文型 編集

英語の文型は基本的には、下記の5通りに分かれる。

「第1文型」と呼ぶ代わりに「SV文型」、第2文型と呼ぶ代わりに「SVC文型」のようにいう場合もある。なので、高校生としては、どの文型が何番だったかまでは覚える必要は無い。

なお、文型の数の表記(「第□文型」の四角のぶぶん)が算用数字かローマ数字かは、どれでもいい。参考書によっても異なり、とくに統一は無い。

SV(第1文型) 編集

主語 + 動詞

※ 未記述.


SVC(第2文型) 編集

主語 + 動詞 + 補語

がSVC文型である。

第2文型は

  1. Mary is happy.
  2. John became a doctor.

などである。

SVC文型を取る典型的な動詞がある。

become(なる)、 turn(変化して~になる), go (~(悪い状態に)なる)

のように、~になるという意味の動詞に多い。

The leaves turn red in the fall. 「秋になると、木の葉は赤くなる。」

leavesは必ずしも樹木の葉とは限らず、草の葉の場合もあるが、しかし市販の参考書などでは、これでも通じている。

The milk has gone bad. 「その牛乳は腐っている。」

などである。go は完了形で使うことが多い。


ほか、be動詞や、外見的な様子をあらわす look(のように見える), appear(~のように見える)、seem (~のように見える)

なども典型的にSVC文型である。


She is happy. 「彼女はしあわせだ。」

She looks happy. 「彼女はしあわせそうに見える。」

She appears happy. 「彼女はしあわせそうだ。」

などである。

She seems happy. 「彼女はしあわせなように見える。」


知覚を表す、feel(感じられる), smell(においがする), sound(聞こえる),taste(味がする)、なども、典型的な第2文型をとることの多い動詞である。

そのほか、熟語 be fond of ~ 「~が好きである」や be sure of ~「~を確信している」のように、形式的にはSVC文型だが、続く修飾語がないと意味をなさない言い回しもあるが、便宜的にこういった熟語表現でも形式的にSVC文型でさえありさえずれば、分類上はSVC文型として分類する。


ほか、教育上の注意として、よく便宜的にS = Cと等号を使って比喩的に教育される場合もあるが、しかし数学の等号とは異なり、一般にSとCの単語のそれぞれの位置は交換できないことに教育者は気をつけておく必要がある。

SVO(第3文型) 編集

主語 + 動詞 + 目的語

の文型がSVO文型である。

文法上は、一般にSVO文型を取る動詞は通常、他動詞である。

多くの動詞がSVO文型に該当するので、覚えるなら、他の文型と間違いやすいものを覚えると良い。

たとえば「議論する」discussは、よく間違いでabout を付けられる場合があるが、しかしaboutを使わずにSVO文型でdisucussは使う動詞である。

discuss はもともと「粉々にする」というような意味であり(ジーニアス英和)、それが転じて、話を分解するような意味になったので、なのでabout はつけない。

このような、前置詞をつけない他動詞を列挙すると、

approach(~に近づく)、attend (~に出席する), discuss(~について話し合う)、enter(~に入る)、join (~に参加する)、marry(~と結婚する)、resemble(~に似ている)、visit (~を訪問する)

などが、参考書では代表的である。

ほかに、前置詞をつけない動詞の例としては

contact (~と連絡をとる)※ジーニアス、

mention (~を述べる)※インスパイア、ジーニアス、

oppose (~に反対する)※エバーグリーン

などがある。


逆に本来なら前置詞が必要なのにそれを忘れやすい動詞としては

agree with ~(人) 「~に賛成する」、 ※ ブレイクスルー、エバーグリーン

agree to 案 「<案>に賛成する」、※ エバーグリーン


complain to 人 about 関心事 「<人>に<関心事>について不平を言う」 ※ ブレイクスルー、エバーグリーン

complain の「to 人」は省略しても構わない(ブレイクスルー)。


apologize to ~(人) 「~に謝罪する」、

たとえば

You should apologize to her. 「きみは彼女に謝罪するべきだよ。」 ※ エバーグリーン

I must apologize to her. 「私は彼女に謝罪しなければならない。」※ 青チャート


suggest 情報 to 人 「<人>に<情報>を提示する」、

同様に introduce も、

introduce 人1 to 人2 「<人2>に<人1>を紹介する」

である(青チャート、インスパイア)。<人1>のほうが紹介される情報になる。

ほか、

graduate from 学校「<学校>を卒業する」 ※日本語の「学校『を』」に引きずられて from を忘れる生徒が多いと言われている(ジーニアス)。

などがある(青チャート、インスパイア)。


そのほか、

She lived a happy life. 「彼女はしあわせな生活を送った」

のように、動詞と関連の深い目的語を取る例もある(青チャート、ジーニアス)。

ただし普通は、

She lived happily.

のように言う場合が多い(青チャート)。


smile a happy smile 「うれしそうに笑う」、

dream a strange dream 「きみょうな夢を見る」、

などの表現もある(ジーニアス)。


同族目的語

下記のように、動詞と目的語で語源が同じ単語だったり似た意味の単語の場合、これらの目的語のことを同族目的語という。

She lived a happy life. 「彼女はしあわせな生活を送った.」 (語源が同じ)※ 青チャート、インスパイア

They fought a fierce battle. 「彼らは激しく戦った.」(似た意味)※ インスパイア、ロイヤル英文法


なお、live は普段は自動詞なので目的語をとらないが、しかし同族目的語の場合、他動詞として目的語をとることができる。

このように同族目的語をとる動詞では例外的に、ふだんは自動詞でも目的語をとることができる場合がある。


言い換え表現として、

She lived happily. 「彼女はしあわせな生活を送った.

