文型の理論のつづき

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SVOC(補語が名詞)

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* That boy is Ken.(あの少年はケンです。)
* We call that boy Ken.(私たちはあの少年をケンと呼びます。)
  • callはあとに目的語と補語をとり、「~を…と呼ぶ」の意味を表す。
  • name A Cだと「AをCと名づける」の意味を表す。

SVOC(補語が形容詞)

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* I am happy.(私は幸せです。)
* The news made me happy.(そのニュースは私を幸せにさせた。)
  • makeはあとに目的語と補語をとり、「~を…にさせる」の意味を表す。
  • keep A Cだと「AをCに保つ」の意味を表す。

文型とは

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ふつう、英語の一文は、つぎの5つの文型のうちのどれかに、当てはまる。

第1文型: SV
第2文型: SVC
第3文型: SVO
第4文型: SVOO
第5文型: SVOC

なお、

Sは主語。
Vは動詞。
Cは補語。
Oは目的語。

そして、「SVC」や「SVOC」などの文型では、「SはCである」「SはCになる」などの意味となり、つまり S の性質が C であると主張している。


なお、入試には、「この文は、第何文型か? 答えよ.」のような問題は、入試には出ない。

なぜなら、ほとんどの場合、例文の意味を答えさせる問題によって、文型の理解を試験するから。それでも、もし文型に関する問題が出るとしたら、「SVO」とか「SVOC」などを答えさせる問題であろう。

だから、「SVOC は、第何文型だったか?」などを覚える必要は無い。

「SV」「SVO」「SVC」「SVOO」「SVOC」などの用語が分かっていれば、じゅうぶんである。

現在完了形

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<have(has) + 過去分詞>の形を現在完了形といい、つぎに述べるような用法をもつ。

継続(けいぞく)を表す用法
経験(けいけん)を表す用法
完了(かんりょう)を表す用法

現在完了(継続)

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<have(has) + 過去分詞>で、「ずっと~している」の意味をもつ場合がある。

* He has lived in Tokyo for ten years.(彼は10年間ずっと東京に住んでいます。)
  • 継続を表す現在完了は、過去のある時に起こった動作や状態が現在まで継続していることを表す。

補足説明として、for(~のあいだ),since(~以来),how long(どのくらいの間?) などの語句が用いられる場合がある。

  • forのあとには期間を表す語句が続く。たとえば 「for three years」なら「3年間」。
  • sinceのあとには起点を表す語句が続く。 「since 2000」なら「2000年以来から」。

継続の現在完了の疑問文

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How long has she lived in Tokyo? どのくらい長く、彼女は東京に住んでいますか?

- Since ten years ago. 10年前からです。
- For ten years. 10年間です。

などのように、How long で質問できる。

現在完了(経験)

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<have(has) + 過去分詞>で、「~したことがある」の意味をもつ場合がある。

* Did you visit Nara?(あなたは奈良を訪れましたか。)
* Have you ever visited Nara?(あなたは今までに奈良を訪れたことがありますか。)
I have visited Nara once. 私は奈良を1度訪れたことがあります。
  • 経験を表す現在完了は「~したことがある」の意味で、現在までの経験を表す。once(ワンス、1度)、before(以前に)、often(オッフン、しばしば)、twice(トゥワイス,2回)、three times(3回)、 〜 times(~回)などが用いられる。
※ なお、often の t は18世紀から発音しなくなった。だが2020年代の近年、英米では発音すつようになっている。つまり「オフトゥン」と発音しても良い。
  • 疑問文は〈have(has)+主語+過去分詞 ~?〉の形で、ever(エバー、意味:今までに)がよく使われる。
Have you ever visited Nara? あなたは奈良を訪れたことがありますか?
  • 否定文はhave(has)のあとにnotをおくが、never(ネバー)が使われることが多い。
I have never visited Nara. 私は奈良を1度も訪れたことがありません。


  • 「行ったことがある」< have been to 場所>

「〜(場所)に、行ったことがある」といいたい場合は、<have been to 〜>を使います。

go や gone は使いません。< have gone to 〜>というと、「〜に行ってしまった。その結果、今は、ここには、いない。」という意味になる。

例文

I have been to Nara. 私は奈良に行ったことがあります。
She has gone to Nara. 彼女は奈良に行ってしまった。(その結果、今はここには、いない。)


参考 : been は「いる」の場合も How long have she been in Japan? どのくらい長く、彼女は日本にいますか?

