FreeBSDの /bin/sh
は Almquist Shell (ash) に基づいています。具体的には、FreeBSDにおける /bin/sh
は 改良版の Almquist Shell で、軽量かつPOSIX準拠のシェルとして設計されています。
Almquist Shell (ash) の特徴
編集- 軽量設計:
- ash は軽量でリソース消費が少ないため、主にシステムスクリプトや起動時のスクリプト処理に適しています。
- POSIX準拠:
- POSIX仕様に準拠しており、Bourne Shell(sh)との互換性を保ちながら、POSIX標準で求められる新しい機能をサポートしています。
- シンプルな構造:
- 必要最小限の機能に焦点を当てており、対話的な利用よりもスクリプト実行に適しています。
- 派生系の採用:
FreeBSDの /bin/sh
の改良点
編集
FreeBSDでは、以下のような改良が Almquist Shell に施されています:
- POSIX機能の完全サポート:
- POSIX準拠のスクリプト処理を強化しており、標準的なシェルスクリプトを書く際に互換性が確保されています。
- エラーメッセージの改善:
- スクリプトエラー時のデバッグがしやすいように、エラーメッセージが改善されています。
- パフォーマンス最適化:
- 起動時間やスクリプト実行速度が最適化されており、特にシステムの起動プロセスやシェルスクリプトの高速実行が可能です。
- 統合性の強化:
- FreeBSDの全体的な設計に統合され、FreeBSD固有のシステムユーティリティや構成とスムーズに動作します。
主な用途
編集- システムスクリプト:
- FreeBSDの
/etc/rc
スクリプトやその他の起動スクリプトで使用されるシェルとして最適。
- FreeBSDの
- スクリプト開発:
- POSIX準拠のスクリプトを書く際の基本シェルとして利用可能。
- 対話的利用も可能:
- ただし、対話的利用には機能が少ないため、一般的には tcsh や bash などのより高機能なシェルが推奨されます。
補足情報
編集Almquist Shell は、1989年に Kenneth Almquist 氏によって開発されました。当時の Bourne Shell を置き換える目的で作られ、軽量でシンプルな実装が特徴でした。この設計思想は現在の FreeBSD /bin/sh
にも受け継がれています。