They fought fiercely. 「彼らは激しく戦った.」

のように、同族目的語を使わなくても副詞を使って言い換えることもできる。

SVOO(第4文型) 編集

SVOO文型とは、


主語 + 動詞 + 目的語1 + 目的語2

である。なお、

主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語

のようにも言う参考書も多い。


「~(人など)に○○(物など)を与える」という意味の基本的な動詞には、SVOO文型の用法をもつものが多い。

典型的なのは giveであり give O1 O2 で「O1にO2を与える」だが、そのほかにも hand (手渡す)や、offer (手渡す)など、和訳上では「与える」とは限らないので、意外と注意が必要である。sell 「売る」もこのグループである。

そのほか、物理的には物を渡さなくても、teach O1 O2 (O1にO2を教える)や 、tell O1 O2 (O1にO2を話す)や write O1 O2 (O1にO2(手紙など)を書く)といった、相手のもとに情報を届けるものにも、SVOO文型の用法がある。

この、相手のもとに何かを届けるグループのものは、前置詞 to を使った言い換えで、たとえば give the money to him のように表現できるものが多い。

列挙すると、

give(与える) , lend (貸す), hand (手渡す), offer (提供する), show (見せる), send (送る), tell (伝える・話す), write ((手紙などを)書く),

などがある。


ほか、他人のために何かを「してあげる」という意味の動詞にも、SVOO文型のものが多い。

具体的には、buy 「買ってあげる」、cook 「料理を作ってあげる」や find 「見つけてあげる」や、get O1 O2 (O1のためにO2を手に入れる), make (作ってあげる)という用法をもつ動詞が、SVOO文型の用法をもつ。


この、「してあげる」グループの動詞は、前置詞を使った言い換えでは、to ではなく for のほうが適切な場合が多い。

buy a new bike for him. 「新しい自転車を買ってあげる」

などのように。

buy (買う), cook(料理する), make(作る), play(演奏する), sing (歌う)、が、

もし前置詞で言い換えるならそのforのほうが適切なグループである。


そのほかのグループ

bring「持ってくる」 とleave「残す」は、to でも for でも、SVOOでも、どれでも使える。

bringの場合で、前置詞を使う場合は、文脈から to か for かより適切なほうを判断する。

leave の場合、慣用的に、財産を残して死ぬ場合は to を、ケーキやクッキーなどを人に残しておくのは for である。

I left some cake for him. 「私は彼にケーキを少し残しておいた。」

He left a fortune to his wife. 「彼は妻に財産を残して死んだ。」


to や for で言い換えできないグループ

cost, envy(うらやましく思う), save(節約する), spare(省く) , は、SVOO文型の用法はあるが、しかし一般に to や for を使った言い換えは出来ないし、またそのためO1とO2の語順も変えられない(インスパイア、ジーニアス、ロイヤル)。

また、askも、「たずねる」の意味では、あまり語順を変えない(ロイヤル)。なお、ask~of はどちらかというと「頼む」の意味で使うことが多い(ロイヤル)。なお、インスパイアでは、askは「たずねる」の意味では語順を変えないとしているが、しかしロイヤルでは、そこまで断言していない。

SVOC(第5文型) 編集

主語+動詞+目的語+補語

SVOC文型では、O = C の関係が成立する。


make O C 「OをCにさせる」がSVOCの一例である。

call 「~と呼ぶ」や name「~と名づける」など、何かを呼ぶ表現がSVOCである。

ほか、elect O C で 「OをCに選ぶ」だが、しかし類義語の choose は伝統的にはSVOC文型にはならない事に注意する必要がある。ただし、最近は事情が異なり、 choose でも SVOC文型を取る場合もあるので(ロイヤル英文法)、複雑である。


leave「残しておく」や keep「~にしておく」など、現状維持の意味の動詞でも、用法によっては SVOC の場合もある。


そのほか、「~を・・・と思う」グループとして、believe「OをCと信じる」、consider「OをCと見なす」, find「OがCだと分かる」, think 「OをCと思う」などがある。

I believe him a great artist. 「私は彼を偉大な芸術家だと思う。」

I consider him a great artist. 「私は彼を偉大な芸術家だとみなしている。


なお、regard 「見なす」は、このタイプではなく、前置詞 as が必要である(桐原フォレスト、大修館総合英語)。

regard A as B で、「AをBだと見なす」

たとえば、 regard her as our leader で、「彼女を私たちのリーダーだとみなす」である。

主語と述語動詞の構文 編集
have 過去分詞 編集

I have my teeth cleaned.(私は歯を磨いてもらっている)

ここでは、have=させる(依頼)である。主語(I)と述語動詞(cleaned)が対応している関係になっている。つまり、I cleaned というふうに組み合わせて文法的に正解であれば、このhave 過去分詞の構文は正解である。

there構文など 編集

There is ~ や There are ~ といった、いわゆるthere構文は、これをSV文型とみる解釈と、SVC文型とみる解釈とがある。

冒頭の there をS と解釈すれば SVC文型という解釈になる。

冒頭の there を M(修飾語)と解釈すれば、SV文型という解釈になる。

このため、there 構文は5文型による分類からは独立した特殊な構文であると考えられている。


ほか、it seems 「~のように見える」など形式主語 it を使った文章も、例外的なものだとして、文型の分類からは除外されることが多い。