冠詞

編集

不定冠詞

編集

冠詞の a および an が不定冠詞である。

a および an の基本的な意味は、「1つの」である。


Rome was not built in a day. 「ローマは一日にしてならず」 ※ロイヤル、ブレイクスルー


a か an のどちらを使うかは、発音によって決まる。(語のつづりではない)

名詞の最初の発音が母音なら、不定冠詞はanになる。

なので、 an hour 「1時間」や an SOS のように、不定冠詞のあとのつづりが母音でなくても、発音が母音なので冠詞が an になる。

もちろん an apple や an egg など、発音もつづりも母音のものは、不定冠詞もanになる。

文章中か会話などで、それまで話題に出てこなかった、初めて話題に出てくる名詞について、1つの名詞なら冠詞は a または an である(青チャ、エバー)。 なお、話題で2回目以降に出てくるものについては、特定できる語の冠詞として the をつけるのが一般的(インスパ)。


その他の a の用法

時間や重さや量や個数などの単位とともに用いて「1~につき」の意味がある(青チャ)。

An apple a day keeps the doctor away. 「1日1個のりんごを食べれば医者はいらない」(ことわざ)


once a day 「1日に1回」

twice a day 「1日に2回」、ブレイクスルー


These apples are 1,000 yen a box. 「そのリンゴは一箱1000円です」※青チャに似た例文

These apples are 600 yen a box. 「そのリンゴは一袋600円です」※ジーニアスに似た例文


「ある~の」(= a certain)という意味もある。

in a sense 「ある意味では」

It is a true in a sense. 「ある意味では、それは正しい」 ※ ロイヤルに同じ例文、インスパイアに似た例文



「a ~(人名)」で、「~のような人」の意味がある。

He is a Edison. 「彼はエジソンのような人だ。」


aには「いくらかの」という意味もあり、some に近い意味である。

from a distance または in a distance で「いくらか離れて」の意味(インスパ)。

いくらかの意味のa を使った慣用句として、

at a distance (いくらか離れて)

after a while 「しばらくして」

once in a while 「時折(ときおり)」

などがある(青チャ、)。


その他、ほかの意味の a も含めれば、 a または an を使った慣用句として

at a loss 「途方にくれて」

in a hurry 「急いで」

come to an end 「終わる」

all of a sudden 「突然」

などが加わる(青チャ、インスパ)。

定冠詞

編集

天体としての「月」 moon はひとつしか存在しないので、the moon と冠詞をつけていう。

しかし、「半月」は a half moon である。

これは、「満月」「新月」「半月」「三日月」など、月のいくつもある状態のうちの一つという意味で、a になっている。

無冠詞

編集

定冠詞 the も不定冠詞 a/an も使わないのを、無冠詞という。

物質名詞、抽象名詞など、もともと冠詞を使わずに使う種類の名詞は、それらの種類の名詞が一般的な意味で使われている場合は無冠詞である。


なので、information 「情報」や、「お金」money や「金」gold なども、無冠詞である。


ただし、water は、the water で、海やプールや池など、大量の水のたまっている場所という意味になる。


「電車で」by train, 「飛行機で」by plane など交通手段は無冠詞である。by bicycle のように、自分の足で動かす乗り物でも同様(ブレイク)。

ただし、これらのもともとの単語(train や plane など)は無冠詞の名詞ではないので、どちらかというと、論理的なものというよりも慣用表現である。

また、「徒歩で」on foot のように、移動手段も無冠詞が普通。なお、徒歩の場合、byではなくonになることに注意。

by sea (「海路で」)や by air (「空路で」)や by land (「陸路で」)のように経路も無冠詞(インスパ、青チャ)。


交通手段に限らず、「電話で」by phone や「eメールで」by email も無冠詞である。

なお、eメールは email のほか e-mail とハイフンをつけて書いてもいい。


そのほか、go to bed や go to school などにおける bed や schoolなど、一部の慣用表現中の名詞に無冠詞のものがある。

これは、bedの場所よりも寝ることが意味の重点であったり、schoolの場所よりもそこで勉強することが意味の重点であるとも考えられるが、最終的には慣用表現として覚えるべきであろう。


