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中学校社会 地理/北アメリカ州では、北アメリカ州の地理について説明します。

北アメリカ

北アメリカは、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコからパナマにいたる北アメリカ大陸の国と、キューバなどカリブ海の国から成る。アメリカ合衆国やカナダは日本の約25倍以上の国土をもつ。

北アメリカ大陸は南北に長い。気候に関しても、赤道近くの南部と北極に近い北部では大きく異なる。北極に近い北部は寒く、寒帯または亜寒帯に属する。カナダや (アメリカ合衆国の) アラスカが寒帯または亜寒帯である。アメリカ合衆国の南部及びメキシコなど、赤道付近の大陸南部は暑く、熱帯もしくは温帯である。アメリカ合衆国の南部でハリケーンが発生することも多い。

アメリカ合衆国の気候は、アラスカを除きほとんどが温暖である。また、雨の量は東西の地域で変わってくる。

アメリカ西部は、やや乾燥ぎみである。

※ 西部劇の乾燥した描写(荒野にサボテンとかある風景)を思い浮かべよう。あれはメキシコではなく(メキシコもあるかもしれないが)、アメリカ西部も乾燥しているのである。

ロッキー山脈などのある西経100°を中心にして、気候が分かれる。

100°より西が、乾燥ぎみである。

いっぽう、農業が盛んなのは西経100°より東側の地域である。なぜなら、東側は降水量が多いからである。特に東側の南部は、降水量が多い。

なお、その西経100°あたりでは、やや水不足なので、地下水を利用したスプリンクラーのセンターピポットで農業生産が行われている(旺文社)。


北アメリカで、最も経済力や影響力が高い国は、(英語:United States of America)(ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)アメリカ合衆国である。北アメリカ大陸の中だけでなく、世界各国で見てもアメリカ合衆国の影響力は強い。国際的な場での言語として英語が使われることが多い理由の一因は、アメリカ合衆国が公用語として英語を使っているからでもある(無論、かつて世界各地に植民地を持っていたイギリスが英語で植民地支配を行ったという理由もある)。

アメリカ合衆国

国名は アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく)(英語: United States of America)。アメリカと略されることが多い。U.S.A(ユー・エス・エー) (United States of America(ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ)の略) と略される場合もある。

アメリカ大陸のうちの北アメリカにある国の一つである。国土が広く、面積は日本の約25倍である。経済力がとても高く、アメリカは国内総生産(GDP)が世界1位である。

  • アメリカの国データ
    • 首都:ワシントンD.C.(ワシントン・ディーシー)(英語:Washington D.C.)
    • 面積:983万 km2
    • 人口:3億2717万人(2018年)
    • 主に用いられる言語:英語、スペイン語

地形および気候と農業

 
グレートプレーンズの範囲が緑色の部分

アメリカ合衆国には、東西にそれぞれ山脈がある。北アメリカ大陸の西には南北に長く険しい、ロッキー山脈 (英語:Rocky Mountains(ロッキー マウンテンズ)) がある。北アメリカ大陸の東には、アパラチア山脈 (英語:Appalachian Mountains(アパラチア マウンテンズ)) がある。そして、その2つの山脈のあいだに、プレーリー (英語:Prairie) あるいは グレートプレーンズ (Great Plains) と呼ばれる、中央平原などをはじめとした平原 (草原) が広がっている。このロッキー山脈が西経100度の近辺で気候に大きく影響を与え、西経100度近辺から西側では乾燥し、砂漠もある。

西側の乾燥地域での農業は、小麦など乾燥に強い作物が栽培されている。また、東部にも少し存在する乾燥地域では、畜産で肉牛なども飼育されている。

一方、東側では雨が多い。アメリカ中部の、中央平原やグレードプレーンズあたりの農業では、大豆やトウモロコシなどが栽培されている。ロッキー山脈より西側の、アメリカ合衆国の南部や南東部は温帯である。そのため、南部の農業ではサトウキビや米、バナナ、コーヒー(豆)、カカオなども栽培されている。

トウモロコシは世界一位の生産量である。だが、統計を覚えるよりもコーンベルトという地域名を覚える方が早い。アメリカ合衆国の中央部の北緯40度あたりをコーンベルトと言い、トウモロコシの一大産地である。


