会社法第714条の2
(社債管理補助者 から転送)
条文
編集(社債管理補助者の設置)
- 第714条の2
- 会社は、第702条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。
解説
編集- 制度導入経緯
- 2019年改正において創設された「社債管理補助者」制度について、本条から第714条の7までに規定する。
- 社債の管理については、改正前も社債管理者の制度(前章 第704条から第714条まで)はあったが、権限が広く、責任が重いことを原因として、なり手の確保が難しく、利用コストも高くなると指摘され十分に利用されていると言い難かった。また、社債の引き受け手は主に機関投資家であって取引単位は大きく会社法第702条に定める例外事項(各社債の金額が1億円以上である場合等)に当たる場合が多く社債管理者を置かずに発行される例が多かった。その一方で、かつての日本で経営上の強力なガバナンスを示していた銀行等金融機関のガバナンスの低下が見られ、社債権者の保護の必要性が謳われた。
- その状況を受け、例外事項において発行された社債であっても社債権者保護について明確に法的な対応ができるよう、社債管理者から権限・機能を緩和した社債管理補助者を創設した。
- 就任資格は社債管理者より緩和されており、社債管理者の資格がある銀行・信託会社の他、弁護士・弁護士法人等が就くことができるものとされている。
- 概要
- 以下に例示する社債管理者の設置が必須でない場合であっても、社債発行にあたって社債発行補助社を置くことができる。社債管理者が置かれる場合には重ねて置くことはできない。
- 各社債の金額が1億円以上である場合
- 担保付社債である場合(社債管理人同等の権限を有する信託会社の存在が必須となるため)
関連条文
編集
|
|