高校英語の文法/接続詞
接続詞
編集語と語、句と句、節と節、など、文法上対等のものを結びつけるのが等位接続詞である。
いっぽう、従属節を主節と結びつけるのが従属接続詞であり(ジーニアス、フォレスト)、従位接続詞ともいう(ロイヤル)。
等位接続詞
編集概要
編集等位接続詞とは、and, or, but のように文法上等しいものを結びつける接続詞である。上記のほかにも、nor , so, for が等位接続詞である。
both A and B や either A or B なども便宜的にか等位接続詞として分類される。また、 not A but B や not only A but (also) B も等位接続詞として分類される。
便宜的に、not only A but also B と同じ意味をもつ as well as も、参考書では同じ単元で紹介される。
either は、「AかBかのどちらか」という意味である。
neither A nor B は、AもBも両方とも否定する表現であり、つまり「AとBのどちらも~ない」の意味である。
なお、neither A nor B が主語の場合、動詞はBの時制に一致させる(ジーニアス)。また、nor の直後の文章は肯定形である。
neither は基本、A,Bの2つしか使わない。3つ以上では使わないのが原則だが、しかし米英には原則に反して3つ以上で使う人もいるが(ロイヤル)、入試にはそこまで出ないだろう。また、neither で nor の代わりに原則に反して or を使う人もいるとのこと(ロイヤル)。入試では原則的な場合だけを考えればよいだろう。
「neither」とは not either の意味だろう、というのがロイヤル英文法の見解。
nor は、 neither のある文でなくても使われる場合がある(桐原、ロイヤル)。
否定語の not や don't などのあと、 「not A, nor B」または「don't A(動詞) nor B(動詞) 」で「AもBも無い」という意味で、neitherなしで nor が not などの否定語とともに使われる場合がある。 カンマが無い場合もある(ロイヤル英文法)。この場合でも、A nor B のあとに動詞が来る場合、その文は肯定形である。
「AもBもどちらも~ない」と否定の内容を並列させたい場合、andではなくnorを使う(桐原)。
さて、and には、命令文のあとに使われたい場合には、「そうすれば」の意味になるが、この意味の場合でも等位接続詞として分類される。
or には、「または」の意味のほかにも「すなわち」「言い換えれば」というある語を別の語で言い換える用法の意味もあるが(ジーニアスおよびエバーグリーンに「言い換えれば」アリ)、どちらの意味の場合でも等位接続詞として分類される。また、or には、命令文のあとに使われたい場合には、「さもなければ」の意味になるが、この意味の場合でも等位接続詞として分類される。
なお、「すなわち」「言い換えれば」の意味で or が接続詞として使われる場合、orの前にふつうはカンマ(,)が来る(ジーニアス、いいづなエバーグリーン)。
「夏も冬も両方とも好き」は英語では「 I like summer and winter. 」である(ブレイクスル-)。
「夏も冬も両方とも好きではない」は英語ではneither を使わずとも、
I don't like summer or winter.
でもいえて、この場合は接続詞が or になっていることに注意(ブレイクスル-)。
一見すると、数学の集合演算における否定演算での積集合「∩」や和集合「∪」などの演算子の反転のように見えるが、しかし実は、数学の集合の理論(ベン図などの理論のこと)とは違う。
まず、英語において、 A and B が数学でいう和集合(演算子∪)か積集合(演算子は∩)かは文脈による。「情報」科などで習うかもしれないブール代数のand計算は積集合だが、しかし実際の英語の場合はそうとは限らないので注意。
また、よくよく考えると、数学では、積集合 A∩B の否定 not (A∩B )は、 (not A) ∪ (not B) である。
つまり、数学では、単に not がつくだけでは集合演算子は変わらない。要素すべてに not がついて、さらにそのnot を因数分解的にひとまとめにくくる段階になって、ようやく集合演算子が反転するのが、数学的な規則である。
しかし英語では、not がついただけの段階の時点で、接続詞が and から or に反転してしまっている。
このように、集合の数学 と 英語のand/orの文法は、似ているが微妙に違うので、混同しないように。
ともかく、数学では、not でくくったら、集合の演算子は反転する(∪から∩に。または∩から∪に)。しかし英語では、そういう数学的規則は無視されている。 だから、neither の例文をもとに覚えたほうが早いし安全である。
単に「 neither A nor B のように don't A or B のように言う」とでも覚えるしかない。語学はしょせん、暗記科目である。
so/ for
編集接続詞としての so は、 <出来事→結果> の語順として「理由の文、so 結果の文」のように理由を前に、結果を後ろに書き、「・・・なので~」「・・・だから~」という意味になる。理由というほど明白な因果関係でなくても、比較的に関連性の高い2つの出来事において、「ある出来事, so 出来事の結果」という用法でも良い。 また、この場合の so の直前にはカンマ「 , 」を置くのが普通(ジーニアス、エバーグリーン)。
余談だが、接続詞としての so と for はそれぞれ、節と節だけ結びつける(フォレスト、エバーグリーン)。つまり、語と語、句と句、語と句などは結び付けない。
いっぽう、for は、 <結果←出来事> の語順として、「結果, for 理由の章」の構文で、堅い言い回しとして理由を説明する。口語で用いることはあまり無い(ジーニアス、エバーグリーン)。ほか、 for は、forの前述の出来事に対して、その理由を述べる接続詞である。
なので、普通は for の直前にはカンマ「 , 」が来る。
接続詞としての for は等位接続詞である。for は従属接続詞ではない等の理由で(ロイヤル)、because のように主節の前に出すことはできない。なお、もし For が文頭に置かれている場合、それは、その直前の文の理由を説明している(ロイヤル)。
and
編集いつつかの名詞が and で結ばれている場合、基本的には全体としては複数形として判断する。
Tom, Bob and John are students of this school.
