経済学では、「希少性」という考え方が重要である。 希少性とは、社会的な必要性の高さのことである。
希少性は、「需要」と「供給」の相対的な大きさで決まる。 皆が必要とする(需要が高い)ものであっても、ありふれた(供給が豊富な)モノであれば、希少性は下がる。 例えば、水はヒトの生存に絶対に必要であるが、もし街中で水道水のペットボトル 1 本を 1000 円で売っているのを見かけたら、きっと「高い」と思うだろう。 しかし、砂漠で道に迷って喉がカラカラの状態であればどうだろうか? この場合は 1 万円出してでも買いたいと思うかもしれない。 実際、中東の産油国に行くと、石油よりも水の希少性のほうが高かったりするものである。
モノの値段は需要と供給で決まる
編集ある財・サービスに対して世の中の人々の評価が高まると、その財の需要が増加する。これが価格の上昇を引き起こし、新しい企業がその財の市場に参入するインセンティブ(誘因)を与えることになる。 その結果、その財の供給が増加する。 このようにして、社会的な必要性の高い財・サービスの生産に、より多くの資源が投下されることになるのである。
また、供給のための「費用(コスト)」の変化も、同じく社会的な必要性を反映する。 需要が大きいままであれば、どんなにコストがかかってもその財を生産することが望ましいことになる。 しかし、価格が上昇して需要が減少するなら、価格の上昇によって他の財へと需要が逃げていく。 この場合、高いコストをかけてまでその財を生産するのは社会的に意味がないことになる。