綿花については、アメリカ南西部をコットンベルトといい、綿花の一大産地である。コットンとは綿のことである。

※ 小麦や大豆については、「○○ベルト」のような地域名は、特には知られていない(参考書にも書いていない)。

このコーンベルトやコットンベルトのように、アメリカの農業では、産物によって、それを生産している地域が決まっている。

あまり、アメリカ全土でまんべんなく、多種多様の農産物を生産、とはなっていない。

これは、経済合理性を重視した結果であり、このようなアメリカ合衆国の農業の国家的な傾向による地域集中を適地適作という。ベルトのついてない小麦や大豆でも、同様に適地適作である。


ほか、アメリカの農業では、遺伝子組み換え作物の生産が盛んである。


さて、話をロッキー山脈に戻すが,ロッキー山脈は (かん) (たい) (へい) (よう) (ぞう) (ざん) (たい) (英語:Ring of Fire) という、太平洋のまわりに多く連なっている山脈の一部でもある。一応述べておくと、日本列島も環太平洋造山帯の一部である。

アメリカ合衆国は,国土の大半が温暖な地域である。それゆえ、農業大国であり、農業輸出国としては世界最大級である。であるからして、アメリカ合衆国は「世界の食料庫」と言われている。アメリカの農業は、輸出を前提に大量生産している。そのため大規模な農家が多く、日本に見られるような小規模な農家[注釈 1]は少ない。

小麦及び大豆、とうもろこし、綿花で、アメリカ合衆国は世界最大の輸出国である。国際的な穀物の流通大手の企業のいくつかがアメリカ合衆国にあり、それらアメリカ合衆国の穀物流通の大企業である商社を穀物メジャー(こくもつメジャー)と言う[注釈 2]。穀物メジャーは,世界の穀物の流通や販売に対して,とても強い影響力を持つ。また、農業関係の企業には,農産物の生産にとどまらず、農産物の加工や流通,農業機械の生産や販売、農産物や農薬、肥料などの販売などといった農業に関するさまざまな産業をまとめて、アグリビジネス (英語:agribuisiness) といい、そのような事業をしている企業も多い。


アメリカ合衆国の農業は、大きな農地を、大型の機械を使って、少ない人手で耕作する農業である。種を蒔く際や農薬をまく際は、自家用の飛行機を使うこともある。また、バイオテクノロジーを利用し遺伝子を組み替えて改良した、新種の品種の農作物を栽培することにも、アメリカの農業 (の生産者) は積極的である。

西部の内陸部

アメリカ合衆国の西部の内陸部は、雨が少ないため乾燥している。このため、作物の栽培には向かず、家畜の放牧による飼育などに利用されている。

地中海式農業

カリフォルニア周辺は、沿岸部であるがゆえに雨がやや多い気候である上,温暖である。よって、カリフォルニアでは、オレンジやブドウ、野菜などが生産されている。

北アメリカの植民地の歴史

 
伝統的なイヌイットの服装

もともとは先住民として北アメリカ大陸には ネイティブ・アメリカン[注釈 3]イヌイット などの先住民族が住んでいた。

15世紀も末の1492年に、コロンブス(英語:Columbus)(イタリア語:Colombo)が、ヨーロッパ人としては初めてアメリカ大陸を発見した。その後、17世紀にはイギリスなどのヨーロッパ人が移住を始め、彼ら移民が植民地を作った。ヨーロッパからの移民は、原住民から土地を奪い、開拓をしていった。住む場所を奪われた先住民族は人口が減っていった。ヨーロッパ系移民である白人が先住民族を支配した。ヨーロッパ人の開拓は、東海岸 (大西洋側) から始まり、西 (太平洋側) へと進んでいった。

その後、アメリカ大陸では、労働力のため、アフリカ大陸から黒人が奴隷として連れられてきた。特に北アメリカの南部で、綿花などの畑の労働力として多く連れられた。現在のアメリカの黒人の祖先の多くは、アフリカから奴隷として連れられた黒人である。

現在のカナダにあたる地域はフランスによって開拓され、アメリカ合衆国にあたる地域 (の大部分) はイギリスによって開拓された。そのため,現在のアメリカやカナダの文化にイギリスやフランスの影響がある。言語を例に挙げると、アメリカの公用語は英語である。しかし、カナダでは英語とフランス語[注釈 4]が公用語である。また宗教では、多くの人がキリスト教を信仰しており、宗派はプロテスタント (英語: Protestantism,Protestant) が多い。

