id コマンドは、現在のユーザー ID(UID)やグループ ID(GID)、および所属グループの情報を表示するためのユーティリティです。このコマンドは IEEE Std 1003.2 (“POSIX.2”) に準拠しています。

基本的な使い方

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id

実行すると、現在のユーザーの UID、GID、および所属グループを一覧表示します。

出力例

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id

出力:

uid=1000(user) gid=1000(user) groups=1000(user),27(sudo)

オプション

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  • -u : ユーザー ID(UID)のみを表示
  • -g : グループ ID(GID)のみを表示
  • -G : 所属グループの ID をすべて表示
  • -n : ID を数値でなく名前で表示(-u, -g, -G と併用可能)
  • -r : 実効 UID または GID を表示(-u または -g と併用可能)

使用例

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  1. 現在のユーザーの UID のみを取得:
    id -u
    
  2. 現在のユーザーの GID のみを取得:
    id -g
    
  3. 指定したユーザーの情報を表示:
    id username
    

使用上の注意

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  • 一般ユーザーは自分自身の情報のみ取得可能ですが、管理者権限 (root) を使用すると他のユーザーの情報も取得できます。
  • id コマンドはスクリプトでのユーザー判別やアクセス制御に利用されることが多いです。

関連コマンド

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  • whoami - 現在のユーザー名を表示
  • groups - ユーザーの所属グループを表示
  • getent passwd - システムのユーザー情報を取得