高校の英文読解の授業よりも単語集が受験英語に必要
編集結論から言うと、もう2020年代の現代、高校の英文読解の授業は、あまり意味がありません。
というのも読解に必要なのは単語力ですし、単語力をつけるのに必要なのは、単語集の読み込みだから、です。
高校で、英文読解の授業をするのは、それが指導要領にあるから、仕方なく授業されているだけ、に過ぎません。
早い話、もし指導要領が英文読解を要求していなければ、公文式みたいに授業時間中に英単語集を、ドリル的に各単語およびコロケーションを2~3回ずつ書き取り練習でもしたほうがマシです。
50分前後、ひたすら書き取り練習をすれば、かなりの単語とコロケーションの書き取り練習ができます。さすがに英文読解の授業をゼロにするのはヤリスギでも、半分くらいにして、残りの時間で単語集の公文式っぽい反復練習でもしたほうが、よほど効果的でしょう。
なのに指導要領の都合で、そういう事ができないので、仕方なく読解の授業ばかりをしているだけです。
読解ができるようになるのは「目標」に過ぎません。実際に必要な勉強は、ほぼ単語集です。ほぼ、単語集しかありません。
例外として、私大に指定校推薦で行きたいなら、授業対策をしましょう。しかし、そうでなければ単語集です。
学校の宿題のために辞書をいちいち引くのは面倒なので、もう単語集を1年の1学期の3~4月に、学校でもらった単語集を1冊まるごと読んでしまいましょう。読むだけなら1週間くらいで読めるはずです。さらに出来れば、上級の2冊目の単語集を自分で買って、もう1週間くらいで読んでも構わないくらいです。
覚えきれなくても構いません。なぜなら、読解のときに辞書を使う時間を減らせるので、先に単語集を通読するほうが時間の節約だから、です。現代の高校英語は単語数が増えたので、もう辞書を読んでいる時間がありません。辞書を常用すると、時間がパンクします。
というか、市販の教材も、もう、そうなっています。Z会の速読英単語は、いちいち辞書を見なくても済むように、1ページくらいの長文のあとに、単語の解説があります。
もうこれが最適な学習方法だと、受験業界は分かっているのです。つまり、読解の練習をしたいなら、速読英単語を使いましょう。簡単なバージョンで構いません。
まあ、明治時代の高校(旧制中学)は、読解みたいな授業でも良かったのでしょう。満足な単語集も無いだろうし、単語数も少ないだろうし。
しかし2020年代の現代、そういった戦前のようなチンタラした学習は、時間的に許されません。
単語
編集どんな単語集を最初に読むべきか
編集数研リープは科学英語に強いので、これを早めに読む
編集たとえば、prime (プライミ)「第一の」は、単語集の東京書籍4500や桐原4500にもあります。
しかし prime 「素数の」があるのは、単語集の数研リープだけです。
このように、数研リープは、他社より細かい用法が書いてあり、特に伝統的な桐原が弱い、および桐原に合わせた東京書籍が弱い、科学英語など理系の用法の説明が、数研リープはかなり強めです。
なので、理系志望の人などは、数研リープを早めに使いましょう。
新共通テストなどは、桐原・東京書籍に合わせるかと思いますが、しかしまずは、レベルが高めの数研リープを、進学校の生徒は勉強しましょう。
ほか、conduct (コンダクト)で、桐原・東京書籍は「指揮する」のような文系っぽい用法ばかり紹介しているのに、
数研リープだと、さらに、物理学の電気伝導などの「伝導体」の用法が数研リープの conduct だと解説されています。
もし数研リープを読まない方法だと、科学英語の学習が 辞書だのみになったりしてしまい、かなり面倒で二度手間になってしまいかねません。なので、一度でワンタッチで勉強できる数研リープを早めに読んでしまいましょう。
一語一義の単語集は後回し
編集桐原書店データベースおよび旺文社ターゲットは、一語一義です。
つまり、一つの見出し語に、一つだけ例文のある形式です。
見出し語の意味は、複数個の意味が説明されていますが、しかし、その全部の例文は用意されていません。
十分な数の例文が用意されているのは、数研リープ、東京書籍コーパス、鉄緑だけです。
なので、最初の勉強では、数研出版リープを使いましょう。(なぜならリスニング教材が、w:スピードラーニングのように、リスニングで日本語→英語 の聞き流しができるので。いっぽう東京書籍コーパスでは、自分で音声教材を編集しないと、スピードラーニング風の使い方が不可能。)
桐原データベースや旺文社ターゲットなどは、網羅系の単語集であるので、学習対象の確認のためのリストとして補助的に使いましょう。(数研リープだと全単語は網羅できていない。)
この桐原と旺文社は、昭和末期~平成初期の時代では定番だった単語集の組み合わせです。
一語一義の単語集は、なるべく後回しにすべき、最終手段の単語集です。
なぜなら、いちいち、過去に読んだ単語集を引っ張り出して意味を比較するのは面倒です。
このため、一語一義でない数研リープまたは東京書籍コーパスしか、初心者に都合の良いものがありません。
桐原データベースは、あくまで範囲確認に使うためのもの。
一語一義の単語集だと、入りやすいですが、上達しづらい。
ジーニアスなどの英和辞典も、一語一義ではなく、複数の意味が書いてあります。このように、一語一義でない学習が、英語学習の王道です。
旺文社ターゲットも一語一義ですが、後回しにしましょう。
数研リープを高校1年でいきなり全部暗記する必要は無い。
なぜなら、リープの何回かの通読と1回の書き取り後、2冊目以降として鉄緑を読んだり、あるいは抜けた単語を補うために桐原データベース3000・4500 などを読むので、この鉄緑などの時に暗記できればよいのである。
また、数研リープにしかない単語で、難しい単語は、暗記の必要がひくい。(他社が紹介の必要性が無いと判断したから、その他社の単語集では紹介されてないわけである)
数研リープの後半の1500以降は、難しい単語がチラホラあります。しかし、これは、リープを読んでいる高校1年の時点では暗記できなくても良いのです。
中学英単語の意外な用法を1冊で扱うのは、ほぼ数研リープだけ
編集桐原ターゲットの1700/3000/4500 および、東京書籍の1800/3000/4500だけでは、無理です。
2冊合わせて使っても無理です。
理由は色々ありますが、中学と高校の合計6年間の単語とその用法を3冊に入れているので、かなり無理をしています。
たとえば、中1で習う基本的な単語の、意外な用法みたいなのの説明が、桐原や東京書籍では、とても甘いです。
この中学英語の意外な用法を1冊でやるには、解説系の数研リープ basic をやるしかありません。類書が他にありません。
鉄緑だと、範囲が高校上級すぎるので、中学英語で習う単語の意外な用法を扱いません。
網羅系の単語集だと、単語数を増やしたいあまりに一つ一つの単語の解説が短いので、意外な用法にまで例文が踏み込めません。なので、旺文社1200の1冊でも駄目です。高校受験の単語でも駄目です。
桐原ターゲットの1700/3000 および、東京書籍の1800/3000 の4冊を使って中学英語の意外な用法するのは、さすがに冊数が多すぎて面倒ですし、3000語では他の単語も多いので、読んでいるうちに忘れてしまいます。
一か所にまとめて1冊で説明しているのがリープしかありません。
そもそも、既存の単語集の弱点を補強するために新しく数研リープ basic が作られたのですから、それを使いましょう。
中学レベルの単語の一つ一つは簡単なので、意外用法も覚えやすいですが、全部を合わせると数十個や数百個も行くかもしれず、数が多いので、面倒です。
数研リープでは仕上げが出来ない。仕上げは旺文社ターゲットで
編集コンピュータを用いた実際の単語数の計数によって、旺文社ターゲット1900には、LEAPには無い発展的な単語が450語ほどあることが、解明されています。[1] 旺文社ターゲット1900が必要になるのは、かなり後のほうですが、しかし最終的には旺文社ターゲット1900で難単語を仕上げるしかありません。
進学高校では、いきなり4500語レベル
編集中学卒業の時点では、1800語に毛の生えたレベルです。この次のレベルは3000語レベルです。4500語レベルは、3000語の次のレベルです。
偏差値のあまり高くない標準的な高校では、3000語レベルの単語集が、高校1年で渡されたりします。
しかし私立の進学高校では、高校1年で、いきなり4500語レベルの単語集を高校が渡したり、あるいは数研出版LEAP(だいたい4500語と同じくらいのレベル)などを渡します。
実は、高校中級(ターゲット1400相当)の単語集にしかない英単語は、少ないのです[2]。ターゲットの場合、なんと、たった104語しか、ターゲット1400にしかない単語が存在しません。
他社の英単語帳でも同様であり、このように難関私立高校受験の単語集と、高校生用の4500語相当の上級単語集とを見ると、そのどちらにも無い単語は少ないので、3000語の周辺は後回しにできます。
もちろん3000語レベルも高校1年生は身についていません。
しかし進学高校では、それら3000語レベルは、家庭学習などで、必要に応じて自主的に補われるものだとされます。
いきなり桐原書店3000語レベルとか買うと、けっこう中学の復習が多かったりして、なんか意欲的な高校1年生には合わないのです。
なので、「最初に4500語レベルをやってみて、あまりにも難しすぎたら3000語に戻る」というのが進学高校の勉強法です。
このように、ちょっと背伸びして、レベルが今の自分よりも一つ高めの単語集を使ってみて、あまりにも難しかったら一つ前の単語集に戻る、というのがコツです。
また、私立の中高一貫校では、すでに中学時代に3000語レベルまたは数研出版 LEAP basic (だいたい3000語レベル)を練習済みだったりします。
なので、いきなり4500語レベルを読む事が、ハイレベルな高校1年生の勉強法です。
公立中学出身の偏差値60以上の人は、高校1年では3000語レベルの単語も身についてないかもしれませんが、気にする必要はありません。どうせ私立中高一貫校の人だって、ろくに桐原データベース3000語レベルやら数研LEAP basic も身についていません。私立中では、学校で小テストに出されるから仕方なく読んだだけ、練習しただけ、というのにすぎません。
なので、サッサと4500語レベルを練習し始めてしまいましょう。
このwikiを読んでいるような、勉強家の読者には分かりづらい異世界の話ですが、世間の人は、自分が分からない単語が多いと、その本を読むのをやめてしまうダメ人間が多いのです。(テレビかなんかの、小学生でも分かるような言葉遣いの作品ばかりを鑑賞して、大人になってしまった人もいます)
なので、桐原書店や東京書籍などの学校配布を想定した単語集は、そういう世間の知的レベルの低い人を対象にして、少し手加減をしています。
高校には、多種多様な高校があります。工業高校や商業高校、ほか芸術や体育などの高校。そういう高校の人を想定したのが桐原や東京書籍の3000語レベルです。
しかし単語集は、そもそも分からない単語を勉強するのが目的です。なので、いきなり桐原4500や東京書籍4500を使ったほうが、進学高校の生徒にはレベルが合っていて、丁度よいのです。
入門の単語集は最初は読むだけで得点源
編集高校入学以降の単語集は、買ったら、最初の1回目は読むだけで良いです。なぜなら、長文読解などのリーディング系の出題なら、もしスペルをまったく書けなくても得点源になるからです。
もちろん、中級レベルの英単語は、書き取り問題も入試にはいくらか出るので、スペル練習もしたほうが良いのですが、とりあえずは、学校配布などでもらうような高校中級レベルの単語集を通読してしまいましょう。
これだけで、リーディングの得点力が上がります。最高のボーナスタイムです。
中級レベルの単語なら、なんとか外来語などでよく聞く単語も多いので、読むだけでも覚えやすいのです。
もちろん、覚えきれない場合は書き取り練習による応援も必要ですが、書き取りには時間が掛かるので、まずは短時間でクリア可能な通読をしましょう。
なので、買ったら、学校の授業とは別に、サッサと読みましょう。
なお、高校上級レベルになると、そもそも入試には、あまり書き取り問題が出ません(受信語彙になるので)。
語法問題集を意識したスケジュール
編集語法問題集をやるのは、4500語の単語集よりも後回しです。
もしかしたら「3000語単語集 + 熟語集」だけでも、簡単な語法問題集を解けてしまうかもしれませんが、しかし、語法問題集は、あくまで入試問題のパターンのうちの一つです。
語法問題に出てくる単語だけをどんなにヤリこんでも、長文問題などで別の単語が出てきたら、対応できません。
なので、語法よりも先に、単語集を4500語まで、とりあえず読んでおく必要があります。
また、2020年代の現代では、4500語レベルの単語の語法問題もあります。
なので、英単語の勉強は、広く浅くで良いので、まずは、2020年代の高校標準とされる4500語~4800語レベルを、早めに勉強しましょう。
なぜこれが必要かというと、問題練習(語法・文法問題集)と関わってくるからです。
どんなに3000語レベルを細かく覚えても、4500語レベルの語法問題には全く対応できません。
問題集側の都合があるので、とりあえず早めに4500語まで読み終えてください。
どうしても3000語に不安が大きくあるなら、先に4500語を読み終えたあとに、そのあと、また3000語に戻ってください。
全ての単語をバランスよく勉強するのが理想的ですが、実際には、語法問題集などで問われる語を、やや重点的に勉強する事になります。
ただし、あまり深入りする必要はありません。傾向などを確認したり、単語や文法知識の復習をするのが目的です。
大学入試に問われやすい語法には、ある程度、パターンがあります。なぜなら、大学側は、出題ミスにならないように工夫しないといけないので、入試に出せる問題は、ある程度、傾向があるのです。
英文法・語法の問題集は、あまり、長くやりこむ必要とはいっても、かといって、まったく問題練習しないのも、よほど上手く勉強してない限り、受験本番で語法問題を解くというのは、不安です。
問題集をやるのが遅くなりすぎるのも、やや問題です(ダジャレじゃなく偶然です)。3年生の夏からだと、問題練習量が少し不足するかもしれません。
なので、平均的な難度の問題集で良いので、高校2年くらいの時期に1冊、仕上げましょう。問題だけでなく、解説が多めの本を買いましょう。
英語に限らないのですが、難しい問題集を買って終わらないよりも、簡単な問題集で良いので1冊まるごと終わるほうが、効率的です。
「文法・語法問題集」の開始のタイミングは、高校1年の後半~2年の1学期あたりから、でしょう。
文法だけなら高校の早めに読み終わりますが、しかし語法があるので、ある程度、事前に単語集で勉強して語法を知る必要があります。このため、1年の1学期からは、語法問題は少し難しいのです。
そもそも高校によっては、これらの語法問題集を使わない場合もあります。
一見すると勉強量が多いように感じますが、しかし語法はすでに単語集で勉強したことだし、文法は文法参考書で勉強したことです。
2年生ごろから、英単語の勉強でも、鉄緑単語集を使い始めたりと、なかなか、単語以外の時間の確保が難しくなります。ですが、なんとか工夫して、問題集もやりましょう。
旺文社1900にはマニアック用法があるので後回し
編集旺文社1900の全ては覚える必要が無い。大学教授の英語教授だからといって、けっして全員の教育理念が一致しているわけではなく、けっして高校生に知っておいてほしい知識の一覧が一致しているわけではありません。
旺文社1900は、機械的に、ほぼ、難関大での出題頻度をもとに掲載しています。
しかし、旺文社1900に書かれていても、他社の難しめの単語集を見ても掲載を拒否している用法や用例もありいます。
そのような語は、その他社の単語集の著者が、教育的な意義を見出せなかった語です。
- 実際の英米での使用の頻度が少ない
- 学習の負担が大きい割に、その用法の使い道が少ない。ほかに使いやすい別単語がある、等
など、教育的な意義を見出しづらい用法・用例もあるのです。
マニアック単語やマニアック用法でも、英文科の志望なら必要かもしれません。ですが、それ以外の学科の志望の人は、あまり、合わせる必要はありません。
難関大や人気のブランド大学が出した用法だと、旺文社ターゲットには掲載せざるを得ないが、しかし他社の単語集の著者が意義を見出せない、というマニアック単語も、大学受験英語には あるのです。
高校受験とは違い、大学受験には、マニアック単語もあります。そういうマニアック単語は、あまり相手をせず、飛ばすのが良いでしょう。
またこのため、なるべく旺文社ターゲット1900は、後回しにすべきです。
先に他社の基本的な単語集を学ぶべきです。
ただし、後回しにするのは、あくまで1900のみです。ターゲット1200やターゲット1400、あるいは熟語1000などは、きちんと早めに勉強しましょう。
ターゲット1900をどう仕上げるか
編集最終的には、ターゲット1900を「10回読む」とか、何周もする必要があります[3]。ともかく、時間が掛かります。
人によっては、読む代わりに「音読する」とか「書く」とかでも良いですし、その場合は回数を7~5回とかに減らしても良いかもしれませんが、しかし、どの方法にしても、最終的にターゲット1900を何周かする必要があります。
最初から覚えようとする必要は無く、とにかく、まず能動的な反復回数が必要です。(リスニングの聞き流しでは、駄目です。黙読でも良いので、能動的に読む必要があります。)
最終的には赤シートなどを使ってテストする必要もありますが、まずは反復的に何周も読むのが先です。とにかく、読む回数が最低限10回ちかく、覚えられません。
桐原4500とか数研出版リープなどからステップアップしてきたのに旺文社ターゲットの英単語を覚えられない人は、最低限の反復回数が少なすぎるので、みな、覚えられないのです。
もし、鉄緑単語集など解説重視の単語集を事前に読んであれば、網羅系のターゲットを読む回数は少しは減らせるかもしれませんが(たとえば6回とか(根拠なし)に減らせるかもしれませんが)、しかしそれでも決して1回で暗記は無理でしょう。
これはあくまで、ターゲット1900など、最後の仕上げに使う単語集の話です。鉄緑単語集などは10周は不要ですし、そもそも鉄緑の著者が、何周もする事を非推奨としています。
最低でも、読むなら4~5週くらいはターゲット1900を読む事になるでしょうか。
速読英単語や鉄緑にしかない難単語との距離感
編集国公立志望での英文科以外の志望や、私大でも理系志望なら、あまり気にしなくていい。
特に、例文も無い難単語は、国公立志望なら、気にしなくていい。
なぜなら、市販の単語集に、例文のない用法を、基本的には出さないからである。理由は、文科省の方針につよく反しているので。
いくら受信語彙だからといって、「長文さえ読めればいい」みたいで例文もない方針は、さすがに英語の4技能の活用能力を見るべきだという文科省の方針に、つよく反する。
速読英単語を読んでいる時によくする勘違いで、国公立大の過去問の長文のあとの単語リストを読んでいると、なんとなく、まるで国公立大がその単語を入試に出したかのような錯覚になりがちである。
だが、枠が灰色にグレーアウトになっている部分の単語は、速読英単語の著者が独自に追加した難単語である。青色の枠の部分が、長文に出た単語である。
もちろん、その難単語にも、おそらく英検や私立難関大などの元ネタがあるのだろうから、そういう志望の人なら、勉強しても良いだろう。
だが、理系などを志望する人が、そこまで合わせる必要は無い。
あの単語集は、べつに入試過去問から全ての単語を紹介しているわけではない。
国公立の場合、あくまで、旺文社ターゲットあたりの単語が、基本である。
鉄緑も同様で、ろくに例文も無い難単語は、あまり気にしなくて良い。
せっかく練習しても、英文科でない限り、どうせ、大学への進学後の授業で、そこまで難単語を使わない。なぜなら国公立の場合、人件費の問題があるので、英文科以外では、あまり難単語ばかりを使った授業なんて出来ない。日本国に、そこまでの予算は無い。つまり、入学後の英語の授業のレベルと、大学入試の英語のレベルは、大きく離れているだろう(ただしwiki著者が未確認)。
そもそも英語以外の数学や法律・経済などの授業もあるのに、そんなに英語ばかりに時間を掛けられない。文系の人なら、せいぜい、大学卒業までに公務員試験の英語を解ければいいのである(ただし難度をwiki著者が未確認)。公務員試験だって、法律とか経済とか数理とかそういうのも出るのだし、英語ばかりに時間を割く余裕は無い。
どうしても難単語を練習したい場合、英検の教材(パス単など)に移ろう。なぜなら、基本的に、すべての掲載単語に、例文があるからである。
ただし、パス単は、あまり単語の説明のレベルが高くない。たとえば、パス単で紹介している組合せ語など、あまり学術的な語句ではなく、なんだかレベルが低い(そもそもパス単は、別に大学受験用ではないので)。なので、先に十分に旺文社ターゲット1900を覚えてから、そのあと、仕方なくパス単の準1級や1級に移ろう。
それに歴史的な背景があって、古くからある、旺文社ターゲットこそが、実質的な大学入試英語の難関大・国公立の基本である。
速読英単語はもっと後から出た単語集である。鉄緑単語集は、さらに後から出た単語集である。
なので、旺文社ターゲット1900を、難単語の学習時のホームベースにしよう。
単語集を何冊やるか
編集4冊を超える
編集河合塾の名物講師の玉置全人が、単語集は5冊ヤレ、と言っています。大切なのは、その根拠です。
根拠は、アジアなど英語圏以外での英語教育の国際的な基準などがあって、8000語が、2020年代の現代では、日本の国立大などが採用している高校レベルの長文を読めるかどうかの基準として実質的に決められています。[4]
この「8000語」は、派生語を別々に数えています。しかし一般的な1冊の単語集には、2000語のぶんの例文しか入っていません。割り算すると、
- 8000 ÷ 2000 = 4冊
です。
なので、どうあがいても、使う単語集が4冊を超えないと、英語長文にある単語が読めません。
単語集は、どんなに冊数が少なくなるように工夫しても3冊は必要でしょう[5]。しかも、そのうちの1冊は鉄緑または数研リープのような難度が高めの単語集です。
そもそも旺文社ターゲットだけですら3冊あります。他社ですも、駿台のシス単語ですら2冊あります。1つのシリーズをするだけで、2~3冊は越えてしまいます。この2つのシリーズをするだけで5冊に到達します。
このように、どうあがいても、もう1冊では対応不可能というのが、英語教育の業界的に分かっています[6]。
単語集は、どうあがいても2シリーズ以上をやる事になります。しかも、例文が完全文でない単語集もありますので(駿台シス単、数研リープ)、それとは別に完全文の単語集(鉄緑や旺文社ターゲットなど)も必要です。
普通の人は3冊を余裕で超えて、5冊くらいは行きます。なぜなら、たとえば数研リープ、鉄緑、旺文社ターゲット全3冊(ターゲット1200、ターゲット1400、ターゲット1900)を学んだら、これだけで5冊です。
