小学校理科5学年では、小学校5年生の理科の学習をします。
植物のしくみ
編集ここでは、植物が成長するしくみを学びます。
発芽に必要なもの
編集植物の
発芽には、水分・空気・適当な温度が必要です。ひとつでも欠けていると発芽はしません。水は必要ですが、種が水の中だと空気がない (接していない) ので発芽をしません。水分は湿り気を帯びている程度が適切です。日光は、ほとんどの植物の発芽には必要ありません。まったく光のあたらない暗室(あんしつ)でも、湿り気・空気・適切な温度がそろっていれば、発芽をします。
デンプン
編集以下に説明される実験では、「ほうちょう(包丁)」を使う場合があります。包丁をつかうのは危険ですので、学校の授業のほかにはこの実験は行わないようお願いします。利用規約もお読みください。
ジャガイモもしくは米粒 (学校によりこれら以外の場合もある) を(包丁などで切った)切り口に、少しヨウ素液という液体を垂らすと、
また、じゃがいもの切り口からでる白い汁に少しヨウ素液をたらすと、青むらさき色になります。
2つの実験の結果は、
- 米粒
- ジャガイモの切り口
- ジャガイモの切り口から出る白い液体
の全てにデンプンが含まれていて、そのデンプンとヨウ素が反応したためです。このデンプンとヨウ素との反応を、ヨウ素デンプン反応といいます。このデンプンは、植物が成長するために植物が作った栄養です。
なお、ヨウ素液は、光にあたると性質が変化してしまうので、光があたらないように、茶色いビンに入っています。ヨウ素デンプン反応は、ある物にデンプンが含まれているか否かを調べるのに利用されます。
注意 ヨウ素液を飲むことは絶対におやめください。ヨウ素液をつけたものも、食べてはいけません。ヨウそ液をつけたイモは、もったいないですがゴミとして、処分してください。
成長と日光・養分
編集植物が発芽した後、日光に当てずにかげになる場所に置いていたり肥料をあたえなかったりすれば、しっかりとした植物はできません。
植物の成長には、発芽で必要だった水・空気・適当な温度のほかに、日光が必要になります。必ずしも必要ではないですが、肥料がくわえられると育ちがよくなります。鉢植えなどに植えられた植物は、肥料がないと外から土に栄養が流れ込まないので、植物の育ちがかなり悪くなります。
日当たりがわるいと、植物は緑色にはなりません。日当たりがないと、くきも細く、葉も小さいです。
花のつくり・花粉
編集花には、 '花びら'(はなびら) と、花びらの根本のほうにある緑色の先のいくつか別れた 'がく' があります。
アサガオでは、がくは5つに別れています。アブラナでは、がくは4枚です。
植物の種類によってちがいはあるものの、ほとんどの植物の花には、 花びら・がく・おしべ・めしべがあります。この4つを 花の4要素(はなのよんようそ)といいます。
ただし、カボチャの花では、おしべはお花にしかありませんし、めしべはめ花にしかありません。 カボチャのお花には、花びらや、がくがあります。カボチャのめ花には、「花びら」・「がく」・「子ぼう」があります。 このように、お花やめ花に分かれていてもがくはあります。
なお、カボチャのがくは5枚です。お花もめ花も、がくは5枚です。め花の子ぼうは、カボチャの実になります。 ヘチマも、花がお花とめ花に分かれています。お花のがくの下には、子ぼうがあります。ヘチマの子ぼうは、ヘチマの実になります。 カボチャ・ヘチマ・ヒョウタンは、ウリ科の植物です。
おしべのつくりとめしべのつくり
編集- おしべ
- おしべの先には、ふくらんだ物が付いています。これは花粉がつまっています。このおしべの先にある、花粉のふくろを、 'やく' という。「やく」のことを、「花粉ぶくろ」ということもあります。
- めしべ
- めしべは、 柱頭(ちゅうとう) と、 花柱(かちゅう) と、 子ぼう(しぼう) の3つの部分からなります。
- 柱頭(ちゅうとう)
- めしべの先にある、ふくらんだ部分です。おおくの植物では、柱頭にはねばねばとした液体がついています。この「ねばねば」は、花粉をつけやすくするためです。花粉が柱頭につくことを受粉(じゅふん)といいます。花粉は、おしべの先の「やく」から出るのでしたね。
- 子ぼう
- めしべの根元にある、ふくらんだ部分です。子ぼうは、受粉のあとに子ぼうが実(み)になります。「受粉」とは、柱頭の先に花粉がつくことでしたね。そして、花粉はおしべの先の「やく」から、出るのでしたね。
柱頭に花粉がつかないと、子ぼうは、実(み)になりません。
- 子房は植物によって、「花びら」や「がく」の上にある場合と、花びらの下にある場合があります。
- アサガオやアブラナでは、子ぼうは、花びらの上にあります。ヘチマやカボチャでは、子ぼうは花びらの下にあります。
- 花柱(かちゅう)
- 柱頭と子ぼうとのあいだの、やや細い部分です。
受粉(じゅふん)
編集めしべにある柱頭(ちゅうとう)に、花粉がつくことを 受粉(じゅふん) といいます。受粉をした花には、変化が起こります。柱頭いがいの場所についても、受粉ではありません。子房に花粉がついたのは、柱頭ではありません。子ぼうに花粉がついても、とくに変化は起きません。花柱(かちゅう)に花粉がついても、とくに変化は起きません。
受粉をして花に変化がおきるのは、柱頭(ちゅうとう)に花粉がついた場合だけです。だから、柱頭に花粉がついたばあいだけを、受粉(じゅふん)といいます。 柱頭はほとんどの植物では、柱頭は「ねばねば」していて、花粉がつきやすいようになっていることが多いです。
「子ぼう」の中には、「はいしゅ」(胚珠)があります。柱頭に花粉が付いて受粉をすると、やがて子ぼうがふくらんでいき、そして実(み)になります。実(み)のなかには、種(たね)があります。この種は、はいしゅだったものが変化したものです。
