内積 編集

実ベクトル に対し、内積 と定義する。 (記号が変わっただけで、高校で習った内積 と同じである。)
内積については、以下の性質が成り立つ。

  1.  
  2.  
  3.  
  4.  
ただし、 を実ベクトル、 を実数とする。

証明

  1.  
  2.  
  3.  
     
  4.  
     は実数なので、 よって 
    等号成立は、 つまり のとき

ノルム 編集

  ノルムという。

ノルムについては以下の性質が成り立つ。

  1.  
  2.  
  3.  (シュワルツの不等式)
  4.  (三角不等式)
    ただし を実ベクトル、 を実数とする。

証明

  1.  なので 
    等号成立は つまり、 のとき
  2.  
  3.  について考える。内積の性質を使うと、 
     であるので、 である。
     を変数、 を定数とし、2次方程式を考える。この二次方程式は常に0以上で下に凸であるので、2次方程式の判別式は0以下である。
    なので、判別式 整理すれば、 
    よって 
  4.  である。
     であることと、3.より なので、
     
    よって