高等学校工業 電子回路/演算増幅器
逆相増幅回路
編集右図のようにつなぐと、
になる。
なぜならば、以下の理由による。
まず逆相増幅回路では、オペアンプの(プラス記号のある)プラス側入力端子は、設置されているため0Vである。
この回路では、接地されているオペアンプのプラス側入力端子だけが0Vでなく、オペアンプのマイナス側入力端子もほぼ0Vである。
その理由は、以下のとおり。
まず、オペアンプの入力直後の回路には、差動増幅回路が使われてることを思い出そう。
さて、差動増幅回路の性質により、差動増幅回路の両方の端子は、ほぼ同じ電位にある。
つまり、右図の差動増幅回路の図では、トランジスタQ1とQ2の電圧降下の直後に、配線が接続しているので、 トランジスタQ1の電圧降下をかりにΔV1と書くとして、同様にトランジスタQ2の電圧降下をかりにΔV2と書くとすれば、
- Vin+ーΔV1 = Vin-ーΔV2
である。
また、差動増幅回路の性質により、特性の同じトランジスタが、それぞれの端子の入力直後についてるという性質のため、
- ΔV1 = ΔV2 (= ΔV )
である。
この電圧降下の等式をさいしょの式に代入して
- Vin+ーΔV = Vin-ーΔV
両辺に共通する ΔV を除去すれば、
- Vin+ = Vin-
となる。
よって、差動増幅回路の両方の入力は、ほぼ同じ電位になる。
そして、今回のオペアンプの話題にもどると、オペアンプのプラス端子が接地されてるため0Vなので、
- Vin+ = 0
である。
よって、
- Vin- = Vin+ = 0
こうして、オペアンプのマイナス記号側の入力端子も、ほぼ0Vである事が証明された。
また、オペアンプの基本性質により、出力電流とくらべれば、入力電流はほぼ0Aであると近似できる(理由は、差動増幅回路では、出力電流とくらべて、入力電流がほぼ0Aと近似できるため)。
このことから、電流の大きさについての等式を立てると、
という式が成り立つ。
R_inの直後で電位が0Vになるので、つまり、さらにR_fで電圧降下することによって、V_outはマイナス電位になっている。
よって、V_inとV_outの符号は反対である。
よって、
の関係がなりたつ。
この式を変形して、電圧増幅度をもとめれば、
となる。 (証明おわり)