大阪経済大対策
本項は、大阪経済大学の入学試験対策に関する事項である。
大阪経済大学は、大阪府大阪市東淀川区に本部を置く私立大学。経済学部・経営学部・情報社会学部・人間科学部の4学部7学科、夜間部も含む経済系複合大学である。ここでは大阪経済大学の入試対策・入試制度・その他について詳細に述べる。
概要
偏差値換算方式
筆記試験の入試の合否は『偏差値の総和』で判定される。合格最低値が「120」の場合、受験生全体で偏差値60となる点数を2教科とも得なければいけないという意味であって、2教科で120点を得られれば合格するという意味ではない(赤本に記載されている数値・予備校等が掲載している「最低点」も合格最低値の事である)。仮に、この点を勘違いして受験すると合格最低値を点数に換算した場合にかなりの相違が出ると思われる。教科A偏差値55・教科B偏差値65でも同様に合格である(3教科でも同様である)。また、偏差値換算の場合は受験生の平均得点が偏差値50となるため、問題が簡単な日程及び教科であれば有利になるとは限らないし、簡単な問題で自分の得点が低い場合には、合格の可能性が限りなく低下するというリスクも孕んでいるといえる。点数に直した場合の得点の目安は問題の難易度にもよるが、どの学部も最低限7割7~8分程度の得点が望ましい。なお、難問・奇問が多く出題される傾向は特に見られない。看板学部(経済・経営)においては、8割以上の得点を目指して勉強に取り組む必要があるだろう。
【偏差値換算の仕組み】
偏差値=d、標準偏差値=s、得点=p、平均点=a
つまり、仮にとある科目の平均点が90点だと、90点を取った受験生は50点に得点調整されます。85点取っても45点ほどになってしまうという事です。自分の苦手な教科を避けられる事が確実に有利に働くとは言えません。
受験難易度
大阪経済大学の入試は標準的な理解を有していれば十分に解答可能な問題が主である。そのため、比較的平均得点が高くなる傾向がある。基礎を固めて、つまらないケアレスミスは無いようにしておきたい。ある程度、日程ごとに難易度の差はあるが、偏差値換算方式により日程・教科ごとの差は意味をなさなくなる。これについては先述した通りである。また、公募推薦入試・A方式・D方式では同一時限に2教科をこなす必要性があるため、時間配分もよく考えて取り組みたい。なお、A方式は2012年度入試現在では、英語を実質的に避けられるが難易度はけして高くはなく、社会などの方が詳細な知識を求める物が度々出題されることもあって問題自体は難しい傾向にある。また、センター利用での4教科入試を導入するなど入試の重量化・学生の質の上昇を図っていると思われる。
赤本・入試問題集
次に赤本であるが、内容としては直近2年分の問題が掲載されている。ただし、当大学は他大学のものより出版・発行にかなり遅れる傾向がある(2011年度入試用は2010年10月、2010年度入試用は2009年11月に発行)。総合大学ではなく、学部ごとに入試問題を分けている訳ではないため、冊子自体は比較的薄い。また、他大学でも同様に行っている事だが、大学の入試問題集の過去2年分がオープンキャンパスへ行けば貰えるが、2012年度より過去問題集もネットで取り寄せる事が可能になっている。この入試問題集は赤本と比較して推薦入試の問題等もカバーしているため、受験志望者は入手しておきたい。私立大学は出題形式がそれぞれ独特なために、過去問での学習は、出題傾向に慣れる意味からも必要不可欠である。出題傾向を把握し、時間配分を考えて問題を解くようにしよう。
入試合格者平均素点(2017年度入試最新版)
★公募(合格者の平均評定は3.9です) ※ 評定が3.9あって以下の得点率なら受かるのではないか?という事です。当然評定が高ければ下の得点率以下でも合格できます。評定がかなり低ければ(2.0程度)国語・数学だとほぼ満点でないと合格ラインに達しません。
- 1日目 英語65% 現代社会70% 数学75% 国語80%
- 2日目 英語70% 現代社会70% 国語80% 数学90%
入試合格者平均素点 2016年度入試版
★公募(合格者の平均評定は3.9です) ※ 評定が3.9あって以下の得点率なら受かるのではないか?という事です。当然評定が高ければ下の得点率以下でも合格できます。評定がかなり低ければ(2.0程度)国語・数学だとほぼ満点でないと合格ラインに達しません。
