次のような曲線を考えてみる。 ある財(例えばリンゴ)の販売価格と企業が供給したい数量との関係をまとめる。 縦軸に価格、横軸に数量を取り、販売価格と企業の供給量の関係を図で表したものが、供給曲線である。
家計の需要曲線と同様の手法で企業の供給曲線を描いてみると、右上がりの曲線になる。 企業は市場で成立する価格のもとで、この供給曲線上の生産量を市場に供給する!
賃金が上がるとリンゴの供給は減る
編集企業が生産するある財(リンゴ)の供給は、その財(リンゴ)の価格以外の経済変数としてはどのようなものに依存しているのだろうか。
リンゴの限界的な生産コストに影響を与えるような経済変数が変化すれば、もちろん限界コストも変化するので、同じリンゴの価格のもとでも企業の供給したい数量は変化する。
生産コストに影響する要因として重要なものは、生産要素の価格である。例えば賃金が上昇すれば生産コストも上昇するので、いままでよりも限界コストが上昇する。 すると、いままでと同じ市場価格では採算がとれなくなるから、その財(リンゴ)の供給は減少するだろう。その財(リンゴ)の供給曲線は左上方に押し上げられる。 これが供給曲線のシフトである。
また、天候不順や予想外の技術的なトラブルなどが発生して、いままでよりもある財(リンゴ)を生産するのにコストがかかりすぎる場合にも、供給曲線は左上方にシフトする。