検定教科書に置ける記述の傾向
編集次の3つの用語が、検定教科書では重要語句になっている。(平成23年検定版で確認済み、下記に例を記述する。)
- 少子高齢化
- 情報化
- グローバル化
文科省の定める学習指導要領(中学 社会科版)には
- 「現代日本の特色として少子高齢化,情報化,グローバル化などがみられることを理解させるとともに,それらが政治,経済,国際関係に影響を与えていることに気付かせる。」と書いている。(2014年に文科省のウェブサイトで確認。)
そのためだろうか、「少子高齢化」、「情報化」、「グローバル化」の3つの語句を教科書で太字で紹介している検定教科書が多い。
よって、定期テストや入試には、このような語句や内容が、重点的に出ると思われます。
たとえば、検定教科書を見ても、
- 東京書籍『新しい社会 公民』(平成23年検定版)では、頁8で「グローバル化」を太字にしており、
- 教育出版の『中学公民 地理』(平成23年検定版)では、「情報化」という語句をページ10で太字にしており、頁13でグローバル化を太字にしています。
- 帝国書院の教科書『中学生の公民』(平成23年検定版)では、頁10で「少子化、情報化、グローバル化」といった変化が現代に現れている特徴だとしている。
- 日本文教出版の『中学社会 公民的分野』(平成23年検定版)では、頁7で「少子高齢化」を太字にしており、頁8で「情報化」を太字にしており、頁13で「グローバル化」を太字にしており、また頁3では「少子高齢化,情報化,グローバル化」と、そのままの語順でこれらを太字にして、学習の進め方の方針として、用語を紹介している。
- 清水書院では、頁16で「グローバル化」を太字にしている。
- 自由社『新しい公民教科書』(平成23年検定版)では、頁5で「情報化」を太字にしており、頁4で「グローバル化」を太字にしており、頁8で「少子高齢化」を太字にしている。
- 育鵬社の『新しいみんなの公民』では、頁24で「グローバル化」を太字にしている。
教科書によっては、「情報化」のかわりに「情報社会」などに用語を太字にしている場合もある。「情報社会」という用語を紹介している教科書は、東京書籍、帝国書院です。「少子高齢化」に関係して、「少子化」(たとえば教育出版、自由社)とか「少子高齢社会」(たとえば東京書籍、帝国書院、育鵬社、自由社)といった用語を紹介したり太字にしている教科書も多い。
グローバル化
編集経済のグローバル化
編集- (経済のグローバル化、英:economic globalization)
現在、世界の多くの国では、市場経済(しじょう けいざい)が導入されている。ソ連とアメリカの冷戦が1980年代後半に終わるまでは、ソ連の支配下にある共産圏では市場経済が導入されていなかったが、しかし冷戦の終了と共に、かつての共産圏では市場経済を導入した。
また世界の多くの国で、貿易や外交のための外国語としては英語が多く使われている。英語が、国際的な場所での、中心的な公用語になっている。
産業に置いて、ヒト(人)・モノ(物)・カネ(金)が国境を超えても動くようになった。このため、賃金の安い発展途上国の国など(中国や東南アジア諸国など)に多くの産業や工場が集まり、賃金の高い先進国では、いくつかの国内産業が衰退(すいたい)した。国内産業の海外流出による産業の空洞化の問題が起こっている。知的所有権の国際的な対応も、せまられるようになった。
多くの国では、貿易なしでは、産業を維持するのが、むずかしい。国際分業化が進んでいる。
工業製品では、最終製品が日本で作られている製品でも、中身の部品が外国製の物も多い。たとえばパソコンなどのコンピュータがそうである。
たとえば、日本で売られているパソコンの部品の場合、たとえパソコンのブランドが日本企業のブランドでも、中身の部品は外国製のことも多い。マザーボード(基板のこと、motherboard マザボード)の生産国は台湾企業が多く、パソコンのCPUはアメリカ合衆国の企業の生産が普通である。ハードディスク(hard disk)はタイかシンガポールか中国などのアジア諸国で生産されている事が多い。ハードディスクの場合、そのハードディスクの生産メーカーが日本企業でも、生産工場はその日本企業がタイなどの外国に保有する外国工場で生産している場合が多い。 メモリチップの生産国は、日本の場合もあるが、韓国企業などの場合もある。
-
ハードディスク。パソコン内蔵3.5インチHDD
