経済学/経済とは何か/価格と需要と供給の関係

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さきほど、モノの値段は需要と供給の相対的な関係で決まる、ということを話した。 需要曲線と供給曲線が交わって価格が決まるというグラフは、初等中等教育できっと多くの人が目にしたことがあるだろう。

しかし、ある財の需要量と供給量はあらかじめ決まっているわけではない。 需要量と供給量もまた、価格の変化から影響を受ける。 そこで、価格が家計の消費行動にどんな影響を与えるのか、考えてみることにする。


リンゴを何個買えば得になる? 編集

まず、価格が需要に与える影響とはどのようなものだろうか。

家計が、ある財(例えばリンゴ)を購入する場合を想定する。 その財の 1 単位あたりのコストが、その財の価格(例えばリンゴ 1 個 100 円)になる。 一人一人の消費者から見ると、価格は売る側によってあらかじめ決められている。 したがって、リンゴの市場価格は、消費者が買う量とは無関係に決まる。 経済学的な言い方をすると、「市場価格は購入量とは独立の一定値を取る」わけである。

この場合、家計は、「ある与えられた価格のもとで、どれだけの総コストをかけてその財を購入し、消費するべきか」、という意思決定の問題に直面することになる。 簡単にいえば「リンゴを買うときに、いったい何個買うのが一番得になるか」ということである。

このことを考えるには、まず「限界」という概念を理解しておくことが必要である。 「限界」とは、増加分のこと。ミクロ経済学では「限界」という概念がとても重要である。 数学の得意な人には「微分」という概念が近いというとイメージしやすいかもしれない。

限界コストとは何か 編集

例えば、1 個 100 円のリンゴを、すでにあなたが 3 個購入していたとする。 もう 1 個追加でリンゴを買うことがあなたにとって得になるか損になるかを、この限界概念を適用して考えてみよう。

あなたはすでに 3 個のリンゴを購入しているので、もう 1 個リンゴを追加して購入すると、購入総金額は 300 円から 400 円に増える。 このとき、限界購入金額はいくらか。

限界購入金額は、1 単位だけ余計にその財を購入したときにかかる総コストの増加分(=限界コスト=総コストの微分)を意味する。 このときの限界購入金額は、400 - 300 = 100 円。このように、限界購入金額の 100 円は、リンゴの価格に等しくなる。 つまり、価格はその財を消費する際の限界コストの指標になる。

限界メリットとは何か 編集

一方、ある消費財の購入量を拡大すると、購入総コストが増加するが、消費から得られる満足度も増加する。 要は、リンゴ 2 個よりも 3 個買うほうが満足度が高くなる、ということである。

しかし、リンゴを買うたびに、リンゴを 1 個買うことで得られる満足度は少なくなる。 例えば 1 個目を買うことで得られる満足度が 200 としたら、2 個目を買うことで得られる満足度は 180、3 個は 150 とすくなくなっていく。 このように、財をひとつ買うごとで得られる満足度を金銭的な大きさに置きなおしたものを限界メリットという。 もちろん限界メリットは消費者の頭の中での主観的な評価だが、ここでは金銭で表示できると考える。

最適な消費行動とは 編集

このように見たとき、最適な消費決定の条件は、限界メリットと限界コストが一致することである。 さきほどの例であれば、リンゴを購入する際の限界コスト(=総コストの微分=価格)は何個目でも 100 円である。 もしあなたが 3 個目のリンゴを買ってたべたときの限界メリットが 150 円だとすると、100 個だしても得られる満足度のほうが高いのだから、あなたの得になる。

しかしさらにもう 1 個、4 個目のリンゴを購入したときの限界的なメリットが 50 円だとしたらどうだろうか。 限界的なコストよりも得られる満足度は低いから、買うのは損。つまり、家計にとってはリンゴ 100 円で 3 個まで購入し、4 個目は購入しないのが最も望ましい消費行動ということになる。

価格があがると需要は下がる 編集

それでは、リンゴの価格が 200 円に上昇した場合、消費行動にはどのような影響がでるだろうか。 価格が 200 円に上がれば、限界コストも 200 円に上昇する。したがって、2 個目ですでに限界メリットよりも高くなり、家計にとっては損することになる。 リンゴの価格が 200 円に上がった場合、リンゴの購入は 1 個までに抑えたほうがいいことになる。

このように消費行動を分析すると、リンゴの価格が上昇すると限界コストが上昇するので、リンゴの需要は減少すると予想できる。 こうした価格と購入したい量(需要量)との組み合わせを、縦軸に価格、横軸に数量を取る図で表したのが需要曲線である。

アルフレッド・マーシャル 編集

新古典派を代表する英経済学者。我々が現在もよく目にする供給需要曲線の形式は、彼によって確立されたもの。 ケインズやピグーを育てた師匠でもある。