ここまで企業の生産活動と費用の関係を見てきた。
これらの話を前提にして、完全競争市場において企業がどのように利潤最大化行動をとるのか、考えてみよう。 利潤は、売り上げから生産費を差し引いた残りであった。 これがどうすれば最大になるかを考える。
例えばある財を y、その市場価値を p とする。 このとき売上額(=販売収入)は生産量×市場価格つまり py になる。
話をわかりやすくするために、ここでは市場の規模はとても小さく、市場価格 p のもとでいくらでも生産物を販売できると想定される。 つまり作った分だけ市場で売れるとする。 そうすると、売上額 py は、生産量 y に単純に比例して増加する。
売上額 py と総費用曲線 c(y) を同一グラフに描くと、限界費用は逓増(だんだん増える)ので総費用曲線の傾きは次第に大きくなっていく。 この総費用曲線と売上額の線の垂直距離の差が利潤 に相当する。
「限界収入=限界費用」が利益最大点
編集利潤 は生産量 y とともに変化し、y が小さいときに増加するが、 y が大きくなると減少に転じる。利潤が最大になる生産量を とすると、 が企業の最適点になる。 だから企業は がもっとも大きくなる生産量 を選択することになる。
要は限界収入と限界費用が一致する点では、これ以上生産を増やすことも減らすことも企業の利益にならない[1]。 ここが企業の主体的な均衡点(=利潤最大点)となる。これが企業の利潤最大条件である。
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利益 とすると、
が極値をとるとき、