受粉のしかた
編集- 自家受粉(じかじゅふん)
- アサガオでは、おしべとめしべが同じ花にあります。このような花の場合、花が開くと、おしべの花粉が、めしべにふりかかります。このような仕組みの受粉を 自家受粉(じかじゅふん) といいます。自家受粉では、虫や鳥などの助けは、いりません。
- 自家受粉の例…アサガオ・イネ・エンドウなど
- 他家受粉(たかじゅふん)
- めしべの柱頭が、ほかの株(かぶ)の花のおしべから出た花粉と、受粉をすることです。花粉を運ぶ方法は、虫によって運ばせる方法や、風によって飛ばす方法などがあります。
- 多くの植物で、虫ばい花と風ばい花のどちらかが花粉の運び方ですが、植物のなかには、ほかの運び方で花粉を運ぶものもあります。水ばい花(すいばいか)や、鳥ばい花(ちょうばいか)がある。他家受粉にかんしては、水ばい花も、鳥ばい花も、他家受粉です。
- 虫ばい花
- 虫によって、はこばせる方法は、花のみつを吸いにきた虫に、花粉がつくようにする方法です。このような仕組みで花粉を虫にはこばせる花を、虫ばい花(ちゅうばいか、虫媒花)といいます。虫ばい花は、他家受粉にふくまれます。
- 虫ばい花は、花粉がねばねばしていることが多いです。これは、虫の体に花粉がつくうえで、つごうがいいです。また、虫ばい花の花の色や大きさは、目立つものが多いです。これは、虫にきづかれやすくするために、つごうがいいと考えられています。虫ばい花は、みつをだします。
- 虫ばい花の例…アブラナ・ヒマワリ・カボチャなど
- 風ばい花
- 風によって花粉を運ばせる方法の花を、 風ばい花(ふうばいか、風媒花) といいます。風ばい花は、他家受粉にふくまれます。花粉は、さらさらしていて、軽いものが多いです。これは、風に飛ばされやすくいほうがつごうがいい、と考えられています。
- 風ばい花は、花が目立ちません。風ばい花は、みつが少ないです。
- 風ばい花の例…スギ・イネ・マツ・トウモロコシ・ムギ・ススキ・ヤナギ など
- 水ばい花(すいばいか)
- 花粉を水に流させて、花粉をはこびます。この水ばい花は、水中に生えている植物でみられることがあります。
- 水ばい花の例…クロモ・キンギョモなど
- 鳥ばい花(ちょうばいか)
- 鳥の体に花粉をつけて、花粉をはこぶ花です。木に咲く花に多いです。冬ごろに咲く花が多いです。冬は虫がすくないので、虫をエサにしている鳥は、少ない虫のかわりに花のみつをすう場合があるのです。
- 鳥ばい花の例…ツバキ・サザンカ・ビワなど
- 人工受粉(じんこうじゅふん)
- 人間が手作業で、花粉をめしべの柱頭にくっつける受粉のしかたを、人工受粉(じんこうじゅふん)といいます。実を確実に作らせて収穫を多く得たい場合に、人工受粉が使われることが多いです。
-
虫ばい花の例:イチゴの花とミツバチ
-
風ばい花の例:スギのお花(おばな)とめ花
-
水ばい花の例:お花をつけたマツモ
-
みつをすう、シロアゴサファイアハチドリ
日本の天気
編集遠足の前の日は、天気が気になりますね。ここでは、天気の仕組みを学びます。
気温の変化については、小学校理科 4学年を参照してください。
雲と天気との関係
編集まず、「晴れ」や「くもり」とかの天気を表す用語を説明しましょう。
空をおおう雲の量の割り合いを、 雲量(うんりょう) といいます。空全体を10としたとき、どのくらい雲があるかによって雲量を決めます。
- 雲量が1以下の状態ので、雨や雪などの降ってない状態を 快晴(かいせい) といいます。
- 雲量が2から8のときを, 晴れ(はれ) といいます。
- 雲量が9以上だとくもり といいます。
-
快晴(雲量0)
-
晴れ
-
晴れ
-
くもりの空の例1
-
くもりの空の例2
気象観察
編集地球上の雲は、気象衛星(きしょうえいせい)という、人工衛星(じんこうえいせい)によって撮影されています。日本では気象衛星は、「ひまわり」という気象衛星が運用されています。
日本での天気予報は、気象衛星からの情報も参考にしますが、それだけではなく、日本各地の地上からの観測所からの情報も元にして、決められています。
日本には、アメダスという気象観測のシステムがあり、観測装置が日本国内各地の約1300ヶ所の気象観測所にあります。 気象観測の情報には、気象衛星やアメダスのほか、気象レーダーや海洋・海上気象観測や、などの情報があります。
これらの情報を元にして、気象庁は天気図や予報天気図を作成し、気象庁は天気予報を発表します。
天気の変化
編集日本の付近では、天気は西から東へと変わっていきます。 気象衛星の画像を見ると、雲のうごきは、南北方向の雲の動きについては季節などによってちがいますが、東西方向の動きについては、ほぼ、西から東のほうへと雲は移動します。
- 雲の種類
-
積雲(せきうん)。積雲の、雲の底は、平たい。モコモコしている雲。
-
積乱雲(せきらんうん)。俗に言う「入道雲」(にゅうどうぐも)。大雨や雷雨などの激しい気象を伴うことがある。
-
巻雲(けんうん)。俗称では「すじぐも」とも言われるように、すじ状の雲である。
-
巻積雲(けんせきうん)。「まだらぐも」ともいう。
季節と天気
編集季節によって天気の傾向が異なります。 日本の場合の季節ごとの天気の特ちょうを、気圧の仕組みとからめて、のべます。
- 春
ユーラシア大陸で発生した高気圧と低気圧が、偏西風により交互に西からやってきて、日本上空を高気圧と低気圧が交互におとずれます。このため、天気が3~4日ぐらいごとに周期的に変わりやすくなります。俗に三寒四温(さんかんしおん)などと呼ばれます。それぞれ、移動性高気圧(いどうせいこうきあつ)と温帯低気圧(おんたいていきあつ)と呼ばれます。高気圧の時に天気がよくあたたかく、低気圧の時に天気が悪くなります。