高校入試の段階でターゲット1200をやってたら1冊減らせるかもしれません。
また、英語はあまり思考力を要しない3流科目です[7]。単語を覚えるしかない3流科目です。
問題集をあれこれとやって時間を使うよりも、まず5冊に到達するまでは単語集を多く読むほうが効果的です。問題集の利用は、せいぜい、単語の学習方針が合っているかどうかを確認する程度にしましょう。
「1冊の単語集を完璧に仕上げてから・・・」は90年代からインチキ
編集もう1990年代から、「単語集は最低でも3冊」が相場です。
90年代の当時、
- 桐原データベースの進学校むけのバージョン1冊、が学校配布の定番(まだ数研リープも鉄緑も無かった)、
- ほか、塾で旺文社ターゲットの一番難しいヤツ、
というの最低2冊が、学校および塾で、強制的に与えられました。
これだけでもう2冊、です、
これとは別に、90年代の後半に出たばかりの「速読英単語」の最上級、または「DUO」のうちの1冊が、受験生の読む単語集でした。
しかも、塾などでは、まだ学校では桐原データベースが終わってなくても、塾で旺文社ターゲットを配布します。
当然、家庭での学習時間は、2倍が必要になります。そのぶん、部活などのための家での練習の時間は、減らさないといけなくなります。
「1冊を完璧に」の人の言いたい事は、好意的に解釈すれば、おそらく本当に言いたかった事は、
- 「進学校の高校1年レベルの旺文社ターゲット1200がまったく出来ない人は、大学受験レベルのターゲット1900よりも先に高1レベルの1200を先に学べ」とか、
- 「学校配布の単語集(桐原とか東京書籍のヤツ)も、学校でもらったのなら、バカにせずに目を通せ」
ぐらいの意味合いだろう、と思います。
旺文社ターゲット1200から読み始めるにしても、けっしてそこで何周もして停止してはいけません。ある程度 1200にある単語を覚えたら、さっさと1400(これが名目上は「高校中級」レベル)にステップアップしないといけません。
桐原データベースをどんなに読み進めても、桐原「4500」とか桐原「4800」とかの題名の通り、3冊すべてを読んでも最高で4800語までしか到達できません。どうあがいても、8000語には足りません。
1990年代の時点でもう、当時の桐原だけでは受験に対応できなかったので、追加として旺文社ターゲットを読むのが定番だったのです。
単語集は全部は読めない
編集市販の高校生むけの単語集は、20~40冊あります(数えてない。面倒なので)。
これらの全ては読めません。なので、いくつか、自分に必要なものを選んで買う事になります。
多くて7冊くらいまでしか、英単語集は読めないでしょう。
単語集には下記で後述するように、網羅系、解説系、などなど色々なタイプがあります。
網羅の仕方にも、テーマ別、頻度別、など、色々なタイプがあります。
さらにそれらの語彙レベルが、高校中級 ~ 難関大対策 など、いくつかのレベルに分かれます。
全部の単語には、解説で深入りする時間は、無いのです。解説系の単語集で、重要語だけ、重点的に、解説に深入りする必要があります。
また、解説を読まなくても身につくような入門的な単語については、わざわざ解説を読む必要はありません。解説系の単語集を読む目的は、あくまで単語を覚えるための目的です。べつに高校生は、英語学者を目指すわけではないので、大学受験のための単語習得を超える解説の深入りは、不要です。
辞書を読む勉強法は、令和の大学入試対策では、やってはいけない
編集2020年代の令和の大学入試の英語の対策では、基本的には、あまり、辞書を読んで意味を一語一語、確認していく勉強法は、やってはいけません。
なぜなら、高校範囲の単語数が大幅に増加したから、です。
1970年あたりの昭和の時代なら、辞書も、単語集で分からない所を調べる手段としては有効だったかもしれません。
ですが令和になり、辞書の必要性は、高校の段階では、かなり、下がりました。
高校生が読むべきは、辞書ではなく、解説の多めの単語集です。令和の現代、昭和とは違って、解説の多い単語集が出てきています。
ただし、代わりに、掲載している単語数が、少なめです。
なので、複数の出版社の解説系 単語集を読み比べたりするのが、令和の英単語の勉強法です。(解説系とは別に、従来の網羅的な単語集も、使う必要がある)
辞書を使うのは最終手段であり、本当に最後の最後の、最終手段として限定的に使うのに、とどめましょう。
この変化のため、昭和末期や平成初期の定番だった、「桐原書店 + 旺文社ターゲット」の単語集の組み合わせだけでは、対応できません。
桐原書店の単語集の使い方も、昭和末期の頃とは大きく違います。(昭和末期は、桐原書店の単語集でスペル練習をするのが定番だった。しかし現代では通用しない。後述)
結論から言うと、
- 数研出版 LEAP (ここからスタート)→ 桐原3000・4500 or 東京書籍 → 鉄緑(2年生の初め) → 旺文社ターゲット1200・1400・1900
のような順序で読む。
単語のスペル書き取り練習をする単語集は、上記のうちの、序盤の1冊と終盤の1冊だけで良い。「始めと終わり良ければ、全て良し」である。
どの単語集で書き取り練習をするかは、各人の判断に任せる。序盤の書き取り練習も、学校での練習ぶんや、あとで上級の単語集でまた練習する事も想定して、あまり最初から十回とか書き取り練習をしないように気を付ける。(書き取りが趣味で好きなら別だが)。
大学受験までに十分な回数の書き取り練習をしていれば良いのであって、けっして最初からそこまで時間を掛ける必要は無い。現代の入試では、スペル書き取り問題よりも、用法の使い分けを問う出題のほうが多い傾向である。
さて、上記の参考書の傾向を理論化すると、
- 解説系 → 網羅系 → 上級の解説系 → 上級の網羅系
のようなサイクルです。
先に解説系を読むのがポイントです。(昭和の時代には、これが無かった)
とりあえず解説系の単語集を読んでみて、それでもし単語力が不足していて解説系を読めなかったら、一つ手前のレベルの網羅系の戻って、軽く復習する。・・・というテクニックです。
復習は軽くでよく、なるべく早く解説系に戻り、解説系の読み込みを進めていく、・・・というのがポイントです。
LEAPがどうしても分からなかったら、旺文社ターゲット1200(高校生むけ旺文社ターゲットの最低レベル)に戻る、という感じ。
- (旺文社ターゲット1200 ※復習が必要な場合 →) 数研出版 LEAP → ・・・(上記と同様)
なお、桐原1700や東京書籍1700は、中学生むけのレベルです。難関高校受験の勉強をしてあれば、桐原1200は不要です。
さて、最終的に、桐原3000と旺文社1200には、内容の重なりがあるので、どちらかを読み飛ばしても構いません。しかし、何があっても旺文社1900と鉄緑は、最終的に、ほぼ必ず読む必要があります。
鉄緑は、2年生の初めの頃に、読み始めるペースが妥当でしょう。著者が、難関高校の生徒なら2年生で読めると初版のころに言ってましたが、2024年では中学英語のカリキュラム改革により中学英語の単語数が増えましたので、2024年以降の今なら難関高校でなくとも高校2年で鉄緑を読めるでしょう。
ともかく、上記のように多くの単語集を読んで理解する必要があるので、けっして最初から単語のスペル書き取り練習にばかり、時間を掛けてはいけない。
スペル練習は必要ですが、なるべく最低限の回数の練習量になるように、とどめてください。
数研 LEAP や駿台システム英単語など、(非・網羅系の)解説系の単語集にもあるような単語は、比較的に重要単語です。なので、まずは解説系の単語からスペルの書き取り練習をするのに留めるのが、安全かもしれません。
こういう受験対策の変化の歴史が分かると、高校生にとっての英検との距離の取り方も分かります。
英検の傾向は2024年現在、国公立大の受験英語の傾向とは、けっこう離れています。(大学受験用の単語集を何冊もこなした上でなら、補助的に英検パス単 準1級 をやるなら、アリ)
平成初期の元から、英検と受験英語とは差がありましたが、2020年代になり、ますます差が大きくなっています。英検を総合型選抜の足切りに使っている難関私大は、果たして、そこまで考えて把握した上での施策なのかどうか。
単語集には解説系 or 網羅系 の 2種類がある
編集単語集には、
- 解説の重視系の単語集
- 網羅系の単語集
という2種類があります。
可能なら、先に解説系の単語集を使うと良いでしょう。
数研出版LEAPやシステム英単語が、解説系で高校レベルの単語集です。高校などで、これらが配布される事もあります。
しかし、網羅はしていません。つまり、掲載されていない英単語が多くあります。
なので、単語を多く勉強するために、別の単語集を使うことになります。たとえば、旺文社ターゲットなどを使うことになります。
しかし、旺文社ターゲットは、頻度順であるので、関連語などが一か所にはなく、よって初手では使えません。なので先に別の単語集を使う必要があり、そのため先にLEAPなどを読む必要があるのです。
どのような単語集を使うにも、2020年代の高校の英単語集では、けっして1冊の解説系の単語集に、長居はしてはいけません。
ほかの網羅系の単語集を使ったり、あるいは別の解説系の単語集と読み比べる等、工夫が必要です。
このため、高校卒業までに4~5冊ほどは英単語集を読み書きリスニングする事になるでしょう(昭和や平成初期とは、勉強法が大きく違います)。
また、網羅系の単語集にも、
- 頻度順(ターゲット)
- テーマ別(桐原書店や東京書籍)(※ 鉄緑)
など2種類あります。
中学校の単語集の多くは、非テーマ系です(学年別)。
なお、高校の単語集で、「学年別」というタイプは無いです。
代わりに、3000語レベル、4500語レベル、という風に、語のレベルが2段階あります(1700語レベルは中学レベルなので除外)。
いきなり旺文社ターゲットを読んでも、高確率で頭に入らないので、「先に鉄緑単語集を読め」と言いたい所ですが、しかしいきなり鉄緑単語集を読んでも、頭に入りません。
なので、桐原3000・4500または東京書籍3000・4500を、
読むだけ & 書き取り1回 & リスニング1~2周 だけで良いので、
読んで、軽く書きましょう。
もし、いきなり鉄緑を読んで、記憶に残るなら、それでも良いでしょう。しかし、そういう高校生は、少数でしょう。たぶん英検2級~準1級をもう取ってるとか、そういうレベルの子になると思います。大多数の高校生は、英検3級すらアヤシイと思うので、まずは数研出版LEAPや桐原データベースを読みましょう。
まとめると、読むべき単語集の順序としては、たとえば
- LEAP → 桐原 or 東京書籍 → 鉄緑 → 旺文社ターゲット
のような順序になるでしょうか。
このように、高校卒業までに、5冊も単語集を読みます。
これが2020年代の令和の英単語の学習です。昭和や平成のような1~2冊の単語集のスペルを長々と10回も書いて練習したり、とかの勉強法では、現代では対応できません。
大学入試の英語の出題傾向が、昭和とは違うのです。
単語練習をするなら、
- けっして書き取り練習だけに時間を掛けるでなく、単語集を読んだり、リスニングなどにも時間を掛ける.
なども、忘れてはいけません。
リスニングは、けっして耳を鍛える目的ではなく、単に意味を覚える目的です。歌の歌詞をおぼえるのと同じで、何度も聞いたほうが覚えやすい。
そもそも、ドイツ人やフランス人の話す英語は、イギリス人の発音とは異なり、ややカタコト気味の、なまった発音です。イギリス人のような細かい発音までは、聞き取れるようになる必要は無いのです。
平成初期との違い
編集スペル練習重視の勉強法は、現代では通用しません。
編集昭和の人が、今でいう3000語レベルをちんたらと1年くらい掛けてヤッていたのは、当時はスペルの書き取り練習も、沢山してたからです。しかし、現代の大学入試の傾向とは違うので、参考にしてはいけません。
昭和の当時は、スペルを問う出題が多かったのです。しかし現代とは、傾向がやや違います。スペルの採点は、大学側にとって採点が面倒なので、よほどの難関大でない限り、あまりスペル問題は多くは出ません(しかし、けっして全く出ないわけではない)。
また、コンピュータによるスペルチェッカーなどの発達により、今ではスペルを練習する必要性は(ゼロではないですが)減っています。
なので、1単語あたり2回ほど書けば、十分です。それ以降は、実際に学校の小テストや、模試などで、書けないのが分かってから練習すれば充分でしょう。
単語問題では、スペル問題よりも、単語の用法の使い分けの問題や、長文の中での読解の問題などが、よく出ています。
基本的に、機械で簡単に出来そうな事は、入試の出題が減っているという傾向です。まあ、用法なども、高性能な機械翻訳ソフトでは可能ですが、しかし単語よりかは機械には難しい。
そもそも、英語以外にドイツ語やオランダ語やスウェーデン語では、英語とスペルが似ているが、スペルの微妙にちがう語もあります。スペルを問う出題は、こういう英語以外のヨーロッパ系の言語に堪能な人材の才能を測れていない事もあってか、あまり出題は要求されないのが傾向でうs。
昨今の入試は、思考力や理解力や運用力などを見たい傾向なので、よってスペル問題の比重は小さい。
仮にもし、難関大でスペル問題が出たとしても、直接的にスペルを問う問題とは限らず、たとえば英作文などライティング問題の一部としてスペルを要求する問題だったりします。なので、スペルだけが出来ても、得点源になりません。
そして、このような難関大の英作文の難問などに対応するためにも、有効な勉強法は、(高校卒業までに)5冊くらいの複数の単語集を使う事なのです。
かつての昭和の、1~2冊の単語集で、スペルを覚えるまで書き取りを何度もする、という練習法は、現代の入試傾向とは大きく違います。
最後の仕上げとして、書き取り練習を5回とかするのも良いですが、それは結構、後回しです。
書く練習は、スペルを覚える目的ではなく、読むために書くのです。長い単語集を読んでいると、途中で集中力が切れます。しかし、書いていれば、その間は集中力が高まるのです。なので、書く事によって、読む力も上がるのです。
最終的にスペルを忘れたとしても、書く練習をしたことのある単語は、なぜか用法も覚えやすくなるのです。不思議なものです。
ただし、あくまで大学入試の話です。高校入試では、けっこうスペル問題が2020年代でも出ていますので、混同しないように。
新共通テストの変化
編集平成初期のセンター試験の英語では、当時の3000語が基準でした。
しかし2020年代の新共通テストでは、(3000語ではなく)4500語が基準になっています。実際、旺文社ターゲット1900にあるような上級の単語が出ていると、塾などから報告されています[8]。
もしかしたら新共通テストの出題委員などは3000語が基準とか言っているかもしれませんが、しかし実際の新共通テストや2010年代の旧センター試験の出題を見ると、4500語の単語も見かけるのが実態です。
また、理系の私立の中堅大学(たとえば四工大)などの英語の入試も、この4500語レベルに準じています。このため、理系志望の人でも、けっして3000語レベルで止まらずに、4500語レベルまで進んで、さらに鉄緑単語集や旺文社ターゲットなどにも進む必要があります。
文部科学省は、どの語が3000語レベルなのかの指定を、けっして決めてはいません。
桐原や東京書籍の単語集にある3000語は、あくまで出版社の想像に過ぎません。
たとえ桐原・東京書籍の4500語レベルの単語でも、検定教科書にある単語は新共通テストなどに出題の可能性もあります。
いちいち、検定教科書を見に行くのは大変なので、最初から4500語レベルの単語集も、勉強してしまいましょう。
その他、もしかしたら、市販の高校生むけに普及している教材で勉強できる単語は、新共通テストでも出題されるかもしれません。
また、「受信語彙」や「発信語彙」などの用語を指導要領で使っていても、どの語が受信語彙なのかのリストも、決めていません。
4500語レベルは、おおむね英検2級のレベルです。
大学入試では、さらに英検準1級のレベルまで出ます。これに近いのが、旺文社ターゲット1900および鉄緑単語集です。
余裕があれば、英検対策であるパス単準1級を読みましょう。ただし、英検には出ても大学入試に出ない単語もあるので、読まなくても良いです。
非・網羅系の単語集の注意
編集数研出版LEAPや駿台システム英単語(略称で「シス単」)は、解説が多いので読むべきですが、
しかし、これらの単語集は、高校英語のすべては網羅していません。このため、不足する単語を補うために、LEAPやシス単とは別に、網羅系の単語集である旺文社1200・1400・1900などで網羅的に覚える必要があります。
進学校でLEAPなど非・網羅系の解説の詳しい系の単語集が使われるかもしれませんが、しかし他の網羅系の単語集もまた必要です。自分で網羅系の単語集も買いましょう。
旺文社ターゲット1900に入る前の助走として LEAP を使うのも手です。鉄緑単語集でも良いですが、鉄緑はかなり分厚いので、高校では使いづらく、高校配布としては LEAP やシス単になる場合も多くあります。
即座に桐原3000と桐原4500を終わらし、次の鉄緑単語集に向かう
編集学校配布などで使われるだろう単語集である、
桐原データベース3000や桐原データ4500、または同レベル帯の東京書籍コーパス3000と東京書籍コーパス4500は、
テーマ別の参考書であるために、中学レベルの単語も所々あります。
このため、新しい単語は、実は意外と少ないです。
たとえば桐原4500を読んでいたら、 abroad 「海外に」という中学レベルの単語が見出し語として、ありました。これは、付近に「航海」voyage や 「観光」 sightseeing が近くにあるので、その関係として、紹介したのでしょう。
高校生が新しく学ぶべきは、 voyage や sightseeing のほうです。外来語としても聞いたことある単語でしょうし、そんなに覚えるのは難しくないと思われます。
ほか、seat 「座席」とか、たしかに中学では習わないかもしれませんが、しかし外来語として有名な単語ですし(車のシートベルトのシート seat と同じです)、即座に覚えられると思います。
さっさと練習して覚えてしまいましょう。
seat と同じページに、compel「強要する」(コンペル) がありました。これは覚えるのが難しいと思います。鉄緑単語集に語源などが書いてあるので、そういうのを援用しましょう。
このように、学校配布の桐原や東京書籍などの英単語を読んで覚えられないからといって、けっして、いつまでも桐原データベースや東京書籍コーパスに留まり続けるのではなく、通読やリスニング1周したら、さっさと鉄緑単語集に入らないといけません。
つまり、桐原データベースや東京書籍コーパスは、単なる助走です。走り続ける場所は、どっちかというと、鉄緑単語集のほうであり(および、その後の旺文社ターゲット)、本番は鉄緑と旺文社ターゲットです。
しかし、数学など別教科の勉強もあるので、なかなかスグには桐原データベース(または東京書籍コーパス)は終わらないと思います。
しかし、もし仮に、英語だけに時間を掛けた場合には、桐原3000および桐原4500は、1冊あたり1か月くらいで即座に終わらせるべきペースです(東京書籍コーパスも同様)。家に帰って、毎日読んで、単語を1つずつ書き取りもしても、1か月くらいで終わるはずです。
3000語レベルに関しては、そもそも難関公立高校受験や難関私立高校受験でも、現代では3000語レベルの単語集の前半あたり(全体の3分の1程度)がもう高校入試で多く出てきます(2020年代の中学校のカリキュラム改革により、こうなっている)。
4500語から桐原最低レベルの1700語の差し引きの2800語ではなく、もっと少ない1400語~2000語ていどが、高校時代に新しく習う単語でしょう(正確には数えてません)。
高校受験などでハイレベルな単語集を使っていれば、さらに少なります。
テーマ別の単語集は、理解を深めるのには役立ちますが、しかし上記のように、すでに習った単語も復習することになるので、あまり何十回も繰り返す必要は無いです。
適度な習得をした段階で、鉄緑英単語や旺文社ターゲットのような教材に移りましょう。桐原4500や東京書籍4500の全単語を覚えていなくても構いません。
長いすべき単語集は、結論から言うと、旺文社1900や旺文社1400です。
ただし、いきなり旺文社1900を読んでも頭に入らないので、そこで中韓経路として鉄緑英単語を読む事になります。
実際の大学入試は、桐原4500や東京書籍4500本編のレベルを大幅に超えています。べつに東大や早慶などではなくとも、マーチあたりでもう越えています。
桐原4500や東京書籍4500を実際に読むと分かるのですが、1700語や3000語でも見かけるような、けっこう初歩的な単語も多いです。たとえば、1700語では他動詞として紹介した単語の、自動詞的な用法を4500語レベルで紹介したり的な、です。1700語や3000語でも紹介したような基本的な語でも、英語の用法は多数にあるので、紹介しきれない用法が桐原4500語など4500語レベルに回っています。
しかし、意味がまったく違うならともかく、ほぼ同じ意味で自動詞か他動詞だけ違うみたいな差しかないのは、実質的には良くて3000語レベルです。
桐原書店や東京書籍に非があるわけではないのですが、大学受験の事を考えた場合は、やや不足気味です。大学受験には、旺文社ターゲットなどの、さらに上級の単語集を使わざるを得ません。
桐原4500や東京書籍4500は、もし使うなら、即座にクリアしましょう。(たとえば、高校の1年の1学期のうちに読み終えて、リスニング1周して、書き取りを1周で、ひとまずクリアみたいな。)
一部、4500語レベルに相当する難しい単語も桐原4500や東京書籍4500にもありますが、それらは旺文社ターゲットや鉄緑単語集でも再開するので、桐原の時点では覚えきらなくても大丈夫です。
これは言い方をよく変えるなら、「中学から高校への橋渡し」のための手段の一つとして、桐原3000・4500または東京書籍3000・4500を使うべき、という事です。橋を渡ったあとは、旺文社ターゲット、鉄緑単語集などを学んでいくのが、攻略対象であり、相手の本拠地です。
YouTubeの塾動画でも、あまり桐原4500や東京書籍4500は、推奨してはいません。不要というわけではないのですが、本拠地ではありません。
ただし、新共通テストは、桐原3000・4500や東京書籍3000・4500を参考にしていると思われるので、これはこれで1度は目を通す必要があります。このように、桐原データベースや東京書籍コーパスは、あたかも検定教科書に準ずる教材のような意味合いがあります。
裏を返すと、私大の入試や国立2次と、新共通テストには、出題傾向に、やや違いがある、という事でもあります。
練習すべきは英語の部分
編集英単語の練習の際、和訳は、書き取り練習などは不要です。漢字で書く練習も不要です。
大学入試にも、そのような書き取りを要求する問題は出ません。
たとえば、中学レベルの英文ですが、
I have a pencil.