しかし、下記のように例外がある。
Ham and eggs is my favorite breakfast. 「ハムアンドエッグは、私の好きな朝食だ」※ インスパイアより同じ例文
「Ham and eggs 」で1セットの食品なので、これは単数形として判定する。
同様に、
curry and rice (カレーライス)
a cup of saucer (皿つきマグカップ)
a knife and fork (ナイフとフォーク) ※インスパ、ジーニアス
bread and butter (バターつきパン)
body and mental (肉体と精神) ※インスパイア
は1セットの名詞とみなすので、それぞで単数形として判定する(青チャ、インスパ)。
なお、a cup of saucer の 「a」は、a 「cup of saucer 」ということで、「cup of saucer 」のセットがひとつという意味(ジーニアス)。なので、後ろ側の saucer には a がつかない(ジーニアス)。
けっして、1つのカップといくつかの皿ではない。
a knife and fork も同様、 a「knife and fork」 という意味なので、「knife and fork」のセットが一つの意味(ジーニアス)。
まず、and の基本的な意味を確認しよう。
- 並列と順序
and の基本的な意味は並列「および」「と」の意味だが、もうひとつ、動作・時間の順序という意味もある。「先に起きたこと and その直後に起きたこと」のような語順で and を使うこともある。
動作や時間の順序のand は、「そして」や「~して、」の意味である(ジーニアス、ロイヤル)。
たとえば come and see は「先に来て、そして見る(見た)」の意味であり、つまり不定詞の結果用法 come to see と同じ意味である(フォレスト)。同様の表現として、 go and see もある。
- 因果関係
さらに、and が因果関係をあらわす場合もある(ジーニアス、ロイヤル)。普通、文章では、先に行ったり紹介した動作が、あとの動作の理由になるので、andで因果関係を表すのも自然であろう。
上記で and は因果関係を表す場合もあるといったが、しかし人生では、必ずしも前に起きた動作の期待どおりに後の結果が起きるとは限らない場合も多々あるものである。このため、and があたかも but のような逆接的な意味かのように見える英文が生じる場合もある。
たとえば、「彼は努力して、そして失敗した」は、順序を意識すれば try hard and failed のような言い回しになる(ジーニアス)。努力 try hard という準備にもかかわらず失敗 fail したことから、文脈によっては and なのにまるで逆接のような意味も読み取れる場合もある。
さて、このことから、もし後の起きたことが先に起きたことに比べて対照的な場合、場合によっては and は、あたかも逆接 but のような意味に見える場合がある。
とはいえ、これはand の順序関係の用法の、派生的なものである。andの基本的な意味は、あくまで並列・順序だと思うべきだろう。
従属接続詞
編集名詞節を導く従属接続詞
編集whether と if
編集一方、名詞節を導くために使われる that およびwhether(~かどうか) と if(~かどうか) は従属接続詞である。that や whether を接続詞として解釈する考えもある。
ここでの名詞節を導く if は、「~かどうか」の意味での if である。「もし~ならば、」の if のことではない。また、「もし」の if との混同をさけるため、文頭では名詞節の if は使えない(ファクトブック)。この「~かどうか」の意味の if の性質について言い方を変えるなら、つまり if は動詞の目的語としてしか使えない(ジーニアス、青チャート、ほか多数)。
また、whether or not (~かどうか)という成句はある一方、ifにはない(インスパイア、青チャート)。
ほか、「whether to ~(動詞)」で「~すべきかどうか」というto不定詞の用法はあるが、ifには不定詞が続かない(インスパイア、青チャート)。
なお、 whether to go 「行くべきかどうか」という語が、参考書によくある典型例である。さらに、 whether to go or not (青チャート)「行くべきかどうか」や whether to go or stay (ブレイクスルー)「行くべきかとどまるべきか」のようになる場合もある。
さらに、助動詞 should を使って「べき」を強調する whether we should go or stay 「行くべきか残るべきか」という表現もある(青チャート)。
whether we should go or not のように、whether の直後ではなく分節の最後に or not をつける場合もある(ジーニアス)。
また、whether は前置詞の目的語になることがあるが、ifはならない(インスパイア)。
