恩赦法第11条
条文
編集(恩赦と既成の効果)
- 第11条
- 有罪の言渡に基く既成の効果は、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権によつて変更されることはない。
翻訳
編集(Pardons and Existing Impact)[1]
- Article 11
- The existing impact from a pronouncement of guilt is not altered by a general pardon, special pardon, commutation of sentence, exemption from execution of a sentence, or restoration of rights.
旧恩赦令
編集- 第11条[2]
- 刑ノ言渡ニ基ク既成ノ効果ハ大赦、特赦、減刑又ハ復権ニ因リ変更セラルルコトナシ
解説
編集本条は、恩赦の効果は将来に向って生ずるものであり、有罪の言渡しに基づいて既に生じた効果については、たとえその罪が恩赦の対象となるものであっても遡及してその効果が変更されるものではないことを規定している。
たとえば、公職選挙法違反により選挙権や被選挙権を喪失した者が、その後にその者のその罪が恩赦の対象となったとしても、有罪が確定した日から恩赦の日までの期間に選挙権や被選挙権を有していたことにはならない。
判例
編集- 最高裁判所第二小法廷判決、昭和28年12月4日、昭和28年(オ)第650号、『県会議員当選無効異議棄却決定取消請求』、最高裁判所民事判例集7巻12号1375頁。* 最高裁判所第二小法廷判決、昭和37年2月2日、昭和33年(オ)第1102号、『退隠料等請求』、最高裁判所民事判例集16巻2号178頁。
- 最高裁判所第三小法廷判決、昭和39年12月15日、昭和39年(あ)第1850号、『職業安定法違反』、最高裁判所裁判集刑事153号687頁。
参照条文
編集- 恩赦法第9条(復権)
脚注
編集- ^ “恩赦法”. 日本法令外国語訳DBシステム. 法務省. 2024年12月8日閲覧。
- ^ “恩赦令・御署名原本・大正元年・勅令第二十三号”. 国立公文書館デジタルアーカイブ. 国立公文書館. 2024年12月7日閲覧。
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