このように been は、「いる」の意味でも使われる。 have been だからといって、「行った経験が・・・」と訳すとは、かぎらない。

現在完了(完了)

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* I am cleaning the room.(私は部屋を掃除しています。)
* I have cleaned the room.(私は部屋を掃除したところです。)
  • 完了を表す現在完了は〈have(has)+過去分詞〉(have,hasは主語に応じて使い分ける)の形で、過去において起こったできごとが、現在完了していることを表す。「したところだ、~してしまった」のほか、「~した結果、今は…だ」と結果を表すこともある。
  • 完了を表す現在完了では、just(ジャスト、意味:ちょうど今),already(オールレディ、意味: すでに)などの副詞がよく用いられる。
I have already clean the room. 私は既に部屋を掃除しました。

現在完了(完了)の疑問文・否定文

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* I have finished my homework.(私は宿題を終わらせました。)
* Have you finished your homework?(あなたは宿題を終わらせましたか。)
* I have not finished my homework.(私は宿題を終えていません。)
  • 現在完了の疑問文have(has)を主語の前に出し、Yes,~ have(has).またはNo,~ have(has) not.と答える。
  • 現在完了の否定文have(has)のあとにnotを入れる。
  • already(もう)は肯定文に使い、疑問文ではyetを使うのが普通。yetは否定文ではnot ~ yetの形で「まだ~ない」の意味。


(※ 範囲外?) 副詞の ago (前)や yesterday (昨日)や接続詞 when (~のとき)や last (たとえば last Monday (この前の月曜日) )など、特定の時間を表す表現といっしょには、現在完了は使えない。

なお、now (今), just (ちょうど)、today(今日)などの現時点を表す表現なら、文脈によっては現在完了形とともに使うことができる。

また、recently (最近)、this week(今週)など、現在を含む一定期間の語句も、現在完了形で用いることができる。接続詞 since(以来)も、これらの同類であるので、現在完了形で使えるのは当然である。


(※例外の慣用句) I forgot. 「忘れてしまった」みたいな、意味的には現在も忘れているわけだが、forget 「忘れる」については慣用的に過去形を使うのが普通。そのほか、hear, find, understand は、意味的には完了であっても現在形のままで使うのが普通。

こういう例外的な単語があるので、基本的には、have gone や have been など、よく例文に出てくる言い回しさえ覚えれば、中学レベルでは十分だろう。あとは、テストなどで与えられた簡単な英文を読めればいい。

現在完了進行形

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<have[has] been doing>の形で示され、過去から現在に至るまでずっと行われてきた動作を示す。

* I have been waiting for him since this morning.(私は今朝から彼を 待ち続けている。)
* It's been raining for three days.(3日間ずっと 雨が降り続けている

現在完了進行形の疑問文

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現在進行形の疑問文と同じような手順である。

* Have you been waiting for him since this morning?( あなたは今朝から彼をずっと待っているの ですか?)
* Who have you been waiting for?( あなたは 誰を待っているの ですか

ただし、上の2番目の例文の「for」は必ず付ける。

このように、単なる完了形の疑問文では主語とhaveを逆にする。疑問詞が付く場合は、先頭に疑問詞を置いてから書く。

疑問詞のある場合の考え方を説明する(※ 出典は未確認)。

まず、

You have been waiting for someone. あなたは誰かを待っている。

のように、疑問視のない形の平常文を頭の中で考える。

次に、これを単なる疑問文に置き換えて、

Have you been waiting someone? あなたは誰かを待っていましたか?

にする。(この段階では、待っていたかいないかを聞いている。)

そして最後に、「誰を待っていたか」をたずねるために、疑問視を文頭に持ってくるのと、その疑問視に対応する目的語 someone を除去して、

Who have you been waiting for? あなたは 誰を待っているの ですか?

とする。

このように、疑問視がある場合でも、基本的な構造は、疑問詞のない場合と同様である。

現在進行形との違い

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  • 現在進行形:過去から未来と動作中の動作。
  • 現在完了進行形:過去からまで動作が継続している状態。

現在進行形は、未来へと動作が続いて行くのに対し、現在完了進行形は、未来へと動作が続く事を保証していない

形式主語

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It is ... for - to ~

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* I like to swim. It is fun.(私は泳ぐのが好きです。それはおもしろい。)
* It is fun for me to swim.(泳ぐことはにとっておもしろい。)
  • It is ... to ~Itは、to不定詞を受けて文頭に置いた形で、形式主語といい、「それは」とは訳さない。to不定詞が本当の主語なので真主語という。 It is ... to ~「~することは…だ」の意味。

つまり

It is fun for me to swim.(泳ぐことは私にとっておもしろい。)

において、

It が形式主語、

to swim が真主語、

である。

  • to ~の意味上の主語は〈for+人〉の形でto ~の前に置き、「-が~することは…だ、~することは-にとって…だ」の意味になる。

< ask + 人 + to ~ >など

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  • 〈ask+人+to ~〉 「…(人)に~するように頼む」
  • 〈tell+人+to ~〉 「…(人)に~するように言う」
  • 〈want+人+to ~〉 「…(人)に~してもらいたい」