- 1日目 現代社会70% 英語75% 数学85% 国語85%
- 2日目 現代社会65% 英語80% 数学85% 国語85%
★一般【A方式】
- 1日目 現代社会65% 国語70% 数学75% 日本史75% 英語75% 世界史80%
- 2日目 国語70% 現代社会70% 英語75% 日本史75% 数学80% 世界史85%
- 3日目 現代社会70% 数学70% 英語70% 日本史75% 世界史80% 国語85%
★一般【B方式】
- 1日目 数学70% 英語70% 日本史80% 国語80% 世界史85%
- 1日目(高得点2教科型の場合)英語70% 数学75% 日本史80% 世界史85% 国語85%
- 2日目 数学60% 日本史70% 英語70% 世界史75% 国語80%
- 2日目(高得点2教科型の場合)数学70% 日本史75% 英語75% 世界史85% 国語85%
(注)「大阪経済大学入試ガイド2016」に基づく(合格者平均評定の3.9があった場合、上記の点数でおおよそ合格となる)。ただし、あくまで2015年度入試の結果に過ぎないことに留意が必要である。
公募推薦入試
例年では出願開始が11月上旬、試験日は11月下旬、合格発表は12月上旬。また、2010年度までは評定を10倍にして学科試験の合計偏差値に加算する形を取っていたが、2011年度より評定倍加は4倍とし、より筆記試験重視となった。しかしながら、偏差値に評定を加算する事は0.1の評定もある程度の差がつくため、倍加が低くなったとはいえ大切にしていきたい。なお、合格者の評定平均は3.9~4.0程度である。また、例年赤本には公募入試の問題は掲載されていない。公募入試の問題を手に入れるには2011年度入試までは基本的にオープンキャンパスに参加するしかなかったが、今はネットで取り寄せる事が可能となった。公募推薦では経営学部・経営情報学部で第2志望合格制度を設けており、仮に志望学科で不合格でも、もう片方の学科で合格する場合があるなどチャンスを広げている。
センター利用入試
2教科~4教科型までが存在。特に2教科型は例年人気が集中しており、相対的に高い得点率を要求される。また、4教科型は1教科のみ苦手で他3教科が得意な受験生に出願し易い方式となっている(例えば英語が苦手で、国語・社会・理科は得意など)。また、教科数が増えると1教科辺りの得点率が減る傾向にあるので見た目以上に有利な方式であると言える。当大学に限らず言える事だが、センター利用入試は大学が課す一般入試より合格基準が厳しい。大阪経済大学の場合も例外ではなく、募集人数自体が大学が課す一般入試より少ない。これは「大阪経済大学・大学基礎データ」から読み取る事が可能である。得点率がある程度高い場合(経済学部・経営学部だとおおよそ2教科の場合7割5分以上・3教科の場合7割少々・予備校のデータ等を参照)であれば、出願を検討する価値は大いにあるだろう。この部分においては個々人の判断による。例年、出願は1月上旬で合格発表は2月半ばである。
一般入試概要
A方式(前期2教科型)とB方式(前期3教科型)、D方式(後期2教科型)がある。特に前期A方式は例年人気が集中しており、B方式より合格最低値が高い傾向にあり偏差値も高いため、得意教科がはっきりと定まっていない場合は3教科が無難である。また、英語を実質的に避けられるために国語+社会で受験する者も多い。前期の出願はいずれも1月上旬、試験日は2月上旬、合格発表は3月上旬~中旬。後期の出願は2月中旬、試験日は3月上旬、合格発表は3月中旬。また、AO入試の殆どを廃止した為、実質的に一般入試の枠が広がる形となる。特にセンター利用入試を除くA・B・D方式は以前から募集人数を毎年増やしている。また、12年度入試より経営学部で定員を85名増と大幅に増やす事が発表されている。とはいえ先にも述べたが、後期入試では特定の学部で異常に高い倍率を記録する事も多々有り、滑り止めとして考えている受験生も前期の内に出願し、合格を確保して置くのが無難な選択と言えるだろう。これは「大阪経済大学・大学基礎データ」から読み取る事が出来る。また、一般後期の問題は赤本には公募入試と同様に掲載されていない。基本的にオープンキャンパスの参加かネットでの取り寄せが必要である。A方式及びB方式では、公募推薦と同様に経営学部・経営情報学部で第2志望合格制度を設けており、仮に志望学科で不合格でも、もう片方の学科で合格するチャンスがある。また、オープンキャンパスの最終回には大学が独自に「入試対策講座」を例年行っており、夕陽丘予備校の講師による解説が行われている。経済大が本命で時間に余裕があれば訪れてみるのも良いだろう。なお、地元予備校2社では大阪経済大学の公募、後期日程において大阪経済大学対策講座があり、英語と国語の模擬試験及び解説が行われている。