周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとあたたかくなっていきます。
- 梅雨
- 6月ごろに、雨の日が多くなります。また、雨の降る量も多いです。これを梅雨(「つゆ」、あるいは「ばいう」)といいます。
- この理由は、北側の冷たく湿った オホーツク海気団(オホーツクかい きだん) と、南側のあたたかく湿った太平洋側の 小笠原気団(おがさわらきだん)が日本付近でぶつかりあい、そこで気団が動きにくくなるからです。
- 気団の境界線のことを 前線(ぜんせん) といいますが、梅雨をもたらす両気団の境界線上の前線を 梅雨前線(ばいうぜんせん) といいます。衛星画像などの上空から雲の様子を見ると、東西にのびる雲で、雲に切れ目のなく、つながった雲が日本をおおっています。
- 俗に言う「梅雨明け」(つゆあけ)です。その結果、夏が近づきます。
- 夏
その結果、湿度と気温が高い、むしあつい日々が多くなります。なお、このような季節ごとの特ちょうのある風を 季節風(きせつふう)といいます。 夏は、晴れの日が多くなります。 また、強い日差しのため地面があたためられ上昇気流が発生しますが、上空ですぐに冷やされるので積乱雲(いわゆる入道雲)が発生しやすく、そのため、雨天時は大雨や雷雨になりやすいです。いわゆる夕立(ゆうだち)です。 気圧の配置は、南の気圧が高く、北の気圧が低い、南高北低(なんこうほくてい)です。
- 秋
秋の天気も3~4日ぐらいごとに、周期的に変わることが多いです。ユーラシア大陸の長江気団の影響です。 南の高気圧は弱まり、北の高気圧が強くなっていきます。梅雨には梅雨前線があったのと同様に、秋にも秋雨前線(あきさめぜんせん)により長雨がふることがあります。 また、9月ごろに台風(たいふう)という、つよい風雨が発生することが多いです。
周期的な天気の変化を繰り返すうちに、月日が立つにつれ、だんだんとさむくなっていきます。
- 台風(たいふう)
- 夏の終わりごろ、太平洋の洋上で、強い日差しのため、大量の水蒸気が蒸発し、積乱雲などをともなう熱帯低気圧(ねったいていきあつ)が太平洋上で発達します。この夏の終わりごろの、南方からおとずれる熱帯低気圧が、強い風雨を発生させることが多く、この強い風雨を 台風(たいふう) といいます。
- 台風は、風速が秒速で 17.2m/秒 をこえる風を発生させる低気圧を台風といいます。
- 台風は低気圧なので、ほかの低気圧と同様に、衛星から見た場合の風の向きは、反時計回りであり、雲は渦(うず)をまいています。台風の中心付近には雲がなく、中心では風も弱いです。この台風の中心の雲の少ない場所を台風の目(たいふうのめ)といいます。
- 台風の目のま下は、風が弱いです。その周辺では、台風の中心に近づくほど風や雨が強いのです。
-
宇宙から見た台風(平成16年,台風第18号)
-
日本の南にある3つの台風(平成18年,台風7,8,9号)。2006年8月7日。
-
台風の月別の主な経路
- 冬
北西からやってきたシベリア気団に、日本がおおわれます。北西からの季節風が強いです。日本海側と太平洋側で天気が違うことが多いです。日本海側では、くもりや雪がふりやすいです。いっぽう太平洋側では、雪を降らせ終わったあとの乾いた風が吹くので、乾燥した晴れの日が太平洋側では多いです。
魚の育ちかた
編集※注意 この節では、メダカの飼育方法を解説していますが、責任は取りません。詳しくはページ末にリンクのある免責事項について、お読みください。飼育は、読者の自己責任です。
この節では、メダカを例に魚の生まれ方を説明します。 メダカの生まれかたを観察するにあたっては、メダカを飼わないと(かわないと)観察のしようがありませんね。
メダカの飼いかた
編集メダカを飼う際は、次のような点に注意しましょう。
- 水槽(すいそう)の用意・扱い方
- 水槽の水は、水道水を用いる場合は、一日以上放置しといたくみおきの水が必要。決して出した直後の水道水を、そのまま使わないこと。水道水には、消毒用の薬品が入ってるので、くみおきをせずに水道水を直接あたえると、メダカを死なせてしまう。カルキ抜き(薬品を抜くもの。ホームセンターなどに売っている。)を使ってもよいでしょう。
- メダカを飼い続けると水が汚れてくるが、水を交換する時は、けっして一度には全部を交換せず、3分の一ぐらい、あるいは半分づつくみおきの水と交換する。一気に交換してしまうと、メダカがショック死してしまうことがある。
- 水槽の底には、水でよく洗った石や砂をしきつめておく。
- 水草を入れる。マツモやキンギョモなどの水草で良い。
- 水槽を置く場所は、日光が直接には当たらない明るい場所に水槽を置く。まったく日光が当たらないと、水草が光合成をせず、水中の酸素が作られないのでダメ。日光が直接当たると水温が高くなる。
- 魚の飼育用のヒーターが必要になる。また、水温を知るため、温度計が必要。
- メダカの世話の仕方
- 入れるメダカの性別は、オスとメスとを、だいたい3匹くらいずつは入れる。メスだけでも卵は生まれるが、子供が生まれるにはオスが必要になるため。
- エサはメダカ用のエサか、金魚用のエサで良い。エサは1日につき1回か2回与える。一度に与える量は、エサを残さない程度。エサが余ると、余ったエサがくさるので、余らせないようにする。このほか、ミジンコや小さなイトミミズを、メダカは食べる。
- 学校でメダカを飼育する場合、日曜日などの休日中もエサなどの世話をする必要があります。もし、連休などのあいだまったく世話をしないと、休み明けにメダカが死んでいる場合もありえます。学校の先生の指示に従って、休日中のエサやりなどは、対応してください。