-
メモリチップ。パソコン用。
-
マザーボード。パソコン用。
その外国企業ですら、すべてを自国で再参するのは難しい。たとえば、おそらくマザーボードを作っている台湾企業ですら、それらのマザーボードの部品を全部、台湾で生産することは困難であり、おそらくは外国製の部品や外国製の生産装置も用いられている。
工業製品に限らない。食料生産では、とっくの昔にグローバル化している。
日本は食料自給率が低く、米を除けば、食料品の多くは輸入である。
日本料理であっても、原材料は外国から輸入していることも多い。
政治のグローバル化
編集国際政治では、主要国の首脳どうしの意見交換の場としてサミット(summit)が開かれるようになった。どこの国も、主権は持つが、たとえアメリカ・ロシアのような大国でも国際世論を無視するのは難しくなった。
情報化
編集- (※教科書の記述の動向 情報通新技術のことを英語で ICT(Information and Communication Technology)と言い、この「ICT」という用語を記述している教科書が多いので(日本文教出版、教育出版、清水書院)、この用語がテストに出るかもしれません。)
インターネットやハイテクが定着した。エレクトロニクスはIC、LSI、超LSIと技術革新が進んでいる。日本の工業は、製鉄などの重厚長大(じゅうこう ちょうだい)から、半導体などの軽薄短小(けいはく たんしょう)型の産業に切り替わり、産業構造のハイテク化を起こした。これは経済のソフト化(softening of economy)、サービス化とも呼ばれている。
インターネットの発達によって、今までは情報を不特定多数には発信する機会の無かった人でも、簡単に情報を発信できるようになりました。 インターネットによって、遠くの友人とも、動画つきのネット電話で簡単に話すことも出来るようになりました。また、インターネットを利用した通信販売などオンライン・ショッピングなどと言われる商取引も、さかんです。 ネットでの通信販売は、ネットで商品について調べながらでも、品物を吟味することが出来て、便利です。
しかし,情報通信の発達にともない、今までは無かったトラブルも増えてきています。
知らない人から、迷惑メールが送られてくることもあります。また、ネット取引を装った詐欺なども、簡単に行えるようになりました。
また、情報を簡単に入手できるということは、裏(うら)を返すと、もしも非公開の個人情報などが漏れても、情報が簡単に伝わってしまう、ということです。 基本的に、インターネットでは、自分や友人・知人などの個人情報は書き込まないほうが安全でしょう。
インターネットでは、プライバシー(privacy)に配慮しなければなりません。
- 著作権の注意
また、コンピュータの発達により、データの複製が簡単に出来ることになったことから、著作物の許可の無いコピーなど、知的財産権の侵害も目立つようになっています。 もしも、インターネット上で文章や画像、音楽などを公開するときは、著作権に注意する。インターネット上での公開にも著作権法などが適用されるので、他人の著作権を侵害しないようにする。
- 不要な情報は後回しにする。
インターネットで情報の入手がラクになったことから、大量の情報が入手できるようになりました。すると、多すぎて読み切れない量の情報がインターネット上ではあるので、いらない情報は無視をしたり後回しにして必要な情報から集めるという、情報の優先順位をつける能力も必要になってきました。
- ネット犯罪
コンピューターそのものは機械であり、善悪の判断が出来ません。なので、犯罪に使われる場合もあります。また、インターネット上には、違法行為や犯罪を行っているウェブ・サイトも存在しています。
もちろん、犯罪行為は、たとえコンピュータやインターネットを用いていようが、あるいは用いていまいが、どちらにせよ法律によって犯罪は処罰されます。しかし、コンピューター産業は技術の進歩が早く、私達の注意が追いつかないので、ネット上での詐欺などが見ぬきにくく騙されてしまうこともありえます。
悪者に悪用されないように、インターネット上には、むやみに自分の名前や住所などの個人情報を書いてはいけない。 他人の個人情報も、同意がない限り、書いてはいけない。
発展的事項
編集- インターネット上でのマナー