参考書では、go to bed や go to school などの無冠詞の説明で、よく「機能」や「役割」に焦点を当てた場合である、などという(ジーニアス総合、フォレスト)。go to church 「教会に行く」も同様、無冠詞であり、また礼拝などをするために(ロイヤル英文法)行っていることを暗に示している。

だが実際、銀行にいく場合、 go to the bank や go a bank というのが通常である(ロイヤル英文法)。

このように、go to bed や go to school は単なる慣用表現に過ぎず、あまり論理的な根拠があるわけではない。参考書の理屈を鵜吞みにしすぎてはいけない。あんなのは、文科省的な建前である。

after school 「放課後」(青チャ)、

lie in bed 「ベッドで横になる」(ジーニアス)

(be) in bed 「就寝中で」(インスパ)、「be」 はwiki側で追記

などもある。


なお、「入院中」は、イギリスでは (be) in hospital で無冠詞だが、アメリカでは (be) in the hospital と冠詞あり(青チャ、インスパ)。


建物ではないが、play soccer や play tennis や play chess (チェスをする)や play baseball のようにplayといっしょに使われるスポーツやゲームの場合、play などの動詞といっしょに使われるなら、無冠詞である(青チャ、インスパ、ブレイクスルー)。無冠詞である理由は、動詞的な意味合いが使いため、と考えられている(青チャ)。

ただし、楽器の場合は the が必要(インスパ)。

食事では have lunch や eat lunch や eat breakfast や skip breakfast のように食事を動詞と一緒に使うときも無冠詞(青チャ、インスパ、ブレイク)。

ただし、

The dinner was good .

のように言う場合、冠詞が必要(青チャ)。

ほか、a late lunch 「遅れた昼食」のように言う場合、a が必要(ジーニアス、インスパ)。


ほか、「数学」mathematics や「歴史科目」 history のように学校の教科名は無冠詞(インスパ、ロイヤル)。

study mathematics 「数学を勉強する」※インスパ

I like history. 「私は歴史(科目)が好き」 ※ロイヤル

のようになる(インスパ、ロイヤル)。


そのほか、「大統領」president, 「教授」professor 、「(医者や博士の意味での)先生」doctor など役職の前には、冠詞はつかない。


ほか、

at noon (正午に)、by accident(偶然に), in fact (実際に)

など、一部の慣用表現では冠詞がつかない。


ほか、from door to door 「一軒一軒」(※エバグリ、青チャ)や、from beginning to end 「始めから終わりまで」(※ロイヤル英文法)のように、from ~ to ・・・ の表現は無冠詞になる。

husband and wife 「夫婦」※インスパ、ロイヤル

day and night 「昼夜」

day after day 「毎日毎日」

hand in hand 「手をつないで」

side by side 「並んで」※ロイヤル、インスパ、青チャ

など、無冠詞となる慣用表現が色々ある(インスパ、青チャ)。

季節(summer や winter など)は、the を付けなくてもいいが、つけてもいい(インスパ、ロイヤル)。

ただし、 the spring of 2001 のように of がついて特定される場合は季節にも theがつくのが通常。

青チャートいわく

day by day,(日ごとに)

day after day,(来る日も来る日も) ※インスパ、青チャ

arm in arm,(腕を組んで)

young and old(老いも若きも)

face to face(向かい合って)

などがある。

インスパイアいわく、

from time to time (ときどき)

step by step (一歩一歩)

など。


その他、熟語的表現で無冠詞のものがある。

at noon (正午に)、by accident(偶然に), in fact (実際に)

など、一部の慣用表現では冠詞がつかない。

インスパいわく

by chance 「偶然に」、

by mistake 「誤って」m

catch sight of ~ 「~を見つける」

at hand 「手元に」、


青チャートいわく

take part in 「~に参加する」

take place 「起こす、催される」 ※インスパ、青チャート. インスパでは「起こる」

など。

ほか、新聞の見出しなどで、冠詞が省略されることがあるが(ロイヤル英文法)、参考書界隈ではロイヤル以外は紹介していない。