文法

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参考書に種類がある

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高校英文法の参考書には、

  1. 網羅的に、高校英文法のすべての単元を網羅的に紹介・解説した参考書と、
  2. いっぽうで高校生の入門の目的のための一部の単元やあるいは受験頻出だと著者の考える一部の単元を抜粋した文法書、

という2種類があります。

高校英文法のすべての単元を網羅的に紹介した文法書には「総合英語」のような題名がついていると思います。「エバーグリーン総合英語」とか「ジーニアス総合英語」とか「インスパイア総合英語」とか「青チャート総合英語」とか、そんな感じのヤツです。

まず、この網羅的な文法書を買いましょう。

高校などで買わされるのも、この網羅的な文法書の方だと思います。

抜粋系の単語集は、必要な人が買えば十分です。

助動詞のニュアンスは時代で変わる

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ほかの節でも言いますが、助動詞の would you ~ ? と Could you ~? のニュアンスの違いは、入試には出づらいのです。

理由はいくつもありますが、理由の一つに、そもそも当の英米でも、助動詞の意味は時代によって微妙に変化していくのです。

英語学者の人たちが、英米での実際のさまざまな著作物での英語の使われ方の統計(コーパス)を元に、そういう単語の意味の変化を追っています[1]

助動詞は、なかなか、意味が微妙に変化しやすいのです。

もともとニュアンスを表現するために助動詞があるので、けっこう助動詞はやっかいなのです。

そのため、助動詞の意味の違いを問う入試問題がもし出るとしたら、意味が大きく違う場合しか出ません。

また、英語の古語では(古代や中世の英語のこととする)、今のmustは古語では許可の意味で may のような意味だったり、今のmay は古語では可能の意味で今の can のようだったり(形容詞mighty「力強い」のスペルと意味に名残がある。might は何かを可能にする力)。

このようび、ある助動詞が古語では別の助動詞の意味だったりするので、これらのニュアンスの違いを問う出題は少ないのが普通でしょう。つまり、mayとcanのニュアンスの違いを問う問題は、かなり出づらい。

mayとcanは、現代語でも意味が近い用法が多いし、古語ではそもそもmayが可能の意味だったりするので、とても厄介なのです。

mustには「勧誘」の意味の用法もあります。「勧誘」の意味のmustと、「許可」の意味のmayの違いを問う出題は、無い事が上記の背景から分かります。(研究者が論文にて論ずるレベルになってしまいます。)


こういった古語の事情もあるので、助動詞の意味は変化をしやすく、英語研究者による注視が必要なのです。

このため、あまり細かいニュアンスの違いは、入試には出ません。出題者の負担が重くて過労をしてしまいますので。

類義語の区別は入試に出づらい

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上記の英語の古語と関連して、類義語の区別を問うような問題も、入試では出ないでしょう。

たとえば、want と hope の区別を問う問題は、入試にはまず出ない。

理由として、まず want は実は16世紀になって北欧からイギリスに伝わった語だと解明されています。それ以前は、wish が希望の意味であり、wishが 今の want や hope のような意味でした[2]。want は北欧の古ノルド語に由来する事が分かっています。

こういう風な、時代とともに単語の細かい意味が変わるので、なので類義語の区別を問うような出題は、入試では無いでしょう。

もし類義語の区別を問おうとする入試を出すと、出題者に要求される知識として、英語だけでなく北欧諸国の言語やドイツ・オランダなど周辺諸国の言語や、さらにそれらの地域の古語、加えてラテン語や古代ギリシア語までを把握する必要が生じてしまうので、大学側の英語科目の教授が過労死をしてしまいます。

ただし、区別を問わない形式にすれば、類義語も出題されうるかもしれません。

当wikiに、類義語をまとめた英単語の教科書があったと思いますが、あれはそのままの形では入試では出ないでしょう。あくまで参考程度に。

文法書にある単語や熟語は書き取り練習を1回しておく

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高校の文法参考書に使われている単語や熟語は、基本的には、重要度の高い単語・熟語です。