という英文を和訳せよ、という出題が仮に出たとしましょう。
この場合、「持つ」や「鉛筆」の漢字を忘れても、
「私はエンピツをもっています」と訳しても平気です。
さすがに「わたしはえんぴつをもっています」と全て平仮名にしたら減点される可能性もあるかもしれませんが、しかし常識的な範囲で、平仮名やカタカナを使っても大丈夫です。
新共通テスト・センター試験では、マーク式なので、そもそも書き取り問題がありません。
和訳の問題は、採点の難しさや、人件費の都合があり、よほどの難関大学の個別の試験でない限り、日本語の文を書かせる問題は無いのです。
熟語集のリスニング教材を使って単語の復習の効率化
編集英単語の学習の際の、熟語などの語法なのですが、これは単語集のリスニング教材では練習できません。
しかし、実は(「単」語集ではなく)熟語集のほうのリスニング教材で、同じ熟語があったりします。
なので、単語集の3000語レベルを聞いたら、いちいち書籍の3000語レベルを読み返すのは面倒なので、先に熟語集のリスニング教材を聞いてしまいましょう。
この工夫で、大幅に、単語集の読み返しの手間を省けます。
正直、熟語集の書籍よりも先に、熟語集のリスニング教材を聞いても良いくらいです。
ただし、先に3000語レベルの書籍の読みこみおよびリスニング教材を聞いてからです。なぜなら、熟語には、3000語レベルの単語を使った熟語がいくつか出てくるからです。
4500語の熟語もありますが、割合は少ないので、まだ習ってなければ放置しましょう。
いちいち辞書などで4500語の単語を調べる必要は無いです。また4500語を勉強して単語集リスニング教材を聞いたたあとにでも熟語リスニング教材を聞けばいいのです。
熟語集の書籍を読むのは、かなり後回しで良い。そもそも単語集のほうで熟語もある程度は解説してあるし、熟語を問う出題は比較的に少ないからです。
入試で圧倒的に問われるのは、熟語ではなく単語です。
熟語集の後ろのほうにある難しい単語の熟語は、使われている単語が難しいのであって、それは単語集のほうで対応できるし、そもそも単語集を先に使ってからでないと理解できない熟語だからです。
3000語レベルの単語集が終わると、熟語集が使えるようになります。3000語の範囲学習の前では、まだ熟語集を読んでも、そこに使われている単語そのものが分からない段階なので、効果が低いです。
2年生終わりまでに4500語+αを終わらせる
編集基本
編集日本の大学受験で、中堅私大マーチ以上や国公立などを目指す場合、
英単語の練習は、下記を終わらせないといけません[9]。塾などの高1生や、中高一貫校の生徒などは、このようなハイペースで動いています。
- 期限: 高校2年のうちに、
- 目標: 一通り、4500語レベル + 上級英単語(鉄緑や速読英単語・上級など)を学習する
上記スケジュールの理由は、高校3年からは、長文読解など別分野の練習も始めないといけないからです。入試英語は、基本的には長文読解の問題がほとんどだから、です。
このため、遅くとも高校3年の夏からは、長文読解を本格的に始めないといけないので、単語集を勉強する時間がほぼ無くなります。
一例として、最低でも高校の2年の終わりまでに下記のようなルートを通ります。このルートに4冊もあるのに注意してください。
- 「旺文社ターゲット1200 + 「桐原データベース3000」 → 鉄緑 + 「桐原データベース4500」
これ以外にも熟語集とかもありますが、省略します。
人によっては、鉄緑ではなく速読英単語・上級の流儀の人もいると思いますが、その場合は、各人ごとにアレンジしてください。桐原データベースではなく東京書籍コーパスや、数研出版LEAP(リープ)の人などもいると思いますが、各人ごとにアレンジしてください。
最低でも上記の1ルート中の4冊を、3年間ではなく、たった2年間で、一通り終えないといけないのです。
このため、3000語レベルは(1年間ではなく)半年間でクリアしないといけないのです。
同様、学校配布されるレベルの単語集で4500語レベルも、半年間でクリアしないといけないのです。
このため、スケジュールを逆算すると、まず、単語集をやるときは、いきなり前から着実に暗記しようとするのではなく、まず通読して、「見たこともなければ・聞いたこともない」単語をゼロにしていきます。
そのあと、もう1周読んで、理解してない所を復習したり、書き取り練習をしたり、リスニング教材などをしたり、色々とやります。
よって、スケジュール一例として、下記のようになります。
- 高校1年までに「桐原データベース3000」または「東京書籍コーパス3000」など3000語レベルを確実に終える。このため、とりあえず、覚えられなくても通読する。
- 高校1年のうちに、ターゲット1200は最低でも入学後の1か月くらいで完了、できればターゲット1400まで始め、高校1年のうちに練習する。
- 高校2年になったら、4月の時点で、確実に桐原4500または東京書籍4500を開始できるようにする。できれば先に鉄緑を開始できるようにするのが望ましい。鉄緑は、著者本人が執筆方針として、高校2年生に読ませる方針で作っています。(数学など他教科もあるので、無理にとは言わない。)とりあえず通読で、4500語レベルと鉄緑を通読。
上記のようなスケジュールを、高校2年のうちに終わらせないといけないのです。
かなりのハイペースになります。
かつて2001年ごろ、都心の進学塾の単語学習が、上記のようなハイペースだという事が地方の塾には知られずに、まだ4500語レベルの単語集が終わってない状態で2年生の後半から長文読解をさせるという講義がありました。
過去のその失敗を、現代の私たちは決して繰り返してはいけません。
ハイペースで単語を学ぶため、あまり書き取り練習はしないのです。書き取り練習をするなら、2~3回くらいまでにしましょう。
難単語の書き取りは、するなら、
- 20回×100語 しか覚えないよりも、
- 2回×1000語 のほうが効率が上なのです。
なぜなぜ分析
編集では、なぜ2001年ごろは、上記のようなミス(単語集が終わる前に長文に突入)を地方塾はしてしまったのか。「なぜなぜ分析」をしてみましょう。
原因は、「受信語彙」(じゅしん ごい)という概念を、まだ地方の塾講師たちが知らなかった事です。
英語の語彙には、「書けなくてもいいけど、読んだり聞いた時に意味が分かればいい」という語彙があります。
日本語でいう、「薔薇」(バラ)という漢字を、書けなくてもいいけど、読める必要はあるのと同じです。
そういう受信語彙の概念が、まだ知られていなかったので、当時の塾では、単語の書き取り練習ばかりをさせていたのです。スペルを覚えるまで10回や20回も書いて覚える、というヤツです。
しかし、じつは4500語レベルの語彙は受信語彙なので、それは非効率だったのです。
じつは大学入試では、受信語彙の書き取り問題は、出てきづらい。仮に出てきたとしても、その出題者は、「受信語彙」という概念を知らない、時代遅れの大学教授である。
あくまで大学入試の話です。高校入試では、単語の書き取り問題は、良く出題されます。
しかし2001年くらいまでの当時は、高校入試の傾向と、大学入試の傾向とが、混同されていたのです。まだそこまで、塾が進歩していなかったのです。
より根本的には、「受信語彙」のような、言われてみれば当然である教育的配慮ことを、てっきり「入試とは関係ない」と思って、大人たちが無視をしてしまった事です。当時の子供たちは、その犠牲になったのだ。
そもそも難しい4500語レベル以上の単語集は、使用頻度の低い単語を集めた単語集なので、けっして、その4500語レベル単語集にまで中学英語と同じように書き取り練習をする必要は、実は無かったのです。考えてみれば当然だが、当時は多くの人がマインドコントロールをされていたのか気付かなかった。まるで第二次世界大戦の前に、ナチスドイツにマインドコントロールされたドイツ国民のように。
結局、受験対策だけしかしないのは、逆効果なのです。
なので2020年の私たちは、ちょっとくらい出題傾向とは違っていても、桐原書店データベースや東京書籍コーパスなどにある、高校生には学習しておいてもらいたい単語などは、きちんと勉強をしましょう。あやまちは繰り返しません。
マトモな大学の、マトモな大学教員は、そういう普通の高校レベルの教材の内容も把握してあるはずです。そうでない大学教員は、それはそういう変人(たとえば帰国子女とか、一部の異常天才とか、医学部多浪とか)の行く大学なので、現役生はあまり相手をしなく て良い。
あくまで「ちょっと」くらいの違い、で十分です。なぜなら市販の大人向けの英語教材の中には、質の低いもの、質の悪いものもあります。高校生には、そういうのを見抜くのは難しいので、なるべく高校生むけの教材で勉強しましょう。
裏を返すと、大人向けの英単語学習書としても使えそうな良書が、実は高校英語の教材として販売されており、まさに4500語レベルの単語集や、あるいは鉄緑単語集や速読英単語・上級編などがそうです。高校英語がまだ3000語だった時代の昭和の大人から見れば、あれは大人向けレベルに匹敵するか、越えるのです。
あまり大学入試傾向と違いすぎる教材は、さすがに教育効果も低いと思います。
より根本的な原因は、地方塾の経営者などが、自分の頭で考えず、伝聞を鵜呑みにして、カリキュラムを作っていた事です。「駿台予備校では〇〇らしい」とか「河合塾は〇〇らしい」とかの鵜呑みです。
「らしい」だけでは教育者として不十分であり、それを実際に自分で試してみて、上手く行くのか、上手く行かないのか、そういう検証こそが必要だったのです。
別に塾だけが悪いのではなく、当時は高校の英語教師も、そういう受信語彙という概念に気づかなかった。
だから当時は高校3年生になって、ようやく3000語レベルの重要語を練習したりとか。たとえば動詞の increase 「増加する」を3年生になってようやく勉強したりとか。
高校2年までは、雑多な単語のスペルを覚えていたりとか。
実は英語圏の子供の教育では、雑多な単語は、スペルを覚えさせないのです。まあ、日本の英語教育でも、キュウリのキューカンバー cucumber とか覚えさせませんが。
出典は忘れましたが、英語圏の小学生とかもそうで、スペルは覚えなくてもいいから、とにかく沢山の単語を習わせるのです。
まあ、日本人の子供だって、「北斗七星」(ほくとしちせい)とか「拳」(こぶし。けん)とか「龍」(りゅう)とかいう漢字を、書けなくても読めたりするのと同じです。
4500語レベルの単語は、「拳」とか「龍」とか「薔薇」とか、ああいう漢字と同じように、付き合っていけばいいだけなのです。
読者の高校生は、とりあえず4500語レベルと鉄緑単語集を読み終えるまでは、スペルの習得は二の次にして、どんどんと予習を中心に学んでいって、多くの単語に触れるのが良いと思います。私たち日本人が子供時代に多くの単語に触れたのと同じです。
リスニング教材の使い方
編集3000語レベル以上(3000語レベル自身も含む)の単語リスニング教材は、まず書籍の単語集を読んでからでないと非効率です。
まず先に、書籍の単語集を読んでスペルや発音を確認しておけないと、どんなにリスニングしても単語を聞き取れません。あるいは、別の発音と混同してしまいます。
なので最低でも1周でいいので、単語集を読んでください。単語集を読んでからでないと、リスニング教材は、ほぼ無意味です。
事前の単語集の読み込みを3~4周も続けても、脳があきて、記憶効率が低下するので、いったんリスニングなどに移るのが効果的です。どうしても、手元にリスニング環境が無い場合は、2周目以降は、書き取り練習にするなど、いったん練習法を変えましょう。(同じ練習法を、けっして3周や4周も続けないのが、英語学習のコツです。2周目以降は練習法を切り替えるのが、英語学習のコツ。)
単語リスニング教材を2~3回ほど聞いて、それでも「いまいち覚えられない」という単語がある場合や、そもそも「見出し語の単語をまったく聞き取れない」という場合、スペルを完全に忘れているので(1字や2字の間違いどころでなく、ほぼスペル全部を忘れている)、書籍の単語集で復習しましょう。
単語リスニング教材は、けっして聞くだけでは駄目であり、そのあと、単語集を読み返し、書き取り練習(書くのは1~2回で良い)をして、それで、ひとまず完成です。
また、そもそも派生語などはリスニング教材では読み上げされないので、それが抜けてしまう。
なので、リスニング教材だけを4~5回も続けて聞くのは、絶対にやめてください。
また、リスニング教材には基本、(単語の日本語訳ではなく)例文の日本語の訳もありません。そのため、読解のトレーニングが、リスニングだけでは出来ません。もし仮に例文の日本語の音声があったとしても、それをリスニング中に、どこの単語が、どう訳されてるかを、じっくりと考える暇がないので、読解になりません。ありません。最終的には、入試の英文が読解できないと意味がないので、よってリスニングだけで決して終わらさずに、そのあと単語集の読み込みにまた戻ります。
余裕があれば、書き取りも練習すると良いですが、しかし2020年代では大学入試では採点の都合により筆記問題は減っているので、あまり10回や20回も3000語レベル以上の単語を書く必要は無くなっています。
とりあえず「読む・聞く・書く」をそれぞれ2回くらいで良いので全部やるのが大切です。
3000語を5回もリスニングするくらいなら、さっさと4500語に入りましょう。この4500語レベルも、「読む・聞く・書く」を一通り、早めに終わらせましょう。
4500語の例文は、もう書き取り練習をしなくても良いかもしれません。(ただし、読むのは絶対に必要。)4500語レベルは、単語さえ2回ほど書けば十分かもしれません。
「単語集を6周して覚えた」と言っても、けっして同じ練習法(たとえば「読み込み」だけ)で5周すべきではなく、一例ですが、
「読む 1周」 → 「リスニング 2周」→ 「読む 1周」→「またリスニング 1周」→「書き取り 1周」
とかして、覚えるのです。
書き取りは、記憶を高めるのには効果的ですが、しかし手がつかれて、そこで学習が一時的に止まるので、なるべく書き取りは 後回し というか 最終手段 のように使いましょう。
書き取りにつかれて3分の休憩をしてしまうよりも、その3分のあいだに読み込むを進めるほうが効果的です。
どうしても書き取りのほうが覚えやすい人の場合でも、リスニングより先に書き取り練習をしてもいいですが、しかし2回くらい書いたら、ひとまずリスニングを2周くらいしたほうが効果的です。
そのあと、いまいち覚えきれてない単語をまた書き取りしましょう。
1800語レベルに決して時間を掛けない
編集中学卒業・高校初級である1800語レベルは、たとえ書けない単語があっても、復習に時間を掛けてはいけません。
1800語の単語集には、中級である3000語でも習うような単語が混ざっている場合もありますが、そういうのはその単語集で学べば十分です。
さらに上級である4500語レベルの単語集が控えており、高校2年あたりから4500語を始めないといけないので、なので高校1年のうちに3000語を始めないといけません。
具体的に言うと、1800語レベル相当の旺文社1200には、いくつか高校中級である桐原3000語レベルの単語も混ざっています。
しかし、だからといって、初級な旺文社1200に、時間を掛けてはいけないのです。なぜなら旺文社1200には、中学レベルの雑多な単語も多く含まれており、高校生の知的レベルに合わないからです。
なるべく中級な3000語レベルの単語集で学びましょう。
初級の旺文社1200は、せいぜい 高校受験 → 大学入試対策 に脳をチューニングしてスイッチ切り替えするために用いるなど、用途を限定しましょう。
旺文社1200の出題頻度とは、べつに書き取り問題の頻度ではないのです。単に長文とかのなかの単語の頻度なので、必ずしも全単語のスペルを書き取りする必要は無いのです。スペルを練習すべきは、3000語レベルの単語に集中しています。
なので、旺文社1200の単語は基本、とりあえず読めれば充分です。あと、リスニングで単語を聞いて、意味がすぐ思い浮かべば十分です。リスニングはもう3周もすれば十分です。2周でも良いくらいです。
なぜなら、高校1800語は、中学で教える価値のない残りカスの単語だからです。
たとえば、冷蔵庫を英語でリフレジレイターと言いますが、これを英単語のスペルで書ける必要は無いのです。
なぜなら、大学入試で出ないし、もし必要なら辞書で調べればいいからです。大学入試に出るのは、学問的な英語です。そのため、やや抽象度の高い単語を要求しています。
たとえリフレジレイターを英語で書けても、3000語の勉強には役立ちません。
生活英語の中には、スペルのやや難しい単語もあり、そういうのが高校1800語に回されます。そういうのは、スペルを書ける必要は無いのです。
基本、1800語レベルの重要単語は、中学生むけの単語集にある単語のうち、中3~難関高校受験レベルあたりの重要単語です。これらはスペルを確実に書ける必要にする必要があります。
そうでない単語は、残りカスです。
残りカスの、重要性の低い単語だから、高校1年に後回しにされた単語なのです。
なので、1800語の予習復習に時間を掛けてはいけません。
また、3000語にあるような重要な単語が前倒しされている場合は、あとの3000語レベルの単語集でも復習できます。その際に、重要語だと観念して、書き取り練習をすればいいのです。
なので、なるべく早く、さっさと3000語に進んでください。
1800語の単語のなかには、中学の重要語や、高校の3000語の重要語も混ざっていたりしますが、中学重要語のほうは高校受験を真面目にやってればもうスキップできるし、高校3000語の重要語のほうは、後で学べます。
たとえ英語が苦手でも、普通の知能の高校生なら、高校入学して時間のたたないうちに、さっさと3000語に進まなければいけません。遅くてもい1~2か月もしたら3000語レベルの勉強を始めるべきです。
たとえ1800語のスペルを覚えきれなくても、3000語に進みましょう。読めれば、リーディング問題には支障が無いからです。単語を聞いて分かれば、リスニング問題には支障が無いのです。ともかく、1800語には時間を掛けてはいけません。1800語レベルには雑多な単語が多いからです。
このペース(またはそれよりハイペース)でしないと、最終的に高校3年の10月までに(そのあとは長文対策などをするので単語は出来ない)、上級の4500語レベルの単語集が手につかず、受験に間に合いません。
どうしても1800語を復習したいなら、いったん3000語レベルまたは上級の4500語レベルを勉強した後に、短時間で1800語を復習してください。
昭和生まれの大人たちは、たとえ大卒でも4500語レベルを高校で習っていません(特に理系の大卒)。
このため、2020年代の大学受験を知らない昭和の大人たちの古い勉強法を真に受けると、大学受験に間に合わなくなってしまいます。
平成初期の1990年代の時代なら、今の1800語レベルに半年くらいの時間を掛けても問題なかったし、それが普通だったのです。しかし2020年代の今は違います。1か月ていどで1800語レベルを終わらせないと、高校3年生での4500語レベルに間に合わないのです。
冷蔵庫のような、個々の家具の名前は、スペルを覚えなくて良い。練習すべきは、「家具」furniture です。上位語です。
「重要性」importance のような抽象名詞か、または「家具」furniture のような上位語が、スペルを練習すべき名詞です。
上位語は、3000語レベルから多くなります。
もし、1800語レベルでスペルを覚えるべき単語があるとすれば、おそらく形容詞・動詞・副詞に集中しているでしょう。動詞は、使いまわす可能性が高い。
また、1800語レベルか分かりませんが、形容詞 important 「重要な」を名詞化した importance 「重要性」や、「到着する」arrive を名詞化した arrival 「到着」など、そういうのがスペル練習すべき名詞です。このため、基本的には動詞や形容詞をスペル練習する際に、派生する名詞や副詞などもスペル練習しておけば、けっこうカバーできます。
