本項は、関西大学の入学試験対策に関する事項である。

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関西大学は、大阪府にある総合私立大学であり、関関同立(西日本の私立大学の上位4校)のうちの一校である。

方式によって異なるが、基本的に関西大学文系学部の配点は、英語200点・国語150点・選択科目100点で、英語の比重が高い。2004年以降、国語の配点が200点ではなく、現在の配点になり、そのまま踏襲されている。採点方法に中央値方式を採用していることもあり、全科目、満遍なく得点する必要があるが、国語と選択科目は問題の難度上差がつきにくいので、配点的にも現実的にも英語が合否を左右する確率が高い。大学側で「高等学校での学習到達度を測ることを目的とし、原則として難問・奇問の類は出さない」という方針を定めているが、英語はやや難しい。よって、配点が最も高い英語を重視して学習すべきだろう。赤本は、文系学部は難易度の差がなく全学部同傾向のため、全学部取り組むと効果的である。

ただし、基本・標準の問題も少なくなく、英語を中心に、地道な学習をしてゆけば取り組みやすい方である。

英語

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計350語程の会話文・読解問題(パラグラフ整序問題)からなる1題と、長文読解問題2題の大問3題構成。問題は全問マーク式。試験時間は90分で、4点×50問=200点満点で近年固定化されているとみられる。

〔Ⅰ〕 Aの会話文問題は年度によって難易度が一定しないが、対話の流れを読み取らすものが主流で会話特有の表現などはあまり問われない。 Bの問題は、2008年度までは200語余りの文で、「語句整序」問題と「脱文挿入」問題から成っていた。しかし2009年度の本学入試からA〜Fの6つのパラグラフを文章が成立するように並べ替えさせる「パラグラフ整序」問題が登場した。 これは本学の特色題であり、この問題最大の特徴は、「パラグラフ"A"」は必ず「最初」のにくることは固定されており、そして「Aの次に来るもの」「Bの次に来るもの」「Cの次に来るもの」…と論理の展開どおりにマークするのではなく設問の指示どおりにマークしなければならず、そして「文章最後のパラグラフ」には「Z」を付けることと指示される点である。このような形式の為、初見ではかなり面倒だと感じる。 いわゆる「論理マーカー」に着目して解かなければ、高得点を望めない問題となっており、1つでも順番が異なれば次々と間違えるような設問構成の為、合格するためには是が非でも取っておきたい設問である。

〔Ⅱ〕〔Ⅲ〕 長文総合読解問題は長文化傾向にあり、近年は700~900語前後で安定しているが、大問2は1000語を超える超長文が課されることも多い。同志社大などに比べると設問の選択肢などは短めとなっているが、関関同立でも本文英文量は屈指の長さとなっている。難解な単語や構文は少なく標準的なレベルの良問揃いであるが、標準的な語彙力に基本的な文法力を十分養った上での速読力が一層求められていると言える。[2]の長文問題は文脈、文法、単語、イディオムの知識を試される空所補充問題・内容一致問題、[3]の長文では内容一致問題や指示語などの文法問題などが総合的に織り込まれた構成になっている。長文のテーマは硬めの評論が1題に、軽めの物語・小説などが1題というのが主なパターン。 尚、2017年度から大問3の問題文が日本語から英語へと変更された。

全体としては読解重視の傾向ではあるが、文法軽視ということではなく、全体を通して文法・構文力を試す設問が散りばめられている。あまり細かい単語は滅多に出ないので市販の標準的な単語帳を一冊仕上げ、ざっと目を通しただけで文脈に沿った訳が浮かんでくる程度の語彙力は欲しい。また即座に英文の構成を解して左から読み下していける読解力の基となる基礎的な文法力と構文知識は不可欠である。長文読解問題の設問の選択肢は短めではあるものの数問紛らわしいものが含まれる。しかし難問・奇問はほとんどないので、しっかり本文が読み取れていれば解答は容易である。日頃の文法、単語と、そして、本学部の過去問をやり込んでいけば合格できるだろう。