このような重要な単語・熟語は、定期テストや入試などでも、筆記問題として出題される可能性もけっこう高い。

なので、書き取り練習を、2回くらいで良いので行いましょう。1回でも良いかもしれません。

どうせ文法の学習時も、読んでるだけだと、頭がなれて、気が抜けてくるので、書き取りも気分転換に行いましょう。


文法教材では基本的に、例文の形で、単語・熟語を紹介していると思いますので、その例文ごと、2回くらいの書き取りを行えば、とりあえずは十分です。

たとえこの時点で、完全に覚えきらなくても、あとで単語集の練習や、熟語集の練習、さらには学校の授業などで、何度もその単語・熟語に出会いますので、2年生の終わりくらいまでに文法書にあるような重要語は覚えればよいのです。

もちろん、まずは文法を理解する事が先決です。しかし、学習して、ある程度は文法を理解したと思ったら、単語・熟語や例文の書き取り練習を忘れないようにしましょう。

完璧な文法理解はあきらめる

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背景

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高校では、中学英語の不正確な文法を、修正するような内容も習います。

しかし、だからといって、けっして完全にネイティブ級な英文法を目指してはいけません。高校生には無理です(大学生ですら無理だろう)。それこそ、米英生まれの人以外は、もう専業の英語教師みたいに大学卒業後に数年も勉強しないと到達できない水準の世界です。

なので、大学受験で要求される文法は、せいぜい、大学受験用のどの参考書にも書いてあるレベルの基本的な文法さえ理解できればいいのです。

そういう基本事項さえ押さえていれば、少しくらい文法が不正確でも、たぶん大学受験では多めに見てくれます。仮に多めに見てもらえなくても、もうそこまでの対策の時間は高校生にはありません。

じつは、受験参考書の文法解説すら、本当はまだまだ説明不足です。ですが、大学受験参考書を超える内容はもう、高校生には時間的には無理だし、数学など他の教科の勉強も必要なので、あきらめる必要があります。

これはつまり、大学受験の英作文でも、実は少しくらいマチガイがあっても良いのです。どの参考書にもある基本的な文法事項さえ押さえてあれば、少しくらい文法が間違っていても、大学は許容するでしょう。(もし許容しない大学があっても、英数学など英語以外の他教科の勉強を無視した大学なので、無視していい。なお、国公立の東京外国語大学では、受験生に数学を要求しています。)

日本人と外国人の立場を変えれば分かります。日本在住の外国人タレントとかで、もう十年以上の長いあいだ日本に住んでいる人ですら、ときどき文法ミスをしますし、日本語の発音も日本人とは少し違います。ですが、それを日本社会は許容します。

英語でも同じことです。向こうの国の人は、少しくらい日本人の英語の単語の並びや発音がヘンでも、話の内容がシッカリしていれば、聞いてくれます。

対策

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上記のような背景のため、大学受験対策の英文法の勉強としては、せいせい平均レベルの問題集をせいぜい2冊ほどクリアすれば十分です。せいぜい、複合問題とかを解ければ、充分でしょう。

もっと言うなら、英作文の入試問題の場合、文法がすこしくらい間違っていてもいいのです。どの教科書・参考書にも書いてある基本を学んだ形跡さえある英作文を書ければ、あとは意味が通じれば、たとえば英作文中で冠詞がすこしくらい抜けててもいい、もしくは余計な冠詞があっても良い(本来は冠詞をつけない名詞に a とか the とか書いてもいい)のです。(ただし、あくまで「意味が通じるなら」の条件つきです。冠詞を間違えると意味が通じない英作文の場合は、間違えてはいけません。)

英作文の問題なんて、せいぜい英作文の参考書を数冊と、あとは普通の英文法の参考書の内容を押さえておいて、一通り学んだ形跡さえあれば、あとはもう小さなミスは受け入れるしかありません。仮に入試でその文法ミスが減点されようが、もう対策の時間がありません。

