WebP
WebPハンドブックは、Googleによって開発された画像フォーマットであるWebPに関する包括的なガイドです。WebPは、静止画およびアニメーション画像において、高い圧縮効率と画質を両立することを目指した次世代の画像フォーマットです。
WebPの概要
編集WebPは、2010年にGoogleが発表した画像フォーマットで、ウェブ上での画像配信に特化しています。WebPは、静止画とアニメーションの両方に対応し、JPEG、PNG、GIFなどの従来のフォーマットに代わるものとして設計されました。
主な特徴
編集- 高効率圧縮: 非可逆圧縮と可逆圧縮の両方をサポート。
- アニメーション対応: GIFよりも高効率でアニメーション画像を圧縮可能。
- 透明性: アルファチャネルによる透過画像のサポート。
- ウェブ最適化: 高速な読み込みと小さなファイルサイズを実現。
歴史
編集WebPは、Googleが開発した動画フォーマットであるWebMの一部として誕生しました。VP8ビデオコーデックを基にした技術を採用しており、静止画フォーマットとして最適化されています。
WebPの圧縮技術
編集WebPは、次のような圧縮手法を利用して高い効率を実現しています。
1. 予測符号化
編集ピクセル値を隣接するピクセルから予測し、予測との差分を記録することでデータ量を削減します。
2. ブロックベースの圧縮
編集画像を4x4または8x8ピクセルのブロックに分割し、それぞれを効率的に圧縮します。
3. 可逆圧縮と非可逆圧縮
編集- 非可逆圧縮: JPEGと同様に高効率な圧縮を実現。
- 可逆圧縮: PNGと同等の画質を保持しつつ、ファイルサイズを削減。
4. アルファチャネル圧縮
編集透過情報を効率的に圧縮し、ファイルサイズを最小化します。
WebPの用途
編集WebPは、特にウェブサイトやアプリケーションでの使用に適しています。
ウェブ
編集WebPは、ウェブページの読み込み速度を向上させるために最適化されており、多くのモダンブラウザでサポートされています。
アニメーション
編集GIFの代替として、アニメーション画像に利用されます。ファイルサイズが小さく、高品質なアニメーションを提供します。
モバイルアプリ
編集モバイルアプリでの画像表示においても、帯域幅の節約と高速な読み込みを実現します。
WebPのサポート状況
編集対応ブラウザ
編集- Google Chrome
- Mozilla Firefox
- Microsoft Edge
- Safari (一部バージョン以降)
ツールとライブラリ
編集- libwebp: WebP画像を作成・操作するための公式ライブラリ。
- 画像編集ソフトウェア: GIMPやAdobe Photoshop (プラグイン利用) での対応。
技術詳細
編集カラースペース
編集WebPはYCbCrカラースペースを使用し、効率的な圧縮を実現しています。また、透過情報をサポートするためにアルファチャネルを利用します。
圧縮率と画質
編集WebPは、JPEGよりも最大30%小さなファイルサイズで同等以上の画質を提供します。
注意事項
編集- 古いブラウザではWebPがサポートされない場合があります。
- 圧縮の設定次第では、画質が劣化する可能性があります。
- 既存のJPEGやPNGとの互換性を考慮した運用が必要です。