高等学校数学I 二次関数 演習A
この項は高等学校数学I 二次関数の演習問題Aである。
問題編集
問1編集
二次関数 のグラフを平行移動して、頂点が次の点に来るようにしたとき、その放物線の式を求めよ。
- (1) (2,3)
- (2) (-1,4)
- (3) (-4,-2)
問2編集
xの二次関数yのグラフが三点 (2,3), (1,4), (-1,2) を通るとき、yをxの式で表せ。
問3編集
四次関数 がある。次の設問に答えよ。
- 問3-1
- この四次関数を二つの二次関数の積に書き直せ。
- 例:
- 問3-2
- この四次関数の最小値、最大値を求めよ。また y がそれらの値を取る時の x の値も求めよ。
解答編集
問1編集
- (1) あるいは 。
- (2) あるいは 。
- (3) あるいは 。
問2編集
求める式を とおく。これらが与えられた点を通るから、
がなりたつ。
- (2) - (3) より 。 よって、 … (4)。
- (1) - (3) より 。(4) を代入して、 。
- (1) より 。
以上より、求める式は 。
問3編集
四次関数の問題で驚いたかもしれないが、式を変形していけば、最終的に二次関数の問題として捉えられる。二次関数の形として整理できれば、後は自分の持っている知識で解けるだろう。
- 問3-1
このような問題では、適当な式を文字に置き換える。この場合では、文字を 、適当な式を として、 とすればうまく式をまとめられる。
- 。
t を元に戻して、
- 。
- 問3-2
結局、 だということがわかったので、このことをもとにこの四次関数の最大値、最小値を考えてみる。
ここでもまた、適当な式を文字におきかえて考えてみる。ここでは、 とする。そうすると、 となり、単純な二次関数の形になる。 の定義域に注目する。まず s の定義から、 であるから、 である。よって、
- ( )
という単純な二次関数の最大最小問題に帰結することができた。 の最小値は、 の時、 である。 よって、 すなわち、 のとき、与えられた四次関数の最小値は 。
最大値は存在しない。通常は示す必要はないと思うが、ここではこれを示しておく。仮に、そのような最大値が存在すると仮定して、その最大値を その時の の値を とする。 である。さらに、 とする。
仮定から が最大値であるので、少なくとも である。 このとき、
が成り立つはずである。しかし、 から であるので、これは矛盾を生じてしまう。したがって最大値は存在しない。