たとえば、日本語訳に引っ張られて、英語では、その単語には使わない冠詞をつけくわえても、そういうミスはもう、受け入れるしかありません。「英語以外にも日本語の知識も多いがゆえに、間違えてしまう」という類のミスは、もう受け入れるしかないのです。

日本語の学力に限らず、数学の学力でも理科でも社会でも、他教科の学力が高いがゆえに発生しやすいミスは、受け入れるしかありません。仮にこういう知識の多さゆえのミスをひどく減点する採点者のいる大学があっても、そういう大学はあまり教育水準が高くないので、もう相手しないほうが良いです。

また、辞書や一部の参考書のコラムにしか書いてないような細かい文法はもう、いちいち覚えてられないので、間違えてもいいのです。

また、仮に文法にミスが無くても単語にミスがあれば英作文では減点されかねないので、単語を学ぶほうが重要です。

ともかく英作文では、けっして「小さなミスを避ける」という発想ではなく、「大きなミスをなくすために、小さなミスを許容する」という発想の転換のほうが重要でしょう。

大きなミスにつながりかねない、文型とか過去形・完了形とか仮定法とか関係詞とか、「もし間違えると、意味がまったく変わってしまったり、逆の意味になってしまいかねない」という、そういう単元を重点的に身に着ける必要があります。いっぽう、助動詞などの高校で習うような微妙なニュアンスの違いとかは(たとえば助動詞 will は、「明日は日曜日だ」みたいな確実な未来では使わないというニュアンスがある)、間違えても小さなミスですので、ある程度は小さなミスを英作文では妥協する必要があります。

英作文では、よほど簡単な文でない限り、ミスは無くせません。また、だいたい英作文を要求してくる大学は、そこそこの長さの英作文を要求してきます。よって、ミスをゼロにしようという発想では、ネイティブ以外では対処できません。

たとえば、英作文がまったく逆の意味に受け取られてしまうような大きなミスは、避けなければいけません。また、そもそも米英人に通じないような文章も、避けなければいけません。

しかし裏を返せば、英作文で少しくらいニュアンスが変わってしまっても、教科書レベルの文法をきちんと押さえていて、もとの和文の意味の90%くらいが通じるなら、ミスは受け入れざるを得ません。

大学入試も英検・TOEICも単語重視

文法の要求水準がそんなに高くないので、平均的な文法問題集をクリアしたら、そのあとは単語などを勉強したほうが良いと思います。

もし仮に、文法で難問を入試に出してくるブランド大学があったとしても、そういう大学は単語力も多く要求してくるでしょうから、文法の難問よりも単語力の増強に時間を当てたほうが良いでしょう。

英検など検定試験では、単語については大学受験を超える単語も要求されます。しかし文法については上述の通り、大学受験を超えるような文法理解は英検・TOEICですら要求されないです。世間の人は、そもそも受験参考書を超える文法知識の存在そのものを知らない人すらも多くいるくらいです。

参考書で勉強する

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高校英語の英文法の勉強は、検定教科書ではなく参考書で勉強するのが定石、基本です。

なので、まずは参考書を買い始めましょう。普通科高校なら、おそらく高校の入学時、検定教科書の購入と一緒に、参考書も買わされると思います。

もし大学受験を考えるなら、英文法の参考書を買わなければなりません。


とりあえず、下記に後述する網羅形式の本を持っていれば、ひとまずは安心でしょう。

高校英文法は例外も多い

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中学の英文法の教育では、規則的・論理的な文法事項だけが取り上げられたのですが、高校は違います。

このことからか、高校英語では英文法の参考書のスタンスがいくつか分かれています。


1. 例外的な事例にはあまり深入りせず、基本的な事項を重視したスタンス

2. 辞書的に、英文法のあらゆるパターンを網羅的に掲載したスタンス

があります。(実際にはこの中間の編集方針の参考書もあるが、説明の都合上、二極に単純化することにする。)


予備校系の講義形式をうたった参考書のいくつかや、高校英文法の入門書などの参考書のいくつかは、基礎的な重要事項を特に重視したスタンスです。(そのため、例外的な事項の説明は省かれているか、少なめです。)


