はじめに

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KDEはカスタマイズ性が高く、機能が豊富なUNIX/Linuxデスクトップ環境です。このハンドブックでは、KDEの基本的な使い方から高度な設定まで解説します。

基本操作

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デスクトップの基本要素

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KDEデスクトップの主要な構成要素は以下の通りです。

パネル(通常は画面下部)には、アプリケーションランチャー、タスクマネージャー、システムトレイ、時計などが配置されています。デフォルトのアプリケーションランチャーは「Kickoff」と呼ばれます。

アプリケーションの起動方法

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アプリケーションを起動する主な方法:

  1. Kickoffメニューから選択
  2. Alt + F2でKRunnerを起動し、アプリケーション名を入力
  3. デスクトップ上のアイコンをクリック

ウィンドウ管理

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KWinの基本機能

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  • ウィンドウのスナップ: 画面端にドラッグで半画面表示
  • タイル表示: Meta + T
  • ウィンドウ効果: 設定から様々な視覚効果を選択可能
  • 仮想デスクトップ: Ctrl + F1~F4で切り替え

アクティビティ

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KDEのアクティビティ機能により、異なる作業環境を作成できます:

  • 新規アクティビティの作成: アクティビティスイッチャーから作成
  • アクティビティの切り替え: Meta + Tab
  • アクティビティごとの壁紙やウィジェット設定

システム設定

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システム設定へのアクセス

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システム設定は以下の方法でアクセスできます:

  • Kickoffメニューから「システム設定」を選択
  • Alt + F2で「systemsettings」と入力

主要な設定項目

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  • 外観: プラズマスタイル、色スキーム、フォント
  • 入力デバイス: マウス、キーボード、タッチパッド
  • ディスプレイとモニター: 解像度、複数モニター
  • ショートカット: グローバルショートカット、カスタムショートカット

ファイル管理

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Dolphinファイルマネージャー

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  • 分割ビュー: F3
  • ターミナルパネル: F4
  • プレビューパネル: F11
  • フィルター: Ctrl + I
  • 詳細ビュー/アイコンビュー切り替え: Ctrl + 1/3

KIOスレーブ

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KDEの強力なファイルアクセス機能:

  • sftp://: SSHによるリモートファイルアクセス
  • fish://: 別のファイルプロトコル
  • webdav://: WebDAVアクセス
  • zip:/: アーカイブ内の直接アクセス

カスタマイズ

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プラズマウィジェット

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デスクトップに追加できる便利なウィジェット:

  • システムモニター
  • 天気予報
  • カレンダー
  • RSS フィード
  • メモ

テーマとスタイル

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  • グローバルテーマ: 全体的な外観を変更
  • プラズマスタイル: パネルやウィジェットのスタイル
  • アプリケーションスタイル: QtアプリケーションのUI
  • GTKスタイル: GTKアプリケーションの外観

高度な機能

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Krunnerの活用

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Krunner(Alt + F2)の主な機能:

  • 計算機能: 数式を直接入力
  • 単位変換: 単位を含む計算
  • ブックマーク検索
  • システムコマンド実行

コンポジット効果

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  • デスクトップキューブ
  • マジックランプ
  • ウォブルウィンドウ
  • プレゼンテーションモード

トラブルシューティング

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一般的な問題解決

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  • プラズマクラッシュ: kquitapp5 plasmashell && plasmashell
  • 設定のリセット: mv ~/.config/plasma-org.kde.plasma.desktop-appletsrc ~/plasma-backup
  • キャッシュのクリア: rm -rf ~/.cache/plasma*

システムモニタリング

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  • KSysGuard: システムの詳細なモニタリング
  • プラズマシステムモニター: リソース使用状況の確認

開発者向け機能

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KDE Connect

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  • スマートフォンとの連携
  • ファイル共有
  • リモート入力
  • 通知の同期

スクリプトとの連携

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  • デスクトップスクリプト
  • サービスメニュー
  • カスタムアクション

まとめ

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KDEは非常に柔軟で強力なデスクトップ環境です。この基本的な機能を理解した上で、自分の好みや必要に応じてカスタマイズすることで、より効率的な作業環境を構築できます。

定期的にアップデートされるKDEの新機能や改善点をチェックし、最新の機能を活用することをお勧めします。より詳細な情報は、KDE公式ドキュメントを参照してください。