作品の安全性・合法性 編集

作品を作る前に、作品の安全性などを判断するのは必要な事です。

例えば、立体造形物を作る場合は、とがった部分など事故が起こりやすい部分を事前に把握して、十分な注意を心がける必要があります。この例で言うならば、とがった部分はやわらかい材質でつくる、先端を丸めておくなどの対策を施す事が望ましいですね。他の例として、イスなど人間が座ったり乗ったりするものは、普通の使い方では壊れないように頑丈に制作しておく必要があります。そのため、事前に使っても壊れない事を自身で確認する必要がありますね。

もし、このような安全対策を行わなかった結果、その作品でケガをしたという人が現れると、作者側は多額の治療費や損害賠償を請求されたり、または刑事罰を受ける場合があります。

このように、作品の安全性には配慮が求められています。


資料探し 編集

例えば、創作イラストなどで戦国時代の甲冑(かっちゅう)を装着した武者(むしゃ)を描きたいとします。このような場合、国語便覧や日本史の資料集などに甲冑の写真や説明イラストが掲載されていることがあります。天使や悪魔、フェニックスなどの空想上の生き物、または空想上の神々を描きたくて調べたい場合にも、資料集がある程度活用できます。その他、現代に習慣の残ってない歴史上の文化や風習などをイラストで描きたい場合などにも、国語や日本史・世界史などの資料集を活用しよう。

しかし、たとえ教材のイラストとはいえ、著作権があるので決してそのまま書き写した絵を発表してはいけません。詳しくは著作権などを参考にしてください。

これとは別に美術イラストの資料集が書店で販売されています。ただ、不要な情報が多い、あるいは純粋に情報が多すぎる、著作権の取り扱いが煩雑、値段が高いなどの理由で高校生にはあまり勧めない考えの人が多いです。

描きたい題材によってはなかなか資料が見つからない場合もあります。その場合はまず描きたい絵を描いてしまいましょう。資料なしで描けば、間違った構造の絵を描くことになるかもしれませんが、間違いはあとから修正できます。後から少しずつ直したり、普段から物事について知ること、調べることを心がけていけば、少しずつ美術や絵画に対する世界観は広がってゆきます。

※例外として正確性が求められる絵が挙げられます。例えば、生物学の解剖イラストは学術的な用途で用いられるので間違った情報が含まれてはいけませんし、地図や説明書などの実用的な絵であれば誤解が生じてしまう可能性があります。

デフォルメ 編集

漫画やアニメーションでは分かりやすさを求めて、身体の特徴を強調することがあります。例えば、長身の人物はより長身に描かれます。一方、小さい人物はより小さく描かれます。

例えば、兄妹や姉妹が登場する作品では、たとえ成長期の終わった20歳すぎの兄妹や姉妹でも、年齢の大きいほう(兄や姉)を長身にデザインして、一方で弟や妹は背を低くデザインするような手法があります。観客は、自分が小学生のころの周囲の兄妹や姉妹のいる家庭などとの連想から、長身にデザインされたほうの人物が兄または姉だと分かり、背が低くデザインされたほうの人物が弟や妹だと分かる、というデザイン手法です。

このように、身体の特徴などを、作家が観客に、表現の意図をわかりやすく伝えるために、現実の人間や物体とは違うデザインを行うことをデフォルメといいます。

身長に限らず体重でも同様です。漫画やアニメーションで太っている人物をデザインする際は、太っている事を分かりやすく視聴者などに伝えるために、顔や手を現実の太っている人間よりも太らせてデザインします。しかし、実際は顔や手にほとんど脂肪がつくことはありません。現実での太っている人間の顔や手の脂肪の量は、太ってない人のそれとほぼ同じなのです。

また、19世紀から20世紀始め頃の欧米で出版された、美術理論を解説した書籍の中にもデフォルメをしているものが多くあります。例えば、人間の頭身が8頭身くらいに描かれる美術書がありますが、現実の人間の頭身は6.5頭身くらいだと言われ、実際の人間の体型とは違います。これら欧米の古い美術書でも、目や鼻、手足の書き方だけは写実的なので、一見すると現実の人体どおりに描いていると考えがちです。しかし実際は、当時のアメリカやヨーロッパの美術の流行に合わせて頭身のデフォルメをしています。部分的な強調と言えるでしょうか。