経済学/経済とは何か/そもそも経済学とは

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そもそも経済学とは、何を考える学問なのだろうか。

ひと言でいえば、「様々な人や組織(=経済主体。家計、企業、政府など)が市場でモノ(=財、サービス)やお金を交換しあう行動(=経済活動)を、ある仮説をもとにモデル化し、シンプルかつ論理的に説明しようとする学問」である。

経済学は、経済主体が経済的に合理的な行動をすると想定している。平たくいえば、「人は常に正しく損得を計算して行動するだろう」ということである。

もちろん、我々もよく知っているとおり、人間は必ずしも常に経済的な動機のみで合理的に行動するわけではない。しかし世の中全体を長い間観察していくと、多くの経済活動は経済的な意味での合理的な行動を想定することで説明がつく。

「一番安い買い物をしたい」=合理的編集

では合理的な行動とはいったい何か? 正しく定義すると、合理的行動とは、「ある経済的な目的を達成するために、与えられた制約の中でもっとも望ましい行為を選択する行動(=最適化行動)」となる。

たとえば隣合わせで 2 軒並んでいるスーパーで、1 本 100 円のニンジンと 1 本 50 円のニンジンが売られていれば、誰であろうと 50 円のほうを買うだろう。

しかし 100 円のスーパーが家の目の前にあって、50 円のスーパーは車で片道 1 時間もかかる遠いところにあったらどうなるだろう? この場合 50 円のニンジンを買おうと遠出する者は、まずいないであろう。

普段の何気ない買い物ひとつとっても、我々は自分の使える時間やガソリン代といったお金の制約の中で最も安い買い物をする、という望ましい行動を選択しているのである。

経済学は、「制約付の最大化問題を用いて分析する学問」といわれている。そのために、経済活動を分析するにあたって、経済主体の行動にいくつか前提を置いている。

まず、それぞれの経済主体は経済活動の目的が何かを正確にわかっているということ。そして、経済主体がそれぞれの目的ごとの重要性を正しく理解していて、目的ごとにきちんと優先順位をつけているということである。

しかし、経済主体が目的について合理的な判断ができたとしても、行動を自分できめられなければ、目的を実現するための経済活動はできない。そこで経済学では、人々が自分の意思で自分にとって望ましいと思う行動をする、と考える。誰かから強制されて無理やりモノを買わされたり、自分の仕事を何にするかを無理やり周りに決められたりすることはない。ちょっと硬い言い方をすると、経済主体は「主体的な意思決定をしている。」と考える。

行動は「インセンティブ」によって決まる編集

この、経済主体の主体的な意思決定を考えるときに重要なキーワードとなるのが「インセンティブ(誘因)」である。

インセンティブがあると、ある選択をする意欲が高まる。

たとえば、もらえる給料が高くなれば、より働こうという意欲が刺激されるだろう。しかし企業が残業代を支払わないで残業を求めても、これは働く側のインセンティブを無視した要求だからうまくいかない。また、政府が法律で雇用を強制しても、採算に見合わなければ実現しないだろう。これも、企業の側に雇用を行うインセンティブがないからである。