開発環境編集

 
「端末」を開いた場合のGNU/Linuxの画面 (Fedora 29)

Pythonは、UnixGNU/Linuxのディストリビューション、macOSには最初から付属していますが、その他のオペレーティングシステムでは、当初Pythonがインストールされていない場合があります。

GNU/Linuxのデスクトップ環境では、コマンドターミナルを起動し、コマンドターミナルで「python」というコマンドを実行すると、インターラクティブモードで起動します。

$ python
Python 3.11.0 (main, Oct 29 2022, 01:12:10) [Clang 15.0.2 ] on linux
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

「>>> 」のあとに、キーボードによって文字を入力をします。「>>> 」をプロンプトといいます。

なお、pythonのこのような入力モードを、「インタラクティブ モード」といいます。

インタラクティブ モードを終了したい場合は、コマンド「exit()」を実行します。

WindowsでのPythonのプログラミング編集

Microsoft Windowsの場合:

  1. 公式配布版Pythonインストーラ(英文)を使用し導入する。
  2. Microsoft Storeから Python を導入する。

の2通りの導入方法があります。

pythonの実行方法編集

Pythonの実行方法には、大きく分けて2つあります。

  1. インタラクティブモードでの実行方法
  2. ソースファイルを作成して実行する方法

インタラクティブモードでの実行方法編集

インタラクティブモード(REPL: Read-Eval-Print Loop)では、Pythonのコマンドを1行ずつ入力して実行することができます。

以下の手順で実行してください。

  1. ターミナルを開きます。
  2. "python"と入力します[1]
  3. ">>>"プロンプトが表示されますので、Pythonのコマンドを1行ずつ入力して実行します。

例えば、"print('Hello World')"と入力すると、"Hello World"と出力されます。

ソースファイルを作成して実行する方法編集

ソースファイルを作成する場合は、以下の手順で実行してください。

  1. テキストエディタを開きます。
  2. Pythonのプログラムを入力し、ファイル名を"*.py"で保存します(例:"hello.py")。
  3. ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します[1]
    $ python ファイル名.py
    
  4. ソースファイルが実行されます。
    例えば、以下のようなPythonプログラムを"hello.py"というファイル名で保存し、
    hello.py
    print("Hello World")
    
    実行する場合は[1]
    $ python hello.py
    
    と入力して実行します。
    Pythonのソースファイルは、拡張子が"py"になります。

ソースコードだけを書換えてみる編集

では、さきほどの「Hello World」と表示するプログラムを実行してメッセージ表示させた直後に、

ソースコードだけを書換えてみると、どうなるのでしょうか。

さきほどの「Hello World」と表示するプログラムを実行してメッセージ表示させた直後に、ソースコードのファイル「hello.py」に

print("12345Hello World")

と入力して、さきほどのソースコードのファイル「hello.py」に上書き保存したら、どうなるでしょうか?

「hello.py」で保存した直後に、 コマンドターミナルで

$ python hello.py

を実行すると、

12345Hello World

と表示されます。

つまり、pythonでは、コマンド python hello.pyを実行するたびに、ソースコード(この場合は「hello.py」がソースコード)を解釈しなおします。

「Pythonはインタプリタ言語である」ということは、先述の例のように、プログラムを実行するたびにソースコードを解釈し直すということを意味しています。

数値の計算編集

Pythonでは、数値の四則演算が簡単に行えます。足し算には「+」を、引き算には「-」を、かけ算には「*」(アスタリスク)を、割り算には「/」(スラッシュ)を使用します。

例えば、2つの数値を足す場合は、「2 + 3」というように入力します。Pythonは自動的に答えを計算し、結果を表示します。同様に、引き算、かけ算、割り算も同じように行えます。

インタラクティブモードでは、コマンドターミナルでPythonを起動し、コマンドラインで1行ずつコードを入力できます。

例えば、ターミナルで「python」と入力すると、Pythonインタープリターが起動し、インタラクティブモードでコードを入力できます。このモードでは、Pythonコードを逐次実行できます。

では、計算をためしてみましょう。

>>> 2+3
5
>>> 6+7
13

浮動小数点数の計算も行えます。

>>> 30.6 + 7.1
37.7
>>> 5-4
1
>>> 23.88 - 7.5
16.38

負数の計算もできます。

>>> 2-15
-13
>>> 2*4
8
>>> 4/2
2.0
>>> 4/3
1.3333333333333333

インタラクティブ モードを終了するには、「exit()」を入力します。

exit()

% 

Pythonでは、整数と浮動小数点数を足したり引いたりする場合、自動的に浮動小数点数に変換して計算します。

例えば、整数の2と浮動小数点数の1.5を足す場合、「2 + 1.5」というように入力します。Pythonは自動的に2を2.0に変換し、計算を行います。同様に、浮動小数点数と整数の引き算も自動的に浮動小数点数に変換されます。

この仕組みは、Pythonのデータ型が動的に変更されるという特徴によるものです。Pythonでは、変数に代入された値に応じてデータ型が自動的に変更されます。 例えば、整数値が代入された変数に浮動小数点数値を代入すると、その変数のデータ型が自動的に浮動小数点数型に変換されます。このため、整数と浮動小数点数の計算も自動的に適切なデータ型に変換されて計算されます。

割り算の商だけを求めたい場合、「//」を使います。 例えば、「10 // 3」という計算を行うと、商の「3」が得られます。

この演算子は、小数点以下の値を切り捨てて、整数部分の商を求めます。 例えば、「-10 // 3」という計算を行う場合、商は「-4」となります。

一方、「/」演算子は、通常の割り算を行い、結果として小数点以下の値も含めた浮動小数点数を返します。

Pythonの除算演算子には、このように「//」と「/」の2つがあり、それぞれの目的に合わせて使い分けることが重要です。

Pythonには、べき乗演算を行うための ** 演算子があります。例えば、「2**3」という計算を行うと、「8」という結果が得られます。

この演算子は、左辺を底とし、右辺を指数とした累乗を計算します。また、負の指数を用いることもできます。例えば、「2**-3」という計算を行う場合、逆数の計算をして、「0.125」という結果が得られます。

このように、「**」演算子を使用することで、数値を効率的に累乗することができます。

3項以上の計算編集

3Pythonでは、3項以上の計算も可能です。複雑な計算式を書く場合は、演算の優先順位にも注意が必要です。

たとえば、「2 + 3 * 4」という式を計算する場合、「3 * 4」が先に計算されてから、「2 + 12」が計算されます。結果として、「14」という値が得られます。

演算子には、優先順位を決める規則がありますが、括弧を使用することで、明示的に優先順位を指定することもできます。


脚註編集

  1. ^ 1.0 1.1 1.2 Pythonのコマンド名は環境によって異なります。