1800語の書き取り練習をどうしても行うなら、2回でも書けば、とりあえずは十分です。そのあとは、練習が必要になってから復習しましょう。
1800語レベルでは、例文を書きとる必要は、あまりないでしょう。もし、例文ごと書きとる練習をするなら3000語レベルです。
1800語の例文は、リーディングだけでも十分でしょう。
高校2年になったら先に鉄壁を読む
編集平均以上の進学校に通ってるなら、高校2年になったら早い段階で[10]、4500語の桐原書店や東京書籍などの単語集を読み終わってなくても、いったん鉄壁を読みましょう。英語が得意なら、早ければ高校1年で読んでも構わないと、公式動画(出版元の角川書店の動画)が言っています。
なぜなら、高校生レベルで語源などを分かりやすく解説した単語集は、鉄壁しかありません。鉄壁の1周目は、通読で構いません。そもそも鉄壁の著者本人が、小説のように読み物として読んでも単語力がつくようにという執筆方針で、単語集を書いています。単語の勉強法そのものをステップアップする必要があります。
そもそも鉄壁の著者が、塾生に、他社の単語集(高校上級の語彙レベルの単語集)などを使わせても効果がイマイチだったので、塾生に先に読ませる教材として鉄壁をつくったとの事です。
高校英語の全部の単語は、鉄壁では網羅していませんが、そういうのは他社(桐原、東京書籍、旺文社など)の単語集でカバーすればよいのです。
鉄壁の読書の後、各人の志望進路などに応じて、まだ覚えてなかった単語を、他社の単語集で学んでください。
鉄壁の著者が言うには、鉄壁を2周や3周と何度も周回するのは、想定していないそうです。1周読んだら、次は辞書的に使う事を想定しているとの事です。まあ、網羅している語に限りがあるので、辞書というか、ハンドブックでしょうか。
鉄壁は、必ず最初の単元から順番に読みます。なぜなら、覚えやすい順番で書かれているからです。数学と同じ。
英検でも準1級から、単語のニュアンスやイメージを理解する必要があります[11]。機械的に日本語訳を暗記するのではなく、用例などをもとにニュアンスを把握していく必要があります。
鉄壁は、それだけでも東大・京大のような難関大の対策に使えますが(YouTubeには、そういう使用法を紹介している塾動画も多い)、しかし、だからといって何周もつづけて鉄壁を読むのは、鉄壁の著者本人が想定していません。
なので鉄壁を1~2回は通読したら、ひとまず、別の4500語レベルの単語集および熟語集に移りましょう。その単語集の単語をいったん身に着けてから、また鉄壁に戻るのです。(もしくは、Z会の速読英単語・上級編のような難単語集に入る)そういう、高校上級の勉強でのホームベースのように使うべきです。
4500語と鉄緑を読むのが終わったら熟語にいったん移る
編集大学受験には、単語だけでもなく熟語も出ます。
大学入試の英語で、いくら単語力を問われる比重が大きいからといって、熟語や文法をまったく勉強しないわけにも行きません。
とりあえず、遅くとも、4500語レベルまでの単語集と、鉄緑単語集を1周は読んだら、さっさと熟語集の通読に入りましょう。
ただし、まだ3000語レベルもろくに習得していないうちに熟語集を読んでも、効果はうすいです。塾などでも、低学年のうちは熟語集を宿題にしないのが一般的です。塾では、低学年のうちは、単語集を宿題にするのが一般的です。
一例として、3000語レベルを高校2年のうちに、それなりは単語は練習できて早ければ4500語レベルの練習にも高校2年なら入れると思うので、早ければ2年生の半ばくらいになったら熟語集を1周は読み始めるのも良いでしょう。
遅くとも、3年生になったら熟語集を買って、一度は、通読でも良いので勉強する必要があります。
ほか、もし文法で習ってない所が4500語レベル単語集の通読の時点になってもまだあるなら、熟語集の後にでも、一度は文法の参考書を通読しましょう。
そして、熟語集を通算で1~2周ほどしてから、また単語集に戻りましょう。
それ以外の長文読解などは、単語・熟語・文法などを練習していれば自然に読解力も上がるので、やや後回しにしても大丈夫です。
正直、ろくに長文読解の練習をしなくても、2001年くらいなら、そこそこの偏差値の私立大学に合格できました。(この節を書いてる編集者Sは、2001年ごろ、芝浦工大の工学部、法政大の工学部、東京電機大学の工学部に高校時代に現役合格しています。)
通読だけで暗記できるかどうかはともかく、高校1~2年の早いうちに、さっさと英単語集、英熟語集、文法参考書をひととおり通読してしまいましょう。
英語の家庭学習での比重としては単語の勉強が多くなりますが(8割くらいは単語の学習になるかもしれません)、だからといって、英熟語や文法なども勉強するのも決して忘れないでください。
受験の単語の勉強には、キリがありません。しかし、熟語および文法の勉強は、大学入試に出る知識としては、比較的にキリがあります。なので、熟語はこれはこれで、勉強しないといけません。
単語にはキリが無いので、うっかりすると「高校3年の入試直前になって、熟語集を初めて買う」なんて事態になりかねません。しかし、さすがにそれは負担がキツイ。
なので、高校1~2年の時間の余裕のあるうちに、熟語集を1冊は買って読んでしまいましょう。
けっして、(総合型選抜のための)英検対策などの単語に夢中になって、熟語集を忘れないでください。どっちみち、熟語も英検に出ます。なので4500語を通読したら、まず熟語集を読みましょう。
英検2級や準1級の単語集を買うよりも前に、まず先に熟語集を読むのが先です。
ほか、大学入試に出てくる長文は基本的には論説文ですので、出てくる単語も論説で使いそうな単語です。
物語文は、ほとんどの学部で、あまり入試に出ません。仮に物語文が出たとしても、例外として文学部の英文科の入試でもない限り、単語集で対応できる単語の問題です。
科学英語にも桐原書店データベースは対応
編集「日本の英語教育は科学英語が弱い」と言われますが、2020年代の現代、一応は単語集にも、たとえば桐原書店のデータベース4500を見ると、下記の単語があり、しかも、ほぼ例文つきで紹介されています。
- atom「原子」やnuclear「核の」、「酸素」oxygen や「水素」Hydrogen,「酸」acid ,「幹細胞」stem cell 、「進化」 evolution 、「細菌」bacteria ,「重力」gravity,「惑星」planet ,「衛星」satellite 、「遺伝子」gene、「分子」molecule, 「抗生物質」antibiotic, 「糖尿病」diabetes, 「肺炎」pneumonia, 「認知症」dementia, 「ぜんそく」 asthma, 「視力」vision, 「生態系」ecosystem, 「顕微鏡」microscope
高校生用の単語集以外の 科学英語用の単語集をあれこれと探すのは、当面は不要です。まず先に、桐原書店の単語集を一通り勉強しましょう。
せっかく一般書店で売ってるような科学英語のある文庫本などを探して買って読んでも、文庫本サイズの小ささのため例文が不足していたりする事があり、不便だったりします。
なので、高校生が科学英語を学ぶなら、まず単語集にある科学英語を普通に勉強しましょう。学校配布されるような桐原書店データベース4500などの単語集は、例文つきで科学英語の単語すらも紹介しており、実はとてもレベルが高い教材なのです。
いっぽう、一般書店で売ってるような文庫本などにあるような科学英語の本は、例外として よほどの教育書でないかぎりは、小中学生の子供が読むものだったり、あるいは英語の苦手な大人が読むようなものです。
さて、桐原書店の単語集には、社会科学(経済学や法学・政治学など)で使いそうな語も、普通にあります。
revenue 「歳入」とか、「国勢調査」census とか、「助成金」subsidy とか。「改正」reform、「草案」draft 、などあります。
他社の東京書籍コーパス4500にも、科学英語は、「二酸化物」dioxide や「二酸化窒素」Nitrogen dioxide、「アルカリの」 alkaline や「毒性の」toxic 、「火山の」volcanic ,「顕微鏡」microscope、「無限」infinite, 「移植」transplant, 「手術」operation, 「沸点」boiling point, 「細菌」bacteria, 「細胞」cell, ・・・(以下略)
などの語はあります。
さらに東京書籍コーパス4500には、例文は無いですが、数学の図形の特集ページで、分数「3/4」three fourths, 小数「0.5」 zero point five, 「長方形」 rectangle、「台形」 trapezoid, 「だ円」ellipse, 「円すい」cone, などまであります。
図形までは入試に問われづらいと思いますが、ここまで高校生むけの単語集は対応しているのです。
旺文社ターゲット1900には、「ウイルス」virus、「偽薬」placebo、「放射線」radiation、「核の」nuclear、「化石」fossil、「土壌」soil、「温度」temperature(単語 atmosphere 「大気」にある)、「進化」evolution、、 などあります。ターゲット1400には、「哺乳類(ほにゅうるい)」mammal、「臓器」organ ,「反射する」reflect, 「1リットル」one liter および「1,000立法センチメートル」1,000 cubic centimeter(単語 equal「等しい」 にある)、「銀河」galaxy、などあります。
また、理系の人は、たとえ英語が苦手でも、2020年代では上記のような化学英語などの単語が4500語レベルに比較的に多いので、家庭での学習では、とりあえず早めに4500語レベルまで通読してしまうのが良いでしょう。単語を暗記するのは後回しです。
高校の前半は、あまり3000語に時間を掛け過ぎてはいけません。
上記のような科学英語を、高校生むけの単語集以外で探そうとしても、すごく手間が掛かるわりに効率が悪く、たとえば本屋をいくつも回って電車で別の町にまで行く羽目になったりとか、あるいは値段の高いTOEICやTOEFLの教材などから探すことになったりとか、なかなか大変です。
3000語レベルだと、ほとんど科学英語が無いので、「高校英語では科学英語を使わない」と錯覚しがちですが、しかしそれは3000語レベルまでの話なのです。
よく、知ったかぶりで「語学は積み上げ」とか言って3000語レベルや1800語レベルから順々に暗記していって3000語レベルに長期滞在する人がいますが、上記のような例を見ると、その勉強法の主張が半分はウソだと分かります。半分くらいは積み上げ勉強も必要かもしれませんが、もう半分として「(語学は)周回していくもの」です。家庭の学習などでは、4500語レベルまで通読を何周もするのです。
- 3000語レベル(1周目)→4500語レベル(1周目)→3000語レベル(2周目)→4500語レベル(2周目)→ ・・・
みたいに。
実態
編集難関大学の入試で要求される英単語が、高校の検定教科書で要求される能力と、乖離している事が、週刊ダイヤモンドで告発されています[12]。
1979年の共通一次では、100分間で2354の英単語を処理するスピードが要求されたものが、2002年の共通テストでは80分間で5850語である。単純計算でも3.1倍の処理速度だが、近年の試験では単語数としてはカウントしていない図表も多く登場し、処理しなければならない情報量は、実感として3.1倍を大きく上回るとも言える。なお、出題された「語彙」についても、決して易しくなっているわけではなく、徐々に難しくなっている。
これはべつに 1979年は「2354語を覚えればいい」という話ではなく、単に2354語の長文が出題されたという事であり、実際に要求される語彙力とは別です。
べつに2002年において5850語レベルの語彙力が要求されたわけではないので、誤解しないように。
一次試験でだけではなく、難関国立大学の二次や難関私立大学の英語も難化している。
たとえば、1979年と今年2022年の、東大の二次試験の英語の問題を、同じように視覚化して比較したのが図2である。
まず、リスニングの読み上げ回数などを無視して全体の語数だけで比較すると、1979年は1分あたり9.1語(120分で1096語)だったのが、2022年は1分あたり48.8語(120分で5857語)と、なんと5.1倍になっている。ちなみに東大では1989年以降、リスニング問題が出題されるようになり、出題語数のかなりの部分をリスニングが占める。
昭和と比べて、語彙レベルの語数が増えたのに、出題の長文化なども進み、よって、かなりの単語力が必要になっています。
ただし、市販のどの単語集にも無いような単語は、国公立大では出ません[13]。。
このため対策としては、市販の高度な受験単語集をやりこむ必要があります、
和訳は入試に出づらい
編集大学入試には、英文和訳は基本的には出ません。英語の入試問題のほとんどは、答えの選択肢も英単語または英文(1行ていど)です。
このため、高校生は英単語を覚える際、日本語を細かく覚える必要は、基本的には、ありません。
たとえば meeting という単語なら、それを「会合」と覚えようが「会議」と覚えようが「集会」と覚えようが、あるいは「打合せ」と覚えようが、どちらでも構いません。要するに、複数の人たちからなる仲間が、なにか仕事などの打ち合わせの話し合いをするために集まっていることが meeting だと分かればいいのです。
このため、基本的には、英文を見て意味が分かれば、それでよいのです。
単語集などにある「集会」とかの意味は、そういう語のイメージを定着させるための手段に過ぎません。
大学入試の英作文では、日本語訳が与えられて単語が思い浮かぶことも必要ですが、それは入試ではかなりの高難度の大学です。
ただし、高校の小テストなどでは、和訳の出題も出されるかもしれません。ただし、その場合でも、和訳問題の出題比率は少なめでしょう。なお、高校の教科書ガイドを見ても、検定教科書の文章の和訳は書いてありません。なので定期テストでもし高得点を取りたい場合は、授業中にノートをとるなどして、和訳を手元に残しておくしかありません。
定期テストと入試英語は違う
編集前の節でも言及しましたが、定期テストと入試英語は異なります。
基本的に、入試英語のほとんどは、選択問題です。新共通テストは選択問題です。私大の入試英語も選択問題の比率が多いです。国公立の二次試験だけ、筆記問題の比率がもしかしたら多めかもしれません。
選択問題は、ア、イ、ウ、エの4択から(もしくはA, B, C, D の4択)、1つの正答をえらぶような形式の問題です。採点の都合もあり、私大でも多くの私大の、多くの英語入試問題が、このような選択式の問題であることが多いです。
ただし、高校では、筆記問題が出ることが多いと思います。
なお、まったく筆記問題が私大の入試に出ないわけではありません。単に、やや出づらい、というだけです。
このため、高校での筆記問題の練習も、けっして無駄にはなりません。
無駄ではありませんが、しかし、入試傾向に近いほうが効率的なのも、言うまでもありません。まあ、個々の高校の方針によります。その高校への進学を選んだのは読者であるアナタ自身なので、アナタが自分でどうにかしてください。どの高校も、文科省の学習指導要領にしたがって教育しているし、教育委員会にも したがっていますので、有権者の自己責任です。
低学年の3000語レベルの単語は負担も少ないので、高校側が筆記中心でも問題は小さいです。しかし高学年の4500語レベルになると、高校によっては、やや入試傾向と定期テストの違いは、負担が大きいかもしれませんまあ、自己責任でしょう。当wikiでは立場上、何とも言えません。
4500語レベルの定義語彙を早めに通読する
編集たとえば fate 「運命」と fatal 「致命的な」を学ぶ際、重視すべきは fate のほうです。なぜなら、fate のほうが、辞書で使う可能性が高い「定義語彙」(ていぎ ごい)というものだと実質的に見なされているからです。
「致命的な」は deadly でも言えます。むしろ、ケガなどの致命傷の場合なら deadly のほうが死にそうな致命的ミスだと分かりやすいくらいかもしれません。しかし、fate は、他に平易な語による言い換えが困難です。平易でなくても良いなら他にも言い換えはあるかもですが、しかし平易となると、fateに限られます。
そして単語集の見出し語にあるのは、この定義語彙としての用法のほうです。
4500語レベルの中盤まで、定義語彙の紹介は続きます。このため、避けて通れません。この4500語レベルにある定義語彙まで習得できないと、子供向けの辞書しか使えないのです。なので、まず4500語レベルの単語集を通読でも良いので早期に読み終わることが求められます。
3000語レベルの単語集をまだ、あまり覚えてないなら、通読でもいいので早めに1~2回ほど3550語レベル単語集を読み終わらして(ぜんぜん単語を覚えきれてなくても構いません)、まずは早く4500語レベルを読み始めましょう。4500語レベルを一度読んだ後、3000語レベルの復習をすればいいのです。
また、このため、本のなかを読む順序としては、3000語レベル以上の単語集は特にこだわりのない限り、なるべく前の章から順番に読むほうが良いです。前の章で習った単語が、あとの章で使われているからです。
英検本は最終手段
編集英検本もTOEIC本も、「英検さえ突破できればいい」みたいな低レベルな『その場しのぎ』の読者に合わせて作られています。英検本などは最終手段です。
証拠として、たとえば fragment を覚えるときは、一緒にsegment を覚えないと無意味です。意図的に分けられた「区分」や「部分」が segment 、偶然に分かれた「断片」などの部分が fragment です。しかし、英検本には、そういう解説が書いてない状態です。
もっとも擁護(ようご)すれば、英検1級は単語数が多いので説明不足になるのも、やむを得ないのですが、しかしもう英検が何十年も続いてるのに、いまだに市販の教材はこのレベルです。
segmentのこの解説が書いてある単語集は、おそらく鉄緑本だけです。なので、できるかぎり高校生は鉄緑本を買いましょう。
他にはロクな上級の単語集がありません。
桐原4500と東京書籍4500には、そもそもsegment の紹介が無い状態です。(part などの平易な表現で代用させるつもりなのだろう。)
鉄緑本でも駄目で、速読英単語でも駄目で、それでも語彙数が増やす必要がある場合に、最終手段として利用をようやく検討しましょう。
鉄緑会と数研リープの本しか論理的なのが無い
編集鉄緑のような、論理的思考力を活用するという改革の方向性は、英語では、鉄緑の単語集しかないのが2024年の現状。
英語ではなく理科の教育の むかし話 ですが、高校の物理では、1990年代に教育方法の改革があって、それまでの公式をやたらと多く暗記させる方法から、
改革先として、少数の原則的にもとづく公式だけをもとに派生的な式を導く方法へと変化しました。『橋本の物理』などが典型です。
英単語で、それと同じような成果をあげているのが、鉄緑会の単語集です。
まあ、他社の『速読英単語』とか『DUO』とかも、あれはあれで当時は改革的だったのですが。しかし、改革の方向性が、鉄緑とは違う。
したがって、鉄緑本の使い方も、物理の気の利いた受験参考書とほぼ同じ。
まず、数研リープや桐原4500とか東京書籍4500といった、学校配布されそうな単語集の4500語レベルどれか1冊を、8割ほどマスターしましょう。
これが、物理でいうところの「学校配布あたりのワークブックをクリアした状態」みたいなもんです。まず、これが前提。これが、教科書レベルの基本問題がおおよそ解けるような状態(章末問題とかは除く)。