The question whether we should go or stay のように名詞と同格の節をみちびくこともある(インスパイア、青チャート、ジーニアス)。関係代名詞または前置詞のようにも見えるかもしれないが、しかしどの参考書も、関係詞や前置詞としてではなく「名詞と同格の節」という概念で説明している。一方、if には、名詞と同格の用法は無い。
if の本来の用法は「もしも~」であり、「~かどうか」の意味は派生的な意味にすぎない、と考えるのが良いだろう。
ほか、if は口語的、whether は文語的である(ジーニアス、青チャ-ト、エバグリ)。
depends on whether 、
など、動詞句 depends on とwhether との組み合わせが決まっている(青チャート)。depends on と if との組み合わせは禁止。なお depends on は、前置詞の目的語にwhether が来る例にもなっている。
wonder と ask は、if でも whether でも、どちらでも良い(ブレイクスルー、青チャート)。
ほか、 I wonder if ~ で「~がどうかなと思う」の意味。
that
編集さて、従属接続詞の典型的な文で
The fact is (that)・・・ 「事実は・・・ということだ。」
The trouble is (that)・・・ 「困ったことに・・・ということだ。」
The truth is (that)・・・ 「真実は・・・ということだ。」
The reason is (that)・・・ 「理由は・・・ということだ。」
などがある。
このように、名詞節を導く that は、「・・・ということだ。」の意味になる。
that は主語・補語・目的語になる(上記の the reason is that などの例文の場合は、that が補語になっている)。
ほか、 It is 形容詞 that ・・・ という形式主語の文章で 使われる that は接続詞でもある(ジーニアス、エバーグリーン )。
ほか、that節が know,say ,think, tell, hope など一般的な動詞の目的語になっている場合は、thatを省略することも多い(ブレイクスルー、インスパイア)。
ただし、形式目的語の that は省略できない(エバーグリーン)。形式目的語とは、
He made it clear that ~ . 「彼は~であることを明らかにした。」
のような it を仮の目的語とする文章のこと。
that 節は普通は前置詞の後ろに置かれることないが(ジーニアス)、例外的に in that(~という点で、~だから) と except that(~を除いて)という用法がある。
なお、 in that には意味の異なる「~という点で」という用法と、もうひとつ「~だから」「~であるか」という別の用法があることに注意(ジーニアス)。
参考書によっては in that は前置詞の項目に書いてある場合もある(青チャート)。
ほか、Now that で、「今や~だから」という表現ができる。口語ではよくthatが省略され、Now だけになる。
典型的な例文は
Now (that) he is eighteen, he can vote. 「今や彼は18歳なのだから、彼は投票できる。」
である(ジーニアス、青チャート)。
このほか、紹介している参考書は少ないが(青チャート、インスパイア)、分詞構文の Seeing that ~「~であるから」「~だから」が接続詞的に用いられる用法もある(青チャート)。
I'm glad that you have come to meet us. 「あなたがお迎えにきてくれて、うれしく思います」(青チャート)
のような例文がよくある。
I'm glad that ~ 「~できて、うれしいです」
のように、「感情を現す形容詞 + that 」の that も接続詞である(青チャート)。
afraid, disappointed, sad, sorry, glad, happy, angry, surprised , upset などがこのような形容詞である(青チャート、ジーニアス)。この場合の that は省略されることも多い。なお、この場合の感情に続く that 以下の内容は「理由」を表す(ジーニアス)。
We are sorry that you cannot come. 「あなたがこられないのは残念です。」(インスパイア)
この場合の sorry は謝罪ではないので注意。
sure 「確信している」は日本語では感情とは言いづらいが、青チャートはこれを感情に含めている。ただし、ジーニアスはsureを不採用。
なお、sure は感情のように I'm sure that ~ と主語を人称代名詞とするのが普通。辞書ジーニアスを見たが、it を主語にする sure は見つからなかった。
いっぽう、certain は、 It is certain that ~ も I'm certain もともに許される。(フォレストに I'm certain あり。ブレイクスルーに it is certain)