一般入試(2012年度)
外国語・英語
国語
「現代文」出典
- 「論文の技法」
- 「共に見ること語ること」
- 「美の呪力」
- 「友だち地獄」
- 「メディア・リテラシー」
- 「責任という虚構」
- 「近代性の構造」
- 『「認められたい」の正体』
「古文」出典
- 「方丈記」
- 「枕草子」
問題構成は「漢字」「接続語補充」「傍線部の理由を問う」「タイトルづけ」「趣旨・内容合致」等。随筆文はなく、評論文のみ出題された。
現代社会
問題数に関しては例年と同じ。時事問題に関するものとしては、1日目は低炭素社会においての新・三種の神器について、3日目は福島原子力発電所事故発生後の人々の動きについて。資料問題は世界平均寿命、世界原油埋蔵量、航空市場&パソコン市場企業シェア、石炭輸入先等のデータが問題に記載された。
一般入試(2011年度)
外国語・英語
基本的に2010年度と問題形式は同様
国語
「現代文」出典
- 「時代のデモクラシー」
- 「日本近代美術史論」
- 「文化の力 カルチュラル・マーケティングの方法」
- 「私をめぐる冒険」
- 「子どもと自然」
- 「賢治の祈り」
- 「共同体の基礎理論」
「古文」出典
- 「竹取物語」
- 「堤中納言物語・虫めづる姫君」
基本的に2010年度と問題形式は同様。出典のみ記載。
現代社会
2011年度現代社会も全問マーク方式。問題数は日程により異なるが、昨年度と比べて最低問題数の上限が上がって48~50問。初日はバブル崩壊と日本経済と生命倫理・政治学問題、2日目は基本的人権・労働の問題・物価変動・金融、3日目は農業問題・社会保障・国会について出題された。前年度も生命倫理・金融・社会保障問題については出題されており、頻出範囲と言えるだろう。ほぼ全ての設問が4者択一であり、基本的な問題も問われているが、細かい時事問題なども出題されており、総合的に見ると標準よりやや難しいかと思われる。教科書中心の学習を怠らないことが大切であることは言うまでもないが、ただの受験勉強目線で終始せず、現代社会に対する興味・関心も欠かせない。
一般入試(2010年度)
外国語・英語
- 問題は全てマーク選択。語句整序作文・文法・会話文・読解で編成。大問数はA方式6問、B方式7問。
難易度自体は平均的~少し易しいレベルの為、単語・文法レベルに関しては中学の基礎+ターゲット1900程度の知識があれば、ある程度は対応可能であると思われる。基礎の基礎学習を怠らずに行う事を薦める。語句整序作文は、日本語文が与えられていないが、並べ替える語句数が比較的少ない為、取り組み易いと言える。文法は空欄補充で英文を完成させる四択式。会話文は空欄補充問題と台詞補充問題の2種類。読解は3問だが英文の語数は100~300語前後と差があり、文法・語彙力の様な知識を問う問題と内容理解度を問う問題に大別される。英文の大半は論説文であるが、手紙・広告、表とその解説文等が出題される場合もある。試験時間はA方式が英語(英語を選択した場合)と他1科目の総合で100分、B方式が60分である。他の科目より癖のある問題が少なく、単純に見れば英語が文系科目では最も取り組み易い傾向にある。因みに、2011年度入試までは英語以外の外国語科目でも受験が可能であったが、外国語科目は2012年度入試より英語のみに限定される予定である。
国語・国語総合
- A方式・現代文問題2題、B方式・現代文問題1題かつ古文問題1題。問題は3000~4000字程度の評論文や随筆文を出題。内容は、文学、社会、哲学他、ジャンルを問わず出題。
