国民主権
編集日本国憲法では、主権者は日本国民であると、されています。 政治の決め方は、国民からの選挙で選ばれた議員を代表者として、議員を通して議会で政治が決まります。なお、このように、議会を通して政治を決める方式を議会制民主主義(ぎかいせい みんしゅしゅぎ、Representative democracy)と言い、また、間接民主制(かんせつ みんしゅせい、 indirect democracy)とも言います。
日本国憲法では、大日本帝国憲法の時代と同様に、議会制が取られています。
日本国憲法では選挙権が与えられる対象が大日本帝国憲法の時代よりも拡張され、選挙権は国民であれば男女ともに20歳以上の大人に選挙権が平等に与えられます。
衆議院 | 参議院 | |
選挙権 (投票の権利のこと) |
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被選挙権 (立候補の権利のこと) |
満25歳以上 | 満30歳以上 |
選挙で選ばれた議員が政治を決めるので、政治に投票する選挙権などの 参政権(さんせいけん, 英: Suffrage) が大事な権利になります。また、政策を主張するには、そのための自由や権利が無くてはなりません。そのため、言論の自由や表現の自由が、大切な権利です。
- 参政権(さんせいけん)
参政権とは、国民の誰もが政治に参加できる権利です。
日本では、20歳以上の日本国民ならば、誰でも国会や地方議会の選挙のときに投票をできる選挙権(せんきょけん)があります。また、25歳以上の日本国民ならば誰でも衆議院の議員に立候補できる被選挙権(ひせんきょけん)の権利です。 なお、参議院の立候補は、30歳からです。
また、憲法改正のときの国民投票の権利なども参政権である。
天皇について
編集大日本帝国憲法では国家の主権者であった天皇は、日本国憲法では天皇は日本国の「象徴」(しょうちょう)と憲法第1条で規定されています。
政治に関しては、天皇は、実際の政策の決定は行わず、また政策の決定をする権限も天皇は持っていません。天皇は、儀式(ぎしき)的な国の仕事である国事行為(こくじこうい)を行うとされています。また、その国事行為は、内閣(ないかく)の助言と証人にもとづくとされています。
もっとも、実際には大日本帝国憲法の時代でも、形式的には政治の主権は天皇にあったものの、実際の政治は議会の意向を優先で決めていました。
日本国憲法では、明確に国民主権が明記され、天皇の主権が否定されました。
外国からは、天皇が日本の元首(げんしゅ、英:Head of State)と見なされることもあります。元首とは、国家の長(ちょう)のことです。
天皇について
編集大日本帝国憲法では主権者であった天皇は、日本国憲法では天皇は日本国のまとまりの象徴(しょうちょう)になりました。
政治に関しては、天皇は、実際の政策の決定は行わず、また政策の決定をする権限も天皇は持っていません。天皇は、儀式(ぎしき)的な国の仕事である国事行為(こくじこうい)を行うとされています。また、その国事行為は、内閣(ないかく、 Cabinet)の助言と証人にもとづくとされています。
天皇の国事行為には、次の行為があります。
- ・ まず、国会を招集したり、衆議院を解散する行為があります。ただし、国会で政策を天皇が決定することは出来ません。このように、天皇は政治の儀式的な仕事のみを行なっています。
- ・ 国会で決まった法律や政令や、内閣の決めた条約を公布することも、天皇の仕事です。天皇は法律そのものを決定する権限は行えません。立法の権限を持っているのは国会議員のみであり、天皇に立法の権限は、ありません。
- ・ 勲章(くんしょう)などの栄典(えいてん 、honors )を授与するのも、天皇の仕事です。
- ・ 外国の大使(たいし)や公使(こうし)を接待(せったい)するのも、天皇の仕事です。
- ・ 国会がえらんだ内閣総理大臣を、天皇は任命します。内閣がえらんだ最高裁判所の長官を、天皇は任命(appoint)します。