人種

アメリカへの移民
 
アメリカの野球におけるメジャーリーグで活躍する日本人

奴隷とは別に、外国からアメリカ合衆国へ移り住んだ移民(いみん)も多い。建国前より、イギリスからの移民が多いが,イギリスとは別のヨーロッパ諸国からも多くの移民がアメリカに移り住んだ。アメリカの人口の約6割の人種がヨーロッパ系である。(アフリカ系の)黒人も人口の1割程度である。また、アメリカ合衆国の人口の約1割がメキシコやカリブ海諸国などからのヒスパニック系 (後述) の移民である。

ヒスパニック

メキシコはスペインによって侵略され、開拓された。カリブ海の諸国もスペインによって開拓された国が多い。それ故、これらの国 (メキシコ以南) ではスペイン語が公用語である。これらアメリカ大陸でスペイン語を話す地域からの移民をヒスパニック (英語:Hispanic) という。野球などスポーツなどの選手では、黒人やヒスパニックも多い。

アメリカ合衆国では2010年~2020年の間、ヒスパニック系の移民は、増加の傾向である[1]。1990年代からそう言われいるが、2020年代でも引き続き、ヒスパニックはアメリカ合衆国で増加傾向である。

※ 高校入試で、正誤問題などで、単に「ヒスパニックと言われる移民がいる国を述べよ」という出題ではなく、さらに「ヒスパニックと言われる移民が増加している国を図から選び、また国名を述べよ」的に細かく「アメリカ合衆国」について問われる場合があるので、ここら辺まで押さえておきたい。

なお、代わりに、白人は、1990年代から割合が減ってきている。

アメリカ合衆国では、20世紀後半と21世紀を通して、ヒスパニックとアジア系の移民が割合が増えており、合わせて、1990年ごろから、おおよそ15%くらい増えており、そのぶん白人の割合が15%くらい減っている。

黒人の割合は、あまり変化していない。

サラダボウル

アメリカ合衆国の白人の多くは、先祖が前述したようなヨーロッパから移住した移民である。よって、イギリス系の白人がもっとも多い。アメリカ合衆国の政治を握る人種は、長らく白人に限られていた。

アメリカ合衆国は多民族国家であり、「人種のサラダボウル」と言われる。

 
リンカーン(英語:Lincoln)

19世紀のリンカーン大統領の時代 (1860年ごろ) に奴隷制が廃止され、黒人などの奴隷は解放された。だが、その後も権利が白人とは同じではなく、公共施設や乗り物などでは、黒人は白人とは違う扱いをうけたりなど、黒人への差別はつづいた。黒人に白人と同じ公民権が公民権法によって与えられたのは1964年である。それまでは黒人と白人の権利は対等ではなかった。

2009年に選挙でアメリカ合衆国では初めての黒人の大統領である、バラク・オバマ大統領が就任した。しかし、現在でも白人と黒人との間で経済的な格差があると指摘されている。

工業

世界で粋をゆく最先端技術をもつ。


#地理及び気候で述べたように、アメリカ北東部には五大湖がある。そして、その五大湖近辺は鉄鉱石の産地である。そして、その南のアパラチア山脈近辺では石炭が採掘されていた。この鉄鉱石と石炭を用いて、アパラチア山脈ピッツバーグで鉄鋼業が始まった。さらに、それらを用いた自動車産業が五大湖にほど近いデトロイトで始まる。これを機として、1970年頃に至るまで、世界で最も大きな工業国だった。

ところが、1970年頃になると,第二次世界大戦から立ち直ったドイツや日本などの製品に国際的な競争力が弱まっていく。そして,それらの国の企業がアメリカに進出する動きが強まる[注釈 5]と、必然的に工場を設置しようと試み始める。それまでに多くの工場が乱立していた北東部には、人件費の面でも、スペースの面でも、もはや工場を設置する理由はなかった。そして、それらの理由を解決できる南部に新しい工業地帯が形成される。これを「サンベルト[2]」と呼ぶ。

サンベルトの典型は、ヒューストンやダラスなどのあるテキサス州である(参考書の受験研究社・旺文社の地図に「ダラス」の地名あり)。もともと、アメリカ航空宇宙局 NASA(ナサ)がヒューストンにあったので、先端航空産業も盛んな土地である。

