高等学校 地学/生命の進化
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先カンブリア時代は生物と地球の歴史にかなり大切な時期です。これまで先カンブリア時代の化石があまり見つからず、研究も遅れていました。しかし、先カンブリア時代のこのような特徴が最近の研究から見えてきました。
生命の誕生(太古代前半)
編集地球上で最も古い生物の誕生が最近の研究から分かりました。バクテリアのような微生物は38億年前までにいました。地質学者はグリーンランドのイスアで微粒子を見つけました。大量の二酸化炭素が地球の空気中に漂っており、海も強い酸性でした。しかし、生物はそのような厳しい環境でもかなり早い時期から生まれていました。
最古の化石
編集35億年前の古い海底から微生物化石が西オーストラリアのピルバラ地域で見つかりました。その化石をよく調べてみると、現在の微生物とよく似ていました。当時の様子を調べると、微生物は熱水噴出孔にいました。研究者によると、この微生物は私達みたいに食物から栄養を取るのではなく、化学物質から栄養を作り出していたと考えています。
光合成生物の出現(太古代後半)
編集光合成生物が27億年前に酸素を作り始め、空気の成分を大きく変えました。太古代後半から光合成生物が栄養を作り、他の生物の命を繋いでいます。
酸素の発生
編集かつて、生物は深い海の中で暮らしていました。その後、シアノバクテリアが浅い海に住み始めました。やがて、シアノバクテリアは石灰質のドーム型構造物(ストロマトライト)を世界各地に作りました。ストロマトライトの大きさは数cmから数10cmくらいです。シアノバクテリアは今の植物とほとんど同じように光合成を行って、酸素を作りました。現在でも、ストロマトライトはオーストラリア西部の浅い海で見られます。
微生物のシアノバクテリアが酸素を作り始めると、生物も酸素を使えるようになりました。一方、酸素を使えない生物は深い海に逃げました。
真核生物・多細胞生物の出現(原生代前半)
編集かつて、鉄が海の中に数多く含まれていました。光合成生物がこの自然環境に現れると、酸素を作り始めました。その結果、海水中の鉄が酸素と結びついて、酸化鉄になりました。酸化鉄が年数をかけて積み重なって縞状鉄鉱層になりました。縞状鉄鉱層を調べると、その時代の地球がどんな環境だったのか分かります。
全球凍結
編集地球は2回も全部凍りました(全球凍結)。地質学者は1950年代に世界中の地層から氷河の痕跡を見つけました。また、赤道の近くでも氷河の痕跡が1990年代に見つかりました。このような現象をスノーボール・アースともいいます。氷河が溶けると、大きな氷の塊も海に流れました。やがて氷の塊が元々の大陸の岩盤を削りました。その結果、大陸の岩砕は海底に沈みました(ドロップストーン)。地球全体が凍り始めると、日光も氷に反射して、益々寒くなりました。その原因は地質学者も分かりません。
大気中の酸素の蓄積
編集大昔、海水中の鉄が酸素と結びついて、空気中の酸素も現在の1%近くまで増えました。23億年前からの地層に酸化鉄が数多く見られます。一方、ウラン鉱床はこの時代に無くなりました。
空気中の酸素が急に増えて、地球も無酸素環境から有酸素環境に変わりました。そして、この空気中の酸素が太陽からの紫外線と結びついて、オゾン層を作りました。
微生物が光合成しても、微生物の死骸を細かくする時に酸素を使います。したがって、空気中の酸素はすぐに増えません。一方、微生物がそのまま地層に埋まると、酸素も残ります。これが燃料(石炭と石油)になります。そのため、空気中の酸素が原生代初期に増えたのは、数多くの生物が地層に埋まったからです。
真核生物の出現
編集多細胞藻類の繁栄
編集地球の歴史で、最初の生物はプランクトンでした。かなり昔の地層から微化石(アクリターク)が見つかっています。研究の結果、微化石は単細胞生物の藻類プランクトンだと分かりました。約10億年前、多細胞生物のコラーゲンが見つかりました。そのあと、様々な多細胞生物も現れました。このような生物の進化は、地層の研究とか生物の研究とかで分かっています。
有骨格生物の出現(原生代後半)
編集2回目の全球凍結
編集エディアカラ生物群
編集オゾン層の発達
編集空気中の酸素は全球凍結後に大きく増えました。空気中の酸素は地球各地に広がり、かなり深い海底にも少しずつ届くようになりました。そして、オゾン層が地球の上空に出来ました。オゾン層は紫外線と反応して、適度な厚さになりました。オゾン層は有害な紫外線をあまり取り入れないので、生物も陸上で暮らせるようになりました。