md5sum コマンドは、ファイルの MD5 ハッシュ値を計算するためのコマンドです。GNU Core Utilities に含まれており、主にファイルの整合性検証や、同一ファイルの確認などに使用されます。BSD 系システムでは同様の機能を提供するために、md5 コマンドが使用されます。

基本的な使い方

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md5sum [ファイル...]

主なオプション(GNU版)

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主なオプション
オプション 説明
-b, --binary バイナリモードでファイルを処理(デフォルトではテキストモード)
-c, --check チェックサムファイルを検証
-h, --help ヘルプメッセージの表示
-V, --version バージョン情報の表示

ファイルの MD5 ハッシュを計算

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md5sum file.txt

file.txt の MD5 ハッシュ値を計算して表示します。

複数ファイルの MD5 ハッシュを計算

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md5sum file1.txt file2.txt

file1.txtfile2.txt の MD5 ハッシュ値を計算して表示します。

チェックサムファイルを使って検証

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md5sum -c checksum_file.txt

checksum_file.txt 内にリストされたファイルの MD5 ハッシュを検証します。

出力形式

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md5sum コマンドの出力は、通常、以下の形式で表示されます。

MD5ハッシュ ファイル名

ここで、MD5ハッシュ は計算された MD5 チェックサム、ファイル名 は対象のファイル名です。

FreeBSD での md5 コマンドとの違い

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FreeBSD や他の BSD 系システムでは、md5 コマンドが提供されています。md5sum と同様に MD5 ハッシュを計算しますが、いくつかの違いがあります。

主な違い

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  • コマンド名の違い: BSD 系システムでは md5sum の代わりに md5 コマンドを使用します。
  • オプションの違い: 一部のオプションや出力形式に違いがありますが、基本的な使い方はほぼ同じです。

例: FreeBSD における md5 コマンドの使用法

md5 file.txt

file.txt の MD5 ハッシュを計算します。

その他の情報

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MD5 は衝突耐性の弱さが指摘されており、セキュリティ目的の使用には適していません。現在では、SHA-256 や SHA-3 など、より安全なハッシュアルゴリズムが推奨されています。