例文

* I asked Tom to stand up.(私はトムに立つように頼みました。)

参考

* I said to Tom,“Stand up, please.”(私はトムに「立ってください」と言いました。)

say の場合は、" "(ダブル クォーテーション)で、セリフを囲む必要がある。

つまり、 「I said to Tom to stand up.」(×)はマチガイ。

動詞 + 人 + how to ~

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<how to 動詞の原形>は、「〜のしかた」「〜の方法」という意味の目的語になれる。

例文

* He knows how to use it .(彼はそれの使い方を知っている。)
* He showed me how to use it.(彼は私にそれの使い方を見せた。)

showは、「…(人)に」「how to ~」の順に並べることができる。「…に~の仕方を見せる」の意味になる。

不定詞(原因を表す副詞的用法)

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* I heard that. I'm glad.(私はそれを聞いた。私はうれしい。)
* I'm glad to hear that.(私はそれを聞いてうれしい。)

to 不定詞「~して」の意味で、感情の原因を表すこともある。副詞的用法の1つ。

分詞の形容詞的用法

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現在分詞の形容詞的用法

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名詞の直後に 〜ing をつけくわえることで、「~している○○(名詞)」の意味になり、名詞を修飾する(形容詞の働き)。

The girl playing the piano is my sister. ピアノをひいている少女は、私の妹(/姉)です。
I know the girl playing tennis.(私はテニスをしている少女を知っている。)


これら現在分詞の用法は、あとの単元で説明する「関係代名詞」(かんけい だいめいし)をつかった文と比べると分かり易い。

The girl who is playing the piano is my sister.
I know the girl who is playing tennis.


過去分詞の形容詞的用法

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名詞の直後に 〜ed をつけくわえることで、「〜された○○(名詞)」の意味になり、名詞を修飾する。

This is a car made in Japan.(これは日本製の自動車です。)
I have a book written by Natume Soseki. 私は、夏目漱石によって書かれた本を、持っている。

これら過去分詞の用法は、あとの単元で説明する「関係代名詞」(かんけい だいめいし)をつかった文と比べると分かり易い。

This is a car which is made in Japan.
I have a book which is written by Natume Soseki.

付加疑問文

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「~ですよね、~でしょうね」と、相手に念をおしたり同意を求める言い方。これを付加疑問文(ふか ぎもんぶん)という。

* Tom is busy, isn't he?(トムは忙しいです。)
* Tom isn't busy, is he?(トムは忙しくないですよね。)
* Tom is busy.(トムは忙しいです。)

関係代名詞

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who や、which などの単語には、つぎに述べるように、接続詞と代名詞をかねる用法があり、その用法を「関係代名詞」(かんけい だいめいし)という。

関係代名詞 who(主格)

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まず、参考として、関係代名詞(かんけい だいめいし)を使ってない文を例示する。

* Mr.Mori is a teacher. He taught us English.(森先生は先生です。彼は私たちに英語を教えた。)

関係代名詞を用いると、下記のように書き換えできる。

* Mr.Mori is a teacher who taught us English.(森先生は私たちに英語を教えた先生です。)

このように、関係代名詞(かんけい だいめいし)は2つの文を結ぶ接続詞と代名詞の働きをかね、関係代名詞以下の節は、すぐ前の名詞(先行詞)を修飾する。先行詞は「せんこうし」と読む。

関係代名詞whoは、先行詞が「人」のときに使い、関係代名詞以下の節で主語の働きをする。

関係代名詞 which(主格)

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関係代名詞whichは、先行詞が「物」「動物」の場合に使い、接続詞と代名詞の働きをかねる。which以下の節は前の名詞(先行詞)を修飾する(形容詞句)。しかし、重たい語句なので、口語ではほとんど thatを使用する。

* This is a letter. It came this morning.(これは手紙です。それは今朝来ました。)
* This is a letter which came this morning.(これは今朝来た手紙です。)

関係代名詞 that(主格)

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関係代名詞thatは、先行詞が「人」の場合でも「物」「動物」の場合でも使い、接続詞と代名詞の働きをかねる。that以下の節は前の名詞(先行詞)を修飾する(形容詞句)。

* I have a bird. It sings very well.(私は鳥を飼っている。それはとても上手に歌う。)
* I have a bird that sings very well.(私はとても上手に歌う鳥を飼っている。)

関係代名詞 which(目的格)

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関係代名詞which(目的格)は、先行詞が「物」「動物」の場合に使い、接続詞と目的格の代名詞の働きをかねる。which以下の節は先行詞を修飾する。

* Here is a record. My father likes the record.(ここにレコードがあります。私の父はそのレコードが好きです。)
* Here is a record which my father likes.(ここに私の父が好きなレコードがあります。)

目的格の場合の which は、省略できる

Here is a record my father likes.