いっぽう、高校にもよりますが、高校で配布されるような昔からの、いかめしい感じのする参考書は、辞書的・網羅的なスタンスの参考書です。


センター試験などを考えるなら、網羅的なスタンスの文法参考書を最終的には読んで覚えざるを得ません。

一応、網羅本だけでも受験対策は可能ですが、塾や予備校などに通ってない人や、高校の授業の質に不安のある人は、さらに基礎的な事項を重視したスタンスの文法参考書もあると良いかもしれません。

例えば理系の中堅私大などで、あまり例外的な文法事項を要求するとは思えません。

ただし、これは私大の場合の話です。国公立の志望の場合は、共通試験を対策せざるを得ず、そのため二次試験がどうなっていようが、その対策のために辞書的・網羅的な参考書を読まざるを得ません。

TOEICなどの資格試験が近年重視されており、大学でも私大などで推薦入試や自己推薦などでTOEICの成績を考慮する大学も多く、企業もTOEICを表向きには重視していますが、TOEICは文法教育における論理性や高校生の論理性の涵養に配慮する義務はありません。なので、この問題の逃げ場は、大学受験にはありません。TOEICが果たして本当に実用英語かどうかはともかく、世間一般で「実用英語」だろうとは言われています。

網羅本でも全部の構文は紹介していない

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例えば比較級の構文「A is B no more than C is D」は、ある参考書(網羅本)には紹介されていませんでした。

高校英語で習う構文は多いので、複合的な構文などは、網羅本といえども一冊の参考書では紹介しきれないのです。

もし英語だけしか学習しないので済むのであれば(実際は違いますが)、英文法の網羅本の参考書を2冊や3冊も読み比べることで自分にあった参考書を選べばいいですが、しかし他教科の勉強もあるので、そうはいきません。

悩みどころです。各自、うまく対応してください。

また、大学生・社会人向けの厚めの文法参考書でも、すべての構文が書いてあるわけではないです。例えば『ロイヤル英文法』という大人向けのやや専門的かつ高度な英文法参考書がありますが、「all the +比較級」の構文は書いてありませんでしたし、巻末の索引を調べてもありません。

だから、大人向けの文法参考書を読んだところで、この問題「網羅本でも全部の構文は紹介していない」は解決しないのです。


文法・語法問題集の構文を重点的に練習します。

「語法問題集」というのがあります。たいてい、文法問題集と一体となって「文法・語法問題集」となっている場合もあります。

この語法問題集に出てくる語法を、重点的に勉強する事になります。

時間配分

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文法の学習は当然に必要ですし、入試にも良く出ます。しかし、文法の学習にばかり時間を掛けてはなりません。

もし3000語の問題集が終わってなければ、文法問題集を長々とやりこむよりも、3000語を優先してください。

高校に入学すると、高校の範囲の文法事項を、おそらく学校や塾などで急に教わり始めるでしょう。それらの文法の新知識の学習も大事ですし、当然に学習するべき知識ですが、読者のみなさんは英単語の学習も欠かさないようにしてください。文法なんて覚えることも少ないし、大学受験をするなら最終的には大学受験のころにまで文法を覚えられれば良いのです。なので文法の難問を練習する時間があるなら、それよりも、まず先に単語を優先的に勉強して語彙力を増やしたほうが効率的でしょう。


覚えられるかはともかく、とりあえず頭を使いながら3000語の単語集を読んでいく勉強が終わるまでは(本気でやれば放課後・家庭での1か月で終わります)、問題集は お預け(おあづけ) です。そもそも、文法問題と語法問題が一体となった「語法問題集」というのがあり、どんな難度の語法問題集でも3000語を読み終わってないと、価値がありません。


また、入試の文法問題も、文法の知識だけで解ける問題は少なく、単語の知識や語法の知識などと組み合わせないと解けない問題なども、入試では、よく出題されやすいです。このため、文法・語法問題集をやる事になります。 この語法問題集は、どうあがいても3000語の単語集が読み終わってないと、使いこなせません。

