地形
編集アフリカは標高がやや高めで、高原状である。
このため、低地が少ない。海岸部から、すぐに標高が高くなる。コンゴ川などは、下流に滝があるので、海からの船は川を上がれない。
アフリカ東部の紅海からエチオピアにかけて、大地溝帯(だいちこうたい)がある。
大地溝帯を起点に、プレートが広がる。このこともあり、周辺のキリマンジャロ山やケニア山は火山である。
なお、キリマンジャロ山は標高がアフリカ最高峰であり、山頂には万年雪もある。
北部にアトラス山脈がある。南部にトランスバーグ山脈がある。
アフリカ北部は、ほとんどが砂漠である(サハラ砂漠、リビア砂漠など)。
気候と緯度
編集アフリカの北端と南端の緯度の大きさは、ほぼ同じ。つまり北緯35度 〜 南緯35度にアフリカ大陸が位置する。
このため、アフリカの気候が赤道(せきどう)を挟んで、ほぼ南北対称である。
赤道付近のアフリカ西部にあるコンゴ盆地やギニア湾岸の気候は、熱帯雨林気候である。
この地域を取り囲むように、南北の緯度10度に、サバナ気候が広がる。赤道から離れていくにつれ、しだいにステップ気候になっていく。
そして、南北の緯度23度あたりから、砂漠気候になる。
アフリカ北端は、地中海に面しているため、地中海性気候である。
歴史
編集第二次世界大戦の前は、ヨーロッパ諸国により、植民地にされていた。
アフリカの国境は、植民地時代にヨーロッパ諸国によって、緯度・経度にもとづいて人為的に決められた国境が元になっている。このため、直線的な国境が多い。
第二次世界大戦以前に独立国だったのは、たったの4ヶ国であり、エジプト、南アフリカ共和国、エチオピア、リベリアの4ヶ国である。
植民地時代に、アフリカの農業で、いくつかの地域でプランテーション(大農園)が作られた。
1960年、独立があいつぎ、17ヶ国が独立し、この年(1960年)は「アフリカの年」と言われた。
現在では50以上の独立国がある。
2002年、アフリカ諸国どうし経済的な連携をしようとアフリカ連合(AU)が結成された。
人種や民族
編集北アフリカ
編集民族は、北アフリカには、アラブ系の白人が多い。
- ※ アフリカの住民と聞くと、てっきり黒人を想像しがちだが、北アフリカには白人も住んでいるので、気をつけること。
そして、この北アフリカの人の多くは、イスラム教を信仰しており、アラビア語を話す。
中南アフリカ
編集いっぽう、サハラ以南の中南アフリカには、黒人が住む。
中南アフリカの言語では、旧・宗主国の言語が使われたりする。中南部の宗教は、都市部ではキリスト教が信仰されてたり、農村などでは原始宗教が信仰されている。
南アフリカ共和国
編集南アフリカ共和国には、ヨーロッパから入植してきた白人の子孫が住んでいる。
南アフリカはかつて、「アパルトヘイト」(人種隔離政策)と呼ばれる、黒人の居住地域などを制限して白人と隔離したり、学校や病院などの公共施設でも白人と黒人を隔離したり、バスやホテルやレストランなどのあらゆる施設で白人と黒人を隔離したりといった、黒人を隔離する黒人差別の政策を行ってきた。
1991年にアパルトヘイトは廃止されている。1994年の全人種参加の選挙では黒人のマンデラ大統領が選ばれた。
しかし、南アフリカ共和国では、白人と黒人との経済格差は今もつづき、黒人は低所得で失業率も高い、と言われている。
南アフリカ共和国では近年、治安が非常に悪化している。
旧宗主国
編集アフリカ東部は旧・イギリス領が多い。エジプト・ケニアなどは旧イギリス領。
アフリカ北西部は旧・フランス領が多い。アルジェリアは旧フランス領。
農業
編集ギニア湾岸地域の農業
編集ギニア湾岸は熱帯気候であるため、カカオ、天然ゴム、油ヤシが、プランテーションとして栽培されていて、輸出品になっている。
また、焼畑(やきはた)農業でキャッサバ、タロイモなどを生産している。
ギニア湾岸のガーナやコートジボアールやナイジェリアでは、カカオがプランテーションとして栽培され、世界有数の生産国になっており、またカカオが輸出品になっている。
アフリカ東部の農業
編集アフリカ東部では、コーヒーや茶の栽培が盛んである。
ケニアでは旧イギリス領だったこともあり、ケニアは茶をプランテーションで栽培している。
エチオピアは、コーヒーの栽培が盛ん。なお、エチオピアはアフリカ最古の独立国。
- ※ なお、エチオピアは標高が高い。このような標高の特徴が、コーヒー栽培に適していたり、独立国として存在しやすかったのかも、と関連づけよう。
しかし、コーヒーの生産量の世界順位では、アフリカは順位が低い。
(2017年度センター地理B追試験の統計によると、2012年次統計として、コーヒーの世界での生産量順位と割合は)
- 1位: ブラジル, 34.4%
