env コマンドは、環境変数を表示したり、新しい環境変数を設定してコマンドを実行したりするためのユーティリティです。4.4BSD で登場しました。

基本的な使い方

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env [OPTION]... [COMMAND [ARG]...]

オプションなしで env を実行すると、現在の環境変数の一覧を表示します。

出力例

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env

出力例:

PATH=/usr/bin:/bin
HOME=/home/user
SHELL=/bin/sh
...

主な用途

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  • 現在の環境変数を一覧表示
  • 一時的に環境変数を変更してコマンドを実行
  • 環境変数をリセットした状態でプログラムを実行

使用例

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特定の環境変数を設定してコマンドを実行:

env VAR=value command

例:

env EDITOR=vim visudo

環境変数をリセットした状態でシェルを起動:

env -i /bin/sh

オプション

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  • -i, --ignore-environment
    すべての環境変数をクリアしてコマンドを実行
  • -u, --unset=NAME
    指定した環境変数を削除
  • --help
    ヘルプを表示
  • --version
    バージョン情報を表示

使用上の注意

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  • env は、環境変数を変更した一時的な環境でコマンドを実行するため、設定のテストに便利です。
  • env -i を使用すると、環境変数がリセットされるため、最低限 PATH を設定しないとコマンドが見つからないことがあります。

標準規格

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env は IEEE Std 1003.1 (POSIX) に準拠しています。

関連コマンド

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  • export - シェル内で環境変数を設定
  • unset - 環境変数を削除
  • printenv - 環境変数の値を表示