このように単語の知識が、大学受験対策では優先的に必要なのです。


2010年以降なら、中学校で、すでに大まかな文法の枠組みは習っています。2022年では、仮定法すら中学校で習っているはずです。もはや高校で習うのは、無生物主語など若干の単元と、あとは仮定法過去完了だとか、現在完了進行形とかくらいです。

そういった合わせ技は、それほど熱心に勉強しなくても、入門的な問題集などで問題練習すれば、普通に習得できます。


のため、基本的に高校1年の段階では、受験レベルの文法問題集の本格的な取り組みは不要です。せいぜい、文法参考書などにある練習問題でも十分でしょう。

あるいは、もし学校配布などのワークブックで簡単な文法問題集をもらっていたら、それを練習するのも良いかもしれません。

その程度のサラっとした文法問題で、構いません。


あまり文法的に複雑な英文は、実務では出ません。仮定法過去完了とかは知識としては重要です。しかし、ぶっちゃけ、仮定法過去完了の問題の解き方を忘れても、単語力が十分にあればマーチ・四工大くらいなら合格します。

仮定法過去完了は、読めればいいのです。

英語長文にて、仮定法や過去完了の使われた長文は出ると思います。しかし、けっして、長文の文章すべてが仮定法過去完了なわけではないのです。

英語の実務文書で、仮定法過去完了ばかりの長文というのは、無いと思います。

仮定法過去完了とかああいうのは、出てきたときに読めればいいのです。読んだときに、「あ、仮定法だ。しかも過去完了だ」と分かればいいのです。

もし、入試の英作文などで、仮定法過去完了を超えるレベル(たとえば複合問題とかで、仮定法の他にも高校レベルの文法知識をいくつか要求するような問題)の文法の細かい知識を要求する出題をされたら、理系の人は、あきらめましょう。そんな細かい事まで対策してられません。数学など他教科の勉強も、理系志望には必要なのです。

文法参考書は2冊で十分

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文法参考書は、2冊も読めば十分です。そもそも、人によっては、高校でもらった1冊しか使わないで難関大(マーチ関関同立以上とする)に合格した人もいると思います(ただし進学校の場合)。

あまり文法参考書を何冊も読むよりも、

単語集
文法・語法問題集

を忘れないようにしましょう。

人によって、参考書の向き不向きが違うので、自分にとってのアタリの参考書を買うまで3冊くらい文法参考書を購入する可能性もあるかもしれませんが、べつに3冊も必要ではありません。

つまり、単語集とは違い、参考書を多く読んだからといって、文法力は伸びません。なぜこうなるかというと、単語集の場合は、1冊の本では受験範囲の単語をカバーしきれてませんが、しかし文法の場合は1冊でカバーしています。

これはつまり、文法参考書には、けっして「上級版」とか「難関大・二次レベル」とか、そういうのは基本的には無いのです。

どうしても入試のための文法力をもっと鍛えないなら、文法参考書を3冊も読むよりも、英文解釈の参考書を読むほうが、短時間で長文対策のステップとしての文法の復習も出来て、良いでしょう。

あるいは、やや時間が掛かりますが、文法・語法問題集をもう1冊やるとか、そっちに頭を使うほうが良いでしょう。

高校英文法は実は少しウソ知識

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高校生用の文法参考書は、高校標準レベルの参考書は、基本的には、中学英語の復習も兼ねています。

このため、普通なら、高校1年生は復習のためにわざわざ中学参考書を買いなおす必要はないです。

それよりも重要なこととして、実は高校英語の文法参考書には、不正確な知識があるという事です。中学英語が理解重視のため少し不正確でかなりひどいカタコト英語が中学生用の参考書・教科書にあるので、同様に高校の英文法も少しだけ不正確なウソの知識があるのです。

さて、単語集では基礎レベルの単語集の前半が、中学英語の復習を兼ねているように、実は高校英文法の参考書も、少なくない割と多くの部分が中学の復習や、中学で習った分類など理解の再構成を兼ねています。

