高等学校国語総合/漢文/江雪
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事前の解説
編集雪景色の、静かな風景を詩にしている。作者の孤独な気持ちを表している。(なお、作者は、この地に左遷(させん)されている。)
現代語では、「左遷」(させん)とは、組織づとめをしてるサラリーマンなどが、低い役職に落とされること。
原文
編集江雪
- 柳 宗元
- 千山鳥飛絶
- 万径人蹤滅
- 孤舟蓑笠翁
- 独釣寒江雪
(原典: 唐詩三百首)
書き下し文
編集江雪(こうせつ)
- 柳 宗元(りゅう そうげん)
- 千山(せんざん) 鳥(とり) 飛ぶこと(とぶこと)絶え(たえ)
- 万径(ばんけい) 人(じん) 蹤(しょう)滅(めっ)す
- 孤舟(こしゅう) 蓑笠(さりゅう)の翁(おう)
- 独り(ひとり)釣る(つる) 寒江(かんこう)の雪(ゆき)に
現代語訳
編集- すべての山から、鳥の飛ぶ姿が、まったく消え、
- 多くの小道は、人の足あとが消えてしまった。
- (川の上で、)一艘の小舟に、蓑(みの)と笠(かさ)をつけた老人が、
- 独り(ひとり)、雪の降る(ふる)寒々とした川で、釣りをしている。
対比など
編集- 起句(きく)と承句(しょうく)が対句(ついく)になっている。
- 千山 ⇔ 万径
- 鳥 ⇔ 人
- 飛 ⇔ 蹤
- 絶 ⇔ 滅
「蹤」(しょう)とは、「足あと」のこと
- 各句の最初が数に関する字
「千」「万」「孤」「独」というふうに、すべて数に関する字になっている。
形式
編集五言絶句
句法など
編集- 独釣寒江雪
- ( 独り(ひとり)釣る(つる) 寒江(かんこう)の雪(ゆき) )
倒置法(とうちほう)で訓読されている。 普通の語順では、「独り寒江の雪に釣る」になる。
韻
編集「絶(ぜつ)」「滅(めつ)」「雪(せつ)」
語釈
編集- 千山 - 多くの山。
- 蓑笠(さりゅう) - みの と かさ。
- 江雪 - 川に降る雪。