原子と分子

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原子の図。真ん中にあるプラスの赤い丸と緑の丸が原子核。そのまわりにあるマイナスの黄色い丸が電子です。

原子(げんし)とは、物質(元素)を構成しているものの中で、もっとも小さな単位となるもののことです。その中身は、原子かく(原子核、げんしかく)というプラスの電気を帯びたつぶと、そのまわりを飛び回る電子(でんし)(マイナスの電気のつぶ)によってできています。原子1つの大きさはとても小さく、特別なけんび鏡でないと人間の目で見ることはできません。

物質は、基本的には、この原子かくのプラスの電気と、電子のマイナスの電気がつり合うようにできています。しかし、たまに電子の数が多くなりすぎたり、逆に少なくなりすぎたりして、電気的につりあわなくなってしまった原子も生まれます。このようなものをイオンと言います。ちなみに、電子が多くなりマイナスの電気が強くなったものは陰イオン(いんいおん)*、電子が少なくなりプラスの電気が強くなったものは陽イオン(よういおん)と言います。

* 陰イオンのことを「マイナスイオン」と言うこともありますが、これは日本でだけ通じる言葉で、正式名称は陰イオンであり、英語では Negative ion(ネガティブ・イオン)といいます。

物質の種類のちがいは、原子かくの大きさや電子の数のちがいによって生まれます。同じ量でも、重量が重い物質と、軽い物質があるのは、この原子かくの大きさや電子の数が異なるからなのです(原子かくが大きく、電子の数が多いものほど重い物質になります)。この原子1つの重さのことを原子量(げんしりょう)と言います。

分子(ぶんし)とは、この原子の集まりのことです。たとえば、

  • 「水分子(みずぶんし)」は、「水素原子(すいそげんし)」2つと「酸素原子(さんそげんし)」1つが集まってできています。さらにこの水の分子がたくさんあつまると、ふだんわたしたちが目にしている水の状態になるわけです。
  • 炭素(たんそ)の原子だけを集めていくと「炭素分子(たんそぶんし)」という分子ができます。これをたくさん集めていくと、黒炭(こくたん)(鉛筆のしんの材料になる物質)やダイアモンドになります。

このように、原子どうしを結びつけることによって、さまざまな分子・物質をつくることができます。