単語集ほどではありませんが、高校の文法参考書でも、あまり序盤にある中学文法の復習の部分には、高校でも深入りする必要がないことが、上述の考察・市場調査などから分かります。

また、このことに気づけば、つまり単語以外の知識で、一部の参考書にしか紹介されていない細かい文法の理論的な知識は、入試対策としては覚える必要が低いことが導かれます。単語集だと、細かい発展的な単語も入試に出ますが、しかし文法書については事情が違います。高校英文法には、深入りせずに、広く浅く学ぶのが安全でしょう。

文法参考書に書いてある知識がそもそも初学者の理解しやすさを重視したためのウソ知識なのですから、むしろ、けっして鵜吞みにして深入りしてはイケナイのです。

ほか、使用頻度の少ない表現など、参考書によって説明が微妙に食い違っています。たとえば接続詞 lest は、ある参考書では、「文語的であり、あまり使われない」と主張する一方、他社の参考書では「(for fear よりも)頻度は lest のほうが高い」(ジーニアス)と主張していたりします。

こういうふうに、細かい表現の英米での利用状況には諸説あるので、あまり参考書を鵜呑みにしすぎないようにしましょう。

大学生向けの参考書は例文不足

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大学生むけの参考書は高校生向けのものと、用途がやや異なります。


高校生は、高校生向けをターゲット層にした一般の高校生向けの英文法参考書を中心に勉強しましょう。

細かなニュアンスの違いは覚えなくて良い

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受験勉強では、細かなニュアンスの暗記よりも、英単語をたくさん覚えなければなりません。また英語以外の国語や数学などの勉強も必要です。

参考書で勉強をする際、あまり細かなニュアンスの違いの暗記に入り込まないように注意してください。

実際、ある検定教科書でも、文法事項の類似表現などは、たとえば Would you ~? と Could you ~? などの依頼表現としてのニュアンスの違いは説明していません。せいぜい、 「Please と比べたらWould You および Could you は丁寧な言い回しである」という程度のニュアンスさえ把握できていれば大学受験レベルでは十分です。

参考書にはもしかしたらもっと細かいニュアンスの違いなどが書いてあるかもしれませんが、そういう詳細な情報はせいぜい参考程度にしましょう。

実は参考書でも、もう細かいニュアンスの違いは教えていない書籍も多くあります。

つまり、大学受験用の英語参考書には2種類あり、

ひとつは受験用に入試に出る最低限のことだけを教える参考書と、
もうひとつは細かいニュアンスの違いなども教える参考書と、

そういう2種類があります。

なお、上記とは別に英語研究者用の文法参考書がありますが、大学受験には全く対応していないので間違えて購入しないでください。


最低限のことを教える文法参考書の例として、ジーニアス英和辞典を出している大修館書店は高校生向けの文法参考書(『ジーニアス総合英語』)も出していますが、しかし文法参考書のほうでは辞書ほど細かいニュアンスの違いを説明していないのが現状です。

特に新共通試験(旧制度のセンター試験に相当)などの公共機関の試験や、英検・TOEICなどの資格試験では、細かいニュアンスを問う問題はまず出題が難しいでしょう。西暦2000年以降、国公立人気などでセンター試験や新共通試験の影響がどんどん強まっている影響も考えれば、文法学習であまり深入りニュアンスに深入りするメリットは残念ながら少ないのが現状だろうと思います。

それが英語教育として良いかどうか不明ですが、現在の大学入試の対策として要求される文法教育とはそういうものです。

基本構文などの細かなニュアンスの違いは、英会話などではそれなりに重要ですが、しかし入試や画一的な資格試験では英会話をそこまで細かく採点できないので、したがってニュアンスの違いに基づく使い分けもそれらの試験では出題されづらいことになります。新共通試験にリスニング試験はありますが、しかし実際に会話をさせる試験はありません。

裏を返せば、細かいニュアンスに深入りした文法参考書は、高校卒業後の英会話などの英語学習などのステップアップで使うのが効果的かもしれません。


高校の文法参考書の題名は、「文法」と書いてあるものを選んでもいいですが、2022年の書店で確認したところ『総合英語』と書かれている参考書も文法事項が中心的です。


各社ごとの注意

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参考書えらびの際に、高校1年生がたぶん勘違いしそうなことを、述べておく。