で、桐原4500/東京書籍4500 を8割ほどクリアしたら、そこで、すばやく鉄緑に入る。
鉄緑本の題名に「東大」どうこう書いてありますが、国公立志望でなくても鉄緑に入るしかない。なぜなら現状、鉄緑本しか、この目的ではロクな単語集が無いので。
旺文社ターゲットや、速読英単語は、あれは過去問集のように使うべきものです。そもそも速読英単語の標準以上のレベルは、実際に入試過去問の文章が掲載されています。
鉄緑本は、論理性を重視しているため、掲載単語や用法には、やや偏り(かたより)があります。そこで、鉄緑本では覚えきれなかった単語や用法を仕上げるために、旺文社ターゲット1900などを補助的に使えばいいのです。
さて、数研リープについて。
数研リープの著者は予備校講師です。
昔の予備校の教材には、受験の範囲を少し超えた、高校生くらいの若者に知っておいてほしい教養的な知識も書いてありました。(もともと浪人生むけに書かれていたので、大学教養の範囲が少しほど予備校系の参考書に入っていたりもした時代もあった。)
その名残が、数研リープにあります。
受験対策の最終段階では、受験対策にターゲットを合わせるために文字通り 旺文社ターゲット1900 を使う必要がありますが、
しかしなるべく、高校時代のうちに、教養あふれる数研リープを読みましょう。旧制高校っぽい大正ロマンっぽくて良い感じです。まあ、「旧制高校」は、今でいう高校ではなく、今でいう大学1~2年くらいに相当する課程なのですが。
鉄緑は、そこまで教養あふれていません。受験対策としては鉄緑のほうがマジメなのですが。
カリキュラム改革の影響
編集2020年代の今でこそ大学受験の英語は4500語が前提ですが、もともとは3000語が1990年代ごろでは前提でした。2010年以降、小学校の英語教科の開始などもあり、高校必修とされる英単語の量が4500語まで拡大しました。
この変化のため、英単語の教育方法が、まだ追いついていません。
旺文社ターゲットや速読英単語・入門編~標準編は、とりあえずは4500語レベル時代のバージョンもありますが、しかしシリーズ全体がむかしの3000語時代のカリキュラムを下地にしています。(その時代から存在しているシリーズなので)。またそのため、1990年代の私大文系ブーム時代の影響を受けており、現代の国立志望や理系志望とは、ややズレもあります。
3000語レベルだったら、鉄緑をスキップしても平気ですし、むしろスキップしたほうが効率的かもしれません。つまり、いきなり
- 桐原3000→旺文社1400(中級本)
へと進んでも平気です。
しかし4500語レベルで鉄緑スキップしての突入はすこし難しい(しかし、けっして不可能ではない)。
日本人は、外国語の教育に関して大幅な勘違いをしています。偉いのは、鉄緑会の単語集の著者のように、分かりやすい単語集を作る人です。なぜなら先進国の日本・ドイツ・中国韓国のような工業国では、英語以外の科学技術や経済学なども勉強しなければいけないからです。
このため英単語だけに時間をかけられず、したがって短時間で効率的に覚えるための単語集の開発が望まれています。しかし、どうも日本人は、「単語をたくさん覚える人が偉い」みたいな勘違いをしており、深刻です。英語だけが出来る人は、アメリカやイギリスに行けば捨てるほど居ます。それこそホームレスでもアメリカなら英語を話せます。英語だけを覚えても、そういうホームレス以下の人になるだけです。国際学部を目指して英語だけを勉強しても、国際ホームレスになるだけでしょう。
「英検」や「TOEIC」といった、そういった語学力を測る試験の文化そのものが、国際ホームレスのような文化になっています。指針そのものがおかしい。しかし、日本では政治家が文系の馬鹿ばかりなので、英単語の教育は改善されません。
たとえば英単語 combine なら、これは「合体」だけでなく(それだけだと unite 等との区別がつかない)、「化学結合」( chemical combination などという)の意味もあると教えないと、少なくとも英米の中高の理科の教科書すら読めません。
また、trait なら、これは「特質」ではなく(それだけだと characteristic との区別がつかない)、メンデル遺伝の「形質」として教えなければいけません。しかし英単語集は文系の人間がつくっているため、そういう理系の用法は書かれていないのが現状です。
大学入試をつくっている英語教員そのものに、こういう理系の能力が無いという惨状です[14]。
野口悠紀雄 @yukionoguchi10 · 6月7日 そのため、「数学で日常的に使っている表現すら教えてくれなかった」ということになった。だから、英語で数式を読むというような基礎的なことをできない人が、日本人には多い。日本の専門家には、世界的な場で発表することをできない人が多いのである。 さらに表示
入試英語の元ネタ
編集国立大学をふくむ難関大学の英語長文は、学校独自の作問とは限らず、英字新聞や論文などの抜粋の掲載の場合もあります。証拠として、Z会の速読英単語・上級編などの巻末にある出典の一覧で確認できます。(ただし学部名までは未掲載ですので、もしかしたら英文科の入試かもしれません。)
このため、4500語レベルを超えた、旺文社1900巻末などにある英検準1級単語すら超えた単語なども、旧帝大などの国公立大などでチラホラと出題されているのが現状です。鉄緑会の単語集は、かなり高度ですが、しかしそれすらも超えた単語が、国立大学をふくむ大学入試に出てきています。
ネットでは、デマで「国立大学の英文は、一般的な参考書の範囲に則っている(のっとっている)」みたいなデマがありますが、大デマです。文句があるなら、速読英単語・上級編を読んで確認してください。
なお、出版年について、抜粋されている新聞・論文などの出版年は、10年前や15年前の出版といった、やや古い長文です(速読英単語・上級編で確認できます)。このため、現代の英字新聞などを読んでも、入試には役立ちません。
進学校の図書室など行くと、英字新聞とか英語雑誌とかあって、とても意識高いですが、しかしアレは入試には出ません。文句があるなら、国立大学に文句を言ってください。おそらく文科省の指導かなんかで、「英字新聞を読めるように教育せよ」みたいな方針でもあるんだと思いますが、しかし国立大の入試の英字新聞が時代遅れの15年前の内容というね・・・。なんかもう、アレ。
よって、そのような(国立大を含む)難関大学を目指す場合、4500語の範囲を超えた、鉄緑会単語集すらも超えた、英検準1級・1級の単語集や、あるいはTOEFL対策など、あるいは(「特定の資格試験を目的としていない」という意味での)大学生むけ・社会人むけ単語集を使わざるを得ないのが現状です。
そこまで英語ばかり勉強していて、果たして理系志望の人の、数学や理科などの勉強まで手が回るのかという疑問もあります。おそらく鉄緑会がそういう難単語の掲載をしないのは、そういう数学などの学習時間をうばいかねないという抵抗の意志でしょうか。しかし残念ながら日本では、国立大をふくめて、英語を重視した大学入試をしているのが実情です。
速読英単語・上級編の冒頭文「はじめに」によると、大学入試の単語数の種類は13000語を超えているのが実態だとの事です。CEFR(セファール)では 7000 語 を提唱していますが、しかし日本の国公立大を含む難関大学が、CEFRを超えているのが実態です。
ただし、派生語などをカウントに含めるかどうかで、語彙力レベルの語数は変わってきます。どちらにせよ、どうあがいても、1種類の単語集だけでは対応できません。桐原データベースを4500語をクリアしても、文字通り4500語までしか覚えていません。さらに、もう何冊か、単語集のやりこみが必要です。
CEFRの「B2レベル」の習得が7000語らしいです[16]。
東京書籍4500がCEFR B1 準拠を公言しています。なお、Cのほうが難しい。
図にすると
- (簡単な側 ←) A1 , A2 , B1 , B2 , C1 , C2 , (→ 難しい側)
です。CEFRは全部で、上記のように6段階です。A1とA2のように、各アルファベットごとに2段階あります。
鉄緑単語集や、速読英単語・上級編は、だいたい B2レベル の前後でしょう。
推測ですが、数学など他教科の学習を考えると、さすがに13000は無理だとしても、しかし残念ながら6000語や7000語を目指さないといけないのが実態でしょう。ちょうどセファール CEFR が 7000語 を提唱しているので、それがひとまずの目安になるでしょうか。ただし、出題元の英字新聞や論文などは。必ずしもセファールに合わせてはいません。
発信語彙と受信語彙
編集4500語レベルの難しい単語は、書けるようにする必要のないことは、これは受信語彙であると考えられるからです。
英語教育において、語彙は、発信語彙と受信語彙とに分類されます。
発信語彙は、その名の通り、自分の考えを発信するときに使う語彙です。発信語彙は、英作文でも使うので、色々と使いこなせるようにする必要があります。
また、英作文は、発信語彙に毛の生えた程度の語彙を使えればいいのです。
具体的にどこまでが発信語彙かという決まりはないですが、日本からの発信の場合、おおむね3000語レベルに毛の生えた程度が発信できれば充分でしょう。
高校卒業までとされる4500語のうち、ほぼ前半の2300語までを発信語彙とする見解もあります[17]。高校卒業までがCEFR(セファール)B2とされており、その半分のCEFR A2を目安にしよう、という考えです。
- (簡単な側 ←)A1 , A2 , B1 , B2 , C1 , C2 (→ 難しい側)
CEFRのAグループがおおよそ発信語彙。CEFRのBグループ以降(Bグループ自身も含む)がおおよそ受信語彙、とのことです。
受信語彙は、他人の文章を読んだり聞いたりするときの語彙なので、リーディングやリスニングで使えれば良いのです。
単語集の題名の「3000」とかの数字の意味
編集まず、高校生むけで、単語数「3000」語あたりの中級レベルをうたっている英単語集を1冊買いましょう。
けっして、中学生むけの2500語のヤツを買わないでください。なぜなら語彙(ごい)数の数え方が、ちがっています。中学生むけの「2500」は、単に中学卒業レベルの単語集でしかなく、つまり中学・高校生むけ共通の単語集での「1800」語と同じレベルです。
小学校で習う単語が700語あり、中学で1800語をさらに習うとされています。小学校の単語を語彙数に含めたヤツが、中学生むけの「2500」です(1800+700=2500)。
つまり、高校生むけの単語集だと、小学校で習う700語は数えないことになります。
高校「3000」は、高校入学時点での新出単語が(500語ではなく)1200語だという事に注意してください。
日本では、第二次世界大戦の終戦から長らく、英語を学校で教科とするのは中学校からだった時代が多いので、なので高校入学より以降の語彙の数値では、小学校の700語を省くのが一般的になっています。
中学校では1年間あたり600語のペースで学習していたのを、高校では1年間で1200語のペースで学習するので、かなりハイペースになります。ただし、文法などをあらかた中学卒業までに習っているので、案外それほど負担ではないかもしれません。
初級レベル 1700~1800あたりのものは、これは一応高校レベルの単語も紹介していますが、ほとんどの単語が中学レベルなので、当面は読む必要がありません。
また、初級レベルの単語集のうち、中学で習わない可能性の高い単語は、中級レベルの単語集にも書いてあるので、わざわざ初級レベルを買う必要がありません。
さて、単語集の使い方は、赤シートを使って英単語の和訳を隠して、英単語のイメージを思い浮かべてから、その英単語の和訳を見て自分が思い浮かべたイメージと合致するか確認してみたりして、もし合致していたら次の単語へ、一方もし合致していなかったらチェックをして次の単語のテストを行う。これを1~2回もすれば英単語を覚えています。
中学単語については、意味のほうで中学では習わなかった意味がある可能性があるかもしれないので、そちらに注目してください。参考書をつくっている会社は、そうなるように工夫して参考書を編集しています。
なお、実は、実際の掲載単語数とは、題名の「3000」とか「1800」や「4500」などは一致しないのが一般的です。
CEFR(セファール)という国際的な英語教育の基準にもとづく「オックスフォード3000」と(オックスフォード)「5000」 という国際基準があります。単語集の題名の「3000」とか「4500」は、単にそれを基準にした程度のレベルの単語集、という程度の意味でしょう。
さらに日本では、伝統的に、すでに2000年代から「3000」や「4500」などの基準が使われていたので、各社とも、それに合わせています。
よって単語集の「3000」とは単に、「高校必修レベル」という意味です。「4500」とは、受験用と言う意味です。
なので、あまり、実際の掲載の単語数には、こだわらないようにしましょう。
単語集の「3000」を買う際、見出し語の数が1200を超えていれば、特に問題はありません。そして、桐原3000も東京書籍3000も、見出し語の数は1200を充分に超えており、充足しています。
もしかしたら、その単語集の見出し語の数(たとえば約1200)に、派生語(たとえば約1000)や語法・句表現(たとえば約700)などを加えると、たまたま3000とか4500とかの数値に近くなるかもしれませんが、単なる偶然です。
なお、東京書籍コーパス3000の見出し語の掲載単語数は、1773です。ひとつ前の学年向けがコーパス1800です。合計すると 1800+1773=3573 となり、3000をオーバーしています。派生語などを語彙数に加えると、もっとオーバーします。
実際には多くの単語集では、同じ単語を別の例文で紹介していたりするので、けっして単純計算はできません。また、スペルの同じ単語でも、別の意味の用法があったりするので、それぞれを別々に数えるかどうかで、算出結果が変わってきます。さらに、熟語などの解説もある場合もあるので、それらを含めるかどうかで、実際の語彙数の数値が変わります。
桐原書店も同様です。桐原データベース4500の掲載単語数は2073です。ひとつ前の学年のデータベース3000の題名にある3000にプラス2073をしても、5073になってしまい、単純計算では数値が一致しません。
学習の優先順位
編集もしかしたら、英語の単語を覚える作業は文法等の勉強をすることよりも大切なことかもしれません。
市販の学習ノウハウ本でも、高校英語および大学受験英語では、英単語力が決め手になると主張されています[18]。
英文読解で、もし単語の意味が分からないと、せっかく文法の知識があっても、理解できない文も大学入試では多くあります。また大学入試では、暗記を要求される単語数が、ずいぶんと多くなります。
もっと言えば、単語という基礎があってこそ覚えた文の組み立て方が生きてくるのです
大学受験の標準(おおむね4500語レベル)~やや発展レベルまでの単語であれば、単語はいくら覚えても損はありません。学校で教えてもらう英単語だけで満足しないでください。近年では様々な出版社から英単語帳が出ています。
英単語集の選び方
編集学校採用されている主な単語集
編集まず、学校で採用される英単語集、英単語帳によくあるのは、
- 桐原書店「データベース」(店頭では「DataBase」と英語表記)、東京書籍「コーパス」、三省堂「チャンク」、学研「アクティブ英単語」
を基本として、
より発展的なものとして、
- 駿台出版「システム英単語」、旺文社「英単語ターゲット1900」、数研出版「必携英単語LEAP」
基本的な単語集にはない語を出題する大学も、私大だけでなく国公立大でもありますので、難関大を受験する場合は、発展的な単語集が必要になります。
このうち、駿台出版のものと数研出版のものは、予備校講師が著作したものです。2020年代では、公立高校などでも、すでに駿台出版システム英単語など予備校講師の著作した教材を採用しています。
- (※ wiki 注意)このページの編集者が、予備校講師の教材が2020年代には学校採用されていることを知らず、桐原や東京書籍だけしか採用されていないと誤解して学習方法を書いています(※ wikiの編集合戦の場外乱闘ではなく、勘違いしてた本人がこの注意文を書いています)。
現代とは違いますが、歴史的には20世紀の頃は、桐原の単語集(今のデータベースとは違うシリーズがあった)が定番でした。
余談ですが、デマで、東京書籍コーパスを初等的とするデマで、ネット上に「桐原データベースは、高校必修レベルの基礎的な単語集としては掲載語彙が比較的に難しく、レベルが高い。いっぽう東京書籍コーパスはレベルが低い」みたいな言説がありますが、デマです。なぜなら、たとえば conform 「従う・順応する」、 refrain 「控える・慎む」とか、東京書籍4500にはありますが、桐原4500・3000には無いです。
むしろ桐原データベースは、高校必修として相応しくないと桐原が見なしている単語を、たとえ英検や大学入試に出題される頻度がそこそこあろうが、掲載を拒否している感じすらあります。
たとえば、「従う」なら obey でも言えますし、なので、conform のような使わなくても表現できる単語の掲載を拒否している感じすらあります。
歴史的にも、桐原のほうが古く、昭和のまだ高校必修の語数が少なかった頃から長らく桐原の単語集が使われてきた事とも合致します(今の桐原データベースとは別シリーズの単語集ですが)(つまり、まるで検定教科書のような作り方をしている単語集、という意味です)。
ただし実際には、桐原4500にない単語でも、国公立大を含む大学入試に出ます。
さて、旺文社ターゲットと駿台出版システム英単語は、掲載の順序が頻度順です。(けっして関連ある内容をまとめているのではなく、基本的には頻度順に並べています。)
いっぽう、桐原データベースや東京書籍コーパスは、テーマごとに分類です。ほか、学校配布としては少ない単語集でしょうが、『鉄緑会東大英語熟語鉄壁』というのもテーマごとの分類です。意外と易しいとの事です。
ほか、「ユメタン」「Stock」などがあります。(※ 未調査。詳しい読者は、解説を追記してください。)
いろんな会社の単語集がありますが、基本的には、1社の単語集をまず、おおよそマスターするのを目指すべきです[21]。そして、一つの会社の単語集だけでは対応できない発展的知識だけを、他社の単語集で補うのが良いでしょう。
基本の要求事項
編集セットになる別単語も必要
編集- コロケーション 、チャンク
高校レベルでは、新しい単語の意味を覚えるときは、単語の日本語の訳の字面だけを覚えても不十分です。
いくつかの予備校の単語集には英単語の勉強法も書かれており、どれを見ても大抵、「新しい単語の学習では、一緒につかう単語とセットで覚えろ」といった内容が書かれています。
動詞も同様、セットになる名詞と一緒に練習するべきです。もっとも、普通の市販の単語集なら、そういうセットになる単語も書かれているので、市販の単語集で勉強すれば問題ありません。
なお、そういう、ある単語を覚える際に、よくセットになる典型例の例文のことをコロケーションまたはチャンクといいます。
たとえば、reasonable 「(値段が)手頃な」を覚える際、
a reasonable price
のようにセットになっているのがコロケーションです。
新出単語がセットでなくても覚えられるのは、せいぜい中学の前半までです。高校ではもう、単語を1語ずつ単独でバラバラに勉強するのは、やめましょう。せめてコロケーションで良いので、単語どうしがセットになっている単語集を使いましょう。
しかし、ネット上の英語勉強サイトには、サイト作者・企業の手抜きからか、日本語の訳だけを羅列したような低品質なサイトもあります。まったくネットは参考になりません。きちんと市販の単語集を買いましょう。
- 完全文
なお、
This is a pen.
