法学コンメンタールコンメンタール刑事訴訟法

条文

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(位置測定端末装着命令)

第98条の12
  1. 裁判所は、保釈を許す場合において、被告人が国外に逃亡することを防止するため、その位置及び当該位置に係る時刻を把握する必要があると認めるときは、被告人に対し、位置測定端末(人の身体に装着される電子計算機であつて、人工衛星から発射される信号その他これを補完する信号(第3項第1号において「人工衛星信号等」という。)を用いて行う当該電子計算機の位置及び当該位置に係る時刻の測定(以下「位置測定」という。)に用いられるものをいう。以下同じ。)をその身体に装着することを命ずることができる。
  2. 裁判所は、前項の規定による命令(以下「位置測定端末装着命令」という。)をするときは、飛行場又は港湾施設の周辺の区域その他の位置測定端末装着命令を受けた者が本邦から出国する際に立ち入ることとなる区域であつて、当該者が所在してはならない区域(以下「所在禁止区域」という。)を定めるものとする。
  3. 位置測定端末は、次に掲げる機能及び構造を有するものでなければならない。
    1. 位置測定のために必要な人工衛星信号等を受信する機能
    2. 次に掲げる事由の発生を検知する機能
      イ 位置測定端末が装着された者の身体から離れたこと。
      ロ 位置測定に関して行われる信号の送受信(以下「位置測定通信」という。)であつて位置測定端末に係るものが途絶するおそれがある事由として裁判所の規則で定めるもの
      ハ ロに掲げる事由がなくなつたこと。
      ニ イからハまでに掲げるもののほか、位置測定端末を装着された者の本邦からの出国を防止し、又はその位置を把握するために位置測定端末において検知すべき事由として裁判所の規則で定めるもの
    3. 前号に掲げる事由の発生が検知されたときは、直ちに、かつ、自動的に、位置測定端末を装着された者に当該事由の発生を知らせるとともに、第5項の閲覧設備において当該事由の発生を確認するために必要な信号を、直接に又は次項の位置測定設備を経由して、第5項の閲覧設備に送信する機能
    4. 人の身体に装着された場合において、その全部又は一部を損壊することなく当該人の身体から取り外すことを困難とする構造
    5. 前各号に掲げるもののほか、位置測定に関して必要な機能又は構造として裁判所の規則で定めるもの
  4. 位置測定においては、次に掲げる機能を有する電気通信設備であつて裁判所の規則で定めるもの(第1号及び第98条の15第1項において「位置測定設備」という。)を使用するものとする。
    1. 次に掲げる事由の発生を検知する機能
      イ 位置測定端末が所在禁止区域内に所在すること。
      ロ 位置測定通信であつて位置測定設備に係るものが途絶するおそれがある事由として裁判所の規則で定めるもの
      ハ ロに掲げる事由がなくなつたこと。
      ニ イからハまでに掲げるもののほか、位置測定端末を装着された者の本邦からの出国を防止し、又はその位置を把握するために位置測定設備において検知すべき事由として裁判所の規則で定めるもの
    2. 前号に掲げる事由の発生が検知されたときは、直ちに、かつ、自動的に、位置測定端末を装着された者に当該事由の発生を知らせるとともに、次項の閲覧設備において当該事由の発生を確認するために必要な信号を同項の閲覧設備に送信する機能
  5. 位置測定においては、裁判所が端末位置情報(位置測定により得られた位置測定端末の位置及び当該位置に係る時刻に関する情報をいう。以下同じ。)を表示して閲覧すること及び第3項第3号又は前項第2号の信号を受信することにより次に掲げる事由の発生を確認することができる機能を有する電気通信設備(以下「閲覧設備」という。)を使用するものとする。
    1. 第3項第2号イに掲げる事由
    2. 前項第1号イに掲げる事由
    3. 第3項第2号ロ又は前項第1号ロに掲げる事由
    4. 第3項第2号ハ又は前項第1号ハに掲げる事由
    5. 第3項第2号ニ又は前項第1号ニに掲げる事由

解説

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参照条文

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判例

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前条:
第98条の11
(保釈、勾留の執行停止の取消時の監督保証金の没取)
刑事訴訟法
第1編 総則
第8章 被告人の召喚、勾引及び拘留
次条:
第98条の13
(位置測定端末の装着)
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