自然数の考え方
空集合Φを0=Φ={}と定義すると、後は帰納法的に、
要素数(自然数) | 集合 | 集合 |
---|---|---|
0 | Φ | {} |
1 | {Φ} | {0} |
2 | {Φ,{Φ}} | {0,1} |
3 | {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}} | {0,1,2} |
… | … | … |
n+1 | n∪{n} | {0,1,2,...,n} |
∴後続(successor)は以下のように定義される。
S(x) = x∪{x}
推移的(transitive)
集合 T が推移的であるとは、T の要素が T の部分集合になることです。
すなわち、T={Φ,{Φ}}の場合には、 {Φ}∈T かつ {Φ}⊂T である。
順序数(ordinal number)
集合 T が順序数であるとは、T が推移的であり、∈ について整列順序であること。
例:T={Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}
∵
{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}⊂T
{Φ}∈T かつ {Φ}⊂T
{Φ,{Φ}}∈T かつ {Φ,{Φ}}⊂T
{Φ,{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ,{Φ}}}⊂T
{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}∈T かつ {Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}⊂T
{Φ}<{Φ,{Φ}}<{Φ,{Φ,{Φ}}}<{Φ,{Φ},{Φ,{Φ}}}
無限の公理(Infinity)
∃x(0∈x∧∀y∈x(S(y)∈x))
また、内包の公理により、全て自然数だけの集合の存在がいえる。 この集合をN ではなく、ω(omega) とする。
> Dedekind切断とは?
連続である実数をある点sで2つにちぎったとすると、Dedekind切断になります。
その2つにちぎった実数空間は2つの場合があります。
Dedekind切断 | ||||
範囲 | -∞~s | s~∞ | ||
---|---|---|---|---|
-∞~s],(s~∞ | s]は有理数,-∞~s] | s]を含むので、上界がs、上限もs | (sは無理数,(s~∞ | s]を含まないので下界は無い、しかし、下限はs |
-∞~s),[s~∞ | s)は無理数,-∞~s) | [sを含まないので上界は無い、しかし上限はs | [sは有理数,[s~∞ | [sを含むので、下界がs、下限もs |
上界を上限、下界を下限とも言います。しかし、その逆は必ずしも真ではありません。
> 有界なる単調数列の収束について > > 下記のような式は C、M の意味は何でしょうか? > 詳しく説明していただげませんか。
二項係数: nC2 = n(n-1)/2
M: 0を含み関数について閉じている集合
n:自然数;Mの部分集合の共通部分 です。
式1: a>1,k>0ならば lim[n→∞](a^n/n^k)=∞.
証明 k = 1 のときは a^n = (1+(a-1))^n>nC2(a-1)^2 = ((a-1)^2)n(n-1)/2 より a^n/n^k > {((a-1)^2)(n-1)/2}. 任意の M に対して {2M/(a-1)^2}+1 より大なる自然数 n をとれば, M < (a^n/n^k) となるので lim[n→∞](a^n/n^k)=∞. 0 < k < 1 のときは n^k ≦ n であるので (a^n/n^k) ≧ (a^n/n)>{((a-1)^2)(n-1)/2}. 任意の M に対して {2M/(a-1)^2}+1 より大なる自然数 n をとれば, M < (a^n/n^k) となるので lim[n→∞](a^n/n^k) = ∞. 1 < k のときは a^(1/k)>1. よって任意の 1 より大きいMに対して,ある一定以上の自然数 n で (a^n/n^k) = [{(a^(1/k))^n/n}]^k > M^k > M だから lim[n→∞](a^n/n^k) = ∞.