メダカのからだ
編集メダカに限らず、動物は性別によって体の特ちょうがオスとメスとで異なります。メダカのオスとメスとで体の特ちょうの違いは、次のようなものがあります。
- 背びれと尻びれの形
- オスは背びれに切り込みがある。メスは背びれは切り込みがない。
- オスの尻びれは、尾に近づいても細くならず、平行四辺形のような形の尻びれである。
- メスの尻びれは、尾に近づくほど細くなる三角形のような形の尻びれである。
-
メダカ(メス)
-
メダカ(オス)
メダカの誕生
編集
メダカのメスは水温が20℃~25℃くらいになると、産卵をする。水温が低すぎたり、水温が高すぎたりすると、産卵をしない。季節で言えば、3月の春頃から、秋のはじめの9月頃である。観察実験は、この時期にあわせると行いやすい。 産卵したメスの尻(しり)のほうに、たまごが、いくつかついている。メダカのたまごは、透明で無色である。たまごの一個あたりの大きさは、だいたい直径が1.0mmから1.5mmくらいである。
このような小さなたまごが、だいたい5個から10個くらいついている。メダカのメスは、一度の産卵(さんらん)で、たまごを5個から10個くらいうむ。なお、尻(しり)からたまごが出るのではなく、尻とはべつに、たまごを出すための穴が、魚のメスにはついている。
オスがメスに並んで泳ぎよりそい、メスのたまごに精子(せいし)というものをふくんだ液をたまごにかけると、たまごに子供がやどる。 このような、オスから出る精子をふくんだ液を精液(せいえき)という。精液には、とても多くの精子がふくまれている。
もし、オスの精子がたまごにつかないと、たまごからは子供は生まれず、卵はそのままくさっていく。メスのたまごにオスの精子が、かかって、たまごに子がやどることを 受精(じゅせい) という。オスの種類とメスの種類が同じでないと、たまごに精子をかけても、たまごに子は宿らない。メダカのたまごに、メダカ以外の、たとえばイワシの精子をかけても、子はやどらず受精をしない。また、1個のたまごに受精できる精子の数は、ふつう1個だけである。(たまごが受精すると、それ以上はべつの精子が近づいても受精しないように、たまごが変わる。) ほとんどの精子は、受精はできず、そのまま水中で死んでしまう。
産卵が終わったら、メスは、たまごを水草にくっつける。
メダカのたまごには、長い毛が、たまごの一部から、数本出ている。この毛は付着毛(ふちゃくもう)と呼ばれる。 付着毛とは別に、短い毛がたまごに全体的に付いている。 たまごと別のたまごの付着毛どうしがからみつき、たまごどうしがまとまる。この付着毛をメスが水草にまきつけることで、たまごを水草に固定している。
たまごから、子がかえりやすい温度は、だいたい20℃から25℃までである。15℃くらいより低い温度だと、たまごがかえらず、死んでしまう。30℃くらいより高い温度でも、たまごが死んでしまう。
メダカのたまごのようす
編集- 受精したばかり…多くのあわのような粒が、全体的に散らばっている。
- 数時間後…あわの粒が、いっぽうに集まり、いくつかの大きな丸い物になる。また、よくみると、つぶの集まった側に対する反対側が、盛り上がっている。
- 3日後ぐらい…大きな丸いものが、より粒が少なくなり、くっきりとしてくる。
- 8日後ぐらい…心臓のようなものが動き始めてるのが見えて、血液が流れているのが見える。
- 11日後ぐらい…子メダカが、たまごからかえる。これがメダカのふ化である。
子メダカの形はヒレは見られないものの、頭から尾まである。また、腹にふくらんだ ふくろ がある。この腹のふくろには養分が入っている。生まれたばかりの子メダカは、このふくろから栄養をとる。ふくろのある子メダカに、エサをあげても食べない。 ふ化してから2日から3日ぶんくらいすると、ふくろが無くなり、子メダカはエサを食べるようになる。ふくろが小さくなった理由は、栄養として使われたからだと、考えられている。ふくろが無くなる頃には、体もふ化した直後よりかは、すこしだけ大きくなっている。
メダカは種類にもよるが、4ヶ月くらいで親になる。寿命は1~2年くらいである。
けんび鏡の使い方
編集顕微鏡のレンズには、接眼レンズと対物レンズの2種類が必要である。
顕微鏡の倍率は、
- 接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率
である。
たとえば接眼レンズの倍率が15倍であり、対物レンズの倍率が4倍なら、顕微鏡の倍率は60倍である。(15×4=60より)
一般に小中学校などで使うような形式の顕微鏡の倍率は、40倍から600倍までである。
ミジンコやミドリムシなど、いわゆる「微生物」と言われるものは、虫メガネなどでは倍率が小さすぎて確認できない場合が多い。微生物などは、顕微鏡以上で観察しよう。
- 手順
まず、プレパラートの用意が必要である。鏡筒上下式顕微鏡と、ステージ上下式顕微鏡のどちらとも、プレパラートが必要にななる。
小学校では、プレパラートのつくり方は、習わないかもしれません。その場合でも、学校の先生などがプレパラートを作成しているはずです。
このプレパラートの用意の方法を、つぎに説明します。
プレパラート
編集顕微鏡で観察する時は、プレパラートを使う必要がある。
うすい物しか観察できない。あつい物を観察したい場合は、うすい切片にする必要がある。
- スライドガラスの上に、観察したい対象を乗せる。必要に応じて、対象物に水をスポイトなどで1滴たらして、水分を補う。
- 柄付き針(えつきばり)やピンセットでカバーガラスを乗せ、このとき空気のあわが入らないようにする。
- カバーガラスから、はみでた水を、ろ紙で吸い取る。
