高等学校理科/地学基礎/地球の環境

エルニーニョとラニーニャ

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エルニーニョ・ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動

太平洋の赤道付近の南アメリカのペルー沖あたりで2〜5年に一度、海面の水温が上昇する現象があり、この現象をエルニーニョという。 なお、エルニーニョはクリスマスの頃に発生し、またエルニーニョとはスペイン語で「神の子」という意味である。

エルニーニョが起きると、影響はペルー周辺だけではなく東南アジアまでの広い太平洋全体に気象の変化を及ぼし、また赤道周辺だけでなく(日本やオーストラリアといった)中緯度の地域にまで影響を及ぼす。つまりエルニーニョは太平洋地域の気象に広く影響を及ぼす。

日本ではエルニーニョの年は、夏は冷夏になり、冬は暖冬になる場合が多いとされている。

エルニーニョの発生していない平年は、この地域には貿易風が強く存在していると言われている。エルニーニョの発生原因として考えられている説は、何らかの原因で貿易風(東風)が弱まり、冷水の上昇も止まるのが原因だろうとされている。

いっぽう、エルニーニョとは逆に、ペルー沖の海面水温が低くなる年もあり、この現象をラニーニャという。なお、ラニーニャとはスペイン語で「女の子」という意味である。ラニーニャが発生すると、太平洋地域の気象に広く影響を及ぼす。

日本ではラニーニャの年は、夏はかなり暑く、冬はかなり寒くなる場合が多いとされている。ラニーニャの年は、貿易風が強いと言われている。

地球環境の科学

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日本の自然環境

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観測事実として、大地震の時などに、埋立地の地面が、水分の多い泥のような液体状になるという現象が発生する場合のある事実があり、このような地震などで地盤が液体のように軟弱になる現象のことを液状化(えきじょうか)という。「液状化現象」という場合もある。

単に泥水が出現するだけでなく、さらに地盤が軟弱になった事により建物が倒れたりするので、被害が拡大する場合もある。

  • 液状化のしくみ
 
液状化のしくみ

図のように、地震のない時には砂どうしが結合している地盤に、地震によって砂が浮き上がりスキマが生じて、そのスキマに水が入ることで砂どうしの結合が破壊されるという仕組みが、液状化の仕組みとして提唱されていて定説として普及している。