関係代名詞 that(目的格)

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関係代名詞that(目的格)は、先行詞が「人」の場合でも「物」「動物」の場合でも使い、接続詞と目的格の代名詞の働きをかねる。that以下の節は先行詞を修飾する。

* He has a girlfriend. He loves her very much.(彼は女友達がいる。彼は彼女が大好きだ。)
* He has a girlfriend that he loves very much.(彼には彼がとても大好きな女友達がいる。)

目的格のthatは、省略できる

He has a girlfriend he loves very much.


接触節

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* This is the book. I bought the book yesterday.(これは本です。私はその本を買いました。)
* This is the book I bought yesterday.(これは私が昨日買った本です。)
  • 名詞を後ろから修飾する方法で、〈修飾したい名詞 + 主語 + 動詞+…〉で、修飾することもできる。
  • 上の文では、the bookを〈主語+動詞+…〉I bought yesterday「私が昨日買った本」と説明している。

これは、目的格の関係代名詞 which や that を省略した形とも解釈できる。というか、関係代名詞の省略形と解釈したほうが、暗記の量が減るので、オススメである。

This is the book which I bought yesterday. これは、私が昨日買った本です。

検定教科書では「接触節」という用語は教えず、かわりに、目的格の関係代名詞は省略できる、というふうに教えているようだ。


分詞の形容詞的用法と、関係代名詞との対応

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分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。

現在分詞の形容詞的用法と、関係代名詞の省略形

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現在分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。

(過去分詞で書いた場合) The girl playing the piano is my sister. ピアノをひいている少女は、私の妹(/姉)です。
(関係代名詞で書いた場合) The girl who is playing the piano is my sister.
(過去分詞で書いた場合) I know the girl playing tennis.(私はテニスをしている少女を知っている。)
(関係代名詞で書いた場合) I know the girl who is playing tennis.

試験などの際は、「これは現在分詞の形容詞的用法か、それとも関係代名詞の省略形か?」などのような分類には、あまりコダワル必要はない。そういう問題は、入試には出ない。

過去分詞の形容詞的用法と、関係代名詞の省略形

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過去分詞の形容詞的用法は、関係代名詞の省略形とも解釈できる。

(過去分詞で書いた場合) This is a car made in Japan.(これは日本製の自動車です。)
(関係代名詞で書いた場合) This is a car which is made in Japan.
(過去分詞で書いた場合) I have a book written by Natume Soseki. 私は、夏目漱石によって書かれた本を、持っている。
(関係代名詞で書いた場合) I have a book which is written by Natume Soseki.

試験などの際は、「この文は過去分詞の形容詞的用法か、それとも関係代名詞の省略形か?」などのような分類には、あまりコダワル必要はない。そういう問題は、入試には出ない。


間接疑問文

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* Where does he live?(彼はどこに住んでいますか。)
* I don't know where he lives.(私は彼がどこに住んでいるか知りません。)
  • 疑問詞のある疑問文がknowなどの動詞の目的語になって文の一部になると、これを間接疑問文といい、疑問詞以下は〈疑問詞+主語+動詞〉の語順になる。

how to ~

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* I can play the piano.(私はピアノを弾くことができる。)
* I know how to play the piano.(私はピアノの弾き方を知っている。)
  • 〈how to+動詞の原形〉「~する方法、~の仕方」の意味で、knowなどの動詞の目的語になる。
  • 疑問詞+to不定詞
〈how to ~〉「どのように~したらよいか → ~する方法、しかた」
〈what to ~〉「何を~したらよいか」
〈where to ~〉「どこで(へ)~したらよいか」
〈when to ~〉「いつ~したらよいか」
〈which to ~〉「どちらを~したらよいか」
  • 疑問詞+名詞+to不定詞
〈what ... to ~〉「何の...を~したらよいか」
〈which ... to ~〉「どちらの...を~したらよいか」

仮定法

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  • 仮定法

英語において、「もし私が...だったら、〇〇しているだろう。」と言うときは、次のように言う。

If I were ..., I would 〇〇.

このような構文を、仮定法(過去)という。 例文の主語に続く動詞は、必ず過去形にしなくてはならない。

  • wishの文

「私が裕福だったらいいのにな。」を英語にすると、次のようになる。

I wish I were rich.

希望を英語で表現するには、「主語 + wish + 主語 + 動詞の過去形 + 〜」と書く。 この文も、仮定法と同じく、 動詞は過去形 にする。

わたし自身、あなた自身

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