※ テキサス州の名前は出ていないが、しかし常識になっているので、本wikiでは紹介する。

ほか、サンベルトのうちの一つの地域で、「シリコンバレー」と言われる地域があり、シリコンバレーではコンピュータのソフトウェア産業が盛んである。シリコンバレーは、西海岸のサンフランシスコ沿い(ぞい)を中心とする地域である。なお、シリコン(元素記号「 Si 」)は、半導体の原材料である。


サンフランシスコにかぎらずサンベルト全体では、1980年代から地域によるが、たとえば航空宇宙産業、電子機器産業、バイオテクノロジー、情報通信(ICT)産業、などが発展していった。一方この頃からアメリカ北東部では鉄鋼業などの衰えが一層激しくなる。結果、現在ではアメリカの工業はサンベルトにおける自動車産業やバイオテクノロジー、情報通信産業、航空宇宙産業と、サンフランシスコ郊外のコンピュータ・ソフトウェア産業である。

※ ダラスは、日本ではあまり有名ではないが、アメリカの大手の電子部品メーカーの拠点がある。たとえばテキサスインスツルメンツ(企業名)など。電子部品メーカーがあるので、シリコンバレーならぬ「シリコンプレーン」とも言われている(受験研究社・旺文社の地図中に「シリコンブレーン」あり)。


※ 旺文社の本に、似た内容のコラムがあります。

航空戦闘機や軍艦などの兵器の開発や生産で、アメリカ合衆国は世界の最高水準である。

開発された兵器はアメリカだけで使われるのではなく、日本などのアメリカの友好国に、アメリカ軍よりも少し古い昔のアメリカ製の兵器を輸出している。 兵 器の技術には、さまざまな最先端の技術が使われるので,工業の中でも兵器産業は高い水準を要求される。

なので、兵器開発から、しばらくすると、兵器につかわていた最新技術が、日常生活用の民生品(みんせいひん)にも応用される場合もある。 いまのパソコンなどのコンピュータの技術も、第二次大戦中にアメリカ軍で砲弾(ほうだん)などの弾道(だんどう)計算などのために開発された電子計算機が、戦後になって民生品に応用されていたものもある。

大量生産

アメリカ合衆国の工業は世界各国の中でも、大量生産を早く成功させた。工作機械などの発明された当時は新型だった生産機械を積極的に活用し、生産工程に機械を積極的に取り入れ、それによって品質のばらつきの少ない工業部品を大量に作ることが出来るようになった。工作機械などによる生産の機械化により、部品の品質のばらつきが小さくなることによって組み立てなどの工程では分業しやすくなった。そのため流れ作業のベルトコンベアーのような生産手法を用いて大量生産をするようになった。

さらに、部品ごとのばらつきを小さくするため、工業部品の規格化が積極的に行われた。こうして、規格大量生産(きかく たいりょうせいさん)と言われる生産手法がアメリカ合衆国で普及し、自動車産業などで積極的に導入された。一度に大量に製品を作ることで、部品1個を作るのに掛かる費用を安くすることができるため、製品そのものの製造費を安価に抑えられる。アメリカの工業は、次第にヨーロッパとの経済競争にも勝っていき、アメリカは工業大国となった。

アメリカの生活では,生産が増えることで,消費も増えることになり、アメリカの消費生活は大量生産を前提にするものになっていった。 アメリカ合衆国の貿易は輸入額が輸出額よりも多く、貿易赤字である。機械類や石油、自動車の輸入が多い。二酸化炭素の排出量は世界の中でも比較的多い。地球温暖化を防ぐための排出量の削減には大統領がドナルド・トランプに代わって以降あまり積極的ではなくなり、2019年にはパリ協定から離脱した。

多国籍企業

アメリカ合衆国の大企業には、海外に多くの子会社や関連企業を持つ多国籍企業(たこくせききぎょう)(英語:multinational corporation,MNC)も多い。

大手コンピュータ企業やインターネット通信会社、ファストフード店、洗剤の生産で知られる企業など、日本にも多くの多国籍企業が進出している。

世界の石油の流通は、いくつかの大企業に強く支配されている。その石油の流通を支配している大企業を「石油(せきゆ)メジャー」または「国際石油資本(こくさいせきゆしほん)」と言う。


