コンメンタールコンメンタール労働労働関係調整法

条文

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【公益事業、公益事業の指定、公表】

第8条  
  1. この法律において公益事業とは、次に掲げる事業であつて、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいう。
    1. 運輸事業
    2. 郵便、信書便又は電気通信の事業
    3. 水道、電気又はガスの供給の事業
    4. 医療又は公衆衛生の事業
  2. 内閣総理大臣は、前項の事業の外、国会の承認を経て、業務の停廃が国民経済を著しく阻害し、又は公衆の日常生活を著しく危くする事業を、一年以内の期間を限り、公益事業として指定することができる。
  3. 内閣総理大臣は、前項の規定によつて公益事業の指定をしたときは、遅滞なくその旨を、官報に告示するの外、新聞、ラヂオ等適宜の方法により、公表しなければならない。

解説

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ストライキ等労働争議が発生すると、労使当事者間のみならず社会広汎に影響を及ぼし社会的損失の発生や場合によっては人の生命や健康にまで影響を及ぼしかねない事業については、それを政府等が介入してでも早期に解決する必要がある。本法において、そのような事業を「公益事業」と定義し、他の事業に比べ、解決を急ぐ法律構成となっている。
公益事業に該当するものは、第1項に列挙する法定事業に加え、第2項により内閣総理大臣が時限的に、国会の承認を得て指定することができる。
第1項であげられる事業は以下のとおり。
  1. 運輸事業
    運輸事業の中で公益事業に該当するものは、「一般公衆の需要に応じ、一定の路線を定め、定期的に、旅客または貨物を輸送する事業」。したがって、路線バス・鉄道・航空事業などは該当するが、ハイヤーやタクシー事業は、路線でなく区域であるため該当しない[1]
  2. 郵便、信書便又は電気通信の事業
  3. 水道、電気又はガスの供給の事業
  4. 医療又は公衆衛生の事業

参照条文

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判例

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脚注

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  1. ^ 中央労働委員会事務局「労働争議の調整・争議行為の予告通知について」

前条:
第7条
【争議行為】
労働関係調整法
第1章 総則
次条:
第8条の2
【特別調整委員会】
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