GIMPは「GNU Image Manipulation Program」の略で、GNU GPLの元でライセンスされたオープンソースの画像処理ソフトである。Photoshopと多くの機能が共通しており、時にPhotoshopクローンと評される。

GIMPプロジェクトは1995年に始まり、1996年1月に最初のリリース(ver 0.54)がなされた。その後11年経ち、現在ではPhotoshopに10万円も払いたくないという人々の間にGIMPは広く普及している。

GIMPは最初のUnixとLinuxでのリリースからWindowsやMac OS Xなどさまざまなプラットフォームに移植された。これらのプラットフォームでGIMPを使うためにはGTK(the Gimp Toolkit)と呼ばれるライブラリをインストールする必要がある。さらにMac OS XにおいてはGTKがネイティブで走らないためXサーバーパッケージが必要である。

GIMPはPhotoshop同様、写真などのビットマップ画像を扱うソフトであり、ベクタ画像を扱うことはできない。ベクタ画像の処理にはAdobe Illustratorや、オープンソースのInkscapeやScribusなどのソフトが必要である。GIMPはカラーカーブやレイヤ、多彩なフィルタなど優れた機能を持ち、Adobe PhotoshopやCorel Paint Shop Proなど企業製のソフトに匹敵するものである。

Web上にはさまざまなソフトに対する多くの画像処理マニュアルがあるが、中にはソフトによらず参考になるものもある。GIMP、Photoshop、Paint Shop Proなどに含まれる機能はどれも似たようなものであるため、それなりに上達したGIMP使いであればPhotoshop用に書かれたマニュアルであっても十分に使いこなすことができる。しかし、Photoshop特有の機能を使う場面においてはこれは不可能である。残念なことにGIMPにはPhotoshopで頻繁に用いられる機能のいくつか、例えば調整レイヤやCMYKカラー、Healing brushなどが無い。しかし大抵の場合、これらのハンディは少しの手間をかければ補える。

今すぐにでもGIMPを使い始めたくなったのならまずはこれを心に留めておいてほしい。

編集中の画像を右クリックするとメニューが出る。ここからはGIMPのほとんどの機能に行き着くことができる。さらに、同じコマンドが編集中の画像ウィンドウのツールバーからもアクセスできる。