貧富の格差

生活水準は、貧富の格差が大きい。スラム(Slum)が発生している都市も多い。富裕層 (金に余裕のある世帯) は、都市の中心部の老朽化した建物から、郊外の広い家に住むようになり、都市の中心部では家賃が下がる。すると、そこに貧困層が入ってくるようになり、スラムを形成するため、様々な問題が発生している。これをインナーシティ問題という。

近年では,そこの再開発が進められてオフィスビルや高層マンションなどの建物が次々と建設され、市街地が高級化されている。そこへ富裕層が再び住むようになっているが、これをジェントリフィケーションという。その裏では、再開発のために追い出されてしまった貧困層のホームレス化などの問題も発生している。

交通

自動車社会

モータリゼーションが進んだ現在のアメリカでは自動車が普及しており、多くの高速道路が主要都市を繋いでいる。

自動車を前提としている住宅街などでは,住宅地と商店街が離れている場合もあり、自動車が無いと買い物にも行けずに生活が成り立たない場合もある。また、アメリカのスーパーなどでは、日本よりもサイズが大きいものが販売されているので、大量の荷物を運ぶために自動車は欠かせない。

都市と都市との間が離れているので、アメリカでは空港も多い。

文化的な影響力

衣服のジーンズやTシャツは、もとはアメリカでの労働者の衣服である。

工業や農業、軍事などの、アメリカの世界各国への影響力の強さと同様に、娯楽などの文化などでも影響力が強い。アメリカの映画産業は、カリフォルニア州のロサンゼルス(Los Angeles)市にあるハリウッド(Hollywood)が著名であるが、ハリウッド映画は世界的にも影響力が高い。なぜなら、アメリカの映画は世界中に輸出されている。映画のストーリーなども,輸出することを前提にしてどこの国にでも人気になりやすいような単純化したストーリーである場合が多い。

また、ファストフード店はアメリカ発祥の文化である。日本にも出店しているある大手ファストフード店の本社はアメリカ合衆国にある。

 
ジャズ

音楽のジャズ(jazz)は、アフリカ音楽とヨーロッパ音楽の両方の文化をもとにして、アメリカで生まれた音楽である。

スポーツの野球は、まずアメリカで普及し広まった。そのため、アメリカの影響を強く受けた国 (主に太平洋に面した国) で人気な場合が多い。また、バスケットボールもアメリカを発祥(はっしょう)としたスポーツである。

ショッピングセンターやコンビニエンス・ストアも、元をたどればアメリカに行きつく。ただしコンビニエンス・ストアは,日本に進出された後、日本で独自の発展をして、今では日本のコンビニの方式がアメリカなどにも輸出されている。また、コーラもアメリカから広がった飲料である。

英語

産業革命のころから、イギリスの国際的な影響力が強くなり(多くあった植民地を英語で支配したため)、そのころから英語が国際的な公用語になりだした。

江戸時代生まれで明治時代の偉人である福沢諭吉は、江戸時代には日本はオランダ経由で洋書を輸入していたので、洋書を読むためオランダ語を学んでいた。だが、明治時代になり海外の情報が多く入ってくるに連れて、英語が国際的に普及していることを知り英語を学び始めたという。

現在では、国際会議などの国際的な場での公用語は英語が多い。これらの理由は、アメリカの経済力によるものだけではない。英語はヨーロッパのイギリス以外の言語の、フランス語やドイツ語などと比べて、文法が簡単なので学習しやすい。そのような事も,英語が普及した理由の一つであろう。 ともあれ、英語が国際的に普及していることもあり、アメリカやイギリスでの出版や報道などの言論は、国際的にも普及しやすい。


地形

アラスカとハワイも,アメリカ合衆国の領土である。

五大湖とは、スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、オンタリオ湖の5つである。五大湖のうち、最も北及び西にあるのがスペリオル湖である。さらに、スペリオル湖が最も面積が広い。スペリオル湖の南にミシガン湖がある。