- (※ 柄つき針を使ってる画像を募集中。だれか作ってください。)
一般的な顕微(けんび)鏡の使用手順
編集- まず、水平で直接日光の当たらない場所に、顕微鏡を置く。
- レンズを取り付ける時は、まずは接眼レンズを取り付け、次に対物レンズを取り付ける。この順番を逆にすると、もし鏡筒の内部にホコリなどが入ってしまうと、対物レンズの上にホコリが落ちてしまい邪魔になる。(外すときは、逆の順序である。対物レンズを外し、接眼レンズを外す。)
- 対物レンズを、もっとも低倍率の物にセットし、次に接眼レンズをのぞきながら、視野全体が明るく見えるように反射鏡と しぼり を調節する。
- プレパラートをステージの上に乗せクリップで固定し、顕微鏡を横から見ながら、なるべく対物レンズとプレパラートを近づける。ピント合わせは、まだ行わない。なるべく近づける理由は、ピント合わせを行うとき、レンズとプレパラートとを離す方向でピント合わせを行うことで、ぶつからないようにするためである。
- 接眼レンズをのぞきながら、ピント合わせのため、対物レンズとプレパラートを離していくように、調節ねじ をゆっくり回して調整する。
以上の手順で、観察を始められる。さらに高倍率で観察したい場合には、対物レンズをレボルバーを回して、高倍率の対物レンズに替える。
顕微鏡で見える像は、上下左右が反対に見える顕微鏡が普通である。なので、プレパラートを動かすと、像は反対方向に動いて見える。よって、プレパラートを動かしたい場合には、動かしたい方向とは反対の方向に動かす。
いきなり、高倍率の対物レンズで観察すると、視野がせまいので調整が難しくなる。そのため、まずは低倍率の対物レンズを使用する。 また、高倍率にするほど明るさは暗くなる。
動物の誕生(たんじょう)
編集魚などの場合
編集魚(たとえばメダカ)や両生類(たとえばカエル)などの水中の生き物では、メスがたまごを産卵したあとに、オスが精子をふくんだ精液(せいえき)を、たまごにかけることで、たまごが受精し、子がやどる。
精子の中には、父親の体のつくりかたの情報をもっている 遺伝子(いでんし) という物質がある。この精子のなかの遺伝子によって、父親の体の特ちょう(とくちょう)が、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。
卵のなかにも、母親の体のつくりかたの情報をもっている 遺伝子(いでんし) という物質がある。この卵のなかの遺伝子によって、母親の体の特ちょう(とくちょうが、こどもに受けつがれる(うけつがれる)。
こどもの特ちょう(とくちょう)は、父親からは精子のなかの遺伝子で、父親の特ちょうが子に受けつがれる。母親からは、母親の卵のなかの遺伝子で、母親の特ちょうが子に受けつがれる(うけつがれる)。
なので、子の体は、父親と母親の両方の特ちょうを受けつぐ。
魚では、母親が体外に出した卵に、オスが精子をふくんだ精液をかけるので、あった。
しかし、陸上の生物は、この方法では、受精できない。精子は水中は泳げるが、精子は空中を飛べない。
陸上生物では、魚とはちがった方法で、受精が行われる。
人の たんじょう
編集生き物のうまれる仕組みを説明した。きみたち小学生も、(きみたちの)お母さんから、うまれてきたのです。
女の人は、あかちゃん が、体の中にできると、おなか が 大きくなります。おなかの中で、こどもが、できはじめるのを、妊娠(にんしん)と言います。「妊婦(にんぷ)さん」というのは、妊娠してる女の人のことです。
また、おなかの中にいるときの赤んぼうのことを、胎児(たいじ)といいます。
そして、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、お母さんの体から、栄養(えいよう)をもらって、おなかの中の赤ちゃん(胎児)は、すくすくと育っていきます。おなかの中の赤ちゃんと、お母さんは、へそのおで、つながっています。
へそのおは、 赤ちゃんに、栄養を、おくっています。お母さんが、赤ちゃんに、栄養をおくっているのです。空気も、へそのおをとおして、お母さんから、もらっているので、赤ちゃんは ちっそく しないのです。
おなかの中で赤ちゃんが そだちはじめてから、10か月ほど すると、お母さんは、赤ちゃんを 体の外に出します。こうして、こどもは、うまれてくるのです。なお、お母さんが赤ちゃんを体の外に出すときのことを、出産(しゅっさん)といいます。
こどもを「妊娠(にんしん)する」ということは、とっても体が、くるしいのです。それは「つわり」といって、はきけ がするのです。
でも、妊娠していたころのお母さんは、こどもをうみたかったから、つわりのくるしさを、がまんしているのです。
さらに、こどもを産む直前は、とっても力いっぱい、ふんばる(踏ん張る)ので、(※ うんちをだすとき、ふんばりますよね? おんなじように、こどもを出すとき、ふんばるのです。)とっても、くるしいのです。この出産のときの踏ん張り(ふんばり)は、排便(はいべん)の時よりも、もっとすっごく、ふんばっているのです。なので、すっごく、痛い(いたい)のです。この出産のときの痛さを陣痛(じんつう)といいます。
ちなみに、へそのお は、子供が出てきたばかりのときは、まだ、つながっています。 出産したあと、へそのおを、ハサミで切るのです。
さらに、子供をうんだ後(あと)にも、子供をそだてるのも、すごく大変なのです。
赤んぼうが、母親のおっぱいから出る、母乳(ぼにゅう)を飲むのは、出産が終わったあとです。つまり、赤んぼうが、母親の体の外に出たあとになって、それからいろいろあって、赤んぼうは、母親から出る母乳を飲むのです。
赤んぼうが、おなかの中にいるときは、まだ、母乳を飲んでいません。
流れる水の力