のように文章が全部あるのは「完全文」と言います。
たとえば単語集の桐原データベースおよび旺文社ターゲットは、基本的には完全文で単語を紹介しています。
類義語や対義語、例文など必須
編集まず、単語の学習では、けっしてヤミクモに多くの単語を覚えるのではなく、類義語や対義語との違いなども把握しなければなりません。そのため、例文なども交えつつ把握しながら勉強する必要があります。
なので、例文などの少ない単語集は、少なくとも高校基礎レベルとしてはアウトです。
- 入試では単語は文章で出る
また、大学入試問題では基本、単語だけで意味を問うような出題は、まず無いのが傾向です。基本的に、たとえば長文読解のなかで単語の意味を読み取れるかをみる出題とか、あるいは空欄補充問題で一文か二文が出されてその分中の空欄に適する単語を選ぶ問題とかです。どちらにせよ入試の英語では、文章としていくつもの単語が組み合わさった形で出題されます。
少なくとも私大入試でも、マーチ理系とか四工大の入試は、2020年代でも過去の2001年でも、出題方法はそういう文章的な傾向です。
読者の中には「例文が無いほうが覚えやすい」という特性の人もいるかもしれませんが、しかし入試問題は文章の形式で出るので、いつかは文章形式にも慣れる必要があります。
中学レベルとか1800語レベルとかの初等的な単語なら、単語だけをいくつも覚える事もあるかもしれませんが、しかし抽象度の高くなってくる3000語以上の単語の場合、まずは桐原/東京書籍の単語集のように文章で例文を覚えるほうが無難です。
語幹は後回し
編集たとえば position 「位置」やopposite「反対側の」などの語幹 -pos は「置く」ですが、
しかしこれを知っていても、そこから impose の意味を類推することは不可能です。
語幹から類推すると、「内側(in, im?)に置く?」となるでしょうが、しかし実際の意味はそれとは違います。
なお、impose は動詞で、税金などを「課す」という意味です。しいて言うなら、置くというより、押し付ける、か。
どうしても語幹を学びたいなら、先に単語全体の意味を覚え、あとから記憶を定着させるために語幹を学ぶという順序です。
きみたち、中学社会で「歴史」を学ぶより先に、「地理」で現状を学んだでしょ(中学によって例外がある。地歴を同時に教えるのも、法的には可)。それと同じ。
いくら歴史を学んで起源を知っても、そこから現状に到達することは出来ません。
縄文時代やネアンデルタール人を知っても、そこからスマホやパソコンには決して直接的には到達できません。
ただし4500語レベルを仕上げるくらいの段階になると、語幹や語源の知識が無いとキツイかもしれません。
鉄緑会の単語集が、そういった語源の説明が充実しているので、必要なら購入すると良いかと思います。
日本では、あまり外来語として聞きなれない単語が、4500語レベルの中盤~後半あたりから増えてきます。そういう語の学習では、語源などの学習を併用しないと、習得がキツイかもしれません。
結局どうすればいいか
編集高校生向けの単語集は、セット語彙や類義語・対義語の紹介の必要性など、そういう事をきちんと理解しているので、とりあえず高校生むけの単語集を買えばとくに問題はないのです。
しかし、高校生向けではない市販の英検対策やTOEFL対策本などの資格本の中には、単語を多く掲載したいあまりに、例文や類義語などを省略ぎみの単語集も(英検対策本などでは)多くあります。
なので高校生は、英検対策ではなく、まずは高校生向けの単語集を買いましょう。1社の単語集しか使わないと例文がどうしても不足するので、少なくとも4500語レベル付近では1社だけでなく2社以上が必要です。
ただし、一定以上の難関大を目指す場合、残念ながら、4500語レベルを超えて、緑鉄単語集などのやや難しめの単語集が必要かもしれません。
たとえば premise 「前提」という単語は、どんなに桐原4500や東京書籍4500を見ても掲載されていない単語ですが、旺文社1900および緑鉄単語集に載っていて、英検準1級のため出題範囲になっています。
このように、やや高校範囲を超えた単語でも、残念ながら国立大学や難関私大が出題してきます。
このため、なるべく早く旺文社1900に入るべきであり、また、旺文社1900をマスターしなくても、ひとまず緑鉄単語集に入る必要があるかもしれません(難関大を目指す場合は)。
それでも、まだ旺文社1900および緑鉄単語集は、まだマシなほうです。なぜなら、ほかの単語集だと、mayhem (メイヘム)「大混乱」とかの英検1級の単語を紹介している単語集もあります。きっと、それを出す大学もあるのでしょう。さすがに緑鉄にも mayhem は無い。
なので、現役高校生でも、比較的に精選された単語の並んでいる緑鉄単語集を、さっさと買って読んでしまいましょう。緑鉄単語集には、桐原・東京書籍の単語集では見かけない単語もありますが、しかしそれでも緑鉄単語集には使用頻度の比較的に高そうな単語が選ばれています。
英検などは後回し
編集現代では、高校の教科書レベル自体、上がっています。昭和の後半や平成の初期は、今で言う3000語レベルが、高校卒業レベルでした。(当時の大学入試でも4500語レベルは出題されていたかもしれませんが、しかし高校の文理共通で必修の授業では4500語までは、まず扱いませんでした。つまり、理系クラスは(東大・京大および早慶を除けば)3000語レベルまで的な風潮だった。)
しかし、令和の今では、4500語レベルが、普通の高校卒業レベルです。
なので本来なら、時代が大きく違えば、英検の級の数値は比較の参考になりません。つまり、年月とともに資格試験で保証された知識は、少しずつ錆びて(サビて)いくのです。
英検などを受けたいなら、高校生向けの単語集を買って習得したあとなら、必要に応じて英検対策本などを買うのは構いませんが、しかしいきなり最初から英検対策本などを買うのは失敗の道です。
なお、もし英検を参考にするなら、準1級までを買えば十分でしょう。なぜなら、緑鉄単語集と英検1級の単語集とを比べてみましたが、傾向がだいぶ違っています。
あと、英検準1級 ~ 1級の単語には、kitty (キティ)「子猫」とか bishop (ビショップ)「司教」とか、おそらく米英での使用頻度は高いのでしょうが、しかし日本の大学入試では出題しづらい単語も多々あります。社会科や理科などの学問的な話題につなげにくい単語で、そのため大学入試には出題しづらい単語も英検準1級・英検1級にはあります。
大学はあくまで学問のための場所です。特に難関大学は、研究機関を目指しています。
ところどころ、英検1級本のなかにも、受験単語集でも見かける単語もありますが(外来語などで見聞きする単語もあるので)、そういう単語は緑鉄単語集あたりもでカバーできると思います。英検1級の本は、せいぜい、大学入試の出題の元ネタを探すくらいにしかなりません。
どのみち、英検1級の単語だけ覚えても、英作文とか長文読解を解けなければ英検合格しません。趣味で英検1級本を読むのはいいですが、時間を掛けないようにしましょう。1回読み書きすれば充分だと思います。
英単語集のパターン
編集英単語集には、主に2パターンあって、
- ・ パターン1: 単語を分野別にまとめているパターン(たとえば「旅行」の意味の単語なら、trip と tour と travel をひとつのページにまとめていたりする)の英単語集
と、
- ・ パターン2: もうひとつのパターンとして、入試出題の頻度順に統計的に並べた英単語集
があります。
初めて高校英語を勉強する場合は、とりあえず、分野別に単語をまとめたパターンの参考書のほうが、使いやすいと思います。
なぜなら、分野別の単語集のほうが、類義語や対義語なども、まとめて勉強できるからです。
いっぽう、入試出題の頻度順に統計的に並べた単語集は、高校後半~高校3年からの仕上げなどで用いるのが効果的でしょう。
さて、分野別に単語をまとめたパターンの英単語集で勉強する場合は、レベルが「中学3年〜高校初期」「高校必修」「共通テスト」「二次試験」と何段階に分かれていたりしますが、とりあえず、高校1年の時点で、「高校必修」レベル(3000語レベル)と「共通テスト」レベル(4500語レベル付近)の2冊を買ってしまってください。
高校必修レベルの単語集を買えば、その単語集で中学レベルの復習もしますので、わざわざ中学レベルの復習をふくむ単語集を買う必要はないのです。
自分で単語集を予習する際は、次のペースで予習します。「全部覚える」ではなく「全部勉強する」がポイントです。
- ・ 高校1年: 「高校必修」レベル(3000語レベル)〜「センター試験」レベル(4500語レベル付近)の単語を高校1年の終わりまでに全部勉強する。
- ・ 高校2年: 「センター試験」レベル(4500語レベル)の単語を高校2年の終わりまでに全部勉強する。
- ・ 高校3年: 「二次試験」レベル(4500語レベル+アルファ)の単語を高校3年の2学期の終わりくらいまでに全部勉強する。
これとは別に単語集がもう少し必要ですが(入試用単語集を1~2冊)、まずは上記を出来るようになってください。
注意点として、学校から配布されるような東京書籍や桐原の基本的な単語集は(ただし桐原の灰色のヤツは難関大用なのでのぞく)、高校2年のうちに終わらせる必要があります。
つまり、高校1年のあいだに、予習をして、「高校必修」(3000語レベル)およびレベルの単語集を、ひととおり書き写して、勉強してしまう必要があります。(覚えられるかどうかは別として。) 4500レベルまでいければ理想ですが、それが無理でも必ず高校1年のあいだに3000レベルを終わらせてください。「終わらせる」とは「7割ほど覚える」という意味です(英語以外の教科も考えて、この数字)。これが終わらせられないと、大学受験の現役合格は難しいでしょう。一見するとハイペースですが、実は後述のように中学で習う単語が3000レベルには多いので、意外とラクです。
また、「全部覚える」ではなく「全部勉強する」とありますが、その単語の100%の単語を覚えられなくても70%を覚えたら、次学年の単語集を1回だけ全単語を学び始めてください(たとえ新単語を1回の書き取りで1周しただけでは30%しか覚えられなくても、もし新単語に1000語も触れたら合計300語を覚えられるから、そっちのほうが最初は効率的だからです)。
この、最初に1冊の書き取りをさらっとする勉強法は、他教科たとえば数学では通じない勉強法かもしれません。数学では公式だけでなく応用力なども問われるからです。しかし英単語はそういうのではなく、ほぼ単なる暗記なので(米英なら幼児・児童でも分かる程度の理解力で十分)、なので単語集をさっさと1冊、一周したほうが効率的に覚えられるのです。
さて、いまの単語集を7割ほど習得したら、次学年用の新単語集を購入して1回書き取りだけで一周しつつ、並行(へいこう)して、現学年用の単語集の完成度を上げていき100%に近づけていきます。
特に、高校2年用の単語集は、入試でも基本的な運用力を問う問題として狙われやすいので、それも押さえておきましょう。裏を返すと高校1年用の単語集は、これは例外的に高校受験で狙われやすいもの以外は深入りしなくても良いでしょう。
高校必修レベル(高校1年レベル)には、中学校できちんと5教科を勉強していれば、読みがある程度は身についているハズの単語が、多いのです。
なので、さっさと高校必修レベルをひととおり練習して終わらせてしまい、次ステップの「センター試験」レベルに時間を掛けたほうが得です。
なお、高校によっては、高校3年になっても「センター試験」レベルの単語集までしか、高校3年の英語の授業では扱わない場合があります。
なので、授業とは別に、自分で単語集を予習する必要があります。
では、なぜ、上記のスケジュール(「高校必修」レベルの単語を高校1年の終わりまでに全部勉強するスケジュール)のようにするのが合理的かいうと、最終的に高校卒業までに(つまり高校3年の終わりまでに)、「二次試験」レベルの単語集(4,500語+アルファ)を終わらせる必要があるので、そこから逆算して、高校2年の終わりまでに「センター試験」レベルの単語集を終わらせる必要があります。
なお、新共通テスト・旧センター単語とは別の大学受験単語の傾向では、早稲田大など一部の難関大と、国公立との傾向が違います。(wiki追記: 例外として東京外語大(国立)や英文科などを除けば、)平均的な地方国立大よりも早稲田大のほうが英単語が難しいです[22]。理系の人は、そういう早稲田みたいな難関大の英単語を相手にしてはいけないというか、仮に購入したとしても、けっしてその難関大用の単語集の全単語を覚えようとしてはいけません。
1700語~1800語レベルの単語集は、たとえ全部をマスターしなくても、高校生になったら、いったん3000語レベルの学習に進まないといけません。もし、そこそこの偏差値55以上の私立高校に入学したのなら、最初から3000語レベルを使っても良いくらいです。
なぜなら英語教育の理論で、1700語~1800語レベルの英語は、身の回りの物事を表すための英語が中心という、単語の選定基準になっています。
いっぽう、3000語レベルでは、主に社会的な概念を表す単語が追加されてきます。
なお、英検の単語も似た選定基準であり、準2級からは、単語にそういう社会的な概念を表す単語が追加されていく選定基準になっています。
このため、いつまでも1800語レベルにいると、学習対象の語彙が片寄ってしまい、幼稚な語彙力になってしまいます。
例外として知能障害とかで、抽象的な概念がまったく理解できない障害者とかでないかぎり、高校生になったら、なるべく早めに高校3000語レベルにいったん進んでください。
覚えきれてない1800語レベルを復習して仕上げるのは、いったん3000語レベルを学んだあとにしてください。
難関私大の6000語レベル以上ありそうな英語は、そもそも正しい英語なのか、疑問もあります。20世紀の話ですが、1990年代に売れた書籍『超勉強法』によると、英文科のある大学教授が欧米に留学したら、自身の英語が欧米人には通じなかった、というエピソードが紹介されています。(『超勉強法』著者の野口悠紀雄(のぐち ゆきお)のことではない。野口が聞いた、ほかの大学教授の話。)そもそも1990年代以前の昭和の英文科の大学教授がこのような惨状なので、あまり古い1990年代~2001年ごろを初版とする単語集にある難しすぎる単語は、たとえ有名大学で出題された過去がある単語および例文でも、あまり真に受けてはいけません。
英語の教科の場合、入試問題は、たとえ大学教授が作成しているからって、それだけでは問題の質を信用してはいけません。おそらく、20世紀の大学受験英語では、実用例を無視した、あまりに難しい言い回しの英文が出題されていた時代も過去にはあったのでしょう(あくまで難関私大の話です。平均的な偏差値の私大の話ではありません)。
難単語は、複数の大学で出題されるなどして、ようやく、まあ勉強する価値のありそうな単語です。とはいえ、いくつも各大学の過去問集を見ることは無理なので、そこで難関大むけの単語集で、近年に改訂・出版された5000語レベル以上ありそうな単語集を複数社、読むことになるでしょうか。
このように、4500語レベルの終盤までと、それ以降の5000語レベル以上とでは、単語の勉強法を微妙に変える必要があります。
1990年代後半や2010年までは「ゆとり教育」などと教育用語では言われますが、しかし受験英語など一部の科目の難関大の英語は、今よりも難しい面もあるので、勘違いしないように注意が必要です。
さて、高校2年の終わりまでに、4500レベルつまり「センター試験」レベルの単語集を終わらせるためには、逆算すれば、高校1年の終わりまでに3000レベルの「高校必修」レベルの単語集を、勉強してしまう必要があることが分かります。
そうするためには、普段からの予習も必要です。
また、もし「今読んでいる章を完全に覚えてから、次の章に進む」などというふうに勉強していると、特定の分野の単語ばかりを覚えることになってしまい、入試に対応できません。特に、学校で、このような分野別にまとめられた英単語を用いている場合に、気をつけましょう。
また、現代の高校英語の単語の紹介順序は、もはや学年別になっていません。高校1年の検定教科書でも、すでに3000語レベルの単語や4500語レベルの単語も平気で紹介したりしています。
現代の検定教科書がそうだということは、現代の入試もそうだという可能性があるということです。なので、あまり単語集の最初のほうばかりに詳しくなっても、現代ではあまりメリットがありません。
また、予習をしないと、たとえば学習ペースの配分ミスを起かしやすく、たとえば高校3年の終わりごろになって、やっと桐原4500語・東京書籍4500語レベルにしか到達できずに、そのため高校3年終わりの時点では「二次試験」レベルに対応したプラスアルファの単語集(旺文社や、予備校系の単語集)に到達できずに、志望校に不合格になってしまうような、ペース配分の失敗を起こしやすい原因にも、なります。
なので、とにかく、予習をして、単語集の先のほうへと進んでいくのが、合理的な勉強法なのです。
予備校系パターン
編集単語集にはさらに、「論理性重視で解説が多めの単語集」と「単語が多めの単語集」があります。
で、高校で与えられるような桐原・東京書籍・旺文社は、実は単語が多めの単語集です。網羅(もうら)しているタイプです。
高校単語の範囲は広いので、少なくとも4500語レベルについては、まずこの3冊のうちの2冊が、受験までに、ほぼ必須で必要です。
しかしこれだけだと、論理的な知識が不足します。桐原などの単語数が多めの単語集などでは、スペース不足などの都合で解説できない知識が、いくつもあるのです。
そういうのを、予備校などの補足的な単語集で補う必要があるのです。だからもう高校2年の半ばあたりから、予備校系の単語集も読み始めてしまうのも良いかもしれません。
ですが、あくまで予備校単語集「も」です。基本はまず、桐原・東京書籍・旺文社のような、高校英語を一通りカバーしている単語集をベースにするべきでしょう。
予備校系の参考書は、実は、意外と受験英語以外の単語もあります。単語集の編集方針として「英字新聞なども読み込んで、単語を選んだ」みたいな事を喧伝している単語集もあります。もっとも、その実態は、英検準1級や英検2級以下または同等の資格試験でも、英字新聞などで使われるような定番の単語を選んだだけです。
なので、たとえば軍事用語のような本当に専門的な単語などは、そういう予備校系の単語集からは除外されています。軍事用語とか国際ニュースではよく聞きますが、しかし単語集には書いてません。
それが良いか悪いか分かりませんが、そういうものです。
このように、実は以外と、予備校系の単語集は、著者の個性が強いです。
読者の中には、てっきり「予備校の単語集って、単に出題頻度準に掲載しているんじゃないの?」と思われる人もいるかもしれませんが、実際は違います。そういう頻度順の掲載・編集をやってるのは、旺文社の『ターゲット』シリーズです。なので、世間の塾・予備校などでは、まず入試傾向を押さえるためのターゲットと併用して、別の駿台単語集とか緑鉄単語集とかああいうのを補助的に使ってるのです(さらに学校では桐原とか東京書籍とか数研とか使ってるのが前提)。
旺文社と同じことを駿台などの他社がやっても、旺文社の本と似た単語集が出来上がるだけで後追いになってしますので市場価値が低いし、書いてる人もツマラナイでしょうし、なので予備校系の単語集は、旺文社ターゲット本には無い独自の単語を加えています。
歴史的には、駿台(すんだい)予備校や河合塾(かわいじゅく)などの予備校は、実は意外と、受験対策だけの機関ではないのです。受験対策もしますが、著作にはすこし予備校講師の研究的な趣味もあります。典型的なのが、駿台の物理学者の山本義隆(やまもと よしたか)の微積物理の参考書であり、あの本の内容の半分は著者・山本の趣味です。都心の予備校では、もともと大学卒業・院卒業をしたての若手の研究者が予備校でバイトしていた時代もあり、このため予備校系の教材には教育実験的あるいは研究的な内容も含まれています。
もともと浪人生を予備校はターゲットにしていた事もあり、なので予備校の教材では、大学受験範囲を少し超えた内容なども、過去には予備校の教材などで教えていた時代もあります。
微積物理の参考書なら難しすぎて時間が掛かりすぎて現役生には不適かもしれません。しかし英単語なら、単なる暗記科目なのでそういう心配は無く、比較的に短時間で通読できるので、さっさと気に入った単語集を買って読んでしまいましょう。
駿台単語集を読むのに別に数学・物理の知識とかいらないし、緑鉄単語集とか読むのに医学部受験するような学力も不要です。あれらの単語集は、単なる、桐原4500・東京書籍4500では書かれないような、やや応用的な単語や用法や派生語なども掛かれただけの、少し発展的なだけの単語集です。
2社目の単語集が必要
編集単語集は、1社だけでは対応できません。たとえば東京書籍を使っている場合、東京書籍の単語集には例文が書いてある用法でも、桐原の単語集には例文が書いてない用法もあります(例文なしで意味紹介のみ、という場合がよくある)。同様、桐原の単語集にはあるのに東京書籍にない用法もあります。
この問題に対応するため、高校2年になってからは、たとえば東京書籍を使っているなら、もう一つ別の会社の単語集も使いましょう。何を使うかは、個人の判断に任せます。しかし、何を使おうが、1社だけでは太刀打ちできません。(昭和の昔なら、ここまで考えなくても大丈夫でした。まだ高校2年生は、昭和なら単語集は1社だけでオッケーだった。しかし令和だと事情が違います。)
実際、塾・予備校などでも、高校で良く買わされる単語集(東京書籍や桐原)とは別の単語集・熟語集をもう1社ぶん買い与えるのが基本であり、受験生は結局、2社の単語集・熟語集を使うことになります。別に東京書籍・桐原のもう一方でなくとも、予備校系の単語集でも良いし、あるいは旺文社ターゲットなどでも構いません。とにかくもう1社ぶん、必要です。
別に2社の単語集を読み比べる必要はありません。新聞のメディアリテラシーの練習とかじゃないので。、
また、一応、単語集のレベルに応じて、上級レベルの単語帳で、過去に下級レベル単語集で習った単語の新しい別用法を教えることもよくあります。なので、東京書籍でも桐原でも、まずは1社ぶんを全部やるのも必要です。どちらかをメインにすると決めたほうが良いでしょう。
高校1年レベルの単語集(3000語以下)はもう1社目では仮に省くとしても(なお、省かずに1周しても構いません)、それでも高校2年次以降の単語集で、もう1社ぶんが必要になってしまいます。このため、どうあがいても単語集だけで最低もう2冊は(2年生の4500語レベル単語集と、やや難関大用の単語集で、合計2冊)、これが平均的な私大に一般受験するのでも必要です。
昭和の昔なら1冊だけで十分だったかもしれませんが、しかし令和は入試の単語が増えたので、そういうわけにも行かなくなりました。
また、上記と関連して、新共通テストも3000語レベルとされていますが、実際には4500語レベルの単語も新共通テストに出てくると思われます。なぜなら上述のように、3000語レベルと4500語レベルの単語に明瞭な境界線は無いからです(さすがに5500語レベルとか7000語レベルとかを要求する事は新共通テストでは出題が無いというだけです)。少なくとも20001年ごろの旧センター試験の時代、学校で渡された3000語レベルの単語集をこなしていてもセンター対応できない受験失敗例もよく聞かれました。(当時、センター試験の出題傾向について上述のような問題が知られていなかったので、進学校でも今でいう3000語レベルしか対応しない高校もよくあった。)
