中学校社会 公民/国民主権では、日本における国民主権について憲法を交え中学校の公民という立場から考えます。

国民主権

編集
 
福沢諭吉(ふくざわゆきち)。1887(明治20)年頃の肖像。彼は、国を発展させるには、国民の一人一人が自分の頭で物事の善悪などを考えられるようになる必要があり、そのためには経済的にも独立できるように努力するべきであり、「一身(いっしん)独立して、一国(いっこく)独立する」と、彼は著書『学問のすすめ』で主張した。

日本国憲法では、主権[1]者は日本国民であると明言しています。

現在は、国民による選挙で選ばれた議員を代表者として、議員を通して議会 (国会) で政治がされます。なお、このように、議会を通して政治を決める方式を議会制民主主義(ぎかいせいみんしゅしゅぎ)、あるいは間接民主制(かんせつみんしゅせい)とも言います。

参政権(さんせいけん)

編集

参政権とは、国民の誰もが政治に参加できる権利です。 日本では、18歳以上の日本国民ならば、誰でも国会や地方議会の選挙の際に投票できる選挙権(せんきょけん)があります。また、25歳以上の日本国民ならば誰でも衆議院の議員に立候補できる()選挙権の権利です。なお、参議院の立候補は、30歳からです。また、憲法改正のときの国民投票の権利なども参政権に含まれます。

日本国憲法では、大日本帝国憲法の時代と同様に、議会制が取られています。ただし、日本国憲法では選挙権を与えられる対象が大日本帝国憲法の時代よりも拡張され、選挙権は国民であれば18歳以上の男女に選挙権が平等に与えられます。

国政への参政権の年齢
 衆議院   参議院 
 選挙権 (投票する権利)
 満18歳以上 
 被選挙権 (立候補の権利)  満25歳以上   満30歳以上 

選挙で選ばれた議員が政治を決めるため、政治に投票する選挙権などの 参政権(さんせいけん) が重要な権利になります。また、政策を主張するには、そのための自由や権利が無くてはなりません。そのため、言論の自由や表現の自由もまた重要な権利です。

 
アメリカの第16代大統領、リンカーン。「人民の、人民による、人民のための政治(the government of the people, by the people, for the people)」という演説が有名。

天皇について

編集

大日本帝国憲法では国家の主権者であった天皇は、日本国憲法では日本国の「国民の統合の象徴」と憲法第1条で規定されています。

政治に関して言えば、天皇に実際の政策を決定する権限はありません。天皇は、儀式(ぎしき)的な国の仕事である国事行為(こくじこうい)を行うとされています。また、その国事行為は、内閣の助言と承認にもとづくとされています。

もっとも、大日本帝国憲法の時代でも、形式的に政治の主権は天皇にあったものの、実際は議会の意向 (後に軍の意向) をある程度反映して政治が行われていました。

日本国憲法では国民主権が明記され、天皇の主権が否定されました。

外国からは、天皇が日本の元首(げんしゅ)と見なされることもあります。元首とは、外国に対し国を代表する人を指します。

天皇の国事行為

編集

これには、次の行為があります。

  • 国会を召集したり、衆議院を解散すること。
    • ただし、天皇が国会で政策を決定することはありません。政治の儀式的な仕事のみを行なっています。
  • 国会で決まった法律や政令、内閣の決めた条約を公布すること。
    • 天皇に法律そのものを決定する権限はありません。立法の権限を持っているのは国会議員のみであり、天皇に立法の権限はありません。
  • 勲章(くんしょう)を授与すること。
  • 外国の大使(たいし)公使(こうし)接待(せったい)するのも、天皇の仕事です。
  • 国会で選出された内閣総理大臣を任命すること。
  • 内閣がえらんだ最高裁判所の長官を任命すること。

注釈

編集
  1. ^ 他国に支配もしくは干渉されずに、自分達の国家のことを自分達で決める権利。