近年は硬質の評論が出題される傾向が強い。標準的な読解・語彙力で十分に対応可能。問題では、接続語及び語句補充問題、傍線部の理由を問う問題、主旨・内容合致問題等を出題。特に内容合致問題は差をつける。2008・2009年度には文学史問題も出題。特に漢字問題が他大と比べて多い傾向でA方式で5~10問、B方式で5問出題。同音異字の選択肢の中から選択する方式。漢字は点数を稼ぎやすい部分なので間違えると手痛い。B方式古文では難解な語句には太字文注釈有り、基本的な知識で解答可能。全て選択肢マーク式で、記述問題は出題なし。
「現代文」出典
- 「反貧困すべり台社会からの脱出」
- 「愛と経済のロゴス」
- 「演技する―人前で演じられる男と女」
- 「うつしみ」
- 「しぐさの日本文化」
- 「都市に祝祭はいらない」
- 「内田義彦の問い」
- 「モノ・サピエンス―物質化・単一化していく人類」
「古典」出典
- 「発心集」
- 「大和物語」
現代社会
- 解答方式は全問マークシート方式。問題数は、43~50問。全ての日程で時間に余裕を持って解答が出来ると言える。
1日目は、国際経済関連、地方自治、臓器移植法の改正に関する問題を出題。2日目は、戦後の日本経済、金融政策、平和主義と集団安全保障、企業と社会的責任に関する問題を出題。3日目は、社会保障制度、消費者問題、国際政治について出題。出題形式は、四肢択一式が多くを占める。空欄補充・正誤判定などが主。難易度は一部を除いて至って標準的。1日目の臓器移植法に関する問題は、近年の改正など詳細な知識を要するものであった。1日目の外国為替問題では、為替レート・比較生産費説の計算問題を出題。3日目は市町村合併が問われるなど近年の動向を踏まえたものも出題される場合がある。まずは教科書を中心とした復習を心掛けたい。また、新聞やニュースにも目を通しておきたい。
一般入試(2009年度以前)
A・AS(当時)・B方式全てが1教科につき60分。過去の赤本等を参照。
外国語・英語
問題は全てマーク方式。整序・文法適語補充・会話文読解(短文)・中文適語補充・中文読解・長文読解が主な出題内容。AS方式のみグラフと表の読み取り問題を1題分多く出題。当時は問題数も現在より多かったが、その分解答時間も長く設定されており、同一時限に2科目について解答するという形式はとられていない。整序問題は現在より語句数が少なく、基本的に3語の並べ替えとなっている。空所補充問題も単語・文法問題集にきちんと取り組んでいれば十分に解答可能。読解問題の平均が5~6割と差がつくポイント。
国語・国語総合
A方式が現代文3題・B方式が現代文1題・古文2題・AS方式(当時)が現代文2題と現A方式は旧AS方式を踏襲している形だが、時間数は1教科45分と大幅に減らされている。A方式では現代文問題以外にも諺問題・慣用句問題・四字熟語を用いた漢字問題等が別枠で出題される事がある。因みに現代文は2000字程度と現在よりも文字数は少ない。漢字・接続語補充・傍線部の理由を問う問題・趣旨及び内容合致問題が出題形式。また、漢字問題は矢張り多く、文学史問題が頻出であった。
「現代文」出典
- 「新自由主義の嘘」
- 「社会福祉をつかむ」
- 「一億人の俳句入門」
- 「中原中也天体の音楽」
- 「良い仕事の思想」
- 「身辺の些事二つ」
- 「教養とは何か」
- 「漱石文学の端緒」
- 「弱者とはだれか」
- 「美学への招待」
「古典」出典
- 「太平記」
- 「宇治拾遺物語」
現代社会
全問マーク式。日程ごとに若干の問題数の違いはあるものの、46~50問程度。A方式では環境問題について絡めた出題が目立った。B方式では裁判員裁判等近年の話題について扱っている。4者択一の空欄補充または正誤判定式。難易度は教科書標準レベルであるといえるが、A方式の交通システムについての問題は、教科書で扱っていない奇問であり、合否を分ける形となったといえる。
日本史
全問マーク方式。基本的に4者択一か6者択一。文章穴埋め式問題が多い。「日本史」の教科ではあるが、実際には世界史の範囲も出題される事がある。ほぼ例年、近現代史(戦後史)からの出題で、稀に中世からも出題される。また、原始・古代からは近年出題されていない。絞って勉強し易いといえるが、難易度自体は他教科より難しい傾向にある。代々木ライブラリーの参考書等でGHQ・帝国主義・財閥関連等の過去問について扱われている。社会(日本史・現代社会・政治経済)は他教科より過去問題集で当大学の問題を扱っている事が多いため、購入して取り組むのも良いだろう。