Dpkg
概要
編集dpkgは、Debianパッケージ管理システムの中核をなすパッケージ管理ツールです。.debパッケージのインストール、削除、情報の提供を行う低レベルのツールとして機能します。APTの基盤となるシステムです。
歴史
編集dpkgは1993年にIan Murdockによって開発が開始され、Debianプロジェクトの一部として作られました。当初はシンプルなパッケージ管理システムとして設計されましたが、時間とともに機能が拡張され、現在の包括的なパッケージ管理システムへと進化しました。
基本構造
編集.debパッケージの構造
編集- control.tar.gz - メタデータと制御情報
- data.tar.xz - 実際のファイルデータ
- debian-binary - パッケージフォーマットバージョン
主要コマンド
編集パッケージ操作
編集- dpkg -i <package.deb> - パッケージのインストール
- dpkg -r <package> - パッケージの削除(設定ファイルは保持)
- dpkg -P <package> - パッケージの完全削除(設定ファイルも削除)
- dpkg -L <package> - パッケージに含まれるファイルの一覧表示
情報表示
編集- dpkg -s <package> - パッケージの状態表示
- dpkg -l [pattern] - インストールされたパッケージの一覧表示
- dpkg --contents <package.deb> - .debファイルの内容表示
- dpkg -S <filename> - ファイルを含むパッケージの検索
パッケージ管理
編集- dpkg --configure -a - 設定が未完了のパッケージの設定
- dpkg --unpack <package.deb> - パッケージの展開のみ
- dpkg --verify - インストール済みパッケージの検証
設定ファイル
編集主要な設定ファイル
編集- /etc/dpkg/dpkg.cfg - メイン設定ファイル
- /var/lib/dpkg/ - データベースディレクトリ
- /var/lib/dpkg/status - パッケージの状態情報
高度な使用方法
編集デバッグとトラブルシューティング
編集- dpkg --debug=<level> - デバッグレベルの設定
- dpkg --force-<option> - 強制オプションの使用
- 一般的な問題の解決方法
パッケージ構築
編集- debuildの使用
- dpkg-buildpackageの使用
- コントロールファイルの作成
dpkgのステータス管理
編集パッケージの状態
編集- not-installed - 未インストール
- half-installed - インストール途中
- unpacked - 展開済み
- half-configured - 設定途中
- installed - インストール完了
Tips
編集パフォーマンス最適化
編集- パッケージ操作の高速化
- データベースの最適化
- ディスク使用量の管理
セキュリティ考慮事項
編集- パッケージの検証
- 署名の確認
- セキュアなパッケージ管理プラクティス
バックアップと復元
編集- パッケージ状態のバックアップ
- システム復元のテクニック
トラブルシューティング
編集一般的な問題と解決方法
編集- 依存関係の問題
- 壊れたパッケージの修復
- 中断されたインストールの復旧