インターネット通信は、自分だけのものではないので、利用の際には、他人に迷惑をかけないように注意する。 書き込みをするときは、けっして違法な書き込みをしない。犯罪予告などの違法な書き込みをすると法的に処罰されることもある。
コンピュータ・ウイルス
編集これらのマナーなどの問題とは別に、技術的な注意点があります。 インターネット上には、ネットにつながった他人のパソコンの情報を盗み見したり、他社のパソコンを無許可で遠隔操作(えんかくそうさ)したりなどの行為を行う者もいる。そのような悪意を持った者が、悪事をしやすくするソフトウェアを開発する場合もある。他人のパソコンのシステム内に勝手に入り込んで(感染)、かってにシステム設定を書き換えて、ウイルス開発者が悪事をしやすいように書き換えてしまう迷惑なソフトウェアを コンピュータ・ウイルス(computer virus コンピューター・バイラス) という。このようなコンピュータ・ウイルスは、感染したパソコンの利用者の知らないうちに、かってに他人のパソコンのシステムの中枢に入り込んでしまう。
コンピューターというのはプログラム(program)という命令文を実行する機械に過ぎないので、もしプログラムに「このパソコンの情報を盗んで、外部にもらせ」とかいった、悪意にもとづいた命令文が書かれていたら、そのとおりに実行してしまいます。
パソコンからコンピュータ・ウイルスを削除できるセキュリティ・ソフトと言われるソフトウェアも存在します。 ウイルスの削除には専門的な知識が必要なので、そのようなセキュリティ・ソフトを生産している企業があるのです。
コンピュータ・ウイルスは、ほぼ毎日、新しいウイルスが開発されています。これに対抗して、セキュリティ・ソフト(security software)も開発が進められています。
少子高齢化
編集日本は、長寿国ということもあり、高齢化(こうれいか、aging エイジング)が進んでいます。また、未婚率や女性の出産年齢の上昇などもあり、社会の子供の数が少ないという少子化(しょうしか, declining birth rates デクライニング・バースレイツ)が日本では進んでいます。 日本の人口は、2005年が人口のピークで、それから人口の減少が始まっています。 国民の高齢化によって、社会保険の負担が増えていくことが予想されています。(2014年に記述。)
少子化と高齢化を合わせて、少子高齢化(しょうし こうれいか)と言います。少子化によって、労働力の減少の心配や、高齢者の生活を支える負担能力の減少が、日本では心配されています。
日本だけに限らず、多くの先進国で、少子高齢化の傾向があります。
食料自給率の低さやエネルギー自給率の低さなど、食料やエネルギーを輸入に頼っていることを考えても、人口を維持し続けるのは難しくなっていくかもしれない。
しかし、日本の現在の社会制度の多くは前提として、人口増や1億人ていど以上の人口を維持している状態を前提にした制度が多く、また人口増を可能にした高度経済成長などの好景気を前提にした制度も多く、あまり人口減少や少子化を前提としていない制度が多い。
政治家や企業家や国民の中には、自国の人口が多いほうが自国の経済活動の規模が大きくなると考え、自国の人口が多いほど外国との経済競争に有利になるだろうという考えにより人口を維持しようと考える者も多い。
制度改革にも時間がかかり、そのあいだは、急激な人口の現象や急激な少子化があると、社会に混乱が起きる。
日本では少子化を防ごうとする政策が取られている。 たとえば日本では2003年に 少子化対策基本法(しょうしかたいさく きほんほう)が制定された。
日本だけに限らず、多くの先進国では、少子化が進んでいるので、少子化を防ごうとする政策が取られている。 いっぽう発展途上国では人口の増加が問題である。人口の増加につれて、食料危機の危険性が高まってくる。現状では計算上では、農産物は人類のすべてを養えるだけの量は生産されている。しかし、人口が増えれば、どうなるかは分からない。
人口が増えれば、石油などのエネルギーの消費も増えていく。
長寿命化によって、高齢者の割合も増えていく。高齢者への介護の負担も増えていく。子供を産んで増やしたところで、その子供もいずれは年を取り、高齢者になっていく。 子供を増やして若者を増やせば、一時的には、一人あたりの高齢者福祉への負担は減るが、問題の先延ばしに過ぎない。 結局は、どこかの時代で、若者は「これから、高齢者福祉の負担が大きくなる」と、覚悟を決めるしかないのである。