- ※ なお、説明の都合上、2001年ごろについても「3000語」レベルとか言いましたが、実際には単語数の算出基準が変わっており、現在の単語数の数え方には一致しません。
5500語レベル以上の例文は読めなくてよい
編集5000語~6000語レベルを超えたような英単語集にあるような、一つの文章にいくつも難単語があるような文章は、往々にして、学習用につくられた不自然な例文です。これはこれで、限られたページ数で英単語をいくつも説明するための工夫ではあるのですが、あくまで、日本人の学習用に作られた、不自然な英文です。
実際の英文は、そうではありません。
証拠として、たとえば英語ニュースのBBCなどを聞いてみると、もっと平易な4500語レベル前後の英語を中心に使っています(そもそも、英単語集の元ネタが英語ニュースなんだから当然と言えば当然)。
ときどき、4500レベル以上の単語も使いますが、しかし前後にある単語は、平易な単語です。けっして、難単語をひとつの文章に3つや4つも詰め込むような言い回しは、少なくともニュースでの口頭では、無い事です。
このため、5500語レベルくらいの難単語集にある英文が読めなくても、構いません。
単語集になら、学習中の単語になら、意味が書いてあるでしょう。それだけ分かれば、大学受験では充分です。
いちいち辞書を読んで、学習対象の単語以外の難単語の意味まで確認するのは、時間の無駄ですし、少なくとも大学受験では他教科の時間を圧迫してしまいます。
また、実際の入試でも、一つの英文のなかに、いくつも5500語レベル以上の難単語が乗ることは、国公立の英語長文では、まずありません(ただし英文科などを除く)。証拠は、Z会の速読英単語・上級編です。
5500語レベルを超えたような難単語については、せいぜい単語集で目を通しておくくらいで十分です。
新共通テストの難易度について
編集デマで、「新共通テスト(かつてのセンター試験)の難易度が簡単」とありますが、デマです。
証拠として、Z会の速読英単語の、センター出題語彙とされる英文を見てみると、
maintain 「主張する」(クローン技術の是非の長文)
とか、普通の意味とは違います。ふつう、maintain は機械などの整備で使いますが、「主張する」を maintain で言い表すのは、なかなか高校生には難しい表現です・。
念のため、辞書グランドセンチュリーでも maintain を引いてみて確認してみましたが、「主張する」は4番目の意味です。1番目は「保つ」「続ける」、2番目は「守る」、3番目は「維持する」、4番目でようやく「主張する」、なお5番目は「扶養する」です。
こういう、辞書でも後ろのほうが、センター試験に出題している事になります。
ふつう、高校英語で「主張する」は insist を使います。maintain の例文ではmaintain のほうが自然なのかもしれませんが。
このように、センター英語や新共通テストは、ハナっから難しいです。
平成初期の時代に「センター試験は簡単」とか言われていたのは、デマです。
individuals「人たち」(つらい経験について書くことの効用(2))
も、なかなか難しい自称「高校必修レベル」です。そりゃ、単語集には教科書にはあるのかもしれないが。
けっして、person とか people とかまでが、高校必修じゃないんですよ。individuals までが高校必修です。
Z会が、センター試験に出てくると主張している単語 perform 「行う」、これは桐原3000・旺文社1400では、「演じる」「演奏する」perform で例文ありで紹介されています。
perform を、実験や活動などを「行う」として理解するには、桐原3000を超えた、旺文社1900(約 4500語に相当)を読まないといけません。なお、センターは、ネコが活動を行うを perform で表現。旺文社は 実験を行うのを perform で表現。
高校必修の3000語レベルの単語集にありそうな、その3000語レベルにない用法を、センター試験ですら出してきます。
なお、一応、東京書籍3000 に、仕事・任務などを行う perform の例文があります。
この事から分かるように、東京書籍コーパスを「簡単だ」とか言うデマも、デマです。桐原と比べ、東京書籍コーパスはなかなか難しめです。
servant 「召使い」(紳士服と婦人服でボタンが違う理由)
も、なかなか単語集では目にしません。
serve 「提供する」「仕える」などは桐原にもありますが、東京書籍3000なら、飲食物を出す serve や客に対応する serve もありますが、しかし servant がなかなか単語集には無い。
ape 「類人猿」という、鉄緑や東京書籍4500の巻末ちかくに出てくる単語が、センター試験には出てくるとZ会の必修編「ビタミンCの働き」は報告しているし。
モンキー monkey だと、ゴリラやチンパンジーは含まないからape というのは仕方なくはあるのだが、しかし、なかなか受験勉強では負担である。
単語の練習法
編集まずは書籍の教材
編集とりあえず、最初の一回は、単語と用法を一度は目で見ないと覚えられません。なので、参考書や単語集、などを最低でも一度は読みましょう。
日本人にとっての英単語は、聞くだけでは覚えられません。なぜなら、もし一度も読んだことのない単語を音声教材で聞いても、そもそも発音が聞き取れなかったりして、頭に単語が入らないからです。
なので、まずは、目で見て読む、書籍の英単語の教材を読みましょう。、
音声教材が役立つかもしれないタイミングは、上記の目で見る書籍の教材を使ったあとの復習以降からです。最初の学習では、音声教材はあまり役立ちません。
もし音声教材を使うなら、
- 書籍 → 音声教材
の順序です。
復習では音声教材などを活用して短時間に
編集高校英語は単語数が多く、あまり復習に時間を掛けられません。なので、音声教材などを使用して(旺文社ターゲットの本を買うと、その音声教材のダウンロード権が付いてきます)、受験対策としての復習を短時間で終わらせてください。
音声教材だと、1冊あたり2~3時間で復習が終わります。
(ただし、学校の定期テストなど対策の復習は別です。定期テスト対策では、教師に「テストに出すぞ」と言われた単語を、重点的に書き取りなども含めて練習してください。)
人間の集中力は、復習には向いてません。なので、復習をする場合、音声教材などを利用しましょう。
現代の高校で覚える必要のある語は、4000語とか5000語とか膨大にあり、しかも1冊だけでなく、「桐原または東京書籍の単語集 + 旺文社ターゲット + 予備校など他の単語集 」みたいに複数を使うので、それを集中力を維持したまま復習をしつづけるのは常人には無理です。
明治時代ならともかく、もう現代では高校範囲の単語が増えすぎて、音声教材などを使って無理やり記憶しないと、無理です。しかしこのような英語教育だと、家にパソコンが無い環境の子供には英語学習が不利ですが、しかし文部科学省および日本の国立大学がそういう教育を推進しているので仕方ない。文句があるなら文科省や国立大学とか新共通テストの作成団体とかに文句を言ってください。
数学と違って、高校の英語は論理的な科目ではないので、書籍で能動的に復習してもあまりメリットが無く、もう音声教材などを駆使して受動的に英単語を暗記するしかありません。そしてその音声を使ってでも暗記するしかない英単語が、よりによって21世紀の日本では英語教育の中心になってしまっていますので、音声教材を活用してください。
もはや「辞書などを活用して、単語の理解を深める」という理想は、もう21世紀では高校範囲の単語の量が膨大になりすぎて、もはや時間的に無理です。そういうのが有効だったのは昭和の時代まで、でしょう。
なお、「単語集には例文が必要」とどこかで言ったと思いますが、しかし復習の音声教材の場合には、例文は不要です。音声教材での復習の場合は、単語だけの日本語訳と英語発音さえ、ありさえすればいいのです。
もしかしたら、長文読解や問題練習をするよりも先に、英単語の音声教材のほうが21世紀の英語学習では必要かもしれません。
音声教材による暗記は、機械的な丸暗記に近いですが、しかしそうでもしないと単語が多すぎて高校3年間でカバーしきれず、長文読解や問題練習にも時間を掛けることができなくなってしまいます。
長文読解には、時間が掛かってしまいます。21世紀の今や、単語力を高めないと、長文読解に時間が掛かり、効率が悪くなってしまうからです。
たとえば皆さん、英単語 obvious を聞いたら、5秒で「obvious 明らか」という和訳が脳内に出ますか? ほとんどの英単語の和訳がこのハイスピードで出ないと、難関大の入試では長文読解が試験時間内に出来ないのです。
なので、音声教材でのハイスピードの丸暗記で、この脳内の和訳スピードを高めるしかないのです。
入試対策では、現代の国公立大をふくむ大学入試英語は、けっこうな長文で、4500語レベルの英単語が出ます。
なのに、もし1つの単語を思い出すのに20秒とか30秒とか掛けたり、あるいは前後の分かる単語からの推測に20秒も掛けては、もう読解の時間が足りず、不合格になってしまうのです。
おそらくもう、文科省は英語教育のコントロール能力を失っています。なぜなら文科省は探究学習を推進していますが、しかし「探究学習」では、英語長文のハイスピード化にまったく対応できないからです。にもかかわらず、大学受験において、英語や英検の占める比重が、どんどん重くなっています。もう文科省は、教育政策の細部が矛盾しています。たぶんもう、文科省は自分たちの教育の実情がどうなっているかも理解できていないか、あるいはコントロール能力を失っています。
さて、中学を卒業したばかりの「go 行く」「come 来る」「sit down 座る」とかなら、みなさんも5秒で出てくるでしょう。まるでペットのイヌの躾(しつけ)みたいな go , come ,sit ですが、しかしまさに家畜のシツケみたいなハイスピードで「obvious 明らか」と瞬時に5秒くらいで和訳が出てこないと、もう入試問題を時間内に解けません。
プライドを捨て、そこらのサラリーマンみたいな社畜(しゃちく)のようになってください。そういう態度を、日本の大学入試は要求しています。
イヌみたいな態度で、英単語の音声教材のリスニングという躾(しつけ)に従ってください。
さて、英単語の音声教材を聞くのを1周か2周して、それでも頭に入らない単語だけ、書籍の英単語集などに戻って確認して重点的に覚えましょう。それでも頭に入らない単語は、もう、模試などで出会った単語だけ復習するとか、ほかの教科の学習もあるので、最悪、あきらめるしかないと思います。時間が足りません。
どのレベルから始めるか
編集さて、いきなり高校1年で入試対策レベルの単語集を使っても効率が悪いので、まずは基礎レベルの単語から始めるのが良いでしょう。
読解練習や文法練習よりも先に、単語力を増やす練習が大事です。熟語集の暗記よりも先に単語集あるいは単語・熟語集の暗記を優先してください。
英単語を勉強する際、まず最初は、なるべく早く、その単語集の全体の単語と例文を書き終えます。もちろん、それだけでは全部の単語は覚えられませんが、そのほうが次の理屈で効率が良いです[23]。
たとえば1000語ある単語帳を2週間ですべて単語と例文をそれぞれ1回だけ書き写したとしましょう(実際は他教科もあるので無理かもしれないが置いとく)。
たとえ3割しか覚えられなくても、なんと計算上、300語もの単語(=1000×0.3)をたった2週間で覚えられます。たった1周するだけで良いのです。というか、むしろ、けっして3回や5回も書き写すのではなく、最初はたった1回のほうが良いのです。
もしこれを同じ期間に100個だけ限定して熱心に難度も読み書きして覚える方法をすると、たとえ仮に100%覚えたと仮定しても、計算上は100語までしか覚えられません。まして実際には100%は無理でしょうから、よくて80%を覚えて、80語ていどでしょうか。
よって、先に単語集の単語を、たとえ覚えられなくても良いので、全部の単語を書き写すほうが効率が良いのです。
じっくりと何度も読み書きをして確実に覚えるのは、そのあとからです。
入試の現状で、どの教科も覚えることが増えて時間が無いのに、英語では多くの単語を覚えないといけないので、こういう工夫が必要です[24]。
また、参考サイトには書いてないですが、とにかく早めに単語を学ばないと、いつまで経っても英文読解の勉強を始められません。よって、高校入学後の割と早い時期や、および高校2年の初めごろに、まずは、それぞれの学年にあった単語集の単語を一通り通読する必要があります。
高校や塾などの小テストで週に50語~100語とか覚えるのは、それはそれでヤレバいいのですが、それとは別に、単語帳を1周、ぜんぶ早めに書き写すのです。
大学入試では、高校入試と違って、国公立の大学ですら、理系の高校生などを無視した、教科書レベルをやや超えた難単語を平気で入試に出してきます。このため、とにかく上記のような工夫が必要です。
標準レベルの3000語レベルの単語が高校2年あたりでひととおり終わったあたりから、桐原・東京書籍の4,500語に加えて予備校など受験対応の単語集も買って練習します。まだ、平均レベルの単語集を覚え切れて無くても構わないので、受験レベル(4500~5500)の単語集を勉強します。
学生・受験生の勉強科目は、数学など、英語科目以外にもあるので、大変でしょう。ですが、うまくスケジュールを工夫して時間を作ってください。
さらに単語を定着させるためには、英文読解やリスニングなどの単語以外の他の練習もします。
単語集のレベル別の利用法
編集初級レベル(1700~1800語)はまず不要
編集中学できちんと勉強してきた人なら、初級レベル(1800語)レベルの 単語集には、高校生には不要です。これは、どちらかというと中学3年~高校受験用のものです。
普通に受験勉強をしてきて偏差値48以上ぐらいの人なら、1800語レベルは買う必要はありません、。
本屋で表紙を見ると「高校基礎レベル」とか書いてあるかもしれませんが、ウソではないですが誤解を招く表現です。表紙の宣伝文句は信用しないでおくのが安全です。
この1700~1800語レベルは、おおむね英検3級レベルか、それに毛の生えた程度です。英検3級と英検準2級との間には、かなり難度の開きがあるので、このレベルの教材は英検教材コーナーにはないので、これはこれで1700~1800語レベルは出版・販売されてると便利です。
この1700~1800レベルの後半を見ると、中学で習わない単語も書いてありますが、しかしそれを買わなくても3000語レベルにも同様の単語が書いてあります。
たとえばある1700レベルの単語集で injure (けがをする)という単語を見つけましたが、同じ出版社の 3000語レベルでも同じ単語がありました。
わざわざ初級レベルの単語集で練習しなくても、中級(3000語レベル)の練習での例文の書き取りなどのついでに、自然と初級レベルの単語のスペルも身についていきます
なお、初級レベル(1700~1800)の単語集の中に書いてある「高校1年 基礎レベル」みたいな難度の情報は、あまり信用してはいけません。(実際に買ってみて読んで確認しました。)ある単語集でそのレベルの単語を確認したら、いくつも中学レベルの単語がありました。 year (年)とか month (月)とかの中学で習ったはずの単語が、「高校1年 基礎レベル」になっていました。
どうしても1700~1800語レベルを活用するなら、どっちかというと単語練習よりも、高校受験のレベル確認用と言うか、「高校受験の終わり~遅くとも高校1年の1学期の終わりまでには、大体この程度の単語は出来るようになって欲しい」といった確認のためのツールでしょうか。
3000語レベル
編集基本
編集特別な事情がないかぎり、高校生は3000語レベルから単語集を勉強すると良いでしょう。
いきなり3000語を使うのは中学と高校の橋渡しに不安かもしれませんが、しかし出版社側が3000語レベル本の冒頭の第1章で、中学単語の復習およびそれを高校の視点で理解しなおす勉強をしてあります。桐原と東京書籍のどちらとも3000語レベルの本の第1章は、そういう中高の橋渡しのための単語の紹介です。
逆に、4500語レベルの本には、そういう橋渡しが書いてないので、高校1年では4500語レベルは不適切です。
- スペル暗記の対象について
スペルの暗記について、実は中級の単語であっても、すべてを暗記する必要はないし、すべてのスペル暗記は面倒です。優先して覚えるべき単語は、知的レベルの高い単語です。
また、東京書籍『コーパス』シリーズの単語集の前書きを見てみると、実は3000語レベルは「受信語彙」としており、つまりリーディング用の語彙にすぎず、受験の英作文などでは高校新出単語の多くは基本的に用いないことを想定しています。
受験では短時間に英文を書かないといけないので、中学レベルに毛の生えた単語力に、若干の高校中級レベルの単語を加えて、それで英作文を完成させれば十分なのです。もちろんビジネスの仕事の英文とは違いますが、そういう実務の英作文はそういう専門家の大人にまかせればいいのであり、高校生には関係ないです。
東京書籍の意見ではないですが、具体的に単語例を挙げて説明するなら、たとえば respond「応答する」 と nod 「うなづく」だったら、respondのほうを優先してスペルを覚えなければなりません。
なぜなら、respond のほうが名詞形の response などもあり、応用が多く、意味も広範であり英作文などで使わざるを得ない可能性が高いからです。一方で nod のほうの用途は、誰かがうなづく場面どまりです。また、ノッドの名詞形や形容詞形はないと思います。
また、nod はビジネス英語などでも agree 「賛成する」で言い換え可能です。入試の英作文ですら、ほとんどの場合は agree で十分でしょう。
この nod のように、利用価値の低い単語は、スペル暗記は後回しです。せいぜいリーディング用に「そういう単語もあるんだなあ・・・」と知っていれば十分です。
実は中堅私大や地方国立の英文の単語は、学科によっては案外センター試験ほど難しくない場合もあります。
さて、残念なことに、高校の単語集あたりから、だんだんと英語教育の質が形骸化しており、単語集がやみくもに単語数を多く紹介したいあまりに説明不足になってきています。
たとえば中級単語で content (満足する)という形容詞があるのですが、じゃあ satisfied (満足する)とどう違うのかは、単語集には書いていません。なぜならcontent は中級レベル、satisfied は初級レベルの単語なので、本を別冊にまたいでしまうからです。こういう縦割り教育なのが現状です。
辞書で content を調べるような思慮深い人は、他の単語を覚える勉強時間が不足してしまうので入試では不利になってしまうわけです。ひどいもんです。
- 2冊買うべきかどうか
3000語レベルの単語集(桐原『データベース3000』や東京書籍『コーパス3000』)については、2冊そろえるべきか1冊に集中すべきか、判断が分かれるでしょう。実際に各自が単語集を読んでみて判断してください。べつに2冊あっても構いませんし便利ですが、他の教科の勉強などもあるので、難しいところです。
旺文社の『英単語ターゲット1200』も、中級レベルでしょう。
あるいは、2冊そろえれば例文の数が単純計算で2倍になるので、辞書でいちいち高校レベルの例文を探す手間が減りますので、2冊目の単語集にはそういう活用法もあるかもしれません。あるいは、問題練習とかの手間を2冊目の単語集で減らせるかもしれません。
このように2冊目の単語集は便利かもしれませんが、しかし目的が上級レベル(4500~5500語)と中級レベル(3000語)では違います。
まあ各自がどうするか判断してください。
なお、東京書籍『コーパス3000』は、数字だけ見れば桐原『データベース3000』と同じですが、しかし東京書籍のほうで3000語レベルのもの(たとえばinjure)が桐原の4500語レベルに書いてあったり、あるいは別の単語ではその逆で桐原3000レベルの単語が東京書籍4500語に書いてあったりと、あまり分類は明確ではありません。
3000語の語法は初めは深追いするな
編集偏差値の低め~平均程度の大学のなかには、4500語レベルの単語をあまり出さない代わりに、3000語レベルの範囲の単語で、やたらと細かい語法を要求する問題もあります。
しかし、4500語レベルや5500語レベルも勉強する一方で、いつまでも3000語の語法ばかりを覚え続けるわけにもいきません。
だから勉強法としては、極端なことを言えば、3000語の語法を熱心に練習するよりも先に、まず4500語レベルの単語集で一通り、単語の訳を暗記したほうがマシです。
実際、入試問題にも、そういう傾向もあります。
文系私大の偏差値50前後の平均的な大学が3000語レベルの細かい語法を4択問題などで聞いてくる一方で、文系私大の偏差値60くらいの大学のある出題が、4500語レベルで単語の和訳の丸暗記だけで4択問題が解けてしまう、といったような出題事例も少なからずあります。
上級レベル(4500~5500)の単語集について
編集原則
編集もし大学受験を目指しているなら、高校3年くらいになったら、4500語+アルファの単語集にステップアップします。ここでいうアルファは、予備校などの出している、補足的な単語集です。
いっぽう、桐原の5500語レベルの単語集は、あれは古い内容であり、現代とは異なります。せいぜい、志望校などの傾向の大まかな確認用などで、辞書的に使うものです。よって、けっして桐原5500をメインにするべきではありません。桐原4500語または東京書籍4500語を一通りクリアしたのなら、メインの単語集としては旺文社1900または予備校系の単語集に入るべきです。
旺文社の(1200ではなく)『英単語ターゲット1900』は、実はやや高レベルです。東京書籍4500・桐原4500にはない単語でも、旺文社1900には記述されていることもあります。なお、それらの単語の元ネタは、受験過去問もありますが、じつは英検2級~準1級あたりです。
旺文社のは、数字の小ささにダマされてはいけません。桐原や東京書籍の数字とは、旺文社の数字は意味が違います。
桐原4500はその装丁の厳めしさ(いかめしさ)などに比べて、実はやや単語のレベルは控えめです。東京書籍も桐原のスタイルを踏襲しているような所があり、やや控えめのレベルです。
だから旺文社は、派生語などで、桐原・東京書籍が紹介してない単語をポンポンとたくさん紹介しています。
このため、現代でも勉強法としては、「まずは高校2年の終わりまでに東京書籍または桐原の出している高校用参考集をベースに勉強。高校3年あたりで旺文社のレベル高めの単語集を買い足して勉強する」といった感じになるでしょうか。
4500語レベル単語集では、桐原と東京書籍のどちらの単語集でも不足です。なぜなら、単語集1冊だけでは、例文不足かつ解説不足により、あまり役立ちません。なので少なくとも上級レベルだけ、出版社を変えて2冊、必要でしょう。東京書籍4500+旺文社1900にするか、それとも桐原4500+旺文社1900にするか、判断は読者に任せます。