なお、確信ではなく「疑わしい」と思っている場合は、
It is doubtful whether (またはif)~ 「~かどうかは疑わしい」
のように、 接続詞は whether または if になる。この場合の whether や if も名詞節である。 I'm doubtful whether(if) のように人称代名詞で言ってもよい(インスパイア)。さらに、形容詞ではなく動詞 doubt で I doubt whether (if) ~ で言うことも可能(インスパイア)。
doubt のあとが doubt whether のように whether になる場合は、肯定の平叙文の場合だけである(インスパイア)。
doubt については否定形の場合、don't doubt that ~ のようになる(インスパイア)。つまり、否定形 doubtでは whether ではなく that になる。 これは、don't doubt は直訳しただけなら単に「疑ってはいない」というだけになってしまうが、しかし実際には don't doubt は「確信している」という意味を表すのに慣用的に使われている(インスパイア)からである。インスパイアの場合、I don't doubt that ~ を「~することは間違いない」と訳している。かなりマニアックな話題であり、ほかの参考書は取り上げていない。
けっして「否定形のあとなら whether がthat になる」(×)というわけではない(ジーニアス)。「彼女が来るかどうかはどうでもいいことだ」という文章で、「どうでもいい」は It doesn't concern me なので(ジーニアス)、それと「彼女が来るかどうか」を合わせて
It doesn't concern me whether she will come or not. 「彼女が来るかどうかはどうでもいいことだ。」(ジーニアス)
という例文もあるほどだ(ジーニアス)。
さらに疑問文の場合、 Do you doubt that ~ のように、that になる。
これはもう、論理的に説明するのが困難だが、安心してもいいことに他社の参考書にまず書いてない。入試には出ないだろう。
入試の出題者だって、そこまで瑣末なことは問わない。
実は「高校レベル」の参考書と言うのは、実は読者対象は題名に反して決して高校生だけが対象でなく、大学の教師などが知識を広く浅くアップデートするためにも出版されているので、上述のような入試の範囲をやや超えた細かい話題も載っていたりするのである。インスパイアがどうかは知らないが。
なお「確信」している場合、I'm sure は「確信している」の「信」じるの文字からも想像がつくように、動詞 believe で
I believe that と細かなニュアンスを無視すれば言い換えもできる(インスパイア)。
ほか、確信していない場合は、つまり確信に not がつく場合は、that よりも whether や if のほうが好ましい(インスパイア、ブレイクスルー)。つまり
I'm not sure whether(またはif) ~
のようになる(インスパイア、ブレイクスルー)。
なお、動詞で「信じていない」という場合、つまり don't believe の場合、 I didn't believe what ~ のように whether ではなく what になるのに注意(インスパイア)。
副詞節を導く従属接続詞
編集はじめに
編集ほか、(たとえば平叙文のなかで)副詞節を導かれるために使われる when (~のとき、)や where (~の場所)が従属接続詞である。
before , after および since や until なども従属接続詞。
as soon as や once もこれに含める(ジーニアス、フォレスト)。
また、過去形で It was not ling before ~ なら「すぐに~できた」の意味であり、副詞 soon で言い換えできる(ジーニアス)。
after について、前後関係が文脈から明白な場合は、主節が過去形のときでも、本来ならafter節は(主節よりも前の出来事なので、after節が)過去完了形になるはずだが、実際には(主節が過去形であるのに合わせて)after節も過去形のままで済ませることも許される。もちろん、after節を過去完了形にしても良く、after節を過去完了ぬすると前後関係が強調される(ジーニアス、インスパイア)。
なお、beforeの場合は、過去のある出来事よりも前(before)の出来事について言及したい場合、場合によって完了形になるはずなのは主節のほうである(ジーニアス)。beforeの場合も、本来なら主節が過去完了になる場合でも、(before節が過去形であるのに合わせて)主節を過去形のままにすることが許される。
before節の中身は肯定形である。つまり、before節には否定形を置けない(エバグリ)。どうしてもbeforeを使って「忘れないうちに」といいたい場合、「忘れる前に」と脳内で和訳を言い換え、before you forget のように言い換える必要がある(ロイヤル、エバグリ)。