 
フロリダ州のあるフロリダ半島

アパラチア山脈の南部にある半島、アメリカ南東部にある半島は、フロリダ半島という。

フロリダ半島とメキシコとの中間あたりにある大きな川が、ミシシッピ川である。また、ミシシッピ川の周辺の平原が、中央平原である。

アメリカ南部の海のメキシコに囲まれた湾は、メキシコ湾

ロッキー山脈は、カナダ西部からメキシコまで続いている。

カナダ

 
カナダの都市、モントリオール。首都ではない(首都はオタワ)。

世界で2番目に国土が広い(1番はロシア)。

カナダ(Canada)の最大の貿易相手はアメリカ合衆国である。カナダの農業は、アメリカと比べると小規模であるが、小麦の栽培が盛んである。

公用語は英語フランス語である。国民の多数はイギリス系の住民であり,国民の多数は英語を話す。ケベック州(フランス語:Le Québec・英語:Quebec)ではフランス系の住民も多く、フランス語が使われている。

カナダの国データ

  • 首都:オタワ(Ottawa)
  • 面積:998万km2
  • 人口:約4010万人
  • 主な言語:英語及びフランス語
  • 主な宗教:キリスト教
  • 主な農産物:小麦(春小麦)

気候は、亜寒帯 (冷帯) と寒帯に属している。気候が寒いため、人口密度は低い。

17世紀にフランスに植民地にされ,19世紀にはイギリスの植民地にされた。人口分布は東部に集中している。先住民はイヌイットや、ネイティブ アメリカンである。現在のカナダ経済では、ヨーロッパ系の白人が経済の中心である。ケベック州ではフランス系の住民が多く、カナダからの分離独立を掲げる運動も多い。1999年にはイヌイットが多く住む北部地域にイヌイットの言葉で「自分たちの土地」を意味する名の ヌナブト(Nunavut )準州( じゅんしゅう) が発足した。

農業では,小麦の生産がさかんである。品種は春小麦(はるこむぎ)である。春小麦とは、春に種を蒔き秋に収穫する小麦のことである。一方、冬に種をまき、翌年の夏に収穫する小麦を冬小麦と言う。春小麦は、冬を越す前に収穫できるので、寒い地域でも育てやすい。そのため、カナダなどの寒い国での小麦の栽培は、春小麦である。

また,五大湖の周辺地域では酪農(らくのう)がさかんである。

工業では、水力発電を利用したアルミニウム工業が盛んである。

日本ではあまり有名ではないが、カナダは自動車の生産国でもある(旺文社、受験研究社)。

なお、機械工業などの工業地域は、主に南東部に集中しており、具体的にはモントリオール、トロント、オタワなどの都市に集中している。


鉱産資源にも恵まれており、ニッケルや鉄鉱石,石油,亜鉛,銀などを産出する。アメリカ合衆国との経済的な結びつきも強く、アメリカ合衆国及びカナダ、メキシコの3カ国は北米 (ほくべい) 自由 (じゆう) 貿易 (ぼうえき) 協定 (きょうてい) (略称:NAFTA(ナフタ)) () を結ぶなどして、経済的に協力しあっている。(なお、2020年にNAFTAは失効し、同年に 「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)が発効しました。

沿岸部が共に世界有数の漁場である太平洋及び大西洋であるが故に、水産業も盛んである。特にニシンやタラ、さけなどの漁獲量が多い。

森林も多く,林業も盛んである。そして、

水資源が多いことや森林の多いことを利用して、パルプや紙の生産も多い。

国土の3分の1をタイガと呼ばれる針葉樹林が占めている。


貿易は、アメリカ合衆国との貿易の割合がとても大きい。

そもそも、NAFTA(ナフタ、北米自由貿易協定)の構成国が、カナダとアメリカとメキシコの3か国である。

中米

メキシコやキューバ、ハイチなどのカリブ海諸国のことをまとめて、中米(ちゅうべい)(英語:Central America)もしくは中央アメリカなどと呼ぶ。

これら中米の地域の多くは、16世紀頃からスペインに侵略され植民地にされた国が多く、従って、中米諸国の公用語ではスペイン語を公用語にしている国が多い。また、主な宗教はキリスト教である国が多い。また,主な人種もスペイン系の白人との混血 (「メスチソ(Mestizo)」と言う) である国が多い。アメリカ合衆国やカナダと異なり、中米諸国では、あまり白人そのものの数は多くない。

