合併

編集

合併とは

編集

2つの会社がくっつつ契約をして、1つの会社になることを合併(がっぺい)という。(会社748) 合併には、吸収合併新設合併がある。

吸収合併とは、例えばA社とB社が合併したら、A社が残り、B社は消滅し、B社の権利義務をA社が承継するという合併である。

つまり、片方の会社(仮にA社とする)を残して、もう片方の会社(仮にB社とする)を無くし、なくなったほうの会社(B社)の設備や人員や契約や権利や債務などを、残ったほうの会社(A社)が獲得する合併が、吸収合併である。 以前のB社の株主は、合併時に、そのぶんの株価に見合った対価の交付(A社の株の交付、または金銭の交付)を受ける。

いっぽう、新設合併とは、例えばA社とB社が合併させ、新しくC社を誕生させ、以前のA社の株主とB社の株主には、C社の株を交付する合併である。

実際の合併の多くでは、許認可などを得る手続きの簡易化のため、吸収合併が使われる事が多い。(参考文献: 実教出版の教科書。)(参考文献2: 有斐閣『会社法』、伊藤靖史ほか、第3版、)

さて、合併において、合併後も残るほうの会社を「存続会社」といい、いっぽう、法人格が消えるほうの会社を「消滅会社」という。

吸収合併では、たとえばA社がB社を吸収して合併したことによりA社が残ってB社が消滅したとしたら、つまりA社のほうが存続会社であり、B社は消滅会社である。

いっぽう、新設合併では、A社とB社が新設合併でC社を設立したら、つまりA社とB社の両方とも消滅会社である。

吸収合併でも新設合併でも、消滅会社にとっては会社は無くなるが、株主は対価の交付を受けるため、清算手続きは行われない。(※ 検定教科書の範囲内。東京法令の教科書。)

また、会社が合併する際には、両会社の株主に重大な影響を与えるので、原則として両社の株主総会での特別決議承認が必要である。(※ 検定教科書の範囲内。実教出版、東京法令の教科書の両方に記述あり。)(会社783、795、804)

もし合併が決まった際、合併に反対の少数株主は、自分の有する株式を公正な価格で買い取ってもらう事になり、このことを反対株主の買取請求権という。


※ 本節で言及する「合併」は、説明の簡単化のため、断りのないかぎり、株式会社どうしの合併とした。なお、会社の種類には株式会社のほかにも合名会社や合資会社などがある。

※ 3つ以上の会社が合併しても良いが、本節では説明の簡単化のため、断りのないかぎり、2社の会社が合併する事例に言及した。

債権者保護手続き

編集

ある会社に債権を持ってる債権者にとっては、その会社の合併が行われると、大きな影響を受ける。 そこで会社法では、合併を行おうとするさいに、債権者を保護するための様々な手続きを定めており、これを債権者保護手続きという。債権者保護手続きでは、まず合併のさいは、債権者に知らせるため、債権者に催告または1か月以上の公告をしなければならない事を定めており、債権者に異議を申せる機会を与えなければならない事を定めている。(会社789、799) なお、公告は官報などで行う。

もし合併によって債権者の債権が失われて債権者に損失の生じる場合、または債権者に損失の生じる可能性の高い場合は、合併をする会社は債権者に弁済か担保提供などをしなければならない。

合併を行う理由

編集

最近の合併は、主に次のような理由で行われる場合が多い。

規模を拡大して会社を強くするため。
または、倒産しそうな会社を救済するため。

分割

編集
このページ「高等学校商業 経済活動と法/企業再編」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。