なお、since 「~してから」「~して以来」の場合、これは継続の起点を表す意味の「~してから」だが、主節は完了形であるのが原則である(ジーニアス、インスパイア)。sinceを用いて現在継続中の事を言う場合、主節は現在完了形、since節は過去形、というパターンが多い(青チャート)。
since の節に否定は用いない(インスパイア It's been ~ since の単元)。
「until ~」は、「~」の瞬間まで動作が継続しているときに使い、「~するまで(ずっと)」の意味である(エバーグリーンに「ずっと」)。
一方、継続しない場合で、その時までに動作が完了している場合には、untilではなくby the time 「~する(時)までに」を使う(ジーニアス、インスパイア)。
また、until と by the time の両方とも、内容が未来の話であっても従属節の時制は現在形になる(インスパイア)。
いっぽう、主節のほうは、until の主節は未来の内容でも現在時制だが、しかし by the time の主節は未来のほうなら未来表現(will)になるという違いがある(インスパイア)。
- ※ インスパイア以外は by the time の主節の時制に言及していない。
as well as が等位接続詞なのに as soon as が従属なのはアレだが、まあどの参考書でもそういう分類になっている。
as soon as は言い換えで、the moment や the instant や no sooner ・・・ than ~ などの言い換え表現がある。
なお、 no sooner ・・・ than ~ は参考書によっては、『接続詞』の単元ではなく『比較』の単元に節に書いてある(青チャートなど)。
青チャートいわく、immediately も「~するとすぐに」だが、イギリス英語とのこと。
no sooner ・・・ than ~ の言い回しは文頭にくる場合もあり、その際に倒置によって主語と助動詞の語順が逆になる。
つまり、助動詞に had を使っているなら、とりあえず主語をIとするなら(べつに he でも she でも構わない)、倒置の場合は
No sooner had I + 過去分詞・・・ than ~ の語順である。
よく助動詞 had による過去完了形が使われるが(エバーグリーン、ジーニアス、青チャート)、しかし別に助動詞 did による単なる過去形でも構わない(インスパイア)。
構文の意味は微妙に違うが、
hardly(またはscarcely) ・・・ when(またはbefore) ~ 「~するやいなや」
も文頭にくる倒置をすれば主語と述語の動詞が逆転するので、よく no sooner の構文といっしょに参考書では紹介されることも多い(ジーニアス、青チャート)。
倒置する場合、上述の構文の語順は、とりあえず主語を he とするなら、
Hardly had he 過去分詞 when ・・・
の語順である。
なお、no longer 「もう~ではない」「もはや~ではない」は特に倒置は起きず、参考書でも特に倒置については言及はされていない(ジーニアス、エバーグリーン)。
よくある例文が、「宇宙旅行は(月への旅行は)もはや夢ではない」のような例文であり(インスパイア、青チャート)、たとえば
Traveling into space is no longer a dream. 「宇宙への旅行はもはや夢ではない。」(インスパイア)
A trip to the moon is no longer a dream. 「月への旅行はもはや単なる夢ではない。」(青チャート)
また、no longer は現在時制とともに使われることが多い(青チャート)。上述の例文も現在時制になっていることに注目。
no longer ~ は、not ~ any longer でも言い換えでき、どの参考書でも言及されている。
Traveling into space is not a dream any longer. 「宇宙への旅行はもはや夢ではない。」(インスパイア)
青チャートはany longer の言い換えをしてないが、もし言い換えするなら、下記のようになるだろう。
A trip to the moon is not a dream any longer. 「月への旅行はもはや単なる夢ではない。」 (wikiオリジナル)
I cannot stand ~ any longer. 「もうこれ以上、~に我慢できない。」(青チャート、ブレイクスルー)
入試にはめったに出ないが、じつは他にも言い換え表現として not ~ any more や not ~ anymore などもある(青チャート比較、ジーニアス接続詞)。
否定
編集参考書によっては「接続詞」の単元ではなく否定の単元に掛かれていることも多いが、no や not などの否定の語句をつかった接続詞的な内容の構文がある。
「cannot help ~ing 」と 「have no choice but to ~(to不定詞)」との使い分けが、重要である。
