病理発生学」
さて、病気の原因でもなく、顕微鏡などの病理組織学でもなく、病気がどのような機序で、人体にどういった影響を及ぼすかといった理論のことは「病理発生学」あるいは「病態発生学」という。
『病理学』教育における、病気の仕組みの説明方法は、おおむね、上記の病因、病理組織、病理発生、の3つを組み合わせて行われている。
「病理学」教科書の構成
編集病理学の教科書は伝統的に、「総論」と「各論」との二本立てで講義が行われていく[3]。
「総論」では、たとえば単元「代謝障害」や単元「先天異常」などで、特定の臓器には限定しない形式で、述べていく[4][5]。
先天異常、代謝障害、循環障害、炎症、腫瘍 の5つが、『病理学』教育での総論でよくみられる単元である[6][7]。
各論では、たとえば胃や腸をまとめて「消化器」とするなど、似たような働きの臓器ごと、または似たような組織ごとに分類して説明する。