人間環境科学・健康福祉科学・人間情報科学の3学科を擁し、環境学や社会学、臨床心理学、人工知能(AI)、脳科学、プログラミングまでのリベラルアーツな(学際的に人間を科学する)学問に取り組める学部であり、慶應SFC(特に環境情報学部)に近い雰囲気を持っている。 人間科学部の学生は4年間所沢キャンパスを本部とすることになる。なお、所属学科に関係なく講義を履修することができ、ゼミ選考においても2017年度より学科枠制度が廃止されたため、大学受験時における学科選択の意義には疑問が残る。そのため合格最低点の最も低い学科を受験することを勧める。 入試の特徴としては ①文系・理系受験の両方が可能。 ②理系併願の特徴として意外に理工・教育学部との併願関係が強い。これは理工・教育学部受験者は一般入試で数学・理科受験できることに加え、理工・教育・人間科学部いずれも難関国立大受験者に併願しやすい問題レベル(英・数・理の3科目受験では私大最高峰)となっていることによるものと思われる。 ③どの科目も難易度は早大の中では標準的だが(しかし受験者レベルは高いため合格するにはどの教科でも高得点を獲得する必要がある。)問題の制限時間が厳しく、早大の中でも非常にシビアな時間設定となっているため、一科目でも取りこぼしがあると当学部の合格は難しい。

一般入試

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全体 学科にもよるが合計7割あれば合格できるだろう。英語が難しく、さらに国語がやや難で差がつかないため、選択科目で差をつける必要がある。

英語(90分/50点) 大問一が中文客観式問題8題、二は適当な前置詞を選択させ、三では文法的な誤りを五択で指摘させるというのが傾向である。現在の出題形態は1991年以降一貫しており今後も変化はないと思われる。問一(読解)は平易な反面、問二(前置詞)は対策がしづらく、入らない場合もあり、問三(正誤問題)は近年やや易化傾向にあるとはいえ訂正の必要無しの場合もある為、高得点を狙うことが難しい。勉強次第で読解は高得点を取ることもできるため、どうしても人間科学部に行きたい受験生は長文読解の勉強に重点を置き、問二はハイレベル熟語集の問題を確実にとれるようにすべきである。問三は対策に労力がかかる割に配点が低いので時間をかけてはいけない。従って大問一をいかに得点するかが合否の分かれ目となる。実際の合格者も読解で点を稼ぎ大問二、三は半分ぐらいしかとれていないという声が大半である。TOEFLの問題形式と非常に似ており、問題量が非常に多い(2000〜2500語)ので、速読力を養う必要もある。また、人間科学部という学際的な性質上、文理を問わずあらゆる分野の問題(医学系や生物系も多い)が出題されるので、語彙(特に名詞)の難易度は高い。また社会科学部の問題も時事英文から出題されるので受験しなくとも問題だけは解いてみるとよいであろう。成績標準化を考慮すると、36〜37点程取れると合格に近づくはずだ。

国語(60分/50点) 他の学部に比べ、少し難易度は高めとなっている。人科志望者ならば過去問を解いてみて、本文の主旨をきちんと読み込めたと思えるくらいの実力は要求される。人科合格者の決まり文句は「英語が難しくて、国語は普通。」である。国語が得意な人も苦手な人も対策次第で勝負の行方は変動する。現代文などでは簡単〜標準問題は確実に取ろう。古文対策として古典単語、古典常識、文法(助動詞、敬語、識別、接続条件等)を完璧にしておきたい。近年漢文も難化しているため、対策を怠ることは禁物である。おそらく合格点は7割くらいだろう。

日本史(60分/50点) 早大の中では標準レベル。NO ERRORや2つ選べのような独特の形式が出されるが、そういう問題は総じて教科書レベルなのでそこで立ち止まってはいけない。分野に関してはまんべんなく出されるが、一度出てきたところを数年間続けて出すという傾向がある。なお、最後のテーマ史はマイナーなものが多数出されるが、テレビの雑学や講師の雑談から的中される内容のものも多いので色々な話を知っておいた方がいいだろう。ちなみに50問を超える問題が出されることが多いが[(自分の点数/問題数)×X=自分の点数/50]という風に計算されている。人間科学部の問題は良問が多いため、この学部を受けない受験生にとっても演習価値はある。

世界史(60分/50点) 早大の中では標準レベル。ということは早大対策をしっかりと行ったものには解きやすいが、それ以外にはかなり難しい内容だという事である。問題量は多い。2004年には大学入試では珍しい先史時代に関する出題があった。これは人間科学部という学部のポリシーからなされたのだろう。現代史の難易度もなかなかのもので、総じて教科書レベルでは歯が立たないというのが現状であろう。ただし平均点が高いので、高得点が必要である。

政経(60分/50点) 早大の中ではやや難レベル。常軌を逸した知識レベルを要求する奇問・珍問・悪問と、通常レベルの問題が同居する。世界史や日本史、地理の知識を必要とする問題がほとんどであるが、元来政経という教科に関して言えば、他学部を含めた早稲田大学の入試問題は教科書・用語集を覚えたからと言って解答出来るものではない。人間科学部は特にその傾向が顕著である。対策としては常日頃から国際関係、政治紛争、民族問題等のニュースをチェックすることが重要。また、その年の経済白書も是非目を通して頂きたい。過去には計算問題が出されたこともあるため、その対策も必要である。

数学(文系<A方式>・理系<B方式> 何れも60分/50点) 早大の中では標準的なレベルの問題が出題される。「チャート式基礎からの数学 青」レベルの網羅系参考書の基本例題及び重要例題を全て解けるようにし、補充用問題集として「大学への数学 一対一対応の演習」に取り組むのがよい。そのうえ過去問をじっくりやりこめば対策としては十分である。ここまでできれば見たことの無い問題は皆無またはほとんど皆無のレベルに達し、得点は8割をとれるようになる。早稲田数学の特徴は、その年だけでは全分野の力は試されないが、各年度を通してみると、全分野にわたって問題が作成されていることだ。そのため、苦手分野をそのままにしてはならない。どの分野が出題されても満足に得点できる力が求められる。尚、文系(A方式)は「三角関数」が頻出。理系(B方式)は「微分・積分」が頻出、数Ⅲ範囲の典型問題が中心となるが、回転体の求積や極限も頻出となっている。

物理(60分/50点) 例年、大問3題が出題されており、試験時間は60分で、全問選択肢の多いマーク式である。「力学」「電磁気学」が必出である。大学受験レベルとしては標準的な難易度で、理工学部と比較すると非常に平易な内容になっている。

化学(60分/50点) 大問6~7題と、制限時間60分に対し、問題量は多い。全問マーク式である。化学ⅠⅡの全範囲から標準的な難易度の問題が幅広く出題される。理工学部と比較すると非常に平易な内容になっている。

生物(60分/50点) 大問5題と、制限時間に対し、問題量は多い。 全問マーク式で、選択肢には、近接した数値が並んでいる。動物の反応、タンパク質と生物体、生物の集団、分類・進化の出題頻度が比較的高く、全体的にグラフを利用した問題や、正文・誤文選択問題、ヒトに関連する標準的な問題が多い。

センター試験利用方式

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6科目のセンター試験の成績のみで判定する。因みに、2017年度入試のボーダーは88~90%である。