本項は、関西学院大学の入学試験対策に関する事項である。

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関西学院大学は兵庫県にある総合大学である。入試の内容としては、標準レベルの問題が出題される。難問奇問はまず出題されることはない。したがって、受験生の間の学力の差が顕著にあらわれる入試問題と言える。合格最低点はどの学部も60~70%であるため、7割以上を目標にしてほしい。選択科目(学部個別日程では一部の学部は英語も含む)には点数補正がかかって素点が下がるので、素点は合格最低点よりも数十点ほど高くなければいけない(ただし、問題の難易度が極端に高かった場合は素点が上がる場合もある)。入試形式(推薦、内部進学を除く)としては、「全学日程」「学部個別日程」「関学独自方式日程」「センター試験利用入試」の4形式がある。

一般入学入試

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全学日程

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すべての学部が2月1日、2日のどちらかに行われる(2日とも行われる学部もある)。文系は英語と国語が必須科目で、地理歴史もしくは数学から1科目を選択する。配点は必須科目がそれぞれ200点、選択科目が150点である。理系は英語と数学が必須科目で、理科(物理・化学・生物)から1科目を選択する(理工学部物理学科と化学科は生物を選択できない)。配点は各科目150点である(総合政策学部は英語が200点、理工学部数理科学科と先進エネルギーナノ工学科は数学が200点)。英語と国語と地理歴史は全問マーク式、数学と理科は全問記述式である。

学部個別日程

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2月3日、4日、6日、7日に行われる。入試日程・配点は学部によって異なる。文系は英語が必須科目で、国語・地理歴史・数学から2科目を選択する(地理を選択できるのは文学部のみ。また、地理歴史から2科目を選択することはできない)。英語・地理歴史・数学の組み合わせにすれば、国語を使わずに受験することができる。2限目は120分で選択科目2科目を同時に解く。全学日程では全問マーク式である英語と国語は、この日程では一部記述式になる。それ以外の科目は全学日程と同じである。

関学独自方式日程

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2月5日にすべての学部で行われる。科目は英語・数学のみとなっている。また、センター試験併用形式(関学英語併用型・関学数学併用型)もある。

科目別対策

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全学日程、学部個別日程、関学独自方式日程は科目や配点が異なるが、問題の傾向や形式は非常に似ている。

英語

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(90分)

問題構成は、長文総合問題が3題、文法・語法問題が1題、整序・記述英作文問題が1題、会話問題が1題の計6題構成となっている。試験時間90分にしては標準レベルの問題量である。

文法・語法問題はもちろんのこと、読解問題の設問としても文法知識を問う設問が比較的多い。つまり、文法・語法の対策なくして関学の英語攻略はありえないといっても過言ではないだろう。したがって、文法・語法の知識を固めることがまずは重要である。入試直前まで文法・語法の問題集で空所補充問題と語句整序問題に徹底的に取り組むように。

長文問題における「下線部の語句を言い換えた表現としてどれが適当か?」といった設問は、一見したところ語彙問題に見えて、実際は読解問題であることが多い。下線部の内容がわかればそれでよいし、わからなくても、対比、抽象と具体、比喩などの関係から推測して、文章構成上おおよそこのような意味である、と判断すれば正解が導けるようになっている。

会話問題・長文総合問題で一番多い設問形式は空所補充問題である。文脈、語句の知識、文法・語法といったさまざま形式の設問が並べられているので、選択肢を見て、解ける問題から解答すること。また、語彙力を問う設問も近年多くなっているので、入試直前まで単語とイディオムの確認を行おう。

一部の日程で出される記述式問題は、下線部和訳および和文英訳が主である。いずれも、問われているポイントが2〜3個あるはずなので、まずはそれを見抜き、一つ一つのポイントをクリアするつもりで答案を作成しよう。 例)和訳で"it"が出てきたときは、その解釈が採点のポイントの1つとなっているはずだと考える。「それ」なのか仮主語なのか強調構文の一部なのか…といったことを見極められた答案に、その分の得点が入るはずである。

