mkdir コマンドは、新しいディレクトリを作成するための基本的なコマンドです。本章では、UNIX環境における mkdir コマンドの使用方法について解説します。GNU/Linux特有の拡張は扱わず、POSIX規格に準拠した内容に限定します。

基本的な使い方

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構文

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mkdir [オプション] ディレクトリ...
  • ディレクトリ: 作成するディレクトリの名前。
$ mkdir newdir
newdir という名前のディレクトリを作成します。
$ mkdir dir1 dir2
複数のディレクトリを同時に作成します。

主なオプション

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以下は、POSIX規格に準拠した主なオプションです。

-p: 上位ディレクトリも作成

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指定されたパスの途中に存在しないディレクトリがある場合、それらも合わせて作成します。

$ mkdir -p parent/child
parent ディレクトリが存在しない場合でも、parentchild をまとめて作成します。

-m: パーミッションを指定

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新しく作成するディレクトリのパーミッションを指定します。

$ mkdir -m 755 newdir
newdir をパーミッション 755 で作成します。

注意点

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  1. 既存ディレクトリとの競合
    • 既に存在するディレクトリと同じ名前を指定するとエラーになります。ただし、-p オプションを使用するとエラーを抑制できます。
  2. パーミッションの適用範囲
    • -m オプションを使用しない場合、デフォルトのパーミッションは umask に依存します。
  3. パスの入力に注意
    • パスの指定を間違えると、意図しないディレクトリ構造が作成される可能性があります。

例題

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例1: 単一のディレクトリを作成

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$ mkdir mydir
mydir を作成します。

例2: 階層構造をまとめて作成

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$ mkdir -p project/src/include
project, src, include をまとめて作成します。

例3: パーミッションを指定して作成

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$ mkdir -m 700 private
private をパーミッション 700 で作成します。

まとめ

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mkdir コマンドは、新しいディレクトリを作成するためのシンプルで便利なツールです。-p オプションを活用することで階層構造の作成が容易になり、-m オプションで必要なパーミッションを即座に指定できます。本章で紹介した基本的なオプションを理解し、効率的にディレクトリを管理しましょう。