具体的に単語をあげて説明すると、たとえば「限定する」という意味のrestrict と confine、ともに似たような意味ですが、単語集には意味の細かい違いは書いていないか、書かれていても強調されていません。
桐原の単語集だとこの2つが類義語だという情報はあるのですが、しかしニュアンスの違いが説明不測です。
一方、東京書籍および旺文社だと、restrict を「制限する」の意味で説明しているのでニュアンスの違いは分かりますが、しかしconfineと類義語である情報が欠落していました。
さてconfine のほうが、「地理的に制限する」=「閉じ込める」のような意味合いが強いのですが、旺文社の単語集だと「閉じ込める」の意味もあるのですが、しかし桐原の単語集にはそこまで書いていないのです。
かといって東京書籍のほうには、confine の「限定する」の意味が書かれていません。
また、restrictは(限度内に)「制限する」という意味もあります。むしろ、こっちの意味で紹介している単語集もあります。
どちらの単語集を使うにも、例文が不足しており、ひとつの単語集だけでは意味がまったく分かりません。困った教育状況です。本来なら入試に出題する単語を減らすなどして理解を深めさせるべきでしょうが、しかしそういった教育が出来ていないのが日本の現実です。
それでも、まだしも大学受験用の単語集は、なんとか教育効果を高めようとした形跡も見られるのでマシです。なので、単語集を2つ組み合わせると、なんとか役立ちます。一方、TOEIC 高得点用の教材とか英検の1級あたりの教材の単語集とか、やたらと単語数を多くしているばかりで、ひどいものです。(資格本の活用法については別セクションで述べる。要点:出題傾向を把握する目的だけに英語資格本を使う。)
なお、桐原の場合、紹介する単語数そのものは旺文社などと比べて減りますが、その代わり、一語あたりの用例の多さが長所であり、桐原では他の単語集には無い語法などを紹介しているなど、単語1つあたりの情報量が桐原では増えています。なので、桐原の単語集も油断はできません。
かといって高校生としては、英単語集ばかりをそう何社も比較して勉強するのは無理でしょうから(数学など他教科の勉強も必要だし、英語の勉強も単語以外にも読解練習やリスニングなど多々あるので)、受験では結局、すべての単語は覚えきれない状態で挑むことになるでしょうか。
大学受験もその後の資格試験も、けっして満点はとる必要は無く、人生の目的に必要な志望校などの合格最低点を上回って合格さえ出来ればいいのです。
別に大学受験の英語に限った話ではないですが、大学受験において、平均以上の大学の入試では満点をとるのは基本的には困難であり、普通は満点は無理です。小中学校の校内テストと事情が異なります。
4500語以上のスペルは実は覚えなくていい
編集実を言うと英語のスペルの暗記については、4500語レベルおよびそれ以上のレベルの単語のスペルは、まず覚える必要が低いです。
なぜなら英作文や和文英訳であまり使わないからです。
また、東京書籍4500の後半部の単語などは、実はもうその1~2回のスペル練習すら、しないでも済むのです。おおよそのスペルと用法のイメージを頭に入れれば十分でしょう。
また、グローバル人材の育成などを目指す大学ならば、英作文などを要求してくると思いますが、だったら英作文で使うようなレベルの4500語の中盤くらいまでで十分なのです。むしろ、4500語レベルですらスペルミスなく習得していたら、かなりの勉強家です。
ましてや5500語レベルの単語については、読解問題で出題されたときに意味を把握できればいいのです。仮に5500語レベルの単語のスペルを暗記させる問題を出す大学があっても、どうせ他の現役受験生の多くも解けない問題なので、実質的にスペル暗記は5500語レベルでは無視していいでしょう。
一部の浪人生で文系専願の人なら解けるかもしれませんが、難関大を目指して4浪だの8浪だのしている連中と、現役生は張り合ってはなりません。
TOEICなどの国際的な資格試験では普通、書き取りをしません。なぜなら採点の手間の都合で、TOEICでは選択問題ばかりです。大学側が入試で入学後のTOEIC対策などを考えた出題をしたとしても、スペル対策はもはや不要なのです。
英検でスペル暗記を使うかもしれませんが、しかし英検は日本でしか評価されません。
桐原5500は論外として、
正直、時間的に現役高校生が、桐原『データベース4500』と東京書籍『コーパス4500』または旺文社『英単語ターゲット1900』を使いこなすレベルにクリアするのですら、高校3年間では少しキツいと思います。たぶん多くの高校生は予想では3年生のときに「上級レベルの単語集の用法や用例を覚えている最中に、時間切れで、高校3年の卒業式を迎える」という結果になると思います。なぜなら、このレベルで、急に単語を覚えるのが難しくなるからです。かといって中級レベルまでしか勉強しないと、卒業後の実務のリーディングにも不便なので、上級レベルを高校3年で教えるのにも意義のあることなので、教育者には悩みどころなのでしょう。
なので勉強法としては、4500語レベルをクリアできなくてもいいので、ある程度の勉強をしたら、予備校などの出しているレベル高めの単語集をいくつか買います。
諸般の事情で、東京書籍・桐原・旺文社が紹介していないが、高校生に勉強してほしい定番の単語みたいなのがあって、そういうのが予備校系の単語集で紹介されています。
予備校の単語集は何をしているか
編集歴史的な事情で、今の4500語レベルの単語集には書かれていないが実は昔の1990年代ごろまでの高レベル単語集には書かれていた単語があります。
そういう単語が、難関大学で狙われるかもしれません。旺文社1900や桐原・東京書籍4500語にない単語の正体のひとつは、そういう昔の課程の単語です。
で、それが予備校系の単語集の元ネタのひとつでもあります。
東京書籍・桐原の3000語レベルや4500語レベルで旅行会話のような実用英語が増えたりビジネス英単語などが増えたので、昔なら4500語レベルに書いてあった単語のいくつかが今は5500語レベルにハミ出ているのです。なので、予備校などの出す、受験レベルの単語集が1~2冊は必要です。そういうハミ出た単語だけ、あとは予備校系の単語集で抑えておけば十分なのです。
予備校の単語集を見てみましたが、実はそれほど特別な英単語はないのです。また、じつは、桐原4500などの学校向け単語集の単語すべてを均等に覚える必要はなく、やや傾向があります。
たとえば旅行英語で使う単語など、検定教科書にあるから桐原・東京書籍は紹介しているものの、あまり大学が重視してない項目もあります。
だから、桐原/東京書籍 に加えて、旺文社ターゲット、さらに別の予備校系などの高校3年レベルの単語集を何か1~2冊つかって知識の穴埋めをすれば、もう十分でしょう。もしかしたら、高校2年からもう、予備校の出版している難関向けの単語集を使ってもいいかもしれません。
受験英語の特殊事情
編集大学受験英語の特殊な事情ですが、明らかに高校範囲外で実用的にもメッタに使われていない英単語が難関大学で出されており、当然に読めないのですが、しかしなぜか他の文章の単語から文脈にとって意味をとれるようになっています。
もちろん、現実ではそんな好都合なことは滅多に無いのですが、受験の英文はたいてい都合よくそうなっています。
また、万が一、他の英文の文脈から読めない単語が出ても、どうせ他の多くの受験生も解けないので、そういう問題は解けるようにしておく必要がありません。
ともかく、入試対策としては最低限、東京書籍4500・桐原4500をベースに、さらに旺文社1900で派生語を固める必要があります。加えて、それとは別に、予備校などの出す、プラス・アルファ的な受験レベルの単語集が1~2冊は必要です。
英単語集の読書計画
編集最初から高校在学中の読書計画に、英単語集の読書を想定して組み込んでおくと良いでしょう。また、桐原・東京書籍・旺文社あたりに基本の単語集とは別に、他社の少しだけ発展的な単語集を読書感覚で読むと良いでしょう。
高校必修の範囲を越えた単語や派生語などは、読書感覚でひととおり解説に目を通すだけの単語集の勉強でも十分に対応できる場合も多くあります。
しかし、いちども読んだこともない単語は、さすがに入試で対応できません。だから、一度でも解説に目を通してしまえば、済む単語も多くあるのです。
なので、広く浅くでいいので、読書しておく必要があります。
大学受験に必要な単語量について
編集一般に、大学受験で、難関な学校の英語を読み解くには4000語程度を知っていることが望ましい。
世間でよくある勘違いとして、「近年はリスニング導入などにより単語数が減ったから、用法を覚えるのを中心にすべきだ」という知ったかぶりの勘違いがありますが、しかしそれは「90年代のような(現代換算で)6000語レベルとか7000語レベルとかやってた受験戦争の時代ほどは、2020年代では多くの単語を覚える必要が無い」という意味です。そんだけ昭和や平成初期の受験戦争は、片寄っていたというだけです。現代だと早稲田や上智の英文あたりしか出さない難しい英単語を、昔はマーチ文系学部や関関同立なども出していた、というだけです。
2020年代の現在での平均的な大学受験レベルである4500語レベルまでは、さっさと目指してドンドンと覚えてください。もちろん用法なども覚えるのは当然です。
「単語数が減った」という意味は、「英検1級やTOEFLにしか出ないような超マニアック単語は出ない」という意味です。(たとえば redemption 「(キリスト教用語)人間の罪のあがない」(なお、おそらく「罪」とは宗教的な原罪)みたいなマニアック単語は大学受験では出ないという意味。)
実際に入試に redemption が出たかはともかく、ひょっとしたら英検1級/TOEFL単語もチラホラと出るかもしれないとして、一部の文系受験生はそういう単語も勉強してたわけです(まだ今ほど受験ノウハウが、インターネットで共有されてなかった時代だったので)。
つまり、難解な単語も多い桐原5500は、あれでもマシなほうなのです(なぜなら、実際に入試に出た単語を中心に掲載しているので)。英検1級/TOEFLの単語集は、桐原5500をはるかに超え、もっとマニアックで(高校生にとっては)ひどい教材です。そういうのが英検1級/TOEFLです。
学部ごとによる出題傾向の違い
編集単語集などで出題校を見ると、学部名が書いてないですが、実際は学部によって出題傾向がけっこう違います。少なくとも1990年代はそうでした。
基本的に、理系の学部では、5500語レベルのような、あまりに難しい単語は出ません。そういうのを出すのは、よほどの難関私大や、それも文系の学科です。少なくとも2001年ごろはそうでした。理系学部が出すのは基本、化学英語を除けば、せいぜい旺文社ターゲット1900のような、どこの書店の参考書コーナーでも入るような単語です。少なくとも2001年ころの私大では、法政大学の理系学部および東京理科大および四工大(芝浦工大や工学院大など)はそうでした。2001年くらいの昔なら3000語レベルの単語力でも、マーチ理系や四工大に合格しました。もしネットなどで歴史として「4500語レベルが無いと、2001年ごろはマーチ理系や四工大に受からなかった」と主張する人がいたら、ウソツキです(あくまで2001年ごろは、3000語レベルだった、という過去です。2020年代ならマーチ理系の四工大でも4500語レベルが出るかもしれません)。
今だと4500語レベルの単語集(東京書籍や桐原のヤツ)を高校で与えられることも多いでしょうから「簡単そう」だと誤解してそうですが、しかし実際は4500語レベルは決して簡単ではないのです。塾・予備校などの関係者で「簡単だ」と言ってる人は、まあ文系科目しか出来ないハッタリ人間か、理系なら浪人出身か、現役合格の実績なら医学部受験サイボーグみたいな人とかです。
理系の学部の入試では、英文科ほど難しい5500語レベル以上の単語は出てきません。もし仮に出てきたとしても、相手する価値が無い大学です。それとは別に、理系の大学では、科学英語などが出る場合があります。特に私大は、少なくとも1990年代はそうでした(当時、科学英語の参考書が少ないにも関わらず、マーチでも青学あたりがそういうの出していた)。私立だけでなく国立でも、東大や東工大などの国立の難関理系大学でも、昔は科学英語を出してた時代もありました(今はどうか知りません)。
ほか、最近はどうか知りませんが、桐原5500の単語を見ると「輸血」の英語など、ちょくちょく医学的な英語があったりして、90年代くらいの昔は出たようです。
常識的に、医学部などで、そういう長文でも出したのでしょう。もしかしたら他学部の出題かもしれませんが、志望以外の専攻の専門用語までは付き合いきれません。
もし今の書店の受験参考書コーナーにそういう科学英語の単語集があれば、今でも出るのだろうし、無ければ、出ないと出版社が判断したのでしょうから、書店の状況に従えば安全だと思います。
赤本などの過去問などで、もしかしたらそういう専門的な英単語を勉強できるかもしれません。志望校にもよるので、念のため、過去問などを確認してください。
もし、普通の書店にある単語集に無い単語ばかり出す国立大学があれば、批判されるべきです。国民の税金で運営されているのですから、どこに住んでる国民でも勉強できる単語でないといけません。
私大の単語はどうか知りません。
早慶マーチなどの大学の英語では、専門科目の英米の原書を読む授業が、理系学部でも文系学部でも存在していたらしいですが(今は知りません)、たとえそういう科目の単位を取れてる大卒だからって、付属高校出身者は4500語レベルや5500語レベルの単語をいちいち片っ端(かたっぱし)から覚えてるわけではないのです。授業で習った単語だけ、(理系にとっての科学英語と同じように)専門用語のようなものとして覚えてるだけです。少なくとも立教大学の法学部の付属高出身の卒業生はそうでした。
単語の小テストばかりを受けても、復習しなければ単語力は身に付かない
編集学校や塾で、単語の小テストを受けさせられる場合もあるでしょう。「単語集の○○ページから△△ページまでを小テストで出すので、書き取り練習して覚えるように」という小テストです。
たいていの高校生の場合、予習はテスト前にしますが、いっぽうで復習をしているかどうかは、個人任せです。
ですが、小テストをいくら受けても、復習しなければ、単語力は増えません。
もし、単語の小テストを受けたままで、その後は復習せずに、ほったらかしにしてしまったら、何も単語力が伸びません。
単語テストは、テストを受けた後に、自分の未修得の単語を復習するために存在しているので、テスト後に復習をする必要があります。(もちろん、テスト前に予習も必要である。予習をしていれば、未修得の単語が減るので、復習の単語数が減る。)
要するに、小テストの使い方は、全国模試の使い方と同じです。
全国の高校や塾のうちの一部では、どうも、小テストの目的を忘れていて、「とにかく毎週、単語の小テストをすればいい」と安易に考えているような教育も、ある気がします。
ここを読んでいる読者高校生は、小テスト本来の目的を思い出して、小テスト後には復習と予習をしましょう。
さて、たいていの高校や塾では、1週間に1回のペースで、単語20〜50語ほどの記憶をはかる小テストをしていると思います。
1週間ごとに50語ほどのペースで単語小テストをしていれば、充分にハイペースですので、それ以上は週あたりの単語数を増やす必要はありません。(英語が好きなら、さらに勝手に単語数のペースを増やせばいいだろう。)
裏を返せば、復習をしきれない量の単語小テストを毎回受けさせられても、非効率です。例えば、1週間ごとに300語の単語小テストを高校で受けたとしても(ただし高校1年の1学期だと、中学英語の復習で、そういう数百問のテストもありうる。しかしそれは期間限定)、そんなに英単語ばかり復習しきれないでしょう。(数学など他教科の勉強もありますし。)
万が一、そういう高校や塾の場合(1週間に300語の単語小テストの場合)、その高校や塾の小テストは後回しにして、自分で単語を予習・復習しましょう。
ただし、定期試験や期末試験などで、今までの単語小テストの合計の数百語のなかから単語が出題される場合は、多くあるので、その復習はしましょう。つまり、学期内の小テストは、その学期中に復習し始めましょう。(どのみち、テスト後にも補習などがあるだろうが・・・)
夏休み明けや、冬休み明けに、前の学期の小テストの範囲内の単語が出題されたりしますので、休み中にも、復習しましょう。(予習も忘れずに。小テストは最終目的ではなく、入試合格などが、より本質的な目的なので。)
同様に、3学期の年度末の期末テストなら、1年間の小テスト範囲の合計1000語ちかくがテスト範囲に含まれる場合も多いので、その復習はしましょう。つまり、年度内の小テストは、その年度中に復習し始めましょう。(どのみち、テスト後にも補習などがあるが。)
辞書よりも単語集の2冊目
編集そもそも普通の英和辞典には、英語例文がコロケーションしか書いていない場合があります。なので(辞書は例文が不足しているので)、辞書を読むよりも先に単語集の2冊目を買って読むのが先です。
英和辞典は、けっしてそれ単独では英語学習ができるようには作られていません。
理由は、けっして、単に「辞書をひく時間がもったいない」とかの問題ではなく、そもそも上述のように辞書の英語例文はコロケーションだけの例示しかない場合も多いので、完全文が不足している場合も多数あります。
このため、辞書だけでは学習が不可能です。
信頼できる別の単語集や参考書があって、初めて英和辞典が役立つようになっています。
あるいは、辞書は翻訳家などの仕事のためのものであり、学習用ではありません。
大辞典とかを買わないと、十分な量の例文が見れない場合があります。大辞典を持ち運ぶのは一般人には面倒なので、したがって普通の学生は、単語集を買うことになります。
なので、「英語の勉強のコツは、辞書を引くことだ」とか言っている人は、知ったかぶりのウソツキです。
同じ暗記法を3周以上、続けない
編集4500語レベルの学習では、たとえば、英語の記憶のための勉強で、書き取り練習をしてもどうしても覚えられなさそうな単語がある場合、練習方法を可能なら変更し、リスニングなど別の練習法に変えてください。「3周」という基準に特に根拠はなく、目安に過ぎないので、4周でも2周でも、人によって基準を変えて構いません。
同じ練習法を続けても、脳があきてしまったりして、印象に残らないので記憶にも残らず、いまいち記憶の効率がよくありません。
同様、リスニングばかりしても覚えられない単語は、書き取りやリーディングなど、別の手段での暗記を試みてください。
3000語レベルなら、日常でも耳にする語が多いので、リスニングなども省けます。3000語レベルまでなら、例文の書き取り練習ばかりでも、おおよそゴリ押しできますし、学校の授業などでリスニングをある程度は補えるかもしれません。しかし4500語レベルになるとそういう単語が減ってくるので、リスニング成分を自分で摂取する必要があります。
高校の4500語レベルの場合、覚えなければいけない単語がとても多いので、上記のように色々と練習方法を変えてみる必要があります。
速読英単語の今・昔
編集Z会の速読英単語は、1990年代の初期のころの構成と、2020年代の現代の構成とが、大きく変わっており、名前だけブランドを維持していますが、実態は別の書籍です。なので親世代の人は、指導の際、気をつけましょう。(他教科の参考書だと、それほど変わっていない。たとえば理科の数研出版のチャート式の化学や物理とか典型。)
2020年代の速読英単語は、過去問集です。難関大学や難関高校(入門編)の過去問と、その単語の解説です。また、大学の過去問のほうは、元ネタが割と古い10年前~15年前とかの英字新聞や英語論文です。
1990年代の初期は、たぶん独自作成の英語長文もあったり(手元にないので推測です)、あと、コラムが長い。たとえば当時、半導体ブームだったこともあり、半導体の先端研究の英語長文とか日本語のコラムとかあって、なんかIBMの研究所でどうのこうのとかいう例文だかコラムがあって、原子を並べて「IBM」の文字をつくるほどにナノテクが進んでいるというコラムがあったり。単語の掲載とは関係なく、なんかコラムがあって、しかも対談形式のコラムで、なんか独自キャラ2名が雑談風に対談する形式。そして何より、半導体やIBMの紹介でも分かるように、割と近年の時事的な内容だったわけで。
名前だけブランドが残っているが、1990年代の初期のアレは実質的に、絶版したのだ。
- ^ [ https://www.youtube.com/watch?v=m6QjfHy4cZk 『【リクエスト回】LEAP英単語は基礎が多いという噂は本当かプログラミングで検証してみた【ターゲット1900】【新オープニング】』 , 2022/01/27 , 8:20 あたり]
- ^ 『ターゲット1200〜1900まで極めたいなら1400は飛ばしていい理由を、プログラミングの配列を使って説明する【大学入試】』 2021/02/19 , 14:50
- ^ (動画)CASTDICE『東大卒塾経営者が「正しい暗記術」を教えます』, 2020/12/06 ,
- ^ 『【玉置全人流】すべての受験生に伝えたい、最強の英単語の覚え方』 , , 2023/10/18
- ^ 『【玉置全人流】すべての受験生に伝えたい、最強の英単語の覚え方』 , , 2023/10/18
- ^ 『【玉置全人流】すべての受験生に伝えたい、最強の英単語の覚え方』 , , 2023/10/18
- ^ 『【玉置全人流】すべての受験生に伝えたい、最強の英単語の覚え方』 , , 2023/10/18
- ^ 『【共通テスト】ターゲット1400だけで足りる?』, 武田塾チャンネル , 2022/07/28 ,1:10
- ^ 『英単語最前線2500 新刊レビュー!【英語参考書ラジオ】』 2023/06/03 ,17:00 あたりから
- ^ (動画)morite2『鉄緑会東大英単熟語鉄壁の効果的な使用法【著者直伝】』 2019/10/19 . 7:20
- ^ (動画)篠原好『英単語帳『鉄壁』の使い方・注意点・勉強法~偏差値70を確定させる英語教材【篠原好】』2021/07/2
- ^ 斉藤淳 著『親世代の常識は通用しない! 大学受験の英語は「超難化」している!』、ダイヤモンド・オンライン、
- ^ 『受験に、リベンジはいらない』
- ^ 野口悠紀雄@yukionoguchi10 ,午前11:29 · 2024年6月7日
- ^ 野口悠紀雄@yukionoguchi10 , 午前11:29 · 2024年6月7日
- ^ 『エースクラウン単語ランキング』
- ^ 『エースクラウン単語ランキング』
- ^ 船登惟希 『改訂版 高校一冊目の参考書』、KADOKAWA、2019年3月18日120ページ
- ^ 『【学校ガチャ】新学期に学校で配られても無駄になる参考書』 2023年05月25日(木)
- ^ 『受験生必見!高1生も必見!⚠ 【シス単】が入試に向いている理由』 2022年06月09日(木)
- ^ 『[新高1,2生向け英単語帳の選び方について 武田塾王寺校』 2024年04月25日(木) ]
- ^ 『英単語暗記必勝法!今こそ苦手を克服せよ!』 2022/12/13
- ^ 『英単語暗記必勝法!今こそ苦手を克服せよ!』 2022/12/13
- ^ 『英単語暗記必勝法!今こそ苦手を克服せよ!』 2022/12/13