編集- ※ この節では、川の流れのしくみについて説明しています。川や川の近くは、キケンな場所です。なので、小学生の読者のかたが、もし川を観察しに行く場合は、必ず保護者または先生に許可をとってから、保護者など大人の人といっしょに、川に出かけるようにしてください。けっして、子供どうしでは、あるいは一人では、川に出かけないでください。
川での実験や観測は、読者の自己責任(じこせきにん)です。
ウィキブックスには免責事項(めんせきじこう)があり、万が一、読者が水難事故にあわれても、ウィキブックスの一同は一切の責任は取りません。ページ末の免責事項についても、お読みください。
川の周りには石が転がっていますね。それは、川の流れにのって石が運ばれてくるからです。
ここでは、流れる水の影響を学びます。
流れる水のはたらき
編集流れる水は、土や砂などを、おしながす・けずりとる・つもらせるの三つのはたらきがあり、頭文字をとってサルのおけつと覚えることができます。
たとえば雨が降った日の水たまりなどをみると、最初は水がたまっていくだけですが、そのうち、水たまりから水があふれて、高いところから低いところに流れていき、とても小さな川のようになります。また、水たまりがいくつもあるので、小さな川もつながっていき、水たまりだったところも、いくつかつながっていきます。 雨が上がってから、水が流れていた水たまりからつくられた小さな流れのあった場所を見ると分かるのですが、流れのあたっところが、けずりとられて、くぼんでいきます。
雨の日の、土の上に出きた水たまりや水の流れなどでは、水が土をけずりとっているので、水はちゃいろく、にごっています。
流れていった雨水や、水たまりにあった水は、そのあと、どこへ行くかというと、地下にしみこんで行ったり、あるいは、溝などに流れこんだりします。
雨の日の水たまりからも、「おしながす・けずりとる・つもらせる」の三つの作用が確認できます。 流れる水が地面を、けずり取る作用を しん食(しんしょく、侵食) と言います。
けずり取られた土や砂は、そのまま流れによって下流へと運ばれていきますが、この運ぶ作用を運ぱん(うんぱん、運搬)といいます。
この運ぱんは、水の流れが速いほど、大きな物が運べるようになります。水の流れがおそい場所では、運べなくなるので、その場所に、運んできた物が、たまっていきます。この、流れがおそい場所に、物がたまる作用を たい積(たいせき、堆積) と言います。算数で習う「体積」ではありません。
けずる作用も運ぶ作用も、流れが速いほど、強くなります。
川の様子と地形
編集川の中での砂や石は、大きさや重さによって、流され方が、ちがう。砂と石なら、砂のほうが流されやすい。このように、つぶが小さな物ほど、ながされやすい。
ねん土(ねんど、粘土)は、つぶ自体は細かいので、かわいた粘土や、固まっていない粘土は、流されやすいです。
石でも、小石と大きな石だったら、小さい石ほど流されやすいです。
川には、曲がっているところがある場合もあります。曲がっている川では、外側ほど流れが速く、内側は流れがおそいです。
このため、外側は、しん食によってけずられるので、がけのように水深が深くなっています。いっぽう、内側は、たい積によって、石や砂や粘土がつもっています。このようにして、川の曲がりの内側では、川原(かわら)<「河原」ということもあります。>ができやすいです。
- 上流
川に限らず、流れている物について、流れが始まっている場所を 上流(じょうりゅう) と言います。 たとえば、山から低地へと流れている川だったら、川の上流は、山のほうにあります。
日本の場合、ふつうの川では、川の上流へと、たどっていけば、もっとも上流の場所は、山地です。
このため、川の上流は、かたむきが急で、流れが速いです。水の量は、下流と比べて、上流は少ないです。
上流にある石は、角ばった石が多いです。石は、下流へと近づくに連れて、流れの途中に、石どうしでぶつかったりして、かどが削り取られて丸く小さくなっていきますが、上流ではまだ削られてはいないので、石は角張っていて大きいです。
V字谷 という地形ができやすい。
- 中流
川が、山から平地に出たあたりを川の中流(ちゅうりゅう)と言います。 中流にある石は、丸まった石が多いです。これは運ぱんのさい中に、石のかどが、石どうしでぶつかったりして、削り取られているからです。 中流での石の大きさも、上流よりかは小さいのが、ふつうです。
また、中流では流れが、ゆるやかになるので、たい積作用も見られやすく、川原がある場合もあります。
川が山地から平地に出た地域の周辺では、土砂などが山側を中心に平地側へ扇状に広がって、たい積した 扇状地(せんじょうち) という地形ができやすいです。
- 下流
下流では、流れが遅くなり、たい積作用が強まります。また下流での石は、小さく丸い石が多いです。 下流に近づくほど、水量は多くなり、川幅(かわはば)もひろくなります。
川の水量が増えると
編集もののとけ方
編集コップの水に塩をいれてみます。食塩は見えなくなってしまいました。食塩はなくなってしまったのでしょうか。
- ここでは、コップに入れたものがどうなったのかなどを学びます。
- 水溶液(すいようえき)
水は、食塩(しょくえん)や、砂糖(さとう)などを、溶かせます(とかせます)。 砂糖(さとう)とは、なめると、あまいあじのする、あの「さとう」のことです。
「水に溶ける」というのは、食塩を水に入れて、かきまぜると、目に見えなくなります。
物(もの)によっては、水に溶けない物もあります。水に木をいれても、木はとけません。鉄や銅などの金属を水に入れても、溶けません。 (木や金属を入れた水は、けっして、飲まないでください。)
実験は、無理してしなくてもいいです。