長文に大きなウェイトを占め、小説・評論ともに内容が難しい年もある。しかし、合格得点平均率は、毎年65%程である。本文の読解に苦戦しても、粘り強く読む姿勢が求められる。

国語

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全学日程:(75分) 学部個別日程(人間福祉学部以外):(2科目120分) 学部個別日程(人間福祉学部):(60分)

国語は、現代文1題、古文1題の大問2題構成である。現代文はやや難しい。周囲に差をつけられないよう総合的には7割以上を目指していこう。

現代文:現代文の出典は評論がほとんどであるが、哲学・思想から政治・経済学・環境論・精神病理学にいたるまで、その内容は多岐にわたっている。まれに小説も出題されることをお忘れなく。

古文:古文も幅広いジャンルから出題されていて、頻出出典というべきものは特にないが、内容と設問は標準的である。

全体的に、現代文はやや難、古文は標準的といったところだろう。多くの問題を解くことが大切になるだろう。

また、漢字・語句・文学史・古文常識の問題が多いこともご存じの通りである。漢字や語句を徹底的にマスターすることが合格点確保への条件であるといえる。漢字「オソう」の書き取りが出題されたとき、字画の不正確な答案が多数みられたことを大学側が憂慮していた。正確な漢字力が求められているのだと肝に銘じてほしい。古文については「源氏物語」を中心に、古典作品の文学的位置づけやあらすじを理解すること。特に「源氏」の梗概には一度目を通しておこう。関西学院大学は、「源氏」をふくむ難解な古文を出題したとき、文学史や古文常識の出題を多くすることでバランスをとることがあるからだ。

地理歴史(日本史・世界史・地理)

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全学日程:(60分) 学部個別日程:(2科目120分)

山川出版の用語集が非常に有効であり、選択肢などが用語集の記述と類似している。正誤問題が少々厄介。用語集以外のことはまず出題されないのでそれ以上用語をおさえなくてもよいが、用語集の(1)や(2)の用語も出題されることがあるので用語集はほぼマスターしておくべきである。

日本史の出題で特徴的なのは、落書(らくしょ)といわれる政治風刺の史料問題がみられることである。社会が混乱した時代に関して、特にその時代背景をおさえておきたい。

地理では、地誌分野の出題が多いが、判断に迷う設問も見受けられる。「誤っているものはどれか」という問題が多いので、一見して明らかに誤りである選択肢を見つけることが肝要である。私立大学を地理で受験する場合の一般論であるが、ヨーロッパ地誌は特に理解を深めておきたい。2020年度から、2つの文章の正誤の組み合わせを4択から選ばせる、日本史と同形式の問題が登場した。

文系数学

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全学日程:(60分) 学部個別日程:(2科目120分) 関学独自方式日程:(90分)

大問は3題。大問1、2問は小問2問の完成式、大問3は記述式である。微・積分法が頻出であるが、小問集合形式の問題が2題あるため、確率、三角比・三角関数、数列など広範囲に及び出題される。問題レベルはセンター試験レベルである。関学独自方式日程は解答時間が90分あるが、他の日程と問題形式は変わらない。

理系数学

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(90分)

大問は4題。大問1は小問3問の完成式、大問2、3は大問1問の完成式、大問4は記述式である。数学Ⅲの微・積分法が頻出であり、確率、図形と方程式、数列、ベクトルも出題頻度が高い。問題レベルは基本~標準レベルである。

センター試験利用入試

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関西学院大学のセンター利用は、他大学のそれとは違い特殊な配点がないため各科目をオールラウンドに得点する必要がある。その年にもよるが合計85パーセントぐらいが、ボーダーラインだと思われる。

また、センター試験が難化した年は合格者に占める入学者の割合が予想しにくくなるため、一般入試での合格者を増やしセンター利用の合格者を減らす傾向がある。

外部サイト

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