工業は,国にもよるが,あまり高度な技術を要する工業は発達していない。特に、カリブ海の小さな島国では、農業以外の産業として観光業などを主な産業にしている国もある。経済的には、アメリカやカナダと比べると貧しい。治安も悪い。

カリブ海の諸国

メキシコやキューバ、ブラジル、アルゼンチンなどには、スペインやポルトガルなどのラテン系ヨーロッパ人が入植し侵略し開拓していったため、これらメキシコやキューバなど地中海諸国及び南アメリカ大陸の諸国を合わせ「ラテンアメリカ」と呼ばれている。

ラテンアメリカに対し、アメリカ合衆国とカナダには、アングロサクソンが多いので、アメリカ合衆国とカナダのことを「アングロアメリカ」という。 カリブ海(Caribbean Sea)諸国の気候は熱帯である。アメリカ合衆国南部にあるフロリダ半島も地理的に近く、フロリダ半島の気候も、熱帯である。

メキシコ

 
メキシコ(Mexico)
 
メキシコのかつての文明の遺跡、ティオティワカン(Teotihuacan)。世界遺産になっている。

古くからの文明の遺跡などが残っている。かつてメキシコの地には、13世紀頃までマヤ文明 (英語:Maya civilization) があり、16世紀頃までアステカ(Azteca)文明があった[注釈 6]。アステカ文明はこの地に植民を始めたスペイン人によって滅ぼされた。それ以降、メキシコは長らくスペインの植民地だった時代がある。

経済的には、アメリカやカナダと比べるとあまり豊かではない。メキシコの公用語はスペイン語である。他の多くの中米諸国も公用語にスペイン語を用いていることが多い。アメリカ合衆国やカナダと比べると、メキシコの治安は悪い。麻薬組織など違法集団の勢力もメキシコでは強く、米国などに麻薬などが密輸されている。


メキシコは銀の産出量が世界一位(2016年)である。植民地時代から、メキシコは世界的に有名な銀の産出国であった。

※ 中学の段階では覚えられなくても良いが、高校で世界史を学ぶと、近世以降、メキシコの銀が、たびたび世界経済に影響を与えている。その延長で、暗記できるようにすれば良い。

メキシコの国データ

  • 首都:メキシコシティ(Mexico City)[3]
  • 面積:197万km2
    • 日本の約5倍
  • 人口:1億2893万人
  • 主な言語:スペイン語
  • 主な宗教:キリスト教

現在の経済では、アメリカやカナダとの経済的な結びつきも強く、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコの3カ国は北米自由貿易協定を結んでいる。

NIES(ニーズ)

メキシコはNIES(ニーズ)と呼ばれる,新興工業経済地域(しんこうこうぎょうけいざいちいき)の1つである。

中米諸国の中で見れば、メキシコでは工業が盛んである。20世紀前半より工業化が進んでおり、自動車や製鉄、家電製品の生産などが盛んである。


メキシコは、アメリカとの経済協定であるNAFTAの構成国でもある。この協定を利用しての目論見(もくろみ)からか、アメリカ合衆国などの企業がメキシコにも進出している。

※ ほか、アメリカに進出したい日本企業や中国企業などもメキシコに進出している。
※ メキシコの日本企業の進出については、受験研究社が脚注で記述している。

NAFTA(ナフタ、北米自由貿易協定)などにより、メキシコの一部の地域にはアメリカへの輸出にさいして税金などの免除・軽減といった優遇措置があるので(旺文社)、それを利用しようと欧米アジアの工業国がメキシコにも進出している。

そもそも、北米「自由貿易」協定という名の通り、そういう税の免除がメキシコにある。アメリカとの国境近くに「マキラドーラ」と言われる、輸出入にかかる税を優遇する地域がある(旺文社、受験研究社)。、


近年は自動車工業も発達している。

おそらく、アメリカへ輸出するための自動車の生産拠点として、メキシコが活用されているのだろう。


ほか、メキシコ湾岸から、石油が産出される。

これもあってか、石油工業も発達している。

ほか

緯度的には、メキシコは赤道に比較的に近いので、海岸付近などは高温多雨な熱帯気候だが、しかし国全体としては標高の高い地域が多いので、すずしい地域も多い。

白人と、インディオとの混血をメスチソという。メスチソも多い。

メキシコはスペインの植民地だったので、当然だがメキシコ在住の白人はスペイン系の白人である。

このため、メキシコの言語はスペイン語だし、宗教もキリスト教カトリックである。(スペインがカトリック宗派の地域なので。)

