発想記号は、具体的に詳細な演奏法を示すものというよりは、やや抽象的、総合的に作曲者の意図や演奏時の心づもりや考え方を示すものになります。ここにはよく使われるものを挙げていきます。

音符の上または下に書かれ、その記号以降に有効となります。

A

  • agitato(アジタート)激しく
  • Alla Marcia(アッラマルチャ)行進曲風に
  • amabile(アマービレ)愛らしく
  • animato(アニマート)生き生きと
  • appassionato(アパッシオナート)熱情的に

B

  • brillante(ブリッランテ)華やかに

C

  • calando(カランド)和らいで
  • calmato(カルマート)静かに。
  • cantabile(カンタービレ)歌うように
  • capriccioso(カプリチョーソ)気まぐれに
  • comodo(コモド)気楽に
  • con anima(コンアニマ)生き生きと
  • con brio(コンブリオ)活気をもって
  • con fuoco(コンフオーコ)火のように、生き生きと
  • con moto(コンモート)動きを付けて

D

  • dolce(ドルチェ)甘美に

E

G

  • giocoso(ジョコーソ)楽しげに
  • grandioso(グランディオーソ)壮大に
  • grazioso(グラツィオーソ)優美に

L

M

  • maestoso(マエストーソ)荘重に(速度記号として使われた場合はAndanteからModerato程度)
  • marcatomarc.(マルカート)はっきりと
  • morendo(モレンド)絶え入りそうに

P

  • perdendosi(ペルデンドシ)消えるように
  • pesante(ペザンテ)重々しく

R

S

T

注意!
いくつかの発想記号を列挙しましたが、冒頭にあったように、ここには載せきれていない発想記号が、まだ星の数ほど存在します。もしあなたが音楽大学や音楽高校の受験を目指している場合は、実際にその学校の過去問を解くようにしましょう。実際に楽譜でよく使用される発想記号と、受験に必要な発想記号は違うことがよくあります。

実際にその発想記号の使われた音楽を聴くようにしましょう。”espressivo”の意味を覚えていますか? 少し前に戻ると「表情豊かに」だとわかりますね。では、「表情豊かに」演奏するとは、どういうことでしょうか。実際に数多くの演奏や名演を聞く。それ以外にその真意を理解する方法はないのです。