cannot help ~ing は「~せずにはいられない」「思わず~してしまう」の意味。cannot help ~ing は感情をおさえきれずに(青チャート)、思わず何かをしてしまう時に使う表現である。
Cannot help laughing 「笑わずにはいられない」
のように使う。「cannot help but 動詞の原型 」という言い方もある(ジーニアス、ブレイクスルー)。
cannot help but laugh
のように使う。
一方、自分の感情に反して、外部的な事情などで「~せざるを得ない」場合には、
have no choice but to 動詞の原形(to不定詞)
を使う(青チャート、ジーニアス)。
She had no choice to give up her job. 「彼女は仕事をやめざるを得なかった。」(青チャートを改変)
のように使う(エバーグリーン、青チャート)。
なお、
I had no choice to quit my job. 「私は仕事をやめざるを得なかった。」(エバーグリーン)
once
編集once は「いったん~すると」の意味。once をどう分類するかが参考書ごとに違う。
ifやunlessなどと同様に「条件」として once を分類する参考書もあれば(ブレイクスルー、インスパイア)、 beforeやafterやsinceなどと同様の「起点」として once を分類する参考書もある(ジーニアス、フォレスト)。
なお、as soon as と once がなぜか同じ章節で紹介される参考書が多いが(ジーニアス、フォレスト、しかし意味が違う接続詞なので混同しないように。
if~ は内容が未来であっても現在形を使うが、as soon as ~ も後続の文では内容が未来であっても現在形を使うので、もしかしたらその理由でonceが「条件」として分類されているのかもしれない。
また、as soon as ~ と同様に、once ~ も後続の文の内容が未来であっても現在形を使う(ジーニアス)。そういう共通点からか、一緒に「起点」として紹介されるのかもしれない。
しかし、単に分類が同じだけであり、 once は as soon as とは意味がまったく違うので、混同しないように。
その他
編集理由や原因のbecause/since/as
編集時間の表現だけでなく、because や since (since には理由の意味もある)も従属接続詞。
because は従属接続詞なので、よって主節なしで
「Because ~ .」
といったBecause だけの節をつくることは原則、誤用だとみなされる(青チャート、ジーニアス)。
ただし例外的に、"Why ~?" といった Why を使った質問文に対して、解答で"Because ~" と because だけの節の文章が許されている(青チャート、ジーニアス)。
because は、相手がまだ知らない情報を理由としてあげるのに使われ、また主節のあとにbecause節が置かれるのが一般的である。
since は基本、相手が既知の話題についての理由を説明するときに使うので(ブレイクスルー、フォレスト、ジーニアス)、since節の時制は過去形になる事も多い(青チャート)。また、上記の事情のため、sinceのつくる副詞節は文頭や前方に置かれることも多いが(インスパイア、ジーニアス、ブレイクスルー)、しかしsinceを文頭に置かなくても正しい英語である(青チャート)。
as もssince と同様、相手がすでに知っている情報を理由としてあげる際に使われる(インスパイア、ジーニアス)。
ただし、asはいくつか意味があるので、あまり意味がはっきりしないので、はっきり説明したい場合にはasの使用が避けられる場合もある(インスパイア)。
理由の因果関係の強調の順序としては、
(因果関係が強い側)because > since > as (弱い側)
の順に因果関係が強い(青、インスパ)。
このほか、forで理由を述べる用法があるが、文語調である(青チャート)。forについては紹介している参考書が少ないので省略。
その他
編集「so ~(形容詞) that ・・・(文)」 は従属接続詞。
so に等位接続詞の用法もあるが、しかし 「so 形容詞 that 文」で結びつけられている形容詞とthat後続の文は対等ではないので、従属接続詞のほうが適切であろう。
例文は著作権のため省略。
譲歩
編集「譲歩」の意味である、though や although が従属接続詞として分類されている(ジーニアス、フォレスト、ロイヤル)。
though よりも although のほうが堅い言い回しである(フォレスト、ロイヤル)。
なお、英文法の接続詞の単元でいう「譲歩」は、日本語の日常語の「譲歩」とは意味がやや違う。日常語の「譲歩」とは、自分と相手・他人の主張が対立したい場合に、相手の意見を聞き入れたり時には従うことに重点が置かれるのが日常語の譲歩である(広辞苑、三省堂新明解)。
