改廃された技術

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Fortranの改廃された技術や利用が推奨されない技術は、言語標準の進化、新しい要求、コード保守性の向上などによって置き換えられます。以下に、代表的な技術を示します。

COMMON文

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
グローバル変数の使用によるコードの可読性低下、保守性の問題、並列処理での問題が発生します。
代替技術
MODULEとUSE文による変数共有が推奨されます。

固定形式ソース

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
1-6列目が特殊な意味を持つ固定形式は、現代のプログラミング環境での可読性と保守性に問題があります。
代替技術
Fortran 90以降の自由形式ソースが推奨されます。

GOTO文

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
利用推奨されない理由
スパゲティコードを生みやすく、プログラムの流れが追いにくくなります。
代替技術
DO、IF-THEN-ELSE、SELECT CASE などの構造化プログラミング構文が推奨されます。

Arithmetic IF

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  • 対象: IF (expr) label1, label2, label3
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
コードの可読性が低く、保守が困難です。
代替技術
IF-THEN-ELSE文、SELECT CASE文が推奨されます。

EQUIVALENCE文

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  • サポート開始年: FORTRAN II
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
メモリ配置の最適化を阻害し、可読性を低下させ、バグの原因となりやすい。
代替技術
派生型(TYPE)、配列、ポインタの使用が推奨されます。

PAUSE文

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: Fortran 95で削除
廃止または衰退の理由
インタラクティブな実行制御が不適切で、現代のプログラミング手法と整合性がありません。
代替技術
READ文、または言語処理系固有の対話的デバッグ機能の使用が推奨されます。

Hollerith定数

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
文字列処理が複雑で、現代の文字エンコーディングとの互換性に問題があります。
代替技術
CHARACTER型と文字列リテラルの使用が推奨されます。

ASSIGN文とAssigned GOTO

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  • サポート開始年: FORTRAN II
  • サポート終了年: Fortran 95で削除
廃止または衰退の理由
プログラムの流れが追いづらく、構造化プログラミングの原則に反します。
代替技術
サブルーチン、関数、SELECT CASE文の使用が推奨されます。

DATA文(ブロック外)

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  • サポート開始年: FORTRAN IV
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
プログラムユニット外でのデータ初期化は保守性と可読性を低下させます。
代替技術
PARAMETER属性、型宣言時の初期化、MODULEでの変数定義が推奨されます。

DO文(Statement Labels)

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  • サポート開始年: 1957年(FORTRAN I)
  • サポート終了年: なし(ただし非推奨)
廃止または衰退の理由
ラベルを使用したDOループは構造化プログラミングの原則に反し、エラーを起こしやすい。
代替技術
END DOを使用した構造化DOループ、DO WHILE、またはDO CONCURRENTが推奨されます。