このように、物がとけた水のことを、 水溶液(すいようえき) といいます。
食塩が溶けた水は、食塩の水溶液です。砂糖が溶けた水は、砂糖の水溶液です。
ともかく、水は、塩や砂糖などを、とかせます。
食塩(しょくえん)がとけた水(みず)のことを、 食塩水(しょくえんすい) といいます。
海の水が、しょっぱいのは、海の水の中に、食塩が、とけているからです。 なお、海の水のことを海水(かいすい)と、いいます。
水に、物を溶かしたら、その溶かした量の重さだけ、水溶液(すいようえき)は、重くなります。 たとえば、500グラムのなにも溶かしていない水に、これから20gの食塩を、溶かしたとしましょう。すると、食塩水の重さは、全部で520gになります。この増えた20gのぶんは、溶かした塩の重さと同じですね。
溶かしたものは、べつに、消えてなくなったわけではありません。消えたのではなく、人間の目には見えなくなったというだけです。
また、水に、物を溶かしても、水溶液の体積(たいせき)は、ほとんど変わりません。
体積が一定の水は、塩や砂糖など、溶かせる物の量(りょう)に、かぎりがあります。
水に、これ以上は、物が溶けなくなったことを、「水が、 ほうわ(飽和) した。」というふうにいいます。
水溶液は、透明(「とうめい」、・・・すきとおっている、ということ。)色がついていても、すきとおっていれば透明です。
水溶液の、温度があまり変わらなければ、長い時間がたっても、水溶液は、透明のままです。
水よう液にとけた物を、ろ紙にとおすと、水と一緒に、溶けたものも、ろ紙(ろし)を通ります。水に、とけていない物は、ろ紙を、とおりません。
水に多くの物が混ざって(まざって)いるとき、このように、ろ紙をもちいて、水に溶けている物と、水に解けていない物とを、分けることができます。この、ろ紙を用いて、水に溶けたものだけをふくんだ水を作り出すことを、 ろ過(ろか) といいます。
ろ過の方法については、学校の教科書などを読んで、調べてください。
ものを水にとかせる、物の量
編集水に溶かせる物の量(りょう)は、水の量が多いほど、溶かせる物の量も多くなります。 水の量を2倍にすれば、とける食塩の量も2倍になります。
とかされる物の種類によって、水の量が同じでも、溶ける物の量は、かわります。 たとえば、20℃の、なにもとかしていない水100gがあったとします。これに、砂糖(さとう)は200gくらいまで、とけます。
おなじ量の、20℃のまだ、なにもとかしていない水100gには、塩はこれから37gくらいまで、とけます。
また、水の温度が高いほど、ほとんどの物質で、水に溶かせる物の量は増えます。
溶かすものによって、温度を高くした時の、溶かせる量の増え方には、ちがいがあります。
食塩は、水の温度を高くしても、溶ける量は増えるのですが、温度を高くしても、食塩の溶ける量が、あまり多くは増えまえん。
砂糖(さとう)や、ホウ酸(ホウさん)は、温度を上げると、水に溶ける量は、大きく増えます。
石灰水(せっかいすい)というものにふくまれている、水酸化カルシウム(すいさんかカルシウム)は、温度を上げると、逆に、水に溶ける量がへります。
ある物体の、一定の量の水に、とける量の限度を 溶解度(ようかいど) といいます。
温度(℃) | 0 | 20 | 40 | 60 | 80 | 100 |
---|---|---|---|---|---|---|
砂糖 | 179 | 204 | 238 | 287 | 362 | 485 |
塩化ナトリウム (食塩) |
35.6 | 35.8 | 36.3 | 37.1 | 38.0 | 39.3 |
硝酸カリウム | 13.3 | 31.6 | 63.9 | 110 | 169 | 246 |
ホウ酸 | 2.7 | 5.0 | 8.7 | 14.8 | 23.6 | 40.3 |
硫酸銅 | 14.3 | 20.7 | 28.5 | 40.0 | 55.0 | 75.4 |
水酸化カルシウム | 0.14 | 0.13 | 0.11 | 0.09 | 0.07 | 0.05 |
ホウ酸や、水酸化カルシウムをとかした水溶液も、純水ではありません。
とかしたものを取り出す
編集- ※ この分野では、火を使います。あぶないので、小学生は、家庭では、実験しないでください。この分野の実験は、学校の理科の授業で、おこなってください。
ろ紙を使った「ろ過」(ろか)によって、水にとけていないものは、水からは、取り出すことができます。 しかし、水に溶けたものは、とりだすことができません。ろ過して、つくった液体は、水溶液であって、純水ではありません。
では、水溶液から、溶けた物を取り出すのは、どうすればいいのでしょうか。方法は、いろいろとありますが、ここでは、蒸発(じょうはつ)をつかった方法を、教えます。蒸発(じょうはつ)については、小学校4年で教えているので、分からなかったら、読み返してください。
食塩水から、食塩を取り出す方法を説明します。
水は、100℃にすると、沸騰(ふっとう)して、水が水蒸気(すいじょうき)になって、たくさん蒸発(じょうはつ)します。
蒸発皿(じょうはつざら)の中の水を熱して、100℃くらいにして、蒸発させれば、蒸発によって、蒸発皿の中の水は、水蒸気になって、外に出ていきます。しかし、水に溶けた食塩は、出て行きません。 だから、蒸発皿の中に、食塩が、のこります。
食塩水だけではなく、ホウ酸(ホウさん)の場合も、蒸発によって、水溶液から取り出すことができます。
蒸発(じょうはつ)というのは、なにも、100℃くらいで沸騰させなくても、それよりひくい温度でも、おこるのでしたよね。 洗濯物(せんたくもの)が、かわくのも、蒸発(じょうはつ)でしたね。
- 塩田