しかし、この接続詞の英文法でいう「譲歩」とは、相手の主張の一部を事実ではあると認めた上で、それでも自分の主張に事実性などがあることを主張しているのが、英文法の接続詞の分野での「譲歩」である(桐原フォレスト)。
even if ~ も even though ~ も「たとえ ~ だとしても」という譲歩の意味があるが、下記のような違いがある。
even though ~ は、though の後に事実がきて、話し手は事実を知っている。
even if ~ は、if のあとに仮定がきて、その仮定が事実かどうかを話しては知らない。
これは基本的には、even がない場合の if節 や though節 における事実関係と同様である(インスパイア、桐原ファクト)。
日本語だと「たとえ~だとしても」と聞くと、なんとなく強い決心や確信や強めの命令などが続くように思われがちだが、しかし英語のeven if や even thoutgh は別にそういった決心や確信などではなくとも、使われる。たとえば青チャートに「彼は若かったが、優れた才能を持っていた。」と言う文章で Even though を用いている(青チャ)。桐原ファクトでは「彼はケガをしているにもかかわらず、プレーを続けた」という逆境を強調する文で even though を用いている。
もちろん、決心や確信や命令などを強調するために even if や even though が用いられることもよくあり、多くの参考書の例文がそうなっている(明言はしていないが)。※青チャ、インスパ
これとは別に、 even if ~ で if のあとが仮定法過去になる場合もある(ジーニアス、インスパイア)。
基本的には、even if も even though も、evenは単に直後の語を強調しているだけである(インスパイア)。 if「もし~」 のあとが事実かどうかを話し手が知らないのもifの不普通の用法だし、though 「~にもかかわらず」も通常は話し手は事実を前提にしているからである。
単に even は if や though に譲歩の意味をつけたしたり、譲歩を強調したりしているだけにすぎない。
条件
編集条件を表すif および unless も従属接続詞。
unless は、「もし~でなければ」という意味であるが(ジーニアス、ロイヤル)、「~でない限り、」と訳される場合も多い(フォレスト、ロイヤル)。なお、unless の直後の文は否定形にはならず(フォレスト、ジーニアス)、つまり unless の直後の文は肯定形である。
unless は、「否定の条件」であるという性質に加えて、さらに基本的に「唯一の条件」という性質がある(青チャート)。「起きてほしくない事を避けるためには、unless 以降の内容を実行するしかない」という意味での唯一性の主張が unless にはある。
このことなどから、 unless ~の文を if ・・・ not ~ の文章に書き換えできる一方で(unless → if not は可能な場合が多い)、しかし if not → unless の書き換えが無理な場合が多い。
unless は「条件の文 unless 予想される結果の文」の語順。unless においてカンマなどは不要。
unless の語順は、「予想される結末 unless 結末が成り立たなくなる条件」である。なお、unlessの主節(※ 予想される結末のほう)には、willなどの未来表現を使うのが普通。一方、ifおよびunless では従属節の内容がたとえ未来における内容であっても従属節の時制は現在形にする(ジーニアス)。桐原やロイヤルでは従属節の時制はとくに解説では明記されていないが、例文の時制を見ればジーニアスと同様に桐原などでもunlessの従属節は現在形である。
否定の慣用表現
編集※ 参考書によっては、「接続詞」の単元ではなく、「否定」の単元で下記が紹介されている場合もある(ジーニアス、エバーグリーン)。
not long before
編集It will not long before ~ は「まもなく~するだろう」の意味である。直訳すれば「~するまでに長くはない」だが(青チャート)、英語では「まもなく~するだろう」の意味である。
not until
編集It is not until ~ that ・・・ で「~して初めて・・・する」の意味である。直訳すれば「・・・まで~しない」だが(青チャート、インスパイア)、実際にはそこまで否定のニュアンスは無いし(とくに出典なし)、また過去形でも It was not until ~ that ・・・ として使われる(エバーグリーン、ジーニアス)。
典型的な文章は「病気になって初めて健康のありがたさが分かる」だが(ジーニアス、インスパイア)、参考書によって英文が微妙に違う。
ジーニアスでは
It was not until I became ill that I realized the value of health.
である。
インスパイアは、
It is not until we fail ill that we appreciate the value of good health.