  • 大修館「ジーニアス」と数研出版「チャート式」の細かさ

大修館「ジーニアス」ブランドは、辞書では昔から細かい説明で有名であり進学校などではジーニアスの辞書が勧められるとの噂も昔からよくあります。ですが、しかし「ジーニアス」ブランドの文法参考書はあまり細かくありません。注意してください。

別に細かい文法参考書がいいだの悪いだのという話ではなく、ともかく、辞書のような細かさを「ジーニアス」文法参考書に期待してはいけません。用途が違います。

いっぽう、数研出版のチャート式の文法参考書のほうが、多くの構文が細かく網羅的・羅列的には書いてある傾向にあります。このため、1990年代の昔からよくチャート式の一番難しいバージョン(白・黄・青など色々バージョンがある)が進学校などでの参考書として配布されることもありました(かつては赤チャートが難しかったが、現代は赤が廃止され次点だった青チャートが一番難しいバージョンになっている)。

ただし、果たして2020年代の現代の入試にもチャート式が効果的かどうかは分かりません(会話重視・リスニング重視や単語重視など、入試の流行の変化もあるので)。


  • 文英堂「インスパイア」と学研の参考書の入門者対応

なお、かつて文英堂『シグマベスト』というシリーズが、1990年代~2001年くらいは高校入門レベルの参考書として定番だったが、現代はそもそも英語のシグマベストが無いのと(英語は『インスパイア』に変更)、しかし同社・文英堂の『インスパイア』は、難しめです。高校生むけの一般的な参考書のなかでは、たぶんインスパイアが一番情報量が多いと思います(青チャートよりもインスパイアのほうが説明が細かいです)。

暗記科目なので、難しくても、とりあえず読めますが、しかし『インスパイア』のレベルはやや受験レベルを少し超えている記述もチラホラあります。

なお、例えば理科など他教科でも『シグマベスト』は実は2010年以降の現代はなかなか発展的であり難しくなってきていて、情報も細かく羅列的である。90年代の当時とは『シグマベスト』の中身の難しさが違うので、参考書選びのさいには、けっして90年代のままの世間の大人たちの評価を鵜吞みにしないように注意。

背景として、90年代の昔は、英数理の参考書選びのパターンとして、「シグマベストで入門レベルをカバーして、チャート式で高度な事項を勉強」という有名パターンがありました(なお、国語と社会科のチャート式は参考書としては無い)。あるいは、「その教科が苦手ならシグマベストを選ぶ。その教科が得意ならチャート式を選ぶ。」のようなパターンが90年代にありました。

しかし、現代では シグマ + チャート のパターンが、もはや上述の出版事情の変化で通用しなくなってるので注意。

2010年台の今だと例えば学研が高校入門レベルの初等的な参考書の立場だが、90年代の昔、学研がまだ高校参考書にあまり参入しておらず(昔の学研は小中学校むけの教材ばかりがメインだった)、当時は文英堂のシグマベストが今の学研の高校参考書に近い立場だったという背景事情がある。

文法参考書の選びかた

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インターネットで参考書の形式やレベルなどを調べたり、または、教師や塾講師、チューター、同じ学生などからの評判なども参考にしながら、実際に書店で参考書の内容を閲覧するなどして選ぶといいだろう。

また、古本屋などで参考書を購入すると出費を抑えられる可能性がある。

中学英語は昔とカリキュラムが大幅に変わったので古本屋は論外だが、高校英語は昔から到達地点が同じままなので、文法学習はちょっとぐらい古い本でも特に問題ないかもしれないかもしれない。とりあえず、古本屋で英文法書を購入するなら、なるべく最近のものを購入したほうがいいだろう。