海の水には、食塩が、溶けていましたね。
だったら、海の水を、あたたかい日に、日光で蒸発させれば、海水から食塩が、多く、手に入ります。 このように、海水を蒸発させて食塩を手に入れるための場所を 塩田(えんでん) といいます。
- 結晶(けっしょう)
食塩水を、蒸発皿で蒸発させると、皿の中に、白い、つぶつぶが、のこります。 この白いつぶつぶは食塩です。蒸発皿を、さましてから、この蒸発皿にのこった、食塩の白いつぶつぶを顕微鏡で見ると、四角い立方体のような形をしていて、透明です。
このように、水溶液から、液体を蒸発させて、とりだした固体は、規則ただしい形をしています。この顕微鏡で見られる規則ただしい形の固体を、 結晶(けっしょう) と言います。
結晶の形は、物の種類によって、ちがってきます。食塩の結晶と、ミョウバンの結晶は、べつの形です。
結晶の写真については、教科書や参考書や、ほかのウェブサイトを、参考にしてください。
顕微鏡のつかいかたについては、学校で、習ってください。
ふりこのはたらき
編集ふりことおもりの重さ・ふれはば
編集おもりを糸につけて横にふると、規則的(きそくてき)な動きかたをします。'ふりこ'とは、おもりに糸をつけて、左右にふらしたものです。ここでは、ふりこについて学びましょう。
- ふりこの長さ
糸をまっすぐのばしたときの、支点と重りのあいだの長さを、ふりこの長さといいます。(
ふりこの左右のふれはば(振れ幅)は、左右で同じになります。ふりこの左右の高さも、左右で同じになります。 ふれはばの大きさを表す時は、きょり(距離)で表す場合と、角度であらわす場合があります。
ふりこの速さを見ると分かるとおもいますが、ふれ(振れ)の、はじっこにちかづくほど、おそくなります。そして、はじっこに到達すると、こんどは反対方向に動きだします。ふりこのふれ(振れ)のまんなかにちかづくほど、動きがはやくなっています。まんなかでは、いちばん、速い(はやい)です。
- ふれの、はじっこでは、うごきが、おそい。
- ふれの、まんなかでは、うごきが、はやい。
- ふりこの等時性
じつは、ふりこの重さをかえても、もし、同じ糸をつかっていて、ふりこの長さがおなじなら、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。
また、ふれはばを10度や20度に かえても、ふりこの往復にかかる時間は、かわりません。
じっけんで時間をはかるときは、1回ごとに往復時間をはかるのは、大変です。なので、ふりこが10回、往復するのにかかった時間をはかって、その時間を10でわるのが、ふつうです。
また、ふれはばを大きくして、往復の時間をはかっても、ふりこの1往復あたりの時間は、変わりません。文章で読んでもわかりづらいとおもいますが、実験すると、分かるかと思います。理科の授業などで、ふりこの実験があると思います。ふりこの実験で往復時間をはかる道具には、ストップウォッチをつかうかもしれません。
いっぽう、ふりこの長さを変えて、往復にかかる時間をはかると、時間が変わります。実験すると、分かるかと思います。
(
実験事実をまとめると、
- 重さは、往復時間には、関係しない。
- ふれはばが小さいとき、ふれはばは、往復時間には関係しない。
- ふりこの長さが、往復時間には、関係する。
このことを、 ふりこの等時性(とうじせい) といいます。
ふりこのこのような性質を利用した時計があります。「ふりこ時計」(ふりこどけい)といいます。 ふりこ時計は1657年に、ホイヘンスという科学者によって発明されました。
電流が生み出す磁力
編集結論から言おう。じつは、電流のまわりには、磁石のような「磁力」が、発生しているのである。ウソだと思うなら、理科の実験で使うような電気回路を、乾電池や導線や豆電球でつくってみて、導線に方位磁針を近づけて見ればいい。 ただし、電流が小さいと、磁力が小さいので、磁力が、はっきりしないことがある。
電気の作る磁力を強くするには、鉄の棒(ぼう)に、導線をクルクルと何重にも、まきつけます。巻きつけられる金属の棒は、鉄のような磁気をおびる金ぞくでないと、ダメです。銅(ぼう)の棒では、磁化(じか)をしないので、ダメです。アルミニウムの棒も、磁化をしないので、ダメです。
このように、磁化をすることのできる金属のぼうに、導線をまきつけたものを、コイルと言います。 このコイルは、電気を流すと、磁石のように磁力を発生するので、電磁石(でんじしゃく)といいます。
- 電磁石の性質
電磁石が磁力を発生するのは、電気を流しているあいだだけです。回路のスイッチを切ったり、電池をはずしたりして、電気を止めると、電磁石は、磁力をもたなくなります。
電磁石にも、N極と、S極があります。電磁石でも、同じ極どうしは、反発し合います。電磁石でも、違う極どうしは、引きつけ合います。
- 電磁石を強くする
電磁石のコイルは、まんなかの鉄の棒が無くても、電気を流せば、コイルは電磁石になります。ですが、鉄の棒が入ってないと、磁力は弱くなります。なので、ふつうの電磁石は、鉄の棒を入れていることが多いです。
電磁石のコイルにいれる鉄の棒のことを、しん(芯)といいます。
コイルの、導線をまく回数をふやしたら、どうなるでしょうか。 20回だけ導線をまいた電磁石と、50回だけ導線をまいた電磁石では、どちらが、磁力が強いでしょうか。
じつは,導線をまいた回数が多くなるほど、電磁石の磁力は、強くなります。 電磁石のコイルは、導線の巻き数(まきすう)が多くなるほど、電磁石の磁力も、つよくなります。
また、電流が大きくなるほど、電磁石の磁力も大きくなります。たとえば、2つの乾電池を直列つなぎにして、1個の電磁石につなげると、1個の乾電池しか使っていない時よりも、電磁石の磁力は強くなります。