- 2位: ベトナム, 17.7%
- 3位: インドネシア, 7.8%
- 4位: コロンビア, 5.2%
- 5位: ホンジュラス, 3.9%
(「FAOSTATにより作成」とのこと)
コロンビアは南アメリカだし(南アフリカでなく、南アメリカ。つまりブラジルの近く)、ホンジュラスはカリブ海諸国(キューバなどの近く)。 なんとコーヒー生産量のベスト5位に、アフリカはまったく入ってない。
その他の地域の農業
編集南アフリカ共和国は地中海には面してない。だが南アフリカ共和国の気候が、北アフリカの地中海沿岸と似ている。つまり、南アフリカ共和国の気候は地中海性気候である。このため、南アフリカ共和国ではオリーブなどを栽培する地中海式農業が行われている。
資源
編集- 石炭
南アフリカ共和国のトランスバーグ炭田から石炭が算出する。このため、南アフリカ共和国が世界有数の石炭算出国になっている。
- 石油
ナイジェリアから石油が産出する。ナイジェリアがアフリカ最大の石油生産国である。
- 銅
コンゴとザンビアは銅などが産出し、カッパーベルト(copper belt)と呼ばれている。
各国の地誌
編集北アフリカ
編集エジプト
編集エジプトにあるナイル川は世界最長の河川である。
古代、ナイル川はたびたび洪水を起こしてきた。だが、その洪水によって、上流から肥沃な土が運ばれてきたので、農業のためにナイル川の洪水が必要だったという側面もある。
古代の歴史家が、「エジプトはナイルのたまもの」と評している。
エジプト北東部にスエズ運河があり、紅海(こうかい)と地中海(ちちゅうかい)とを結んでいる。
なおスエズ運河は1869年にフランス人レセップスにより設計され建設された。その後、フランスとイギリスがスエズ運河の管理権を争った。1956年にエジプトによって国有化され、イギリスの勢力を追い出した。
1971年にアスワンハイダムが建設された。アスワンハイダムは、農業用水および、洪水の防止に利用されている。 また、アスワンハイダムの水による水力発電の電力を利用して、アルミニウム工業も行われている。
しかし洪水が起きなくなったことにより、上流から肥沃な土が運ばれなくなり、土壌の肥沃度が低下した。(さらに、農地が広まったことも、肥沃度の低下の原因。)
また、土砂が下流に運ばれなくなったことにより、下流の河口では、土砂が不足し、波などによって海岸が侵食されている。
そのほか、塩害なども起きている。
なお、アスワンハイダムの建設のさい、アブシンベル神殿が移転された。
エジプトの宗教はイスラム教。エジプトの公用語はアラビア語。エジプトの首都はカイロ。
農産物は、小麦や とうもろこし 、綿花などを栽培している。
エジプト文明の古代遺跡を利用した観光業も盛んである。
アルジェリア
編集アルジェリアは産油国。パイプラインが敷かれ、石油がヨーロッパなどに輸出されている。
アルジェリアの宗教はイスラム教。アルジェリアの公用語はアラビア語。
かつてフランスの植民地だった。
東アフリカ
編集エチオピア
編集エチオピアは、アフリカ最古の独立国。 エチオピアの宗教はキリスト教を国教にしている。
エチオピア高原がコーヒー豆の原産地。エチオピア高原のカッファ地方が、コーヒーの語源。
ケニア
編集赤道ちかくだが、標高がたかいため、比較的、すずしい。
ケニアの首都はナイロビ。
ケニアは1963年にイギリスから独立。ケニアの公用語はスワヒリ語と英語。
農業では、茶やコーヒーのプランテーションがあり、世界有数の茶の生産国である。(※ 旧宗主国のイギリスで紅茶が盛んだったことと関連づける。) このほかの農産物として、サイザル麻がある。
植民地時代にケニアに入植した白人がナイロビ周辺の高原に居住したため、このナイロビ周辺の高原地域をホワイトハイランド(白い高原)という。
ケニアのマサイマラに広大な野生動物の保護区があり、ライオンや象、キリンなどが見られる。このような野生動物保護区が、観光にも利用している(いわゆる「サファリ」)。なお、観光客は自動車で移動して、自動車のなかから動物を観察するのが一般的である。
ギニア湾岸の国
編集ナイジェリア
編集ナイジェリアは人口がアフリカで最も多く、約1億5千万人の人口である。
南部は高温多湿だが、北部は乾燥気候である。
石油資源に、めぐまれている。石油はニジェール川の河口で産出している。つまり、沿岸部で石油が産出している。
1960年代、石油資源をめぐって、民族対立による内戦があった。
その民族対立とは、1967年に「ビアフラ共和国」が勝手に建国され、内戦になった。
- 農業
ナイジェリアの農業では、イギリスの植民地時代のプランテーションがもとになった、カカオのプランテーションがある。