キューバ

カリブ海にある島国の一つ。1959年に革命 (キューバ革命(Revolución cubana)) により社会主義国となって、キューバはソビエト連邦の陣営に加わった。そして、アメリカ合衆国と対立していた。革命の指導者は、フィデル・カストロチェ・ゲバラなどの人物である。

革命後のキューバの経済では、ソビエト連邦の計画経済を手本にしたため、キューバの経済は市場経済を否定し、それまでの企業は国営化された。冷戦終了後の今でも社会主義国である。ソ連の崩壊後、ソ連からの援助が無くなったため経済が悪化している。

キューバの農業は サトウキビ の生産がさかんであり、砂糖が重要な輸出品になっている。砂糖以外にあまり輸出できる産業がなく、モノカルチャー経済に陥っている。

社会主義の為、医療費や教育費は無料である。社会主義が故に経済格差は少なく、治安は良いとされる。

キューバの国データ

  • 首都:ハバナ(Habana)
    • 注意:バハマでは無い。バハマは別の国。バハマもカリブ海にある国。
  • 面積:約11万km2
    • カリブ海の西インド諸島では最大面積の国
  • 人口:約1100万人
  • 主な言語:スペイン語
  • 主な宗教:キリスト教

パナマ(Panama)

 
パナマ運河のガトゥン閘門(こうもん)

パナマには,「パナマ運河(Panama Canal)」という運河がある。太平洋と大西洋をより短く結ぶために建設された。かつてはアメリカ合衆国が管理していたが、1999年にパナマに返還された。

また、運河があるため、海運業がさかんである。パナマでは海運業を盛んにするため、船舶に関する税金が安くなっており、そのため外国の海運会社が船の船籍をパナマで登録することも多い。このような船をべんぎ ちせきせん( (英語:flag of convenience ship) )という。パナマは便宜置籍船の船籍が置かれる国として有名である。

パナマの国データ

  • 首都:パナマシティ(Panama City)。スペイン語ではシウダ・デ・パナマ(Ciudad de Panamá)
  • 面積:約7万km2
  • 人口:約340万人
  • 主な言語:スペイン語,英語

その他の中米諸国

その他にも、中米には多くの国がある。

  • ジャマイカ
  • ドミニカ共和国
  • グレナダ
  • ハイチ
    • 国民の90%が黒人である。かつてフランスの植民地だった。
  • コスタリカ
  • グアテマラ
  • エルサルバドル
  • ホンジュラス
  • ニカラグア
  • バハマ

などの国がある。

(※ 範囲外: )これらの国の多くは治安が非常に悪く、国民の多くは貧しい。

脚注

出典

注釈

  1. ^ ここでいう「小規模」は日本の標準的な生産者及びその一家のみで消費する量を生産する農家や、それに加えてある程度を出荷するといった農家を指す。反対に、アメリカの「大規模」農家は生産者が消費するためではなく、販売することに徹したものである(詳細は後述)。
  2. ^ 例:カーギル (Cargill Inc.) というアメリカ合衆国の会社が穀物メジャーの一つである。
  3. ^ インディアンと呼ばれる場合も多い。
  4. ^ 州 (地域) によって異なる。
  5. ^ この頃に激化した貿易摩擦により、日本の自動車メーカーは関税のかかる日本国内での製造からかからないアメリカでの製造を始める。
  6. ^ 中学の段階では、「マヤ」「アステカ」という名称の暗記については、あまり学習には本質的でない。ただし大学入試には出うる名称なので、高校入試や中学校の定期テストなどでも出題される可能性もある。
  1. ^ 西日本新聞『米国の人種別人口構成比の推移と推計 - 【あなたの米大統領選】トランプ支持が映す「分断」 データ分析 - 写真・画像(2/4)|【西日本新聞me】』, 2020/1/6 11:56 (2022/12/22 12:22 更新)
  2. ^ 日光 (英語でサン) があたるのは南である。
  3. ^ 首都の名前は正式には国名と同一の「メキシコ」である。しかし、紛らわしいため、英ːMexico City, 西ːCiudad de México、日本語ではメキシコシティ、メキシコ市と呼ばれる。