である。
上記のように、同じような和訳の言い回しでも、文献により英文が微妙に違うので、暗記の必要はない。もし暗記させる教育者がいれば教員としての見識不足を疑われるだけである。
in case ~
編集「in case ~(文)」は「~の場合にそなえて」の意味であり、従属接続詞として分類され、この場合は普通は主節のあとに in case ~ が置かれる(フォレレスト、ジーニアス)。
in case ~ の典型的な例文は、
Take an umbrella with you in case it rains. 「雨が降るといけないから、かさを持っていきなさい。」 ※ 数研 青チャート、ジーニアス
take の代わりに bring の場合もある。また、この傘をもっていく例文の場合なら with you は省略可能。上記例文の出典の参考書にも with you をつけてないものもある。
Bring an umbrella in case it rains. 「雨が降るといけないから、かさを持っていきなさい。」 ※ ファクトブック
命令形ではなく平叙文の場合もあり、下記のような例文もある。
I'll take an umbrella with me in case it rains. 「雨が降るといけないから、かさを持っていこう。」 ※ フォレスト
with me は省略可能。自分で持っていくので with me になる(青チャート)。
「in case ~ 」の副詞節に it should rain. のように should が使われる場合もあるが、これは可能性が低いと話し手・書き手が思っている意味である(青チャート、ブレイクスルー)。
なお、in case は上記の「~するといけないから」「~しないように」の用法の他にも、case 「条件」の文字通り「~の条件で」の意味で in case を使う場合もアメリカ英語では見られ(ジーニアス、フォレスト)、この場合は if でも言い換えできる。
言い換え表現で、「~するといけないから」「~しないように」用法の in case と同じ意味は「for fear that A ~」や「lest A (should) ~」でも言える。
for fear も lest も、ともに固い表現である(ジーニアス)。ジーニアス以外の参考書の多くは、for fear が固い表現であることを取り上げていない。
for fear ~でも lest ~でも、つづく「~」の部分には not をつけない。日本語に引きづられて not をつけないように注意。
英和辞典を見れば fear は「恐れ」「不安」などの意味が書いてあることからも想像がつくように、for fear のあとには、おそれている内容を書くので、つまり、実現してほしくないことを肯定形で書くことになるのも当然であろう。
さて、lest について、ジーニアスいわく、 lest は固い言い方なだけであり、頻度自体は for fear よりも lest のほうが高いと、ジーニアスは主張している。
lest のshould が省略される場合もある。なお、shouldが省略された場合には、続く動詞には原形が来る。lest のshould 省略時の動詞の原形をつかうことを仮定法現在として解釈する流儀もある(青チャート)。
ほか、文法教育的にはあまり注目されないが、
so that ~ 「~のために」と、否定 not を組み合わせて、たとえば 「so that A won't ~」により「~しないように」という言い換えも可能である。won't の変わりに can't の場合もある(ブレイクスルー)。
その他
編集その他、as far as や as long as など範囲を表す表現が、カンマなどを補われて、従属接続詞として分類される。
「as far as I know,」 で「私の知る限りでは、」の意味。as far as の代わりに so far as とすることもある(ロイヤル)。
よくある典型文は
As far as I know, he is ~. 「私の知るかぎり、彼は~な人だ」
である(フォレスト、インスパイア)。そのほか、
As far as I'm concerned, ~ 「私に関する限り、」
という表現が、たとえば「私に関する限り、それで結構です。」(青チャート)とか「私に関する限り、不満はありません。」(ジーニアス)のような文章で使われる。
このように as ・・・ as は範囲を表すことがある。
このほか、別の用法で as far as で、自分の意見を言う用法もある(ブレイクスルー、ジーニアス)。たとえばブレイクスルーいわく、「私の意見では、冷凍食品はおいしくない」という単なる持論にも as far as を使っている例文がある。
as long as には用法が2種類あり、ひとつの用法は「~する間」という時間的な範囲を表す用法であり、もうひとつの用法は最低限の条件を表し(フォレスト)、「~しさえすれば」などと訳される(ジーニアス、フォレスト)。as long as の代わりに so long as とすることもある(ジーニアス、フォレスト)。「~する限りは」と訳される場合もある(ロイヤル)。
慣用的なよくある言い回しとして、「as long as I live 」で「私が生きている限り」の意味(ロイヤル、ジーニアス)。
I will never forget your kindness as long as I live. 「私が生きているかぎり、あなたのご親切を忘れません。」
のような文章がよく参考書にある(ジーニアス、青チャート)。
なお、べつにneverを使わずとも、
I won't forget your kindness as long as I live. 「私が生きているかぎり、あなたのご親切を忘れません。」
のような文章もよくある(インスパイア)。
「~さえすれば」の as long as は、言い換えとして、if only または only if で言い換えすることもできる。
目的を表す「 so that ~」も接続詞である。in order that も同様、目的を表す接続詞である。なお、so that ~ について、口語では thatが省略されることも多く、つまり so だけで目的の接続詞になることもある(フォレスト、ジーニアス)。
so that 節の中では、can や will や may をつかうのが普通(フォレスト、ジーニアス)。
なお、「so ~(形容詞など) that ・・・」は程度をあらわす接続詞である。
in order that ~ は堅い表現。in order that 節の中では、can や will や may をつかうのが普通(フォレスト、ジーニアス)。
as も接続詞の用法がある(ロイヤル、フォレスト)。
その他にも、さまざまな接続詞がある
suppose や supposed や providing や provided (どれも「もし~ならば」の意味)などを接続詞として分類することもある(フォレスト)。