「大学英文法」とかそういうのは一般的には無い。文法は高校英語で、とりあえずゴールである。あとは単語や熟語を増やすのが、その後の道である。

英語教師などを目指す人のための細かい英文法理論書はあるが、高校生には必要ない。なお、書店によってはそういう教師向けの英文法理論書が高校英語コーナーに売っていたりするので、間違えて買わないように。わかった上で買うなら自己責任で。

高校の文法参考書はどういうものか

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「時事的な文法」とか無いので、もし改訂などあっても、あまり頻繁に買い換える必要は無い。

他のセクションでも言ってるかもしれないが、「大学英文法」と言うのはない。なので、文法において「大学教養レベルの先取り」とかは不要であるし、そもそも存在しないし、そういう教材もまず無い。

このことは、大学受験においては、つまり文法問題は、高校生向けのやや高レベルな参考書を習得できたら、それ以上は英語教師でも目指さないかぎりは、英文科向けのさらに高度な文法書には進む必要は無い、という事である。

英文科の学生などに向けた文法書は、あれは教師向けまたは研究者向けの参考書である。内容も、基本的には高校生向けの文法参考書に書いてある内容を、大学生または教師志望者などの視点やレベルに合わせて書き直した程度のものである。なのでともかく、受験生には不要である。

このことから、ゴールが明確に定まり、受験生向けのやや高度なレベルの参考書がゴールである。

そこから逆算すると、あまり多くの参考書を読み漁る必要はない。せいぜい、2冊読めば十分だろう。

高校1年レベルから分かりそうな易しめのレベルのものと、あとは少し難しめの感じのもう一冊で十分である。もしかしたらどちらか片方だけでも十分かもしれない。


また、説明を省略したが、前提として、高校の参考書は、学年別とかには売ってない(書店で実物を見れば分かると思うが)。

なので参考書での学習の際にも、いちいち学年ごとにペースを3等分とかして「私は1年生なので、参考書の前半の3分の1だけ読む」みたいなことはする必要は無いし、むしろ現代では3等分すべきでもない。

つまり、参考書は高校1年で購入したら、とりあえず、さっさと通読すべきである。現代の中学・高校のカリキュラムなら、文法参考書の通読は中学英文法の復習にもなるので、まずは通読しよう。

そして何回か通読したら、問題集などにチャレンジしたり、あるいは単語なども増やそう。


これがもし英語でなく数学の勉強法だったら、先の学年の内容を通読するよりも学校で習った単元の復習などを重視するのも手かもしれないが、しかし英語はあまりそういう単元ではない。

高校の授業や定期テストなどは、あれはあれで教育ノウハウが詰まっているので活用すればいいが、別にそれを活用したからといって文法参考書を通読できなくなるわけでもない。

それに塾などだと、参考書の後ろのほうにある無生物主語などを高校クラスでは1年で先に教える流儀もある。

参考書の最初のほうにある文型がどうのこうのと言った話は、どうせ塾の中学生クラスや中学参考書などでも既に教えている可能性があるので、塾の高校生クラスではそういうのはもう後回しにして、先に無生物主語や仮定法など参考書の後半の単元を教えるというパターンもある。家庭での自習などの際にはご参考に。

また、そもそも2年の終わりくらいから高校や塾などで全国模試などを次第に受け始めることを考えるなら、けっして高校3年間で学校の授業で文法を習うのを待つのではなく、自習によって高校2年の後半の段階までに一通り、高校生むけの単元である無生物主語やら仮定法過去完了やら分詞構文などを含めて、とりあえず文法参考書は全ページを通読は済ましておいて、加えて問題練習を軽くでいいのでしておくべきだろう。

そして、高校3年では模試なども活用して、問題練習で定着させていく、・・・という段取りである。

脚注

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  1. ^ (動画)井上逸兵・堀田隆一『may、must、canなどを法助動詞といいますが、法助動詞の「法」をこうやって考えるとおもしろくわかります。』, 2022/10/19
  2. ^ (動画)井上逸兵・堀田隆一『may、must、canなどを法助動詞といいますが、法助動詞の「法」をこうやって考えるとおもしろくわかります。』, 2022/10/19