公認会計士試験/平成30年第II回短答式/監査論/問題1

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問題 編集

 公認会計士監査制度の歴史に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。なお選択肢における年号及び年代は,正誤判断の対象外とする。(5点)

ア.平成26 年の監査基準改訂において,監査人の意見表明について,従来の「適正性」に関する意見表明に加えて,「準拠性」に関する意見表明が導入された。この改訂により,財務諸表利用者のニーズに応じて,一般目的の財務諸表を対象とすれば「適正性」に関する意見表明に限られるが,特別目的の財務諸表については,これに追加して「準拠性」に関する意見表明も認められることとなった。

イ.昭和50 年代に公認会計士による中間財務諸表監査が開始された。当時設定された中間財務諸表監査基準において,監査人の意見表明は,中間財務諸表の「有用性」についてのものであり,その後の改訂を経て中間監査基準になっても,それが維持されて現在に至っている。

ウ.昭和50 年代に公認会計士による連結財務諸表の監査が開始された。その実施に伴い,個別財務諸表監査を前提とした従来の監査基準の実施基準及び報告基準について,連結財務諸表特有の監査手続や監査報告に関する規定が設けられる等,連結財務諸表監査に備えて見直され,その後の改訂を経て現在に至っている。

エ.平成20 年代に金融商品取引法の施行を受けて,四半期報告制度が実施された。それに対応して,公認会計士による四半期レビューが開始され,四半期財務諸表の「適正性」について消極的形式による結論が表明されるようになり,その後の改訂を経て現在に至っている。

  1. アイ
  2. アウ
  3. アエ
  4. イウ
  5. イエ
  6. ウエ

正解 編集

5

解説 編集

ア.平成26 年の監査基準改訂において,監査人の意見表明について,従来の「適正性」に関する意見表明に加えて,「準拠性」に関する意見表明が導入された。この改訂により,財務諸表利用者のニーズに応じて,一般目的の財務諸表を対象とすれば「適正性」に関する意見表明に限られるが,特別目的の財務諸表のいずれについてこれ「適正性」に追加して「準拠性」に関する意見表明も認められることとなった。平成26年監査基準の改訂について一1

イ.昭和50 年代に公認会計士による中間財務諸表監査が開始された。当時設定された中間財務諸表監査基準において,監査人の意見表明は,中間財務諸表の「有用性」についてのものであり,その後の改訂を経て中間監査基準になっても,それが維持されて現在に至っている。中間監査基準の設定について二4(2),昭和52年中間財務諸表監査基準第二2(1),中間監査基準第一

ウ.昭和50 年代に公認会計士による連結財務諸表の監査が開始された。その実施に伴い,個別財務諸表監査を前提とした従来の監査基準の実施基準及び報告基準実施準則及び報告準則について,連結財務諸表特有の監査手続や監査報告に関する規定が設けられる等,連結財務諸表監査に備えて見直され,その後の改訂を経て現在に至っている。平成3年にこの規定が削除され,平成14年に実施準則及び報告準則そのものが削除されたため,連結財務諸表特有の監査手続や監査報告に関する規定は現行基準には存在しない。昭和51年監査実施準則及び監査報告準則の改訂について,平成14年監査基準の改訂について二2

エ.平成20 年代に金融商品取引法の施行を受けて,四半期報告制度が実施された。それに対応して,公認会計士による四半期レビューが開始され,四半期財務諸表の「適正性」について消極的形式による結論が表明されるようになり,その後の改訂を経て現在に至っている。四半期レビュー基準の設定に関する意見書二1,3

ウィキブキアンのコメント
問題文中に「選択肢における年号及び年代は,正誤判断の対象外」とあることから,問題の難易度は低め

参照基準 編集

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