形式などは、大幅に違うものの、練習として、同志社大学の過去問も挑戦してみると良い。かつては相性の良い併願校とされていた。同志社の方がレベルは高いものの、内容や実戦力が問われている部分では同じ所もあり、有益な学習になるだろう。

国語

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現代文1題、古文1題の構成。 試験時間は75分で、150点満点。 現代文・古文共に本文に傍線が施されていないのが本学最大の特徴。とても独特な形式の為、過去問で訓練して慣れないと初見では戸惑うだろう。

  • 現代文の本文は平均的かやや長めで、評論が中心である。内容説明が主。漢字も出題されるが、基礎的なので特に対策は必要ないだろう。学部個別日程では記述問題が出題される。近年難化傾向にあり、過去問等で演習する必要がある。選択問題は若干紛らわしいものもあるが、日頃の努力さえあれば時間に余裕が生まれる程度である。
  • 古文は、現代文の長さと試験時間を考えると少し長めであるが、内容は容易。以前ほど文法重視の傾向は見られなくなり、内容一致問題が主流だが、基礎的な文法は読解の上でも押さえておきたい。単語はもちろんだが、出典は平安時代からが多いので、時代背景や古典常識などもある程度知っておくといいだろう。

学部個別日程では現代語訳の記述問題が出題されるが、これはとにかく直訳することが大事。変に物語を加味して意訳すると減点対象となる恐れがある。単語力と文法力さえあれば、難問はない。

数学

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記述式とマーク式の併用である。 理系数学は近年易化傾向にある。 文系は、教科書の章末問題、黄色チャートなど、標準問題などを何回もこなしておくと良い。また、特に計算力に拘って、学習を進めると良い。頻出分野は、文系の場合は、場合の数確率、微積、ベクトル。理系は、微積分の応用である。

理科

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理系の3教科型入試には理科1科目選択型と2科目選択型があり、2科目選択型は物理・化学それぞれ3問の合計6問のうち試験時間中に解答する4問を選択できる。

選択科目

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日本史、世界史、地理、政治・経済、数学から一つ選択。中央値方式で採点されるため科目間の有利不利はほぼない。

日本史
全45問、大問Ⅰ~Ⅲ(選択問題)が35問各2点、大問ⅳが10問各3点で、計100満点がほぼ固定化されている。全問マーク式。大問ⅳは大問Ⅰ~Ⅲと同様形式の場合もあるが、地図問題や年代合致など日程により様々である。内容は全時代・全分野に亘ることが多いが、特定のテーマや歴史流れに沿って、出題範囲の年代が集中することもある。基礎的な問題がほとんどで、教科書レベルの出題が大半であるが寺社に関する問題では奇問の類も一部ある。

世界史
2009年度まではマーク・記述の併用であったが、2010年度から全問マークセンス式。試験時間は60分で、大問4つの2点×50問=100点満点で近年固定されている。内容は東洋史2題、西洋史2題となることが多い。難易度は一部に難解な出題もあるが、消去法で対応できる範囲内であり、概ね標準レベルである。しかし近年出題方式が複雑になったり、難化する日程もあるため、注意が必要である。だが基本は高得点の争いになることが予想されるのでつまらないケアレスミス等での失点は避けたい。 あと、文化史や地図等を用いた問題は近年増えてきているので過去問等で対策しておきたい。

政治・経済
大問4題から構成されている。政治学、経済学、社会学、時事問題と幅広い出題がされており、歴代の内閣総理大臣や日本国憲法について問う設問も頻出である。資料集や、憲法条文なども学習に活用されたい。難易度は全体として標準的であるが、かなり細かい知識が要求される設問も毎年出題されているので、基礎から標準レベルの問題を見極めて確実に解くことや、時間配分が非常に重要であると言える。国公立大学と併願する受験生も多いであろうが、私立大学の政治・経済はセンター試験とはかなり出題傾向が違い、時事問題もより踏み込み、直接知識を問うような設問も多く見られる。センター試験で高